24/04/14 03:00:02.23 e+TL75EI.net
◼脆弱な地層の克服―3,000tを超える土圧を支える―
トンネル施工ではさまざまな課題が生じるが、特に困難なのが施工中に地山から大量の水が噴出する突発湧水という現象と、脆弱な地盤によって切羽(きりは、掘削の最先端面)が崩落する現象、そして地山の圧力によるトンネルの変形、の3つであると言われている。
突発湧水は断層破砕帯に多くみられる現象であることから池島トンネル工事でも懸念されたが、調査坑工事を先行施工させることで地中の水を抜くことができていたため、本坑工事では、大きな湧水は発生しなかった。
しかし、前述のように中央構造線の500m西側に位置する池島トンネルの地層は脆弱であり、さらに土被り(地表からトンネル頂部までの垂直距離)が最大で600mを超え初期地圧が大きいことから、切羽の崩落とトンネルの変形に終始悩まされることになる。
坑口から約1,100m進んだ箇所の切羽断面。
褶曲が激しく、複数の小断層が入り組んだ複雑な地層が出現する。
黒色を呈した泥質岩が出現すると頻繁に崩落が発生し、トンネルが大きく変形する。
トンネル施工は、掘削→鋼製支保工の設置→コンクリートの吹付け→ロックボルト※4の打設、を繰り返しながら進めて行く。支保工は1m間隔で施工されるため、池島トンネルではこの工程を2,100回以上繰り返すのである。地山は脆弱で崩落しやすいものの、岩片自体にはある程度の固さがあるため、発破が必要である。しかし、発破で掘削することにより、新たにできた空洞部分の壁面に土圧が一気にかかる。
「池島トンネルには1mあたり最大で3,000t以上の土圧がかかります。アフリカゾウの体重が5tだとすると、トンネル1mの上に象が600頭以上乗っていると思ってください。結構な重さだとわかっていただけると思います」
(湯本)
つまり、静岡工区の最大土被り1,400mのところでは、トンネル1mの上に象が1,400頭乗っていることになります。
こんなことをモニタリング会議に相談されてもって感じですね。