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ナチュラルファミリーを絶対視すると同時に、世界家族会議は、同性カップルを排除すべき対象とみなしているのだ」
この世界家族会議は、アメリカ最大の宗教勢力であるキリスト教右派の思想を海外に広める組織だという。
彼らは聖書を根拠にLGBTの権利拡大を嫌い、人工中絶にも反対し続けている。
聖書に書いてある
「キリスト教文化の伝統を大事にしてきたかつてのアメリカでは、同性愛は最悪の性行為の1つとみなされてきた。
その根拠も聖書の言葉にある。『女と寝るように男と寝るものは、2人とも憎むべきことをしたので、必ず殺されなければならない。
その血は彼らに帰するであろう』(旧約聖書レビ記20章13節)。
旧約聖書の創世記で神が男(アダム)と女(イブ)を創り出したことを重視し、
男性と女性は結ばれて一心同体になるととらえるのだ。『神はアダムとスティーブンを創造したのではない』(米国の保守系牧師)というわけだ」
こうした考え方は、キリスト教の専売特許ではない。イスラム教の聖典「コーラン」にも「2人の男が互いに不道徳な行為を行った場合、
その両方を罰する」という記述がある。
そのため宗教右派たちは反リベラルを旗印に、国や宗派といった枠を超えて団結している。
彼らの結集の場となっているのが「世界家族会議」なのだ。実際に、北米や欧州・ロシアを中心に、
35の有力NGOが世界家族会議のパートナーとなり、ロシアのプーチン政権とも緊密な関係を保っている。
実はトランプ大統領とプーチン大統領との接点は、こうした保守的な思想にあるという見方もあるのだ。
欧米の人権団体による憎しみを世界に輸出する団体といった批判も強いものの、この世界家族会議に集まる予算規模は年間で
総額2億ドルを超えるという。
「台湾でも2017年から同性婚の容認をめぐる議論が高まるなど、対立の火種はアジアにも波及しています。『世界家族会議』は
間違いなくアジア、そして日本を視野に入れているはずです」と金子氏は警鐘を鳴らしている。
デイリー新潮編集部
2019年1月21日 掲載
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