24/04/14 17:12:51.84 XNpw4Y6l.net
中越沖地震におけるシールドトンネルの被災事例
URLリンク(www.jstage.jst.go.jp)
1. はじめに
シールドトンネルは継手が多い構造物で地盤の変位に対する追従性に優れた構造であり,耐震性に優れているといわれてきた.
兵庫県南部地震に代表される巨大地震でも大きな被害は報告されていない.
また,世界的にみても地震による大きな被害は報告されてない1).
数少ない巨大地震によるシールドトンネルの被災事例はいずれも軽微な損傷の発生が見られたものの,断面の崩壊などのトンネル機能を喪失させるような被害は報告されていない.
主な被災事例として以下の被害が報告されている1).
(1)コンクリート系セグメントの端部の欠け落ち.
(2)立坑接合部付近でのリング継手の破損.
(3)曲線部における二次覆工コンクリートの横断方向のひび割れ,直線部における二次覆工コンクリートのスプリングラインから上下45度位置での縦断方向のひび割れ.ひび割れ幅は0.1~0.7mm程度.
(4)不同沈下や漏水の発生.
このように巨大地震に対しても大きな被害を受けていないことから,シールドトンネルは地震に強いといわれてきたが,“新潟県中越沖地震”では過去に例がないような被害が発生した.
本事例は通常の設計手法により,十分な注意が払われて設計され,かつ良好な施工がされていたものであるにも関わらず被災したものである.
以下に新潟県中越沖地震によって生じたシールドトンネルの被災状況を報告する.
また,近傍で得られた地震波を用いて動的応答解析を行い,被災原因の考察を行った.