暇つぶし2chat OCCULT
- 暇つぶし2ch300:統括者 ◆7vU/OMinzs @\(^o^)/
15/08/30 04:05:27.56 Mp8aiubx0.net
77本目の蝋燭が消えました・・・


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Big ◆iq3nGde8rUさん、引き続き 第78話をお願いします
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雑談、感想は>>1の【雑談スレ:したらば】でお願いします。

301:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 04:06:40.87 AgCPeYID0.net
【78話】Big ◆iq3nGde8rU 様
『反魂』

このような濃霧の中では、何かがくるとも言われます。
何か・・・とは、前の話のようにキツネやタヌキなのかもしれませんし、
あるいは人や獣どころか、この世のものではないかもしれません。
やはり猟をしていた5人組が、山中で濃霧に遭遇し、
前の者の腰をつかんで、そろそろとムカデ歩きをしていたときのことです。
最後尾の男が、「おやあ、何か来た」と声を出しました。
こういう場合、前に立つリーダーは、「何も来ねえ、気をしっかり持て」
と声をかけます。仮に他の登山者が後ろにいるのだとしても、
何もしてやることはできませんし。お話したように、
来たのがこの世のものとはかぎらないからです。
「うんだな」最後の男はつぶやきましたが、またしばらくして、

「何か来た、何か来た」と叫びました。「何かが俺の腰に取りついとる!」と。
リーダーが「何も来てねえ」とまた言い、残りの者も「んだ。何も来てねえぞ」
と復唱します。最後尾の男は黙りましたが、またしばらくして、
「来たぞ、来てるぞ。女の手だあ。こらあ俺の女房の手だろう」
これを聞いて皆はぞっと背筋が寒くなりました。
男の女房は去年の冬に肺炎で死んだのを知っていたからです。
それもちょうど今頃の時期に。「〇〇さぁ」最後尾の男はリーダーの名前を呼びました。

302:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 04:07:24.61 AgCPeYID0.net
「俺、ここに残ってもいいかあ。女房が来てるようだども」
「ダメだあ!」リーダーが叫び、残りの者も復唱します。
「おめえの女房はもう鬼籍に入っとるだろうに。そら、おおかたメス狐だろうて」
リーダーはそう言うと4人目の男の名を呼び、
「□□が離れねえようにおめえ、手首を引いてやれ」こう指示したのです。
しばらく進むとまた、最後尾の男の声が聞こえて、
「今よう、俺の女房が隣について歩いておる」こんな内容です。
リーダーは「この霧じゃあ見えるわけがなかろう。そら、この世のもんではねえから」
そしてひときわ声を張り上げて、「オン アビラウンケンソワカ」と唱えました。
そのあたりの山はいわゆる霊山でもあり、修験者の姿を見かけることも多く、
猟師連中も真言(マントラ)を知っていたのです。一行はそのまま、
「阿 毘 羅 吽 欠 蘇 婆 訶」と地水火風空の真言を唱和しながら、
ムカデ姿のまま、ゆっくりとゆっくりと山を下ったのです。
もしもはたから見ることができれば、さぞや異様な光景だったことでしょう。
ともかく、そうしているうちに霧は晴れ、一人の脱落者も出さず戻ることができたそうです。

(終)

303:統括者 ◆7vU/OMinzs @\(^o^)/
15/08/30 04:09:48.10 Mp8aiubx0.net
78本目の蝋燭が消えました・・・


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Big ◆iq3nGde8rUさん、引き続き 第79話をお願いします
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304:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 04:10:17.35 AgCPeYID0.net
【79話】Big ◆iq3nGde8rU 様
『遊郭』

前の話で


305:、最後尾の男に働きかけてきたものは何だったのでしょう。 キツネやタヌキなど山の獣がちょっかいを仕掛けてきたのでしょうか。 そうかもしれませんし、本当に、男の死んだ女房が姿を見せたのかもしれません。 そうです。このような濃霧のときには、この世とあの世の道がつながるということも、 けしてないとは言えないでしょう。 さて、前の話ではリーダーがしっかりした山の男だったので、 無事に戻ることができたのですが、そういうケースばかりではありません。 リーダーには歳はあまり関係がなく、仲間に信頼のあるものがなるのです。 せまい集落で生まれ育ったものどうし、気性は子どもの頃から知っているわけですから。 ただし毎回そううまくいくとも限りません。 そのリーダーねらわれてしまうこともあるのです。 やはり霧の中で、4人がそろそろとムカデ歩きをしておりますと、 まったく視界がない中ながら、どうも道が違うような気がしてきました。 そこで2番めの男がリーダーに、「これはどうも道がおかしくねえか」と聞くと、 「これでええんじゃ」という答え。まあ、一本道のはずですから気のせいかと思ったものの、 やはりおかしい感がある。そのうちに下ってるはずの道が登り始め、 これは絶対におかしいと後ろの3人は確信しました。 「〇〇さあ、これで本当にええんか」とリーダーに呼びかけると、 「ええんじゃよ。もうすぐ着くし、着いたらまずはゆっくり風呂につかろう」 これを聞いて仰天「風呂って何のことだ? 温泉は山の向こうだろうが」 そう言うと、「うんにゃ温泉でねえ。△△閣だって」 「△△閣!?」 皆が絶句したのも無理はありません。



306:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 04:11:55.54 AgCPeYID0.net
それは大正時代、そのあたりが木材の集積地だった頃にできた遊郭の名前ですが、
なくなってからもう数十年がたっていたのですから。
リーダーにしても子ども時分の話で、△△閣に入ったことがあるとは思えませんでした。
「おめえ、こら、気をしっかり持て。△△閣など、そんなものはもうどこにもねえ」
一行は止まって、リーダーを無理矢理に交代させ、
いっそうぴったりとくっつくようにして山を下ったのです。
後になってから、途中までリーダーを務めていた男に、
「おめえ、何であんなことを言った?」と聞いてみましたら、
発言そのものは覚えてましたが、そこからは自分でもわけがわからない様子で、
「△△閣はなあ、確かに子ども時分に何度か前を通ったことはあるがなあ。
 夜でもたくさん明かりがついて、きれいだったなあ」こんな述懐をしました。

(終)

307:統括者 ◆7vU/OMinzs @\(^o^)/
15/08/30 04:13:05.27 Mp8aiubx0.net
79本目の蝋燭が消えました・・・


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クラリス ◆LdeleVChTEさん、第80話をお願いします
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308:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 04:14:39.37 AgCPeYID0.net
【80話】クラリス ◆LdeleVChTE 様
『音』

夜中過ぎ、布団に入ってもなかなか寝付けずにいる時に決まって聞こえてくる音がある。
枕元の窓の外、ベランダに敷いてあるパネルを踏みしめるようなグググッという音。
不思議に思ってベランダをライトで照らしてみても何も無い。
気のせいかと思って横になるとまた音がする。

出処を探ろうと聞き耳を立ててみるが、少し左右に動くことはあるものの、やはり頭の上、ベランダから聞こえてくるような気がする。
音が聞こえる間隔は不規則で、音自体もククッと軽くて短い音もあれば、ググググと重く少し長い音もある。

ベランダや部屋の中で音源を探してみてもそれらしきものは見当たらない。
起きている時や布団に入っていても日付が変わる前に眠ってしまう時には聞こえない。
夜中過ぎ、布団の中で睡魔を待っているときに限って耳にするのだ。


今夜、音は聞こえるだろうか?

(終)

309:統括者 ◆7vU/OMinzs @\(^o^)/
15/08/30 04:16:41.74 Mp8aiubx0.net
80本目の蝋燭が消えました・・・


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雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOMさん、第81話をお願いします
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310:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 04:18:31.35 AgCPeYID0.net
【81話】雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOM 様
『夏祭り』


知り合いの話。

彼女が夏祭りに出かけたある夜のこと。
屋台を冷やかしていると「ママ」と呼ぶ声が耳に届いた。
娘の声だ。彼女を呼んでいる。

慌てて姿を探すも、人混みのどこにも見つからない。
人がいない寂しい方へ進む内に、友人たちと出会う。
「娘を探しているの! 探すの手伝って!」
とパニックになりながら伝えると、不思議そうな顔で聞き返された。

「誰の娘のこと? あなた、まだ結婚していなかったよね?」

そこで我に返る。
自分には彼氏も旦那もいない。未婚だし、子供など当然産んだこともない。
そもそも、誰と一緒に祭りへ来たのか、それさえも思い出せない。

311:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 04:19:45.16 AgCPeYID0.net
別のパニックに襲われた彼女を見て、友人たちは只事ではないと感じたらしい。
彼女を落ち着かせようとする者、彼女の家へ連絡する者に別れ、場は騒然とした。
皆に送られて家へ帰ったのだが、そこで母親から奇妙なことを聞かされた。

「あれ貴女、一緒に出かけた男性と女の子はどうしたの?
 え、誰のことかって? 家の前を三人で並んで歩いていたじゃない。
 ”知り合いなの?”って声を掛けても振り返らないから、そっとしといたんだけど」

すると父親がこれまたおかしなことを言う。
「わしが車で帰ってきた時、お前と擦れ違ったんだが、気がつかなかったみたいだな。
 でもお前、どう見ても一人だったんだが」

家族間で言い争いになりかけたが、友人たちが取りなしてくれてその場は治まった。
その後は、特におかしなことも起こっていないそうだ。

しかし、今でも気になって仕方がないのだという。
あれは一体、誰の声だったのか。
彼女はあれ以来、夏祭りがどうにも恐ろしく感じられるのだといっていた。

(終)

312:統括者 ◆7vU/OMinzs @\(^o^)/
15/08/30 04:21:24.00 Mp8aiubx0.net
81本目の蝋燭が消えました・・・


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雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOMさん、引き続き 第82話をお願いします
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313:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 04:22:39.38 AgCPeYID0.net
【82話】雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOM 様
『消された刺青』


知り合いの話。

彼は結婚する以前、風俗に嵌まっていたのだという。
よく利用したのがデリバリー・ヘルスというやつで、彼が言うには
「今思うと、素人っぽい女の子が来るのが良かったんだろうな。
 性的にスレていないっていうか、ちと初心っぽく恥ずかしがるのが」
ということだった。
実際にそうなのかは私は知らない。残念ながら知らない。

ある晩に呼んだ女の子が、正にそんな女の子だったらしい。
行為自体に抵抗感はないけれど、マジマジと見られるのは恥ずかしい。
そんな反応に興奮しながらシャワーを浴び、ベッドインした。

イチャイチャしている内、彼女の手首に古傷があることに気がついた。
一瞬、手首を切った痕かとも思ったが、それにしては範囲が広い。
切ったと言うより、手首野辺り一面を引っ掻いて毟ったような傷。

傷痕を凝視していると、彼女の方も見られていることに気がついた様子で、
こんなことを説明してきた。

「あぁこの傷、別に自殺しようとしたとか、そんなのではないですよ。
 前に若気の至りで、当時付き合ってた彼氏の名前を彫り込んでいたんです。
 彫るっていっても本格的な刺青でなく、自分たちでやったんですけどね。
 彼氏もあたしの名前を自分の腕に刻んでました」

「”若気の至り”って、きみ、まだまだ全然若いんだけど……」
数年前に不惑を越えてしまっている彼は、聞いて少し複雑だったらしい。

314:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 04:24:33.30 AgCPeYID0.net
彼の心中には気がつかず、彼女は喋り続けた。
「この元彼ってヤツが本当に浮気者で。
 何度も何度も泣かされて、結局喧嘩別れしちゃったんですよ。
 もう哀しいやら情けないやらで、別れた夜に思わず、手首の名前を
 バリバリ毟り上げたんです。
 もう血�


315:hれになっちゃって、やってる時は夢中で感じなかったけど、  落ち着いてきたら痛くて痛くて……泣いちゃいました」 「皮を毟れば、そりゃ痛いだろうさ」 想像してどうしようもなく顔を顰める彼を気にせず、彼女は更に続ける。 「で、夜中に病院行ったりバタバタしてたら、ヤツのことで悩んでるのが  何か急に馬鹿らしくなって。一気に冷めたんです。  あー、もうこれで気にせずに済むわ、なんて考えたんですが……」 「私が刺青を毟ったその翌日にですね。  元彼、死んでたんですよ。ポックリと。  詳しくは聞いてないんけど、心臓発作か何かだったらしくて。  思わず、自分の手首を見つめちゃいました。  ……私が彼の名前を消しちゃったから、彼が死んじゃった……?  落ち着いて考えると、すごく馬鹿馬鹿しい考えだと思うんですけど、  どうしても連想しちゃうんですよね」



316:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 04:25:46.92 AgCPeYID0.net
話の意外な展開に、彼が口をパクパクしていると、これまた気にせず
彼女はアッケラカンと宣った。
「だから、ちゃんとした整形外科で、この傷消すことに決めたんです。
 死んでからもあたしに気に掛けさせるなんて、本当むかつきますよね!
 もう綺麗さっぱりと消してしまいます」

「……えっと、ひょっとしてこの仕事を始めたのは……」
「勿論、手術代を稼ぐためです!」

頑張ります、と手を握り混む彼女の姿は、それはそれで可愛かったという。
この後、彼は風俗遊びを控えるようになり、そのまま知己に紹介された女性と
結婚をしたそうだ。

(終)

317:統括者 ◆7vU/OMinzs @\(^o^)/
15/08/30 04:26:34.35 Mp8aiubx0.net
82本目の蝋燭が消えました・・・


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雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOMさん、引き続き 第83話をお願いします
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318:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 04:28:07.71 AgCPeYID0.net
【83話】雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOM 様
『豪邸の犬小屋』

顔馴染みから聞いた話。

彼の家の前には、ものすごい豪邸があるらしい。
そこの庭の一角に、これまた豪華な犬小屋が置かれている。
ちょっと前まで立派な犬がいたのだが、今は死んでしまったのか、何もいない。

ある寝苦しい夜、ボンヤリとそこの庭を眺めていると、何やら動く影が見えた。
芝生の上を大きな物がうろうろしている。

どう見ても、四つん這いになった人の影だった。

息を殺してみていると、やがて影は犬小屋の中へ入っていった。
それからすぐに、母屋から人が出てきた。顔見知りの住人だ。
懐中電灯で足元を照らしながら、犬小屋の方へ向かっている。
小屋の前まで辿り着くと、電灯の光をその中へ向けた。

犬小屋の中には、何の姿も見えなかった。
彼の目線からでも、空っぽの小屋内が見えたのだという。

彼が見ていた間に、犬小屋から出ていったものは無い。
さっき入っていった影は、宙に溶けるように消えていた。

住人は首を傾げながら、母屋へ帰っていく。
彼はそこでカーテンを閉め、それ以上庭が見えないようにしたのだという。

その後、何度かその住人と顔を合わし会話をしたが、あの夜の影については、
結局聞けていないままなのだそうだ。

(終)

319:統括者 ◆7vU/OMinzs @\(^o^)/
15/08/30 04:29:42.56 Mp8aiubx0.net
83本目の蝋燭が消えました・・・


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チッチママ ◆pLru64DMboさん、第84話をお願いします
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320:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 04:30:24.52 AgCPeYID0.net
【84話】チッチママ ◆pLru64DMbo 様
『たった今きいた事』

さっきまで友人に会ってたんですよ
友人は女ですが、あまり家庭環境が良くなくて私も母子家庭だったので気が合いました
友人の家は父親が酒飲みで、でもお店しててお金はありました
母親が出て行って彼女と幼い弟と父親の三人家族でした
父親は人の良いおじさんだったけど、たまに化粧の濃い女性を怒鳴りつけてるのとか見て
ちょっと怖いなーって感じでした
友人はあまり家庭の事は話してくれませんでした
私も話しなかったし、まあ互いに気遣うタブーみたいな感じです
父親は何度も女性を母親代わりに家に入れていました
私も友人を誘いに行くたびに女性がコロコロ違う人なのを知ってます
さっき会った友人と他愛もない話をしながら、友人はふと笑いつつ
「私ってさ、なんか嫌いな奴に消えろ!!って思うと本当に消えるのよ」
と仕事の愚痴を言いつつ教えてくれました
それで思い出したんですけど、彼女と幼い頃に七夕の祭りに行ったことがあります
当時の私たちはおまじないが流行していて、今でもあるかな?
赤い文字で書くと呪いになって寿命が縮むってやつ
彼女の持ってきた七夕の笹は綺麗に沢山飾られていて、まとめて燃やして貰うんだけど
赤い短冊にいっぱい名前が書かれてた
なんとか子とか漢字が難しくてわかんなかったけど、赤い字で赤い短冊にビッシリだった
なんか怖くて、その時は見ないフリした
それを思い出した
「あんた、あんま人を恨んだらダメだよ」と言うと友人は笑って「だね」って言ってた
「ところでこれネットで書いていい?」に「いいよ」って言うから今書いてます
でね、たって今外で突然に雨降ってきました

(終)

321:統括者 ◆7vU/OMinzs @\(^o^)/
15/08/30 04:31:50.13 Mp8aiubx0.net
84本目の蝋燭が消えました・・・


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安納芋 ◆hJ/HYR69s6さん、第85話をお願いします
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雑談、感想は>>1の【雑談スレ:したらば】でお願いします。

322:安納芋 ◆hJ/HYR69s6 @\(^o^)/
15/08/30 04:33:37.15 M0q+yl87O.net
第85話『ホトトギス』

数年前郊外に引っ越してから、様々な鳥のさえずりを耳にする様になった。山鳩やカッコウもいいけれど、特に気に入ったのが初夏の日没後から夜明けまで、水笛に似た声で鳴く鳥だ。
裏の土手にある緑地や、川向こうの山から聞こえて来る。
ピョキョキョ、ピキョキョキョキョ……調べたところホトトギスの声が一番近い。良い声で鳴くものだ。
鳴き声が聞こえる晩はたびたび窓を開け、ホトトギスのさえずりを楽しんでいた。

今年の6月の事。夜1時過ぎに帰宅し車から降りると、ホトトギスの鳴き声がする。かなり近くからだ。
何処にいるんだろう?見える訳もないのに音のする方向…真っ暗な土手に目を凝らした。すると、小さな明かりが土手の上を移動している。高さや大きさ、スピードからして自転車のライトらしい。
夜中にサイクリングをする人もいるだろうが…おかしな事に、どうもライトが近づくにつれホトトギスの声が大きくなっている様なのだ。
耳を澄まし土手を見上げる私の前を、鳴き声と共にライトが通り過ぎる。自転車から鳴き声が聞こえているのに違いなかった。

深夜、真っ暗な土手を自転車で走りながら、水笛を吹いてる人がいる…

正直ゾッとした。今まで聞いてきたホトトギスの声の内、幾つかはコレだったのではないか?
そう考えると恐ろしくなり、慌てて家に入ろうとした。そんな私の目に再び明かりが飛び込んで来る。あの自転車がUターンして戻って来た。
いや、自転車にしてはありえない動きの明かりがこちらに向かって来たのだ。
それはまるで蛇の様に上下にくねり、大きさも先程の三倍はある。鳴き声はキャキャキャア!ギャギャギャア!と原型を留めていなかった。
今度こそ家に駆け込んだ。それでも鳴き声が聞こえそうで、布団を頭から被り耳を塞いで朝を待った。

幸い、この夜以降コレには遭遇していない。が、今ではホトトギスの声が聞こえると、窓を閉め鍵をかけている。

【了】

323:安納芋 ◆hJ/HYR69s6 @\(^o^)/
15/08/30 04:36:15.30 M0q+yl87O.net
85本目の蝋燭が消えました・・・


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柚子 ◆jQbx36WU5o1jさん、第86話をお願いします
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324:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 04:37:01.92 AgCPeYID0.net
【86話】柚子 ◆jQbx36WU5o1j 様
『無題』

姉が小学生の時に体験した話です
小5の頃、姉のクラスメイトにYちゃんという子がいました
しかしYちゃんは事故で亡くなってしまったんです
小6になった
ある時、仲良しグループのMちゃんがこんな事を提案しました
?かごめかごめってあるでしょ?あれでね鬼がいないままやると霊が出るんだって。その時に亡くなった人が鬼としていることにしてやると、その亡くなった人が現れるんだって?
?もしYちゃんがいるとしてやったらYちゃんが来るのかな?
姉が何気なくそんな事を呟くと
?Yちゃんに会えるのかな??やってみる??
姉たちはそのかごめかごめをやることになりました

その日の昼休み、姉たちは音楽室に行きました
ここなら昼休み中でもあまり人が来ないいため選んだようです
集まった5人は手を繋いで輪になりかごめかごめを始めました
?最初の鬼はYちゃんね?
?誰が後ろにいるかちゃんと当ててね?
5人はあたかもそこにYちゃんがいるかのように声を掛けました
?かーごめかーごめ、かごのなーかのとーりーはーいーついーつでーやーる、よーあけのばーんに、つるとかめとすべったーうしろのしょうめんだぁれ?

?ア…ア…ア…?

聞こえてきたうめき声に5人はとっさにそこから駆け出しました
?今の何!?今の何!??
?さっきのMちゃんでしょ!?
?違う違う?
?ねぇもしさっきの声がYちゃんだったら逃げたのはまずくない。怖がったりしたらYちゃんが可哀想だよ!?
姉も確かにYちゃんなら逃げるのは酷い行為なのではないかと思ったそうです
音楽室に戻ることになりましたがそこで昼休み終了のチャイムが鳴ってしまい放課後また来ることにしました

325:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 04:38:06.24 AgCPeYID0.net
放課後姉たちはまたかごめかごめをしました
しかし今度は何も声はしません
?Yちゃんさっきは逃げてごめんね?
?もしYちゃんなら出て来て。もうYちゃんのこと怖がったりしないよ?
みんな謝りましたが何も起こりませんでした

昼休みに聞こえた声はYちゃんだったのか
もしかしたら気づかなかっただけで音楽室に誰かいたのかもしれません
姉たちは帰ることにしました
校門を出て少し離れたところでふと姉は立ち止まり音楽室を見ました
三階の一番端の窓
そこに誰が立っていました
距離があるので顔までは分かりません
なんとなくYちゃんに似てる気がする
姉は?ねぇあそこ見て?
他のみんなも姉が指す音楽室を見ました
Yちゃんに似てる女の子はこちらに向かって手を振っている
?もしかしたらYちゃんじゃない??
?本当に会いに来てくれたのかも?
『Yちゃーん』
5人は音楽室に向かって手を振り返しました
すると突然女の子は真っ黒な影になったかと思うとドロリと溶けるように形をなくし
黒い塊はべちゃりと窓に貼り付いて煙のように消え失せました
姉たちは悲鳴をあげそこから急いで逃げ去りました

果たしてあの黒い影はYちゃんだったのか



326:サれとも別の何かだったのか 姉たちは後日Yちゃんのお墓参りに行き謝ったそうです (終)



327:統括者 ◆7vU/OMinzs @\(^o^)/
15/08/30 04:38:49.91 Mp8aiubx0.net
86本目の蝋燭が消えました・・・


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デッドエンド ◆JY70SElFKIさん、第87話をお願いします
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328:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 04:40:28.45 AgCPeYID0.net
【87話】デッドエンド ◆JY70SElFKI 様
『おんぶ』

まだ携帯電話がなかった時代の話です。
晩に電話ボックスで友人と電話をしていた時、空の月の話になって外をみようとしたら、なぜか四方をガラス面で囲んだ電話ボックスの1面だけ見えない。
近ずくと見えなくなるわけです。ん?どうゆうこと?そのことを電話相手に話すと「霊が張り付いてんねん(笑)」と私を怖がらさるためなのか笑えないことを言ってきました。
そして「なんか音聞こえるけどなに?」と聞かれ私もその音に気づきました。
それは水が落ちてきて竹がスコーンって鳴るやつ。
あれに似た音でした。これってラップ音てやつ?そうこうするうちに友人がちょと待っててと言うので受話器を耳に当てたままボックスの中でしゃがみこんで待っていたら、なんか誰かと目が合ってる。
膝ぐらいの高さの草むらから顔だけ出してる男の人の目と合ってるんです。
友人の呼びかけにもしばらく気づかずただ頭が真っ白で目が釘ずけになっていました。
やっと友人のもしもしに気づき、目が合ってたと言うと、はぁ?と返され今起こってたことを話すと、もうそこ離れた方かいいよと言われ電話を切って家に帰ることにしました。
ふと横を向くと、ボックスのガラス面って夜に見ると鏡のように自分の姿が映るですが白いシャツを着た男の人が映ってるです。
その前に私の姿、よく見ると私におぶさっている。
首から上が無い男の人が、、その途端急に体調が悪くなり汗、冷汗?が流れだし体が重い重い。
重い足どりでヨチヨチと家まで辿りついて、友人に無事に帰ったことを報告するために受話器を取りプッシュホンを押す。
ピッピッ、、ピッ、ん?なんか口もとが濡れてる。血吐いてる!?慌てて洗面所に行き電気を付けて自分の顔を見る。
なにも出ていない。いったい何が何だかわからない怖い体験をしました。



329:統括者 ◆7vU/OMinzs @\(^o^)/
15/08/30 04:40:43.52 Mp8aiubx0.net
87本目の蝋燭が消えました・・・


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こげ ◆b9EIe80Jrg.5さん、第88話をお願いします
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330:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 04:42:05.08 AgCPeYID0.net
【88話】こげ ◆b9EIe80Jrg.5 様
『無題』

私はサバイバルゲームのチームに所属しています。
サバイバルゲーム中、変なモノを見てしまうことが良くあります。
昼間も見ますが…数はやっぱり夜の方が圧倒的です。
管理されていない雑草や樹木が伸び放題の公園で春先に夜戦をやったとき、
元は芝生だったと思われる草むらを挟んで決戦の場となったところを、ふらふらと歩く人影が横切っていきました。
人がいると分かった時点で即座にゲームを中断して、その人影の動向を見守っていたのですが…
背を弓のように反らせてケタケタと笑い始めたんです。
もう、狂ったように大声をあげて…もしかしたら気の毒な人かもしれないと、
チームリーダーが立ち上がって草むらに一歩踏み入れた途端、
その場へ仰向けで倒れこむようにして…
そして、消えてしまいました。
BB弾がヒットして安全地帯で待機している人以外が見守っている中で…


夏の夜に同じ公園でのことです。
ゲームを始めてから30分足らずで雷雨になってしまい、
駐車場前の東屋に避難して雨が止むのを待っていました。
叩きつけてくるような雨に、雷鳴と雷光がひっきりなしで…
そこでメンバーの1人が雨の中、誰かいるぞと、元は芝生だったと思われる草むらを指をさしました。
私には全然、見えません。
誰かが警察や軍の特殊部隊が使っている強力な懐中電灯で草むらを照らしてみましたが見つかりません。
雷が光った時だけ見えると、指をさした人は言いました。
十数秒後、目に焼き付き現象が起こるほどの


331:眩い白光で周囲が塗りつぶされ、 草むらの中ほどで、ネガとポジが反転したような真っ黒い人が立っているのが本当に見えました。 全部で9人いましす。 さっきはもっと遠くにいたと、最初に見た人が雷鳴に声がかき消されない為か、大声で叫びます。 それからまた、辺りが白く染まるほどの雷光… 草むらを四分の三ほど進んだところに黒い9人がいます。 確かに、稲光を放つ度に近づいてきています。



332:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 04:43:14.64 AgCPeYID0.net
次でたぶん、私達がいる東屋へかなり近づいてきている筈です。
そして、雷光が周囲を覆い尽くして、草むらの端にずぶ濡れで立つ9人の女性を浮かび上がらせました。
この世のものとは思えない程の酷い表情をしてます。
彼女等が草むらの端まで到達した姿を浮かび上がらせた後、
雷雨はぴたりと止みました。


彼岸を過ぎた秋の夜、河川敷でゲームを行っていたときのことです。
川辺に近い枯れ草の後ろでVSR-10を構えてアンブッシュしている時、
子供のはしゃぎ声を聞いた気がしました。
気のせいだと思うことにして30mmチューブのスコープへ目を戻します。
すると、また声が…1人とかじゃなくて複数で…楽しく遊んでいるような声…確かに聞きました。
私の背後から…
射撃体勢を一時中断して振り返ってみました。
おかしなところは別に…いえ、なんだか後の方の川面が明るくなって…枯れた水草もほんのり明るく…
それを見た途端に悪寒が…ゾクゾクと背筋が…
思わずライフルを抱いて場所移動を行おうとしたところでチームリーダーが突然、現れ…
今夜はこれでゲームは中止だと宣言しました。
あれが出たからだと川面を指さします。
明かりが川を下ってきます。
まるで月が水面に映っているみたいに…
そこでまた、子供達のはしゃく声が聞こえてきました。
今度はかなり大きくはっきりと…
丸い明かりが私とリーダーの目の前を通り過ぎていきます。
黄色く光る輪の中で小さな髑髏が幾つも浮き沈みを繰り返してました。
溺れて助けを求めているみたいに見えます。
はしゃぎ声じゃなくて、悲鳴でした。
遥か昔に川で死んだ子供が子供を呼び…同じように溺死させる…それがまた、子供を呼んで溺死させる…
連綿と続く死の鎖がアレなのだと…
アレを見てもゲームを続けると、お持ち帰りの確率が高くなるんだとか

333:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 04:44:19.66 AgCPeYID0.net
廃校となった小学校で凍えるような寒い冬の晩にゲームをしたとき、
何故かゲーム開始早々に激しい射撃音が聞こえてきました。
2チームに分かれて旗の取り合いをする…俗に言うフラッグ戦なので…
私達の方はスタート地点からほとんど動いていないというのに…
相手が何か策を弄しているのかも…でも、自分達がいる場所を教えているようなものだし…
何人かが突出し、釣られてホイホイ寄ってきた私達を待ち伏せする作戦でしょうか?
でも、射撃音なんですが…あちらの全員で行っているみたいで…
只事じゃないと、それで全員で向かったんです。
一応、警戒はしながら…
相手チームは全員、スタート地点の部屋から一歩も出ずに…
運動場に面した窓に向かって狂ったように射撃してました。
話しかけられる雰囲気じゃありませんでした。
結局、彼等は弾切れになっても引金から指を離さず撃ち続けてて…
私達のチームのリーダーが大きな拍手を打ったんです。
それで、相手チームの人達は我に返り…
窓の外に、鈴なりとなった子供がいて、部屋の中を覗き込んでたそうです。
というか、窓を抜けて中へ侵入しようとしていたみたいだったと…


あるチームのお話なのですが、河川敷で夜戦をしていた時…
最終ゲームを終えたらメンバーの一人がフィールド中央にある木へパラコードを巻き付け…
首を吊って亡くなられていたそうです。
昔からその木でかなりの数の方が自殺されているそうで、首吊りの木と呼ばれているのだとか…
ゲーム中にいつ、その方がいなくなったか覚えている人は誰もいなかったそうです。
私は心霊スポット探検を趣味としていまして、その話を知って見に行ってみたいと言ったら…
その木を見に行く為にはサバイバルゲームフィールドの中にあるのだから、
サバイバルゲームをやらない人間には絶対に見せてやらないという掟があるという、
考えてみればすぐ分かる嘘に引っ掛かってサバイバルゲームを始めました。


(了)

334:統括者 ◆7vU/OMinzs @\(^o^)/
15/08/30 04:47:29.80 Mp8aiubx0.net
88本目の蝋燭が消えました・・・


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猫虫 ◆5G/PPtnDVUさん、第89話をお願いします
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335:猫虫 ◆5G/PPtnDVU @\(^o^)/
15/08/30 04:48:01.58 slHZZ5U50.net
【鏡の向こう】

これは高校時代に俺が体験した話だ。

俺の通っていた学校には、1階と2階をつなぐ階段の踊り場に巨大な鏡が設置されていた。
端っこに『昭和○○年度卒業生寄贈』みたいな事が書かれている物だ。
中央昇降口の手前なので、その鏡で身づくろいをしてから下校する生徒が多かった。
かく言う俺も日々利用していたのだが、まさかあんな目に遭うとは思ってもみなかった。

その日、俺は文化祭の仕事で遅くなった上、「雨ひどくなりそうだし、後は俺がやっとくから帰っていいよ」なんてかっこつけたもんだから、帰る頃には辺りはもう真っ暗になっていた。
荷物をまとめて階段を下り、いつものように鏡の前で髪を整えていた時の事。
突然、轟音と共に昇降口の方から青白い光が放たれた。
落雷だ、と思った瞬間、頼りなげに踊り場を照らしていた蛍光灯の明かりが消え、辺りは一瞬で暗闇に包まれた。

突然の停電で暗闇に目がついていけず、夜目がきくようになるまでの間、右も左も上も下も分からないような真の『真っ暗』を体験した。
目が見えない時は不安になるもので、とにかく何か固定されたものに触れたくなり、俺は鏡に手をついた。
その瞬間、急にめまいを覚えた。
あ、なんかやばい、と思って咄嗟にしゃがみこんだのだが、まるでそのまま前転するかのようなめまいの感覚に、俺は吐きそうになった。
両手と頭を鏡に押しつけてしばらく吐き気をこらえていると、急にチカチカッと蛍光灯が瞬いて明かりが戻った。
安堵したのと同時にめまいも治まり、吐き気も急激に退いていった。

336:猫虫 ◆5G/PPtnDVU @\(^o^)/
15/08/30 04:48:52.63 rrgQ+nhr0.net
昇降口を振り返ると、外ではまだ雷が激しく光っており、俺は帰るべきか留まるべきか迷った。
とりあえず親に電話して、あわよくば迎えに来てもらえないかと考え、俺は公衆電話のある職員用の玄関へ向かう事にした。
が、鏡に背を向けて階段を降りようとした瞬間、妙な違和感を覚えた。
(あれ…下りの階段って、こっち側だったっけ…?)
上の階から降りてくる時、自分の感覚としては半時計回りに螺旋を描くように降りてくるはずだった。
だが階段を見ると、下りは時計回りだ。

奇妙な感覚のズレ。
だが目の前の階段が紛れもなく時計回りなのだから、違和感は気のせいなのだろう。
俺は深く考えない事に決め、階段を降りようと手すりに手を伸ばした…のだが。
俺は何故か利き手ではない左手で


337:無意識に手すりを掴んだ。 (え、なんで左手?) 慌てて手すりから手を離し、自分の左手をまじまじと見つめる。 その時、いつも嵌めているはずの腕時計がない事に気が付いた。 (あっ、やべ!時計なくした!) 思わず右手で左手首を掴んだ、その時。 明らかな異変がそこにあった。 時計が、右手の手首に付いている。 混乱する頭が、さらに混乱を招くものに気付く。 文字盤のデジタル表示が、反対向きの鏡文字になっているではないか!



338:猫虫 ◆5G/PPtnDVU @\(^o^)/
15/08/30 04:49:47.42 rrgQ+nhr0.net
ありえない、と思いながら鏡を振り返ると、左手首に時計を付けた自分と目が合った。
鏡に駆け寄り、バンッと音を立てて両手を叩きつけると、鏡の向こうの自分も全く同じ動きを返した。
ガラス一枚隔てて、正しいはずの俺の姿と真反対になった俺の姿が向かい合う。
「何だよ、これ…戻れ、戻れ戻れ戻れ戻れ、戻ってくれって!!!」
鏡面に頭をこすりつけるようにしながら、俺は叫んだ。

「んぁー?そこにいんの、Iかぁー?」
突如、能天気な声が背後から掛けられ、俺は慌てて振り返った。
階段の下から、去年担任だった先生が訝しげにこちらを見上げていた。
「お前、何やってんだ?もう校舎閉めるぞー?」
「あああ、先生!あの、俺、その、ちょっともうなんかアレなんスよおぉー!」と、俺は意味不明な事を喚きながら半泣きで先生のもとへと駆け下りた。
「おうおう、どーした、何だ、なんかあったか?フラれたか?」
先生は勢い余ってぶつかってきた俺を受け止めると、幼児にするように背中をぽんぽんと叩いた。
混乱と安堵と訳の分からない苛立ちがごちゃまぜになり、俺はただ号泣するしかなかった。

泣きじゃくる俺を職員室の応接スペースに連れていくと、先生は校舎を閉めるために校内の見回りへと出かけた。
ひっくひっくとしゃくりあげながらも、俺の頭は少しずつ冷静さを取り戻していった。
先生は後で話を聞いてやると言ってくれたが、こんな事を話しても気がふれたとしか思われないだろう。
鏡の世界にいる事など証明のしようもないし、もしかしたら本当に俺の頭がおかしいのかもしれないと自分で思い始めてもいた。

339:猫虫 ◆5G/PPtnDVU @\(^o^)/
15/08/30 04:51:22.53 rrgQ+nhr0.net
全部気のせいなんじゃないかと辺りを見回すが、壁に貼られたプリントもマグカップの英文も全て違和感だらけの鏡文字。
だが、何故か視線は自然に文頭から文末へと動き、普通に内容は読めた。
その上、ノートとペンを出して試しに自分でも字を書いてみると、利き手ではない左手でスラスラと自然に鏡文字が書けた。
逆に、もともとの正しい文字を書こうとすると、脳内で形や向きをひとつひとつ意識しないと書けず、書き上がった文字を見ると「この字ほんとにこれで合ってるのか?」とゲシュタルト崩壊に近い感覚を覚えた。
左右の手で書き比べたりもしたのだが、今の利き手はどうやら左手のようだった。

見回りから戻ってきた先生はノートにひらがなを必死で並べている俺の姿を憐みの目で見つめると、左ハンドルの日本車で自宅まで送ってくれた。
泣いた理由を車内で尋ねられたが、今は話したくないですと言うと「まぁ若い頃にはいろいろあるもんだしな」と言って話を終わらせてくれた。

それからしばらくの間、俺は左右反対の世界で過ごした。
初めのうちは違和感に苛まれ続けたし、なんとか戻れないかと試行錯誤していたのだが、恐ろしい事にだんだんとこちらの方が正しい世界なんじゃないかと思い始めた。
厳密に言えば、俺がおかしくなっただけで世界は何も変わってはいないんじゃないかという感覚だ。
左右反対に道を辿って学校へ行き、左手を使って鏡文字でノートを取る。
そんな生活に慣れ始めたあたりで、「いやいや、やっぱヤバイだろ」と思い直した。

340:猫虫 ◆5G/PPtnDVU @\(^o^)/
15/08/30 05:01:40.49 slHZZ5U50.net
再び試行錯誤の日々が始まった。
例の鏡と暗闇で向かい合って何かする、といったオーソドックスな事は初期の頃すでに試していたので、今度は別の方法を考える事にした。
街中で鏡を見かけたら、ひとまず触れてみるのが俺の癖になった。
理由を知らない友達から嘲笑の目を向けられる事も度々だったが、俺は必死だった。

鏡に映る自分を見て「ああ、向こうの俺も戻ろうと必死だな…」とか妙な事を思ったり、「ここにいる俺と鏡に映る俺は今同じ事を考えているのだろうか」などと哲学的な事を考えたりもした。
なんだか本当に頭がおかしくなりそうな日々だった。

そんなある日、俺は風呂の中であれこれ考え事をしているうちにうっかり眠ってしまった。
鼻から水を吸い込んで盛大にむせながら目を覚ますと、頭痛と吐き気に襲われた。
長風呂のせいでのぼせてしまったのだ。
とにかく体を冷まそうと冷水のシャワーを浴び始めたのだが、立ちくらみが襲ってきて立っていられなくなった。
倒れる!と思って咄嗟に手をついた先は、運悪く鏡だった。
ビシメキバリッと嫌な音がして、左手の手のひらに激痛が走る。
続いてガチャンパリーンと床でガラスが砕け散る音が続いた。
あ、割っちまった…と焦ったが、今は立ちくらみの方が問題だ。
ずるずる座り込むと壁にもたれてぎゅっと目を瞑り、立ちくらみが治まるのを待った。

341:猫虫 ◆5G/PPtnDVU @\(^o^)/
15/08/30 05:03:09.37 rrgQ+nhr0.net
そうこうしているうちに浴室のドアが乱暴に開けられ、「あんた何やってんの!今なんか割ったでしょ!」と母親が押し入ってきた。
年頃の息子の風呂場に入ってくんな!と言いたくて、声のする方へ顔を向けた瞬間、あれっと思った。
さっきまで左側にあったドアが、右側になっている。
手を見ると、血まみれになっているのは右手。
「やだ、怪我したの?ちょっとほら、見せて!」と乱暴に俺の手を掴んだ母親が、俺の手のひらに刺さったままのガラス片を、母親の本来の正しい利き手である右手でつまみ取っていく。
それを見た瞬間、俺は「かあちゃーん!」と情けない雄叫びを上げて泣き崩れた。
なんだかよく分からないが、とにかく戻ってこれたのだ。

帰還の代償として、俺は右手を4針と右ヒザを2針縫った上、浴室の鏡の交換費用を小遣いから天引きされる羽目になった。
いろんな意味で痛い代償だったが、違和感のない生活を取り戻せた事は素直に嬉しかった。
結局、体調が悪い状態で鏡に触れたのが良かったのか、はたまた割った事が良かったのか、あるいは何か別の条件が揃っていたのか、戻れた理由は分からない。
向こうに行ってしまった理由もまた然りだ。
以来、俺は鏡には不用意に手をつかないよう気を付けている。

【了】

342:統括者 ◆7vU/OMinzs @\(^o^)/
15/08/30 05:04:53.73 Mp8aiubx0.net
89本目の蝋燭が消えました・・・


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わらび餅 ◆jlKPI7rooQさん、第90話をお願いします
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343:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 05:05:22.61 AgCPeYID0.net
『汽笛の音』

これは私が父親から聞いた話です。

父親は幽霊などは信じないオカルト否定派の人間なのですが、昔体験した今でも不思議でならない話がひとつあり、怪談の話などになるとそれをよく話してくれます。
それは大阪に住んでいる父親が子供の頃に、踏み切り待ちをしていた頃の話だったそうです。

カンカンカンと鳴り響いていた遮断機の音が止み、ボォ~と低くよく響くような音が聞こえたそうです。
不思議に思い周りを見回してみても、そのような音を出すものは見えない。
近くなってくるその音を聞いていた父は、一つだけこの音の正体に思い至ったものがあったそうです。

そう、蒸気機関車が発する汽笛の音にそっくりだったのです。

父親が子供の頃と言えば昭和40年代、その頃に大阪で蒸気機関車が走っていたと言う話は聞きません。
そして、音が近づくにつれて踏み切りの周りでざわざわと人の話し声のようなものが聞こえ始めたようです。

この時点で相当ビビッていたらしいのですが、更に不思議なことが起こったそうです。
父の視界の端に、ごった返す人ごみが見えたと言うのだ。
しかしそちらに視界を向けても、辺りに人の姿は全く見えない。
ざわざわと雑然とした話し声だけは耳に聞こえており、それに追加して何か喧嘩するような怒鳴り声も聞こえてきたそうです。
そうこうしているうちにも汽笛の音はどんどんと近づいてくる。

踏み切りは開いており、線路を渡っていくのには問題がない。
しかし、気味が悪いその状況で踏み切りを渡る気にはならなかったそうです。
急いで音の鳴っている方向から逃げ出し、それ以上のことは何もなかったとのこと。

結局あれは何だったんだろうなぁ、と今でもたまに語ってくれます。
それでもやはり幽霊などは信じていないそうですが……。




344:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 05:07:56.95 AgCPeYID0.net
90本目の蝋燭が消えました・・・


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広島生まれのTさん ◆kJ41.80SMgさん、第91話をお願いします
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345:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 05:09:03.96 AgCPeYID0.net
【91話】広島生まれのTさん ◆kJ41.80SMg 様
『深夜ドライブの記録』

今年春の話。
大学が春休みに入り、友人たちとドライブをすることになった。
ルートは四国をぐるりと回ってかずら橋や道後温泉、桂浜などを見て回るものだ。
旅は1泊3日で初日にホテルに泊まり以降は交代しながらノンストップで回っていく。
仲のよい友達同士の旅でとても楽しみであった。
URLリンク(i.imgur.com)
旅行が始まり一日中いろんな名所を見て回る。
どれも思い出深いものとなりとても充実した旅であった。
道後温泉で湯に浸かったあとその近辺にある初日の宿に到着した。
夕食をとり荷物を置いて一息ついたところでさてこれからどうしようという話になる。
そこで私は深夜ドライブに行こうと提案した。
私には行きたいところがあった。
URLリンク(i.imgur.com)
一行とともにまた車に乗り込み車で30分ほど移動する。
深夜ということもあり浮き足立っていたと思う。
都市部を離れビルが見えなくなり民家も減っていき周りは山間部となった。
騒がしい車内とは対照的に辺りは静けさに包まれていた。
URLリンク(i.imgur.com)
URLリンク(i.imgur.com)
目的地に到着した。
そこは近くにキャンプ場もある池である。
車から降りるとひんやりとした空気を感じる。
友人と辺りを散歩してみることにした。
私はカメラを持ってきていたため記念にと写真を撮った。
時折シャッターが下りなかったが暗すぎるせいだと考え気にとめなかった。
5分ほど歩いたがもう夜中で景色も良くないため早々に引き返すこととなった。
車まで戻ったところで近くにあった建造物なども数枚写真に収め宿に帰りはじめる。
URLリンク(i.imgur.com)
人明かりが戻ってきたところで私は撮った写真を眺めていた。

346:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 05:10:25.72 AgCPeYID0.net
ん?
暗いためぼやけたりぶれたりしてしまった写真が多い中私はある写真に違和感をもった。
友人の背後???何だ?
フラッシュを焚いていたためしっかり


347:友人の姿は捉えられている。 さらに後方からライトで照らされているため他のものが移りこんでいればしっかり輪郭を捕らえられるはずである。 ぞっとした。 初めて人ならざるものが近くにいたことを実感する。 友人をにらみつけるような目に敵意をひしひしと感じた。 それを友人にもみてもらい後方に人がいたか確認してもらう。 結果そんな人物はいなかった。 行きの騒がしさとは真反対の静けさに車内は包まれた。 帰りの車中にて私はこう思った。 遊び半分で行くべきじゃないのかもしれないな。 その場所こそ過去水害や工事中の事故で多数の人命が失われた大谷池であった。 http://i.imgur.com/MrQyTLq.jpg そしてその写真がこちらである http://i.imgur.com/krk3AK7.jpg 明度上げ http://i.imgur.com/vQB3PHF.jpg 了



348:統括者 ◆7vU/OMinzs @\(^o^)/
15/08/30 05:11:19.13 Mp8aiubx0.net
91本目の蝋燭が消えました・・・


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チッチママ ◆pLru64DMboさん、第92話をお願いします
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349:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 05:11:55.22 AgCPeYID0.net
【92話】チッチママ ◆pLru64DMbo 様
『海の掟』

何か怖い体験なーい?と友人に連絡してみたところ田舎だから
くるわくるわで夏だなって感じです
その中の一つを紹介
親が漁師のその子の家は今でも近場の他府県がこっそり禁止されてるのに泳ぎに来ます
でも地元民は近づきません、だってそこは遺体があがる場所だからです
潮の加減か、海で不明者が出た時はよくそこにあがるんです
近くに極楽とついた供養の寺まである始末(あ、地元バレたかな?)
友人の実家は漁師の集落で子の名前は霊感のある婆さんにつけて貰います
なんでも守ってもらう為と見逃して貰う為だそうです(何に?)
幼い時から言われていたのは、浜で石を拾うなと、人が亡くなった一週間は魚を食べてはいけない
目の前が浜辺だからよく遊んでいたそうで、友人の幼い弟はうっかり石を持って帰宅してしまったそうです
両親がそれを見つけ大騒ぎ、同居していた祖母さんが友人と弟を連れて
暗いのに浜辺に戻り、石を返しに行ったそうです
祖母さんがお経をとなえて最後に「見逃して下さい見逃して下さい」と友人と弟に土下座させて
そして帰宅するなり玄関前で塩を山ほどかけられたあげくに次の日に近くの寺にお祓いに行ったそうです
友人いわく石を返す時に、石の模様が人の顔に見えたと、そして石の顔の目がずっと弟を見ていたそうです
兄弟二人は漁師になるのを拒絶して今は他府県で会社員をやっています
いまだに、その水泳禁止で何も知らない人が亡くなるのが多いです

(終)

350:統括者 ◆7vU/OMinzs @\(^o^)/
15/08/30 05:13:38.26 Mp8aiubx0.net
92本目の蝋燭が消えました・・・


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かぐら ◆Ccp.OZqu04w2さん、第93話をお願いします
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351:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 05:14:35.53 AgCPeYID0.net
【93話】かぐら ◆Ccp.OZqu04w2 様
『ターゲット』

10年ぐらい前に私が聞かせてもらった話なんですけどね。

このかた、某市で看護師をされてる女性だったんですが、霊感があるっていうんです。
病院なんかに勤めていると、実に様々なものがみえるらしいですね。
で、あまりにみえすぎるものだから、もう慣れっこだった。

話というのは何かというと、この女性の住んでる街から私の街の方へ向かうのに幾つかルートがある。
有料区間を使わない、A峠という場所を通る狭くて暗い峠道のことなんですがね。
私の界隈でも、結構ここは怖い話があるよなんて教えてくれる人がいるんですが。
この女性も過去に何度か通っていて、おかしなことが幾つかあったっていうんです。
ところが、彼女にとってはどれも日常で起こる些�


352:ラな出来事の延長ぐらいのもんだった。 「ただねえ、あれだけは怖かったよ」 妙に楽しそうに私に話してくれたのは、あるとき例によってその峠を車で通ったときのことなんですね。 まあ、慣れているとはいえあんまり気持ちのいい場所じゃないんで、本当は通りたくないんだけど、 何かの事情でどうしても通らなきゃいけなくて、夜のA峠をたった一人で車で飛ばしたっていうんです。 そしたら、もう頂上かその付近へ着くかぐらいのところで、 誰も乗っていないはずの後部座席から人の息遣いを感じる。 明らかに何者かがそこにいる気配がする。 誰も乗せてきていないし、出発してから車も停めてない。 この世の者ではない。 すぐにそう感じました。 だけど彼女、慣れてるもんだから、 ――ああ、今度は何か乗ってきちゃったか。



353:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 05:15:29.93 AgCPeYID0.net
そのぐらいのもんです。
でも後部座席の“なにか”が、ゆ っ く り と運転席の自分のほうへ顔を近づけてくるのがわかった。
どんな奴なんだろう。
彼女、不意にそう思ったそうです。よし、正体みてやろうと思って、スピードを若干緩めた。
緩めながら、ルームミラー越しに、その何かに目をやった。

途端、

う゛う゛う゛っ!!!

全身がぞくっとして、体が固まってしまったそうです。


後部座席に乗ってたそれ。
人だったそうです。
ただそれ、正確には、この世に存在してはいけないヒトだった。
それ、自分とまったく同じ顔・姿・格好をした、ナニカなんです。
もう一人の自分が、後部座席に座って、ミラー越しに自分のほうをじぃ~っと睨んでる。
その顔がなおも、ぐぐっと自分のほうへ寄ってくるのがわかる。

―やばいやばいやばいやばいどうしようどうなっちゃうんだろう。

色々みてきたけれども、とうとう“自分自身”が出てきてしまった。
これはまずい。初めてそう感じたそうです。
ハンドルを握る手をガタガタ震わせていると、その顔がもう自分の斜め後方すぐ傍にある。
その口が、彼女の耳元までぐっと近づいてきて。

「お ま え だ れ だ。わ た し は ふ た り も い ら な い ん だ よ」

あまりの恐怖に目の前が真っ暗になって、そこから目的地の駐車場までの道程の記憶があまり無いそうです。
しかし、ともかく事故にも遭わず無事に辿り着いた。

354:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 05:16:57.67 AgCPeYID0.net
「あれだけは怖かったね」

彼女、私にそんな具合に話してくれました。

でもこの話、続きがあったんです。
正確には、後になって、私の頭の中で何かが弾けて引き出されたというかな。
仕事中だったんですけどね、何かの拍子に、女性に聞かせてもらったその話がふっと頭をよぎったんです。
妙に楽しそうに私に語ってくれたその彼女。
そう、その顔を目の奥で思い浮かべたとき、あることに気が付いたんです。
瞬間、ぞくっとしました。

私に向かって実際にその話をしてくれた、看護師の彼女。
それ、
後部座席に座っていたほうの彼女だったんじゃないかな。
そう思ったんですよね。

これ、理屈とかそういうの抜きにですよ。
いわゆる第六感的な何かとでもいうんでしょうかね、それが核心だよと訴えてくるんです。
だけど、もしそれが、私の感覚が正しくてその通りだったとしてですよ。
元の彼女、
一体どこへ行ってしまったんですかね?

【了】

355:統括者 ◆7vU/OMinzs @\(^o^)/
15/08/30 05:18:52.59 Mp8aiubx0.net
93本目の蝋燭が消えました・・・


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つくし ◆81X5rEXMGcさん、第94話をお願いします
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356:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 05:19:38.87 AgCPeYID0.net
【94話】つくし ◆81X5rEXMGc
『無題』

私が幼い時の話です
ちょうど幼稚園の夏休みが終わる十数年前の今頃の話ですが怖い話と言うよりは不思議な話です
その日は日中とても天気がよく夕焼けがとても綺麗でした
私が住んでた家は歩道に面して戸建が4軒並んで建っていて私の住んでる家は歩道から見て左から2軒目でした
1軒目と4軒目の横にそれぞれ路地がありその路地の途中から家の裏にもある小さな路地に入れる様になっていました
その日夕方母が夕食の準備をしている間少し外に出ていようと思い路地に行くことにしました
普段遊んでいたのは1軒目の横にある路地でしたがその日は何故か4軒目の路地に足が向きました
路地に入り家の裏にある路地に入ろうとした時何気なく自分の長く伸びてる影に目をやりました
するとその影がスーッと起き上がったんです
とても背の高い影で私はかなり顔を上げて見上げたのを覚えています
その時得体の知れない物を見て叫びたかったのですが本当に怖い時って声が出ないんですね
とにかく逃げなきゃいけないと思いそのまま家の裏の路地に逃げ込み家の裏なので物置みたいになっておりそれを避けながら一生懸命走りました
走っている最中一度だけ顔を少し後ろに向けたのですがその時目の端にその影が追って来ているのが見えました
1軒目の横の路地に出てぐるっと回って家に逃げ込みました
様子がおかしいと思った母が駆け寄ってきましたが私はその時「影が…影が…」しか言えませんでした
落ち着いてから状況を母に説明しました
母は黙って聞いてくれていました
結局正体は分からないままですがこれには後日談があり私が中学生の頃たまたまその時の話を母としていて母がふと実はあの時私が影が…影が…と言うので何気なく私の影があるべき所を見たら灯に照らされて有るはずの影がなかったそうです
数秒間確認するため見つめていたら突然影がスッと出現したらしく母は私が怖がると思ったのと母は霊などは全く信じない人なので気のせいだろうと言う気持ちから私には黙っていたそうです
今でもふと思い出すことがあり不思議な体験だったなと懐かしく思います

終わり

357:統括者 ◆7vU/OMinzs @\(^o^)/
15/08/30 05:21:54.81 Mp8aiubx0.net
94本目の蝋燭が消えました・・・


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むよ ◆XNr1qS4ucさん、第95話をお願いします
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358:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 05:22:32.06 AgCPeYID0.net
【九十五話】むよ ◆XNr1qS4uc 様


私は、あまり大きくない病院に事務として勤務しています。ベッド数は100床程度ですが療養型もあるため、入院している患者さんの8割は高齢者です。また、介護付き有料老人ホームやグループホームとも提携しているので、外来に来る患者さんも6割が後期高齢者です。
ほぼ毎日、入院患者の1人か2人は亡くなっています。また、提携施設より急患として搬送されますが、実際は医師が死亡確認のみ行う場合もあります。
あれは、私が遅番担当の日でした。遅番は他の事務の者が定時で上がった後、1時間ほど残って、夜間の事務当直に引き継ぎを行わななければなりません。
その日は他の職員は残業せず、皆が早々に定時上がっており、事務室内にいるのは私だけでした。それまで特に電話や来院者もおらず、外来廊下や事務室内はとても静かでした。
あと30分程で事務当直が来るので、それまで自分の仕事をしようとPCの前に座っていると、急に電話が鳴りました。
電話に出てみると、近くの救急隊からの収容依頼でした。患者は提携施設に入居している男性の高齢者で、呼吸も弱くサチュレーションもかなり低下しているとのことでした。
時間外の対応マニュアル通り、この時間帯だと技師が不在のためレントゲンやMRIは取れないこと、特別な検査等も出来ないことを救急隊に伝え、それでも来院希望なのか確認しました。
救急隊は、とにかく医師に診察してもらいたいとの希望でしたので、当直の医師にその旨を伝え、当院にて収容となりました。
あと10分程度で到着するとのことだったので、急いでカルテを探し遅番担当の看護師に連絡して、救急処置室の鍵を開けに行きました。
救急処置室は外来診察室の裏手になり、入院患者も通院患者も殆ど通らない場所にあります。
しばらくすると救急車のサイレンが玄関前で止まり、救急隊が到着したのがわかりました。
救急隊から患者搬送票を受けとり、救急治療室に案内しました。
救急隊員の1人は患者に心臓マッサージを行っており、患者の顔色的にもう駄目っぽいことがわかりました。
しかし来院していることはしているので、医師が診察しなければなりません。
救急処置室にいた看護師と医師に引き継ぎ、自分は事務処理の為事務室へと戻りました。

359:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 05:24:28.47 AgCPeYID0.net
戻る途中、救急隊員に付き添いはいないのか確認しました。施設に入居している人が搬送された場合、その施設のスタッフが付き添いで来ることが殆どです。
しかし、救急隊員が言うには、施設のスタッフは後から別の車で来ること、患者に身寄りはなく近くに知り合い等もいないとのことでした。
よろしくお願いします、の言葉とストレッチャーと共に、救急隊員は帰っていきました。
蘇生するにしてもしないにしても、会計は発生します。遅番の自分はその処理をしなければなりません。事務室に戻り十数分が過ぎたころ、内線が鳴りました。
出てみると、処置室の医師からでした。駄目だったので死亡診断書を作成する、用紙を持ってきて欲しいとのことです。
ブランクの診断書を用意して、処置室に向かいます。外来廊下に、自分の足音が響きます。
処置室の扉を開けると部屋の奥にストレッチャー、その上に患者さんだった方がいます。
更に、その横たわった体の頭のすぐそばに、1人のお婆さんがいました。こちらに背を向け腰を曲げ、患者さんだった方の顔と触れあわんばかりに、自分の顔を寄せていました。
白髪の髪をお団子に結っており、それが乱れて後れ毛が飛び出ていました。
黄色い地に大きな花柄のワンピースとその白髪頭が不似合いで、思わずじっと見てしまいました。
肝心の医師も看護師も処置室にはおらず、早々に書類処理がしたい自分としては、少しイラッとしてしまいました。そのまま処置室のドアを閉め、医師のPHSにコールしてみました。
医師は外来診察室の一室にいるとのこと、私は足早にその診察室に向かいました。医師に用紙を渡して、医師が処置内容を記載したカルテを受けとり、事務室に戻りました。
PC にて会計処理をしながら、先ほど処置室で見かけたことを思いだしました。
外来廊下は救急隊員と自分しか通ってないはずだし、救急車に同乗していた付き添いもいなかったはずです。入院患者さんは大抵お仕着せの寝間着を着ているはずだし…
この世のものではなかったのか?
もしも生きている人にだったとしても、なぜそんなに顔を寄せる必要があるのか?
疑問に思いながらも、患者さんだった方が生保だったことを確認し、ホッとしました。生保なら、診療費を取りっぱぐれることはありませんから。

(終)

360:統括者 ◆7vU/OMinzs @\(^o^)/
15/08/30 05:25:26.99 Mp8aiubx0.net
95本目の蝋燭が消えました・・・


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ぺそ ◆qyVZC3tLJoさん、第96話をお願いします
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361:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 05:25:59.23 AgCPeYID0.net
【九十六話】ぺそ ◆qyVZC3tLJo 様
『玄関先』

職場の人(Aさん)に聞いた話です。
実際体験したのはその方のお母様なのですが。

Aさんのお母さんは毎朝犬の散歩を早い時間にするそうです。
いつも決まっているコースを歩いていると、以前は仲良くしていたけれど最近息子さんだかのお家で一緒に住んでいて最近はほとんど家に以内というご近所さんの家の前を通りがかったときです。
散歩をしていた犬がそのお宅の玄関先でワンワン!と吠えたそうです。
猫でもいたのかな?とAさんのお母さんがお宅のほうを見てみると玄関が開いていてそこのおばあさんが座ってらっしゃったそうです。
久しぶりだったので「お久しぶりやね�


362:・~今はこっちに帰ってきてるねんね~」と声をかけましたが無表情で座っておられたそうで (あー耳も遠いし聞こえてないし見えてないんかな)と思い「じゃあまたねー」とその場を去ったそうです。 その日の夕方、また同じように犬の散歩をしていると、朝通りがかった家がざわざわしていたそうです。 近くまでいくと弔辞の札が。話を聞くと今朝方おばあさんが亡くなられたということでした。 じゃあ朝出会ったのは・・・長年過ごした家に帰ってきたかったのかなぁ、と納得されたそうです。 ただ無表情だったのがとても怖かったらしく、なにかあるのかと思って過ごしたそうですがとくに後日談もないということでした。 おわり



363:統括者 ◆7vU/OMinzs @\(^o^)/
15/08/30 05:29:33.57 Mp8aiubx0.net
96本目の蝋燭が消えました・・・


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チッチママ ◆pLru64DMboさん、第97話をお願いします
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364:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 05:30:35.89 AgCPeYID0.net
【97話】チッチママ ◆pLru64DMbo 様
『危機一髪』

怖いかどうかはわかりませんが…不思議な体験の話
私が小学生の頃に大阪で花の博覧会というのをしていました
確か開園して2日目だったと思います
あの日、私は家族でそこにいました
まず一番人気だったウォーターライドという高い場所に水路を作って
そこを船で進むという乗り物に真っ先に並んでいました
とても人が多くて、家族連れが目立っていました
老夫婦やベビーカーの親子までいたのを覚えています
並んで待って、やっと入り口が見えてきたかな?って時に妹が
「トイレー」と言い出してしまい、母が付き添い私一人だけ並んで待つことになりました
列はどんどんと進んで、はやく帰ってこないと私だけ乗っちゃうと焦っていました
すると妹と母の声で「私ちゃーん、こっちよーここよー」って声が聞こえたんです
え?なんで後ろから声がするの?後ろに並びなおしたの?と私は列を離れました
けれど周囲を探し回っても姿が見えないのです
はぐれた?と泣きべそをかきそうになっていると、やっと母と妹の姿
けれど後ろに並びなおした私に「あんた何やってんの!!」と怒られてしまいました
「だってさっき私を呼んだじゃない」「呼んでないよ!!今きた所なのに!!」
仕方なく後ろから並びなおしましたが、母はプンプンと怒っていました
私は申し訳なくて、やっと順番がきてもあまり楽しめなかったのです
ゆっくりと船が進んでナビゲータのお姉さんが案内してくれていました
平坦だった水路でしたが前に山みたいな急な登りが見えました
私はジェットコースーターが嫌いで、うわぁと思っていたら
突然に「きゃー」という人の叫び声ドゴン・ガゴンという音がしました

365:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 05:31:30.68 AgCPeYID0.net
水路の下の通路の人たちは走り回り、案内のお姉さんは
「ちょっと落ち着いてください、大丈夫!!大丈夫ですから!!」
と本人も若い女性なのに泣きそうになっていました
前の登りかけの船も似た感じで案内の人が必死に
「立たないで下さい!!座って落ち着いて!!」と叫んでいました
大人たちも子供もどうしようもなく、とりあえずは冷静にそのまま座っていました
まず警備員の制服を着た人たちが複数下の通路に走って集まってきました
すぐにヘリコプターの音が空にバリバリと鳴り響いて、今度は警察官の人たちが来ました
救急車の音がしてオレンジの服を着たヘルメットをかぶった人たちが
女性を横にして上にまたがって何かしていました
前の登りかけに乗っていた案内の女性が水路横の非常通路から降りてきて
こちらの女性と相談していました
「マネージャーに連絡」「ここ動けない」「こんなの訓練で聞いてない」こんな会話でした
ともかく非常事態なんだなと思っていると、乗っていた大人の男性が
「何がおこっているんだ!!いい加減にしろ!!」と怒鳴り始めました
別の女性が「子供もいるのに、ともかく安全な場所へ!!」
すると黒いスーツを着たメガネをかけた男性が非常通路のどこかから来ました
まず案内の女性に指示を出した後に私たちに
「今から非常出口から安全に退避して頂きます。大丈夫です、まず混乱すると危険ですので
まず子供さん連れの前の席からゆっくりと歩いて行って下さい」

366:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 05:32:12.84 AgCPeYID0.net
船を降りるときに少し揺れました。私たちには前で何が起こっているのか不明でした
通路途中でもう二人ほどのスーツを着た男性の人たちが誘導してくれました
階段は鉄の階段で下は草ムラで薄暗くて、本当に非常用なんだなと思いました
母は「これ返金してくれるのかしら」と怒っていましたが、私は怖がる妹の手を繋ぐのに必死でした
降りた先でまず男性が「ケガのある人はこちらへ」と叫んでいました
他の人は頭をずっと下げている別の男性の前を通って、やっと一般の道に出れました
その道には人だかりが凄くて、なんでもチケット返金を求める人や怒号が凄かったです
「これじゃあ返金も無理そうだわ」と興奮してる母に妹が
「お姉ちゃん、あのまま最初に並んでたらどうなった?」と聞かれました
まだ何が起こったのかわからなくて私は「わかんない」としか言えませんでした
あとは普通に他のアトラクションや展示を楽しみました
目玉のジェットコースターの風神・雷神は母が乗りたがりましたが
「なんか気持ち悪いしアレ、人いっぱいだからバスの時間遅れるよ?」
で母は不満そうでしたが帰路につきました
家についてテレビをつけて、やっと何がおこったか理解しました
家族で唖然と魅入ってしまいました
映像で落ちた人たちの物が散乱していましたが、私の身近にいた方の持ち物を見つけてしまい
確実にあのまま並んでいたら、私たちはアレに乗っていたと思います
船の落下事故でしたが亡くなった方がいなかったのが幸いでした

(終)

367:統括者 ◆7vU/OMinzs @\(^o^)/
15/08/30 05:35:07.85 Mp8aiubx0.net
97本目の蝋燭が消えました・・・


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368:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 05:36:18.96 AgCPeYID0.net
『7人の小人』

私が小学生のときに体験した、不思議で怖い話です。

あれは友人数人と学校から下校していたときのことです。
通学路の途中に、灰色の鳩が死んでいるのを見つけたのです。
最近死んだばかりなのか、死体は特に酷い状態というわけではなかったのですが、友達の何人かは気持ち悪さ半分好奇心半分といったところでした。

そこで、誰が言い出したかはハッキリとしないのですが道端に置いておくのもかわいそうだし、皆で埋めてやろうという話になったのです。
小学生のやることだったので、周りへの迷惑などはまったく考えず、適当に土がむき出しになっている街路樹のした辺りに鳩を埋葬し、形のよい石をその上に置いて供養しました。
さらに、どこから持ってきたのか友人の一人が7人の小人を模した陶器の人形を持ってきたのです。

「そこに落ちてた、こいつらに墓守させようぜ」

といって、お墓の周りにその小人たちを並べたのです。
私は、こう言っては何なのですがその小人たちがあまり可愛くなく、しかも7体もずらっと並んでいるのをみて少し不気味だなぁと思った記憶があります。

それから数日、私たちは学校から帰る途中は必ずその墓の前で手を合わせて帰っていました。
しかしある時、鳩を一緒に埋めた友人ではない友人と一緒に下校することがあったのです。
その友人……Aとしますが、彼は学校でもある意味で有名であり、体格がいいこともあってあまり考えなしに腕力にうったえる様な少し困った奴でした。
そして、鳩の墓の前まで来て私たちは気づきました。

(このジャ○アンがこんな面白そうなことを知って何もしないはずがない)

と、おそ


369:らく全員がそう思ったと思います。 ジャ○アンというのは、私たちが彼の陰口を叩くときに使っていた呼称です、勿論本人の前でそんなことを言えばどうなるかわかったものではなかったので……。 墓の前を通り過ぎる際、何か適当な話題で注意を逸らそうと私は画策していたのですが、それよりも早く彼は行動を起こしました。



370:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 05:37:53.59 AgCPeYID0.net
「お、何か並んどる! 何やこれきもちわる!」

と言って、静止するまもなく墓守達(7人の小人)に駆け寄っていき、墓ごと小人を2~3体まとめて蹴り飛ばしたのです。
流石のこの行動には私たちもびっくりしました。
その後、誰か人の物で、ここに置いてあるかもしれないから壊したらまずいよ、といったようなことを言って何とかその場を収めた覚えがあります。
壊したらまずいも何も、彼の豪快な蹴りで陶器製だった小人のうち3体はコンクリートにぶつかって壊れてしまい、墓石もどこかへなくなってしまっていました。

そして私は、その日の夜に不思議な光景を見たのです。
始めはそれは不思議な声でした。

私は子供部屋で一人で寝ていたのですが、窓の外から複数の人間が歌うような声が聞こえたのです。
それは日本語のような感じがしたのですが、内容としては何を言っているのか全く意味のわからない言葉でした。
窓の外を見てみると、家の近くにあった大きな木の下を、何か小さな人のようなものが踊りながらぐるぐる回っているのです。

よく目を凝らすと、それは例の7人の小人でした。
7人とはいっても、踊っているのは4体だけで壊れてしまった3体は大きな木の下に並べられていました。
どうやらその3体を囲むようにして、木の下をぐるぐる回りながら踊っているようです。

何だあれ、何だあれ? 壊したのは自分じゃないんだから、Aのところに行けよ!

と私はとにかく怖くなり、窓のカーテンをしっかり閉めて布団にもぐりこみました。
しばらく歌うような不思議な声が聞こえていたのですが、気がつけばその声も遠くなり、私はいつの間にか眠ってしまっていました。

次の日、例の墓があった場所を見てみると、壊れた小人も残った4人の小人もきれいさっぱりなくなっていました。
誰かが片付けてしまったのか、それとも自分たちの意思でどこかへ行ったのか……。
今では詳しいことはわかりませんが、夢だったのではないかと思うような不思議な出来事でした。




371:統括者 ◆7vU/OMinzs @\(^o^)/
15/08/30 05:44:06.22 Mp8aiubx0.net
98本目の蝋燭が消えました・・・


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りほ ◆aZ4fR7hJwMさん、第99話をお願いします
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372:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 05:44:10.60 AgCPeYID0.net
98本目の蝋燭が消えました・・・


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373:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 05:44:37.49 AgCPeYID0.net
【99話】りほ ◆aZ4fR7hJwM 様
『蜘蛛の糸』

まだ小学生前半だった頃、当時は年に数回程家族ぐるみで付き合いのあった幼馴染達とよくキャンプをしに行ったものだった。
いつの時かどこの場所だったかは忘れてしまったが、とある山中でキャンプをした時の事だ。
大人達が夜へ向けバーベキューの準備をしている間、子供達だけで近くの山へ探検をしに行った。
薄暗くも手入れの行き届いた雑木林を進んでいると、ふと藪の中に矢印のついた看板があるのに気がついた。
そこに書いてあった内容までは覚えていないのだが、一見目につかない様な場所にあったそれを見つけた時はまるで隠しダンジョンを見つけたかのごとく皆が興奮し、さっそく探検しようということになった。
矢印の先にあったその道は今までの手入れされた林道とは違い、藪だらけで子供の背丈ギリギリの獣道のようなものであった。
多少不気味ではあるものの、それがまた冒険心を刺激するのと同時に、周りから弱虫と思われたくないという見栄か、誰も異を唱える事無くその獣道へと突き進ん�


374:セ。 やはり手入れがされてないからか、その獣道を進みはじめるといっそう辺りが暗くなった覚えがある。 しばらく進んでいると、突然先頭の奴が悲鳴を上げうずくまった。 いったいどうしたのか、ケガでもしたのか、獣でもいたのか? 慌ててそいつの元へと駆け寄ると何やら手で顔を必死に拭っている。どうしたの?と尋ねると 「蜘蛛の巣。顔に引っかかっちゃた」と恥ずかしそうに答えた。 なるほど、どうやら道を挟んで藪の端から端にかかっていた蜘蛛の巣に顔から突っ込んでしまい、雰囲気も合わさって驚き叫んでしまったらしい。 なんだ驚かすなよと、皆安堵し、そいつもバツが悪そうにごめんと謝りつつもやはり気持ちが悪かったのか、隊の先頭から後ろの方へと移動していった。 気を取り直して進むも、想像以上に蜘蛛の巣は多く、たびたび「うわっ!」という声が先頭から聞こえてきた。



375:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 05:45:38.16 AgCPeYID0.net
あまりの多さと皆の叫び声を聞くうちに、逆に気持ち悪そうという考えから楽しそうだという気持ちに変わってくる。メンバーの中でもお調子者な自分はさっそく先頭を代わり、蜘蛛の巣がかかるのを今か今かと待ちながら進んでいった。
するとさっそく顔から突っ込んでしまったのだが、肌に纏わりつく粘着性、細くも抵抗力のある強靭性、加えて薄暗くまったく見えない中でいきなりぶつかる唐突性と不快感。
思わず驚き声を上げてしまったのだが、その様を見て笑う皆を見てるとこちらも楽しくなってしまい、それから先も先頭で進んでは蜘蛛の巣をかぶり、さらに見えてるものには自分から突っ込だりと巫山戯ながら進んでいった。
しかし、最初は皆面白がっていたものの、飽きてしまったのかだんだんと口数も盛り上がりも極端に減ってきた。さすがに悪巫山戯に嫌気がさしたのか、はたまた蜘蛛の巣まみれの自分が気持ち悪がられているのか、だんだんと距離もあけられてるような気さえした。
すると一人の女の子が
「もうこわい。帰ろうよ」と言い始める。
確かに巫山戯てて気づかなかったが、辺りは相当暗くなっており、だいぶ進んだにもかかわらず目的地には未だ着く気配すらない。
遅くなって大人達に怒られる、もしかしたら迷っているのではないか?という不安から探検は諦めて帰ろうということになった。
そこでまた自分が先頭に立とうとしたのだが、
「◯◯はもうこれ以上蜘蛛の巣にさわっちゃダメ!」と先の女の子に止められる。
皆が不安がっている中、また巫山戯ると思われたのだろうか?
さすがにそんなことはしないと思いつつも、ヒステリックに叫ぶその子に圧倒され、大人しく皆の後ろからついていくことにした。
帰りは皆無言でただひたすらに歩き続けた。
辺りはほぼ真っ暗で、さすがの自分も怒られるのではないかと不安になっていた。
長い道のりではあったが、特に迷ったりせずに最初の雑木林に辿り着くことができた。
驚くことに雑木林へ出ると先の暗さが嘘のように明るく、これなら怒られまいと安堵したのを覚えている。

376:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 05:46:20.23 AgCPeYID0.net
だが、そんな自分とは違い皆は比較的明るい雑木林に出てからも終始無言のままであった。
その時はきっと皆歩き疲れているんだろうと、特に考える事なく元のキャンプ場へと戻ったのだが、大人達に会うといきなり何人かが泣き始め、一人がしきりに自分の方へと指をさしてくる。
そんな状況に思わず呆然と立ち尽くしていると、自分が何か皆を怖がらせるような悪さをしたのではないかと思った親がこちらへと向かって来る。
が、近くに来たとたん
「おまえ、その顔どうした!?」と言うやいなや洗面場へと連れて行かれた。
鏡に写った自分の顔には…
まるで細い針金で引っ掻かれたかのような傷が無数についていた。

大人達の中では自分が巫山戯て藪の中で転び、ケガをしたのを見て皆心配したのだろうという解釈になったようだ。

だが、一緒にいた子に話を聞いたところ、
最初は面白かった。でもだんだんと蜘蛛の巣に突っ込んでいくたびに顔に傷ができていくのがわかって、もしかしたら巫山戯て蜘蛛の巣を壊したから蜘蛛が怒ったんじゃないかと思って怖かった。
だから帰りは壊させないように後ろに歩いてもらった。と教えてもらった。
あの当時はその話を聞かされ怖くなったものだが、後々からは肌の弱い子供時代、おそらくは蜘蛛の巣に付着していた花粉、樹液、アレルギー物質に反応して偶然あのようなことになったのではないだろうかと解釈した。

ただ、成長し丈夫になったからかはわからないが、結局あれ以来肌が炎症を起こすなんて体験をすることはない。
そして、成人した今でも雑木林や林道を歩く際には先ず手頃な枝を拾い、顔の前で振りながら歩くようにしている
なぜなら、やはり顔に着くと気持ち悪いというのもあるし、、、

腕や服に絡まる蜘蛛の糸が年々と太く強靭になっていくような気がするからである。



377:統括者 ◆7vU/OMinzs @\(^o^)/
15/08/30 05:47:44.04 Mp8aiubx0.net
99本目の蝋燭が消えました・・・


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378:わらび餅 ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 05:48:17.96 AgCPeYID0.net
『馬好きの祖父』

これは私の祖父が亡くなって二年程経った頃の話です。

東京へ働きに出てきてた私の元に、両親と妹、そして祖父が死んでから一人で暮らしていた祖母が観光へきたのだ。
それもかなり急なことだった。
何故かというと、よくないことというのは続くもので、祖母に癌が見つかったのだ。
そのため元気なうちに私の顔を見るのも兼ねて観光へ来たというものだった。

二泊三日ほど観光をしていたのだが、その最中にひとつだけ不思議なことが起きた。
あれは確か千葉をレンタカーで走っていたときのことだ。
夕方になってきたこともあり、しきりに窓の外を眺めていた祖母も「暗くてよく見えへんようなってきたね」なんてことを言っていた。

そこでひとつ目を引いたモノがあったようで、横に座っていた私にあれは何だろうと聞いてきた。
私は祖母と同じように窓の外に目をやったのだが、なにやら白い壁が見えるだけで一体何の建物かよくわからなかった。
かなりの大きさのようで、一見するとドームか競技場のようであった。

「なんだろ、ちょっと調べるわ」

と言って私はスマホを取り出し位置検索を始めた。

379:わらび餅 ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 05:49:17.41 AgCPeYID0.net
祖母は常に持ち歩いている祖父の写真を取り出し、「あれは何やろねぇ」なんて言ったりしていた。
イマイチGPSが反応しないイライラしていると、祖母が「あ、なんか書いてる」と窓の外を指差した。

私はその声で再び窓の外に目を向けた。
そこにはこの建物が『競馬場』であることを示していた。

「競馬場? 競馬場やて、おじいちゃん……お馬さん好きやったもんね」

と、写真を窓の外に向けて祖母が喜んでいた。
父親も私たちのその話を運転しながら聞いていたようで、

「そうやな、親父は競馬好きやったからなぁ……きっと競馬場が近くにあるからおふくろに見せろってせがんだんやろうな」

そういって笑っていた。
祖母も「不思議なこともあるもんやねぇ」と懐かしそうに笑っていた。


祖母はその後、半年ほどで亡くなった。
観光を終えて実家へ戻った後は、手術後の経過がよくなくあっさりと逝ってしまったのだ。

普段は鞄の中にしっかりと仕舞い込んである祖父の写真をたまたま取り出した、それだけですが何か不思議なものを感じる出来事でした。




380:わらび餅 ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 05:51:12.55 AgCPeYID0.net
百本目の蝋燭が消えました・・・

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これにて今年のお話は全て語られました……

今宵の宴に、幕が降ろされようとしています。

381:統括者 ◆7vU/OMinzs @\(^o^)/
15/08/30 05:52:17.59 Mp8aiubx0.net
とうとう・・・100本目の蝋燭が消えました・・・


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         `ー--─'"

これからいかなる怪異が起こるかは
ご自分で確かめていただくしかありません。

382:わらび餅 ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/30 05:52:42.86 AgCPeYID0.net
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:::::::::  夜は薄れて朝の色 . . . . . . . . .
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:;.:. .: .: . . .  費えた百の蝋燭と
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               語り疲れた人の影  
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                    ━━━━━━
                       人も怪しももう戻れ
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                      . .━━━━━━ .:.:.:.::::::
                 . . . . . .迷わず己の住む世へと   .:.:.:.:.:::::::::
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383:本当にあった怖い名無し@\(^o^)/
15/08/30 14:25:08.72 NJG2w0fc0.net
        / ̄ ̄ ̄\ 
       /   ⌒  ⌒ ヽ 
       /   ( ●)(●) | 
       |    (__人__) }   うーっす 
     ┌‐\    `ー' /ーr 
      |  /       .\ i 
    / (          ) ヽ 
  (⌒)  |         |  (⌒) 
   `T   |         |  T´ 
    }   |      ・   |   { 
   j___|   ■□■□ |__,ゝ 
       |   □■□■  | 
       |    |  |    |  
       ゛ー―"   ゛ー―

384:本当にあった怖い名無し@\(^o^)/
15/08/30 18:43:40.86 nT6XOVrB0.net
あげ

385:本当にあった怖い名無し@\(^o^)/
15/08/31 00:13:12.42 omQAPD1K0.net
電砂って長くやってるわりに全然上手くならないのな

386:本当にあった怖い名無し@\(^o^)/
15/08/31 07:24:13.64 egFdjz9F0.net
スレリンク(expo板:614番)
  ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ 

387:本当にあった怖い名無し@\(^o^)/
15/09/01 21:05:02.61 q2g8AU3a0.net
埋めたほうがいいのかね


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