24/10/26 21:09:52.49 +muTgUYs0.net
>>73
続き
青緑色の姿となった銅像は台座を含めて高さが約7mあり、銃剣を支えに堂々と立つ姿の下にある台座には、遭難シ亡者の氏名が記されており、訪れる人たちが悼んでいる。幸畑にある資料館に隣接する陸軍墓地とともに雪中行軍遭難事件の慰霊の象徴となっているが、北八甲田山中の深い谷と山々を望むことができることもあり、知る人ぞ知る観光スポットとなっている。
銅像茶屋前には東側と西側のルートをつなぐ道路があり、東西のルートを俯瞰してみると8の字のようになっていることから、ゴールドラインは別名「エイトライン」とも呼ばれる。しかし、東側ルートの道路は幅が狭く急なカーブが多いためか通る車が少なく、夕闇が訪れる頃にはほぼ誰も通らなくなる。
山中の道路に街路灯は無く、銅像茶屋にある土産店の灯りも消えるため、日が落ちると駐車場の隅にある自動販売機の光が照らすだけとなる。今と違って照明はLEDではなく、当時の技術の中でできるだけ消費電力を抑えるために小さな蛍光灯が光を発しているだけであるため、現代の街と比較すると驚くほど弱々しい。それは山の中腹にある広い休憩所では、いかにも心許ない明かりなのだが、むしろそれを楽しんでいる若い男女もいた。