24/10/26 21:12:44.10 +muTgUYs0.net
>>77
続き
■救助
銅像茶屋から街までは、急いでもおよそ20分はかかる。
幸畑でようやく見つけた公衆電話から仲間に連絡し「とにかく幸畑まで来て」もらった。呼んだ数人の内3人が来てくれた時点で彼はあのトイレへと向かった。
おおよその話は車中でしたのだが3人は信じてはくれなかった。それでも、彼女一人が山中の闇夜に残されているという異常事態は理解してくれた。
銅像茶屋に着いた時、あれから1時間以上が経過していた。トイレをヘッドライトで照らすが、誰も居ないし異常は見て取れない。ダッシュボードの収納スペースにしまってあった懐中電灯を点け、4人はトイレへ向かった。
彼が先頭に立ち、女性用トイレの中にある閉じた個室の扉をなんとか蹴破ると、彼は震えだしてしまった。ほかの3人は、どうしたんだよ?と彼の脇から個室の中を覗くと、そこには個室の壁にもたれながら座り込み、斜め上を向いて薄笑いを浮かべる彼女が居た。しばらく、4人全員が茫然自失のまま立ち尽くした。