24/10/30 00:18:58.10 oQU1CYfP0.net
>>126
続き
Yさんに憑いてたモノを祓われて数日後、普段俺のいる病棟とは別の、主に急性期の重症者が多い病棟で働く友人Tが青ざめた顔で出勤してきた。
Tは自称視えるらしいが、視えるだけで何も出来ないから、普段から魔除けのお守りを首から下げてたりしている。
拝み屋みたいな人に数珠を作ってもらったりもしていたらしい。
で、そのTが「遊びに行った先で変なのを連れてきちゃったっぽい・・・」とか言っていた。
「変なのとは?」と聞くと「どうやら女の霊みたいで、夜中に金縛りにあって、顔を覗き込まれた。
最初は普通に見えていたんだけど、だんだん右の視界が赤くなり始めて、こちらを覗き込んでくる女が視界に入ってきた。
その姿が右半分が血まみれで、すごい形相をしていた。
あまりの恐ろしさにそのまま気絶した。
朝、起きると視界は戻ってたんだが、身体の右半身が重たいんだ。」とのこと。
俺は「お守りや数珠はどうしたんだよ。」と聞くと
Tは「持ってたし、身につけてたんだけど、数珠は弾けて、お守りはなんだか色がくすんだみたいになってる。
どうしたらいいんだ。助けてくれ。」とすがるように言ってきた。
俺は先日のYさんの件を思い出し、Tに「俺も先日、変なのが憑いてたらしくて、事務のYさんに助けてもらったんだ。お前も相談してみろよ。」と伝えた。
Tは「俺はYさんとほとんど話したことないから、お前も来てくれよ。」と言うので、仕方なく俺も付き合うことにした。
事務室に行くとYさんが困惑したような顔でこちらを見ていた。
これは気付いてくれてると思い、「Yさん!ちょっとお願いがあるんですけど!」と事務室の入り口から呼んだ。
Yさんは周りに悟られないように「はいはい~、行くよ~。」と出てきてくれた。
そして小さい声で、「カルテ庫に行くよ。着いてきて。」と耳打ちをしてきた。
カルテ庫は普段はあまり人が来ないので、込み入った話をするにはいいとのこと。
そこでYさんにTに起きたことを説明すると「なるほどね。」とYさんは呟き、「で、本当は何したの?」とTを問い詰めた。
Tは最初のうちは何もしていないと言い張っていたが、最後には「近くの廃屋で肝試しをした。その時はなんともなかったのに、その夜に金縛りにあった。」と白状した。