22/05/15 08:36:51 P7rxJpBN0.net
マスクの女
夜、歩いているとマスクの女がこちらへやってきて、俺に話しかけてきた。
「私、綺麗?」
髪は長くて美しい。目元もキリリとしていて俺好みだった。でも会って突然そんなことを言われるのには、かなりの違和感があった。
「どうして俺にそんなこと聞くの?」
「いいからいいから。ねえ、私綺麗?」
「そりゃまあ、綺麗だけど……」戸惑いながら俺が答えると、女はニヤリと笑った。
「じゃあ―これでもか!?」
マスクを引っぺがした女。その顔はおぞましいものだった。
耳元まで裂けた口。そこにずらりと歯が並び、光り輝いている。
俺は高く悲鳴をあげ、路地を走り逃げた。