21/02/05 14:33:07.87 0zPEo+7t0.net
それから何週間か経ち、またTとNを誘ってAの街の俺のアパートで遊ぶことになった。 やっぱりNの態度は前回と同じ。一言も喋らない。完全に心を閉め切った赤の他人のような態度。
夜中になって、2人を駅まで送って行った。俺は車のバックミラーで、2人の後ろ姿をみてると、Nが俺の方をずーーーっと見てた。 それが俺が最後に見たNの姿である。もうそれ以降、Nとは2度と会うことがなくなった。
実はNと会わなくなったタイミングで、Tとも連絡がつきぬさにくい状態になった。「やべぇ、このままじゃ友人がいなくなる」と思った俺は… そのAの街から100キロほど離れたところにある地域に移り住んでアパートを借り仕事を始めた。
そのことをTにメールで送ると、Tは気分良く返事をくれた。 そしてTとは毎週土日を利用して遊ぶことなった。ほぼ毎週である。 2人で喫茶店にいったりペンション泊まりに行ったり、神社や寺まわったりしてた。
それで、ちょうど1年が経ち、俺のアパートでTと2人で談笑してるときに俺がなんとなくTに向かって言ったんだよ。 「おれさ、そろそろAの街に戻ることになったんだよ」って。
……その話をした瞬間、Tの顔がギョッとしたように一瞬にして真っ青になった。 全身が凍りついて動かないような感じ。一言も喋らなくなった…もう呆然したような顔で俺をみてる。
そのあとTを駅まで送って行ったんだが、結局その間 Tは一言も喋らないままだった。 その後、Aの街に引っ越しをして、早速Tに一本メールを送ったが、返信がこない。
それからというものの数週間おきにTにメールや電話を送ってるんだが、すべて無応答…
ちょうど半年後に、ようやくTから一本の電話がかかってきた。それはこんな内容だった。 「俺さ。もう結婚して子供産まれたんだよ。だから今後、会うことも遊ぶこともできない、すまない」
俺はTとは大親友だが、子供はおろか彼女がいるなんて全くもって知らなかった。もう完全に身を固められてしまったわけだ。 今現在をもってTとは一度もあってない…
これが、俺がAの街に不信感を抱いた1つ目の理由である。