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新潟県中越沖地震により被災した高速道路トンネルの復旧について
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1.はじめに
平成19年7月16日(月)「海の日」の10時13分頃に新潟県中越沖を震源としたM6.8(震度6強) の地震が発生し、その後、震度6弱の余震が1回、震度4の地震が5回発生した。
この地震のメカニズムは 3年前の新潟県中越地震と同様の北西―南北圧縮の逆断層型であった。
この地震による高速道路の被害は、北陸道能生IC~長岡JCT間の約95kmにわたって発生し、路面の陥没、橋梁の損傷、トンネル覆工のクラック・剥落など約330箇所に及んだ。
本報文は、被災した高速道路トンネルの中で被害規模が最も大きかった米山トンネルの被災状況、応急復旧工事及び本復旧に向けた調査・検討等について報告するものである。
2.被災状況(図―1、図―2)
米山トンネルは、北陸道柿崎IC~米山IC間に 位置し(図―1)、上下線とも昭和55年~昭和56 年に在来工法により施工された。
道路規格は第1種 2級Bで設計速度は80km/hrである。
複数の機関からの発表によると、地震の影響でいずれも米山トンネル近傍では海側(北西方向)に変動している。
また、国土地理院の水平上下変動資料によると、当該箇所では水平方向では山側から海側 に移動し、上下方向では数ミリ沈降したものと考えられている。
周辺斜面の崩壊が多発している地表面の水平変動方向でもある北西方向は、ほぼトンネル の横断方向にあたることから、この方向に大きな地震力が作用したものと考えられる。
図―2に被災状況、地質の状況、覆工厚、岩質区分等を示す。
被災は、下り線が約130m、上り線が約40mの範囲で発生し、アーチクラウン部の剥離(下り線が約 30m、上り線が約10m)・クラック、側壁の剥落(下り線のみ)、円形水路の閉じ・段差等であった。