暇つぶし2chat OCCULT
- 暇つぶし2ch2:えてから一気に投稿してください。 ★書き込む前にリロードして更新チェックをお願いします。 ★お話を投稿していただける方は、このスレには書かず、『雑談スレ』へお越しください。 ★何か不測の事態が起きた場合は即座に『雑談スレ』へご報告をお願いします。



3:わらび餅 ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 19:00:41.99 uO4SmEpe0.net
【語り部の皆様へ】
お話を語り終えましたら、以下のAAで書き込みを行っていただきますようお願いいたします。
語った話数を『xx本目』、雑談スレやエントリー表を確認して次の語り部さんに『□□□さん』、次の話数を『第xy話』と変更していただき、蝋燭を吹き消して下さい……。
xx本目の蝋燭が消えました・・・

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□□□さん、第xy話をお願いします
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語り部希望は【準備スレ:2ch.net】へ
雑談、感想は【雑談スレ:したらば】でお願いします。

4:わらび餅 ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 19:03:18.43 uO4SmEpe0.net
                     2ちゃんねる オカルト板百物語2015
 
 
 
 
 
 
                       皆様 まもなく 怪 幕 いたします

5:わらび餅 ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 19:04:50.65 uO4SmEpe0.net
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:::::::::  夕闇降りて夜の底 . . . . . . . . .
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:;.:. .: .: . . .  揺らめく百の灯火に
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               くべるは百の怪異譚  
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                    ━━━━━━
                     人も怪しもサア来たれ
                    ━━━━━━
 
                      . .━━━━━━ .:.:.:.::::::
                   . . . . . .百物語の始まりだ   .:.:.:.:.:::::::::
            . . . . . . . . . . ..━━━━━━.:.:::::::::::
      . . . . . . . . . . . . . . . . . .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: :.:.:.:.:.:.:.::::::::::::::::::

6:わらび餅 ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 19:06:24.67 uO4SmEpe0.net
 
 
 
 
 ━━━━━━━ー───‐ ‐ -
        2ちゃんねる オカルト板 百物語 2015
                  開 演
           - ‐ ‐───一━━━━━━━
 
 
 
 
猫虫 ◆JmJaz0BtVcさん、第一話をお願いします…

7:猫虫 ◆5G/PPtnDVU @\(^o^)/
15/08/29 19:08:15.72 rKZkpF2O0.net
【台風】1/2
Uという知り合いの農家さんから聞いた話だ。
台風が来ると「ちょっと田んぼの様子見てくる」のAAがよく貼られるが、農家さん達は本当にあんな感じで見回りに出かけてしまう。
危ないのは百も承知なのだが、一年分の収入が左右されるだけに、やはり気が気ではないのだそうだ。
特に、車に乗っていれば大丈夫だろうと考えて、多くの農家さんが軽トラに乗って暴風雨の中を出かけていく。
その日のUさんもそうだった。
夜半過ぎ、台風が間近まで迫る中、Uさんは自分の田へ見回りに出かけた。
その棚田は山懐に抱かれたような場所にあり、一番奥の田の縁には山の木々が迫っている。
田と田の間を走る未舗装の農道は軽トラがギリギリ一台通れる程度の幅で、山に突き当たった所で折り返し用の広場になっており、広場の一番奥からは山奥へと続く細い獣道が伸びている。
Uさんの田は奥から二枚目なので、普段は広場まで行って車を停めてから自分の田まで歩いて戻るのだが、深夜の時間帯に他に来る車もいなかろうと、その時はヘッドライトも点けっ放しで自分の田の脇にそのまま停車した。
田や水路の確認を終えて、Uさんが車に乗り込もうとした時。
何か気配を感じ、Uさんはヘッドライトの照らす先へと目を向けた。
光は広場の中ほどまで届いていたのだが、横殴りの雨に遮られて視界は悪い。
それでもじっと目を凝らして広場を見つめていると、高音の耳鳴りが始まった。
音自体は小さいのだが、それは雨音を相殺するかのように脳内で鳴り続け、その中でUさんの耳は聞こえるはずもない音をとらえた。
ベチャリ、ガサガサ。ベチャリ、ガサガサ。
濡れた土を踏みしめ、草木を揺らしながら、何かが山から下りてくる…そんな音が、ノイズを切り裂いて妙にクリアに響いてきた。
本能的な恐怖が肌を粟立たせ、悪寒が背中を駆け抜ける。
これはヤバイと感じたUさんだったが、逃げ出そうにも体が動かない。
音はどんどん近付いてくる。
獣道を下りきったのか、草木を揺らすガサガサという音は消え、ベチャリという音だけがゆっくりとしたペースで規則的に繰り返される。

8:猫虫 ◆5G/PPtnDVU @\(^o^)/
15/08/29 19:09:53.91 rKZkpF2O0.net
【台風】2/3
やがて、ヘッドライトの光の端っこが照らす地面に、それはベチャリと右足をついた。
かなり遅れて、左足。
両足が揃うと、再び右足を踏み出す。
闇のように均一な黒色をした下半身が光の中に現れる。
見たくないのに、Uさんは視線を逸らす事ができない。
光の中に、ついに全身が現れる。
それは、ひどく太った人間のような形をした、泥の塊だった。
背丈は軽く2mを超えており、体を左右に大きく揺らしながら、左足を引きずるようにしてUさんの方へゆっくりと近付いてくる。
葉を付けたままの枝が体のあちこちから飛び出しており、それらが強風にあおられて ワサワサと震えていた。
目鼻も口も何もないのっぺらぼうの顔のど真ん中にも、大きな枝が斜めに刺さっていた。
ベチャッ、ズリズリズリ、という音を響かせながら、それは広場を通り抜けて農道の入り口へと足を踏み出した。
震えながら茫然とそれを見つめていたUさんだったが、次の瞬間、のっぺらぼうのそいつと目が合ったような気がした。
そいつは歩みを止め、ほんの少しだけ首を傾げてUさんをじっと見つめた。
Uさん曰く、その時がこれまでで一番ゾッとした瞬間だったという。
人間じゃない、と思ったのだそうだ。
見目形の明らかな異常さよりも、そいつの心とでもいうべき部分がUさんを凍りつかせた。
上手く言い表せないが、とした上で、Uさんはこう言った。
「感情が読み取れないとかじゃなく、感情が『なかった』んだよ、完璧に」

9:猫虫 ◆5G/PPtnDVU @\(^o^)/
15/08/29 19:10:18.40 rKZkpF2O0.net
【台風】3/3
それを感じた瞬間、Uさんは自分の体が動く事に気が付いた。
急いで車に飛び乗り、エンジンをかけようとするが、手が震えてなかなかうまく�


10:ゥからない。 悪戦苦闘している最中、再び濡れた足音が聞こえ始めた。 (来てしまう、あいつが来てしまう!) ちっくしょう、つけよポンコツが!と悪態を吐いた直後、ようやくエンジンがかかった。 慌てて前を見ると、そいつはかなり近いところまで来ていた。 「ああああああ!」と叫びながら、Uさんは車を猛スピードでバックさせた。 幸いにも脱輪する事なくそのまま200m近くもバックのまま走り抜け、Uさんの軽トラは舗装された公道にお尻から飛び出した。 タイヤが悲鳴を上げるのも構わず乱暴にハンドルをきると、相当な速度超過で脱兎の如く逃げ帰った。 事故を起こさなかったのが不思議なくらいだった。 以来、台風が来てもUさんは夜の見回りへは行かなくなったそうだ。 【了】



11:わらび餅(進行) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 19:15:03.84 uO4SmEpe0.net
1本目の蝋燭が消えました・・・

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スヴィトリアークさん、第2話をお願いします
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語り部希望は【準備スレ:2ch.net】へ
雑談、感想は【雑談スレ:したらば】でお願いします。

12:スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @\(^o^)/
15/08/29 19:19:01.21 WCE2gmw+0.net
『浜辺の寓話』
(1/2)
 俺の旧来からの趣味に『釣り』がある。とは言っても、某巨大掲示板でそのスレッドを
度々賑やかす方の意味での『釣り』では無い。こっちは正真正銘のサーフフィッシング、
いわゆる『投げ釣り』というヤツだ。紺碧の大海原に向かい力の限りロッドを振り下ろす
爽快感たるや、これがなかなか癖になったり…。

 その日も俺は、夜も明けきらぬうちから穴場のポイントへ向かうべくスクラップ扱いの
トヨタスプリンターのハンドルを握っていた。ここだけの話結構飛ばし、さほどの時間も
要さずに現地に着くとトランクを開け、さっそく軽く舌打ちをする。
「ありゃ。折りたたみ椅子を持って来るのを忘れちまったか」
 基本的に立った姿勢でのアプローチが多い投げ釣りであるが、長時間夏の日差しを
浴びながらのそれは結構きついものがある。べったりと岸辺に腰を下ろすにしても、砂と
湿り気とでいたずらにズボンの尻を汚すだけだ。手頃な敷物を探すべく周囲を見渡した
俺は、砂の中に半分ほど埋まっている古ぼけた板に目を留めた。
 大きさは縦横70㎝程、通常のベニヤ板よりもひと周り小さなそれは多少たわみも認め
られたものの、座る分には問題ない。さっそく掘り出して腰を下ろし、仕掛けを作り終えた
俺は第一投を試みた。
 弓状にしなるロッドの風切り音と共に勢いよく射出されたジェット天秤はゆるやかな放物
線を描いた後、海上彼方のポイントに小さなしぶきを上げて着水する。それを認めて再び
板にどっかと座り込む俺。クリック音を響かせながらリールに巻かれたラインが幾重にも
シャフトを覆い、殆どそれが巻き取られた頃には仕掛けの先には4匹ほどのいい型をした
シロギスが、銀色の鱗光を伴いながら波打ち際に跳ねていた。
「うん、幸先がいいぞ」
 針から外した獲物をシメて無造作にク


13:ーラーボックスへ放り込み、餌であるアオイソメを 針先に通していたその時である。 「座っちゃ駄目だよお…」」



14:スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @\(^o^)/
15/08/29 19:21:25.98 WCE2gmw+0.net
(2/2) 
俺の背後から初老の男性と思しき、間延びした声が聞こえた。
 訪れる人も少ない釣り場であるが、早朝の散歩をする老人や漁師に声を掛けられる事は意外に多い。おそらくその声の主もそんな類の
おっさんであろう。しかし座っちゃ駄目とはちょいと挑発的な物言いだなあ、座っちゃいけないワケでも聞いてみるか。
「はい?」
『何で座っちゃいけないんですか?』との極めて紳士的な問いを喉の奥でスタンバイさせつつ、勢いよく振り返る俺。
 …しかし、声の聞こえたと思しき辺りには人っ子一人居なかったものである。
「ありゃ?何かと聞き違えたのかなあ」
 釈然とせぬまま、俺は再び針に餌をつけ始めた。
「座ったら駄目だって…」
 
 今度は明らかに、俺の耳元で先ほど同様の声がする。いや、耳元と言うよりもむしろ、頭の中に直接響いて来たかの様な感覚であった。
「だから誰よ!」
 ギョッとして再び背後を見据えた俺の目には、やはり誰一人の姿も映らない。
「何だろうね、薄気味悪いな」
 俺はぶつぶつ呟きながらも二投目に入ったのであるが、不思議な事にそれ以降ピタリと当たりが無くなってしまったのである。針に掛かる
のはいわゆる『外道』として忌み嫌われる親指大のクサフグやらウグイやら、果てはゴム手袋に至るまでがまるで親の仇であるかの如く
何度も何度も俺の仕掛けに引っかかって来た。
 焦り始める自分とは裏腹に、時間だけがただ無情に過ぎてゆくばかり…。
「波はほぼベタ凪ぎだしポイントには正確に打ち込んでるってのに、一体どういう…」

15:スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @\(^o^)/
15/08/29 19:22:40.92 WCE2gmw+0.net
(正3/3)
 そうこうするうちに日も天頂近くに達し、肌を焦がす熱波もいい加減鬱陶しく感じた俺は、忸怩たる思いでその場からの
戦略的撤退を決意した。
「あの変な声でケチが付いたな。もう納竿する事にしようっと」
 ひとたび大きな欠伸をして、尻に敷いている件の板を拾い上げた俺はその時初めて気がついた。
 その板を裏返したところ、わずかながらも掠れかけの文字が見て取れたのである。
「ん、○×丸…?ってこの板、近海漁船か何かの船尾板の破片だったのかよ」
 俺の脳裏に蘇る、先ほどのあの間延びした声。
 「さっきの声の主は、ひょっとしてこの舟にゆかりのある人だったのかな。そりゃあ自分がかつて関わってた舟に見ず知らずの
奴がケツ掛けたとあっちゃあ、誰だっていい気持ちはしないもんなあ、うん」
 その板を元の場所へと戻し、心の中で軽く頭を垂れる俺。帰路につく際に背負い込んだ、完全敗北の証である釣果の入った
ボックスは殆ど空っぽ同然であるにも関わらず、俺の肩には妙にずっしりと重く感じられたものであった。

【了】

16:スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @\(^o^)/
15/08/29 19:23:32.24 WCE2gmw+0.net
2本目の蝋燭が消えました・・・

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わらび餅 ◆jlKPI7rooQさん、第3話をお願いします
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17:わらび餅 ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 19:25:42.67 uO4SmEpe0.net
『遺書に好かれた男』
私が大学生の頃、実際に友人が体験した話です。
その友人のことはAとしておきましょうか、彼は講義にはあまり真面目に出ないタイプの大学生だったのですが、本を読むのは好きだったらしく大学通りの古本屋に立ち寄ってはバイトで稼いだお金を使っていました。
そんな時、彼は普段趣味で読む為ではなく講義のための教科書を中古で買ったそうです。
遅れて講義にやってきた彼は、
「いやー、ぎりぎり間に合った。さっきそこで教科書買ってきたんだよ、よかったよかった」
と言って私の横の席に着いた。
程なくして講義が始まり、流石に一回目の講義だったこともあってか真面目に教科書をぱらぱらと眺めていた。(でも教授の話は全くメモしていなかった)
私は真面目に教授のメモを取っていたのですが、突如横にいたAは「えっ?」と声を上げてページをめくる手を止めた。
何かが本の間に挟まっていたいたようだ。
中古だしそういうこともあるだろう、と私は気にもとめずにメモを取っていたのですがそれからAは何かずっとそわそわしたような様子でした。
いつもどうでもいい講義のときは寝てることが多い彼なのですが、このときはずっとそんな感じでした。
その後、二人で学食で昼食をとっていたのですが、私が何か聞くよりも前に彼がさっきの講義でのことを話し始めた。
「あのさ……さっき買ってきた教科書なんだけど、こんなものが挟まっててさ……」
そうして見せてきたものは、折りたたまれた紙でした。
それだけならばどうと言うことはないのですが、その紙には『遺書』と折りたたまれた表の部分に書かれていたのです。
「うわっ、何だそれ……マジか」
「マジだよ、どうしようこれ、捨てるわけにも行かないよな……いや、それより」
この遺書を書いた人間はまだ生きているのか? ということに私も思い至ったのですが、Aはそれ以上言葉を続けませんでした。

18:わらび餅 ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 19:26:41.26 uO4SmEpe0.net
「中読んだ?」
「読んでない……でも、名前とかわかるかもだし開けてみるか」
そういって折りたたまれた遺書を開いたのですが、内容はとてもあっさりしたものだった。
ありきたりな感じで先立つ不孝をお許しください、といったようなことが書いてあったと思う。
しかし、明らかに内容が途中で切れていた、誰が書いたものかわかるような名前は書かれていなかった。
「書きかけっぽいな」
「そうだな……だったら大丈夫だろ」
そう言ってその場は彼と別れたのですが、どうやら後になってあの遺書は捨ててしまったようです。

それから、彼に不思議なことが起こるようになりました。
買った古本に、『遺書』が挟まっていることが何度か続いたそうなのです。
私は流石にお祓いに行くとか、遺書を焚き上げてもらうなどしたほうがいいんじゃないか、とアドバイスをしました。
Aもそれは実践したようなのですが、彼は日に日に体調を悪くしているようでした。
それから一年もしないうちに、Aは友人にも何も告げずに借りていたアパートを引き払って大学も中退してしまいました。
最後に話したとき、彼は青い顔でこんなことを言っていました。
「せめて名前がわかれば……名前がわかればなぁ……そうしたら……」
ぶつぶつとそんなことを言う彼は、どう見ても何かに憑かれているようでした。
Aのその後がどうなったかは他の友人も知りません。
あの遺書は、無念を残したまま自殺した、名前もわからない誰かの言葉だったのでしょうか……。



19:わらび餅 ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 19:27:40.71 uO4SmEpe0.net
3本目の蝋燭が消えました・・・

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ぺそ ◆qyVZC3tLJoさん、第4話をお願いします
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20:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 19:28:27.86 uO4SmEpe0.net
【4話】ぺそ ◆qyVZC3tLJo 様
『キャンプ場』
今から20年ほど前、地元で療育団体のサマーキャンプをしたときの話です。
場所はK村とします。
そこは地元の診療所、スポーツ施設、ダイエット道場、キャンプ場などがあるいたって普通の地元の小学校も遠足で行くような場所です。
100人規模のキャンプだったので、中には霊感の強い方などもおり「ここやばいね」と最初からいわれていました。
私自身、感じるほうだったので無事おわるといいなーと思っていました。
ですが、キャンプのイベント中も何度人数確認しても合わない、風呂に人影が通り過ぎるなど怪奇現象は続発していましたね・・・・
キャンプの醍醐味といえば肝試し。
暗い夜の遊歩道の山道を歩き、山を登った先のキャンプ場でスタンプを押して帰る、そういう内容だったと思います。
しかし雰囲気どころか本気で怖い。しかし当時中学生だったので小学生の子達を連れて行かねばならず「大丈夫!」と言い聞かせ出発。
全員が終わったあと、怪奇現象報告がたくさんありました。
お化け役は一人で待機してたはずなのに何人もその場所には二人いたという。霊感の強いひとはなにか連れ帰ったのか宿泊場に戻ると泣きながらゲーゲー吐く・・・・思い出せるだけでそれくらいですがもっとあったと思います。

21:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 19:29:34.01 uO4SmEpe0.net
そして怪奇現象だらけだった最終日前夜のキャンプファイヤー。
山の上にあり、街灯は一つ。ほぼ真っ暗です。
私がまず体験したのは班ごとに並んでいたのですが、猛烈な視線。
誰か話したいのかとそちらをみると、並んでる子どもの肩から顔全てが緑色のおかっぱの女の子がいました・・・・。
「うわーまずいなー嫌な予感しかしない」と内心おもっていました。
いざキャンプファイヤーが始まるといろんな出し物は楽しく参加してたのですが、猛烈に後ろが気になって仕方がない。チラチラうしろを見てしまうくらいに。
何度も見てるうちに白いワンピースの端だけがふわっと見えることがでてきました。
でもみんなを怖がらせるわけにはいかず、黙って脂汗をかいていました。
もうキャンプファイヤーもおわりに近づいた頃、ボランティアのJくんが真ん中でギターをひいてくれました。
みんなは、もうおわりだなーと聞き惚れてたのですが、私の姉が????しています。
姉はとても霊感が強かったのです。
「Jくんの後ろで白のワンピースの女の人が歌聞いてる・・・・・」
あ、さっきの人か、と私の中で納得しましたがその状況なのに誰も気づかないのが怖すぎるともう真夏なのにブルブル震えていました。
また、毎年キャンプの恒例としてキャンプファイヤーの最後は端からみんなと握手する、といういべんとがありました。
それぞれ楽しかったね、おつかれさまなど


22:言いながら。 私は比較的最初に終わったのでさっきの姉の様子も気になっていたので姉をみていました。 すると・・・・最後の人を通り過ぎてもまた「お疲れ様でしたー」と握手しているのです。 うわーこれは絶対つれてくるぞ!と感じましたがやはり宿泊場に戻った時は「なんかわからんけど涙とまらん・・」とずっと泣き続けていました。 これは感極まって、とかいう種類ではなかったです。 詳しい方にその後の処理をしてもらいましたが、握手のことなど覚えていませんでした。 もう二度とあの場所でキャンプなどしたくないですね。 おわり



23:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 19:30:30.29 uO4SmEpe0.net
4本目の蝋燭が消えました・・・

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猫虫 ◆5G/PPtnDVUさん、第5話をお願いします
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24:猫虫 ◆5G/PPtnDVU @\(^o^)/
15/08/29 19:31:17.64 rKZkpF2O0.net
【手】
小学校に上がった年の夏、じいちゃんの家へ泊まりに行った時の話だ。
その夏は親戚内での祝い事があり、親戚の大半がじいちゃんの家に集まっていた。
俺は集まった親戚の子供達の中ではKという男の子と一番年が近く、その時が初対面だったにも関わらず、悪ガキ同士あっという間に仲良くなった。
俺の家族もKの家族もじいちゃんの家にしばらく泊まる事になっており、俺はそこで過ごす間は毎日Kと二人で夏の冒険ごっこに勤しんだ。
じいちゃんの家は海のすぐ近くにあり、子供の足でも徒歩2分とかからずに浜辺へ出られた。
ただ、海は砂浜の少ない岩だらけの磯で、とがった岩が多い上に潮の流れも複雑なため、泳ぐ事は禁じられていた。
その代わり干潮になると岩伝いにかなり沖の方まで行く事ができ、磯遊びには最適の場所だった。
俺達は潮だまりで魚やカニを捕まえたり、うじゃうじゃいたアメフラシを雪合戦の如く投げ合ったり、こっそり泳いでいるところを見つかって親にゲンコツをもらったりと、実に悪ガキらしく夏の海を満喫していた。
じいちゃんの家に来て四日目。
その日は大潮だったのか、これまでよりさらに沖まで岩場が顔を出していた。
俺はバケツを、Kはタモ網を片手に、海面にほんの少しだけ出ている岩を飛び石のように渡りながら未開拓の岩場へと向かって行った。
いつもは海中に没している大きな潮だまりに近付いた時、俺の前を進んでいたKが急に足を止めた。
「見ろよ、あそこ、手があるぞ!」
Kの肩越しにそちらを覗くと、潮だまりの縁から1mくらい先の水中に人間の手のような物が沈んでいた。
行ってみようぜ、と促され、俺はKに続いて潮だまりの縁を回り込み、その物体へと近付いた。

25:猫虫 ◆5G/PPtnDVU @\(^o^)/
15/08/29 19:34:25.76 rKZkpF2O0.net
その潮だまりはそれなりの深さがあり、近くまで寄っても水の屈折に邪魔されて見えにくかったが、それが人間の右手の形をしている事だけは分かった。
指を軽く曲げた形の手に10cmほどの腕が付いており、手のひらを下にする形で沈んでいるようだ。
俺達から見て、指先が左、腕の端が右を向いている状態だった。
「マネキンかなぁ」
「分っかんねーよ、もしかしたらバラバラサツジンかも」
俺達は腕の断面がどうなってるかが気になり始めた。
マネキンなら均一な肌色に見えるだろうし、もしも本物なら赤い肉と白い骨が見えるはずだ。
だが、手に一番近い位置からは断面がよく見えず、断面の方の岩場に回り込むと今度は遠くてよく見えなかった。
手に一番近い位置まで戻ってくると、俺達は再びしゃがみこんでそれを眺めた。
人体の一部かも知れない物体が目の前にあるというのはひどく気味が悪かった。
同じ事を感じていたのか、いつもはガキ大将気質で強気なKが、ためらいがちに口を開いた。
「網で…獲ってみる…か?」
「うん…」
ビビリの俺はあれを間近で見る事になるのは怖かったが、獲るのはKがやってくれそうな流れだったので、俺はその提案をとりあえず受け入れた。
同意を得て決心がついたのか、Kは「よし、やるぞ」と気合を口にしつつ、恐る恐るタモ網を差し入れた。
だが、しゃがんだ姿勢では腕を精一杯伸ばしても目標までは届かず、タモ網の先端は手の少し手前の砂地を引っ掻いただけだった。
届かないなぁとぼやきながら、Kは水を揺らして手を転がせないかと砂地を引っ掻き続ける。
舞い上がった砂で濁っていく水の中で手はかすかに揺れているようだったが、転がるほどには動かない。
諦めてタモ網を引っ込めながらチラリと俺を見ると、Kは俺の腕を引っ張って自分の腕と長さを比べたが、ほんの少し自分の方が長いと分かるとガックリとうなだれた。
「どうすっかなー、水に入ったら母ちゃんにぶったたかれるしなー」
濁った水を睨みながら、俺達はしばし思案に暮れた。

26:猫虫 ◆5G/PPtnDVU @\(^o^)/
15/08/29 19:40:47.25 rKZkpF2O0.net
「…そうだ!うつ伏せになって手ぇ伸ばしたら届くんじゃない?」
俺の案をKはすぐに試そうとしたが、岩場は潮溜まりの水面に向かって落ち込むように下り坂になっており、腹這いになって手を離したら頭から水に突っ込んでいってしまいそうだった。
「お前、ちょっと俺の足押さえてろ」
そう言われ、俺はアシカみたいな体勢になっているKの足をまたいで足首あたりに腰を下ろし、ヒザの裏あたりをしっかりと押さえた。
ズリ落ちないのを確かめると、Kは再びタモ網を水に入れた。
肩近くまで水に浸けながらKが腕を伸ばすと、タモ網の先端は今度は手を軽々と越えて向こう側の砂地を突いた。
意を得たKはそのまま手前に引き寄せながら手を網の中に入れようとするが、向きが悪くてなかなか入らない。
しかも岩に押し当てられているヒザが痛かったらしく、いてーやべーもうムリだーと喚きながら飛び起き、デコボコに岩の痕が付いたヒザを押さえて悶絶し始めた。
「近いとこまで転がったから、あとお前やれ!」
げぇー、と露骨に嫌な顔をする俺に、Kは容赦なくタモ網を投げてよこした。
仕方なくタモ網を水の中に入れると、Kの言った通り、手はしゃがんだ体勢の俺でも十分に網が届く位置まで転がってきていた。
網の中に入れ易いようにつついて向きを変えていくと、気になっていた断面がこちらを向いた。
網を止めて目を凝らすと、幸いそれは肉の赤と骨の白ではなかったが、マネキンの断面とも違っていた。
断面は手や腕の部分と同じ色をしていたが、マネキンのような真っ平らではなく、イボのような丸っこい形状のもので一面びっしりと覆われていた。
あまりの気持ち悪さに怖気づいて一向に網を動かせない俺の背中に、「何ビビってんだよ、早く上げろよー」とKの不機嫌そうな声がぶつけられる。
そりゃこんなキモイの見たらビビるだろ、と思いながらも、口で説明するより見せた方が早いと判断して作業を再開する。
輪っかになっている網の縁で指の先を引っ掛けて持ち上げ、水中に全体が浮いたところで網の中にすくい取る。
そのままの勢いで水から引き揚げたが、水面を出た瞬間の予想外の重さに耐えかねて、半ば取り落とすような感じで自分の左側の岩場に網を下ろした。

27:猫虫 ◆5G/PPtnDVU @\(^o^)/
15/08/29 19:43:54.04 rKZkpF2O0.net
「おー、獲れた獲れたー!」
テンションの上がったKが真っ先に網先へと駆け寄った。
続いて俺も網先に近付き、網の中に入ったままの手を見た。
置いた拍子に網の輪っかから半分飛び出した断面を見て、Kは顔をしかめた。
「うわ、気持ちわりぃなー…なんだこれ」
親指以外の指はクシャっとなった網に隠れてよく見えなかったが、だからといってとても触る気にはなれず、俺達はしゃがみこんだ状態で様々な角度から覗きこみながら観察を開始した。
見た感じは若い男の右手で、マネキンのような無機質さは全くないが、妙に青白い肌をしていた。
親指には関節のシワも爪もあり、腕には全体的にうっすらと毛が生えていた。
イボのようなもので覆われている断面部分には毛がないようだったが、他はまさ


28:に人間の皮膚そのものだ。 見れば見るほど気味が悪く、俺は立ち上がって二三歩あとずさった。 「これ、なんかヤバイ気がする。大人に見せた方がいいんじゃないかな」 難しい顔で謎の手を見つめながら、Kも立ち上がった。 「そうだな、じゃあじいちゃん呼んでくる。海のこと詳しいし。お前、ここで見張ってろ」 「ちょっ、やだよ!」 地元民で元漁師のじいちゃんを選んだ事には何の文句もなかったが、こんな所にこんなモノと取り残されるのは御免だった。 「でも潮が満ちてきてるし、これが波にさらわれちゃったら意味ないだろ。それにお前、足遅いじゃん。俺が行くからお前残って見張れって」 「やだよ、やだってば!じゃあ持っていこうよ、これ網ごと持って二人でじいちゃんのとこに持っていこうよ!」 俺の言葉にKはタモ網の中の手と半泣きの俺の顔を交互に眺めると、怒ったような顔をしてしゃがみこんだ。 「ああもう、分かったよ!じゃあせめてお前も一緒に持てよな」 「やだよ、Kが持ってよ!」



29:猫虫 ◆5G/PPtnDVU @\(^o^)/
15/08/29 19:49:45.93 rKZkpF2O0.net
丸投げしたい俺と丸投げされたくないKとでケンカになりかけた時、立ち上がろうと一歩踏み出したKの足が偶然タモ網の柄を蹴ってしまった。
二人とも一瞬ハッとしたが、幸いにもタモ網は水に落ちるほどには動かなかった。
一応の確認のつもりで二人そろって手の方に視線を向けた、その時。
ガランガランと網の縁を岩にぶつけながら、手が、暴れ出した。
それは手首を支点に、おいでおいでをするような動きで激しくのたうちまわっていた。
あまりの事に茫然とそれを見つめていた俺は、Kが腰を抜かして尻餅をついた事で我に返り、わあああああ!と叫びながらKを置いて逃げ出した。
が、数歩も行かない所で蹴躓いて転び、結局はKと同様に腰が抜けて動けなくなってしまった。
声にならない悲鳴をもらしながら、体をよじって手の方を振り返る。
がくがく震えているKの向こうで、手は動きを少し緩めて指を複雑に動かし、ちょうど網から抜け出したところだった。
自由になった手は、指と手首を器用に動かして潮だまりの縁を登りきり、ドプンという音を立てて海へと飛び込んだ。
数秒の沈黙の後、俺達は大声を上げながら一目散に逃げ出した。
二人とも足がもつれて何度も水に落ちたり転んだりしたが、もうそれどころではなかった。
じいちゃんの家に帰り着いた俺達は今見たものを必死になって大人達に説明したが、子供の戯言と笑うばかりで取り合ってはもらえなかった。
ただ、俺達の忘れてきたタモ網とバケツを回収しに行ったじいちゃんだけは否定も肯定もせず、こう言った。
「海にはいろんなもんが棲んどる。わしらの知っとるもんなんてほんの一部にすぎん。それが何かなんて事は考えても埒が開かん。忘れろ」
夜になってKは高熱を出し、その日のうちに家族に連れられて自宅へと帰っていった。
俺はそれから二日間じいちゃんの家にいたが、もう海へは出なかった。
【了】

30:わらび餅(進行) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 19:51:41.92 uO4SmEpe0.net
5本目の蝋燭が消えました・・・

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川瀬 ◆/dSdUme0iMさん、第6話をお願いします
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31:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 19:52:41.93 uO4SmEpe0.net
【6話】川瀬 ◆/dSdUme0iM 様
『霊がしつこい』
うちの市内に大手堀という掘割があって、普段から薄気味悪い場所だった
大学時代に帰省した時、地元の友人と一緒に興味本位で大手堀の近くに遊びに行ったのだが
そのとき堀の水面に丸い物が浮いているのを見た
初めは何だか分らなかったが段々それはこちらに近づいてきた、なんとそれは
水死体のようにむくんで白目をむいた女の首だった。
慌てて友人にも教えたが、友人にはどうしても見えないようだった
10秒ぐらいして突如その首は水中に沈んでしまった
俺は見間違いだったと思う事にしたが、しばらくして妙な事に気づいた
地面に映る自分の影が、なぜか友人の影よりずっと長いのだ
身長がほぼ同じなのになんで自分の影だけが長いのか
そのとき偶然 堀の水面に映る自分の姿をみて驚いた
水に映る俺の肩の上には年とった女が肩車のように乗っているのだ!
その顔は白目をむい膨れあがり水死体のよう、さっき見たやつだ!
俺の影が長くなっていたのはこいつが肩の上に乗ってたせいだった

32:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 19:53:32.59 uO4SmEpe0.net
憑かれた!?、と俺は焦ったが、ともかくも友人と共に近くの神社に行き、頼み込んでお祓いをしてもらった
お払いの最中に神主さんが険しい顔をしていたので、恐ろしくて教わった印を真剣に結んでいた
20分ほどでお祓いは終わり、脱力したような気分で神主さんに礼を言い、料金を払った
外で待ってた友人とともに外に出た
地面に映る自分の影は友人と同じくらいの長さになっていた
神社の池に自分の姿を映してみたが、もうあの女は乗っていない
改めて安堵したが、なんか神主さんと女の人がこっちを相変わらず険しい顔で見ている
不思議に思って池を振り返ったら、背中の方にあの女が張り付いてるのが映っていた
自分と友人は神主さんに食ってかかり、料金とっておいてそれは無いだろと抗議した
神主さんも困ったらしく、隣の市の大きな神社を紹介してくれた
車で隣の市まで行ったら、そこの神主さんに「大変でしたね」と言われて涙が出た
1時間半ほど待たされてお祓いが始まり、こんども30分くらいで終わった
神社にあった池で今度こそ後ろに前にもあの女が映ってない事を確認し、来た甲斐があったと喜んだ。

33:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 19:55:45.18 uO4SmEpe0.net
神主さんに礼を言い、神社を出ようとして、自分の影が前と後ろに2つあるのに気づいた
もしやと思い、さっきの池に足もとまで映したら、足首を掴んでいる腕がある
あの女は足首にしがみついていたのだ
神主め俺が足先までは確認しないとタカをくくってたな~
またも文句を言ったが、どうにもならないと言われて家に帰った
帰って寝る前に般若心経をネットで1時間ほど流しまくって寝たら次の日から不思議とあの女は見えなくなった
何のかんので退散したのかもしれない
しかし今でも風呂などで水面にあの女が映るのではないかと時々心配になる
それにしても、こっちの神明宮の神主はいいかげんなヤツだった



34:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 20:00:46.27 9PgS3cT70.net
6本目の蝋燭が消えました・・・

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ぺそ ◆qyVZC3tLJoさん、第7話をお願いします
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35:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 20:03:33.58 uO4SmEpe0.net
【7話】ぺそ ◆qyVZC3tLJo 様
『療養所』
私は持病があり、幼少期から入退院をくりかえしていました。
あまりに入院が長期になることが多くて学校にもいけない状態になってしまったので養護学校の隣接する療養所に入院することになりました。
その療養所は戦時中からあるとても古い病院でしたので色々な噂がありました。
看護学生寮に出る、など。
養護学校があった場所は兵隊の施設だったのか、学校の敷地内にかつて処刑場だったといわれている場所もありました。
子どもが遊ぶにはもってこいな環境だったのですが噂が噂だけに誰もはいらず、怖い雰囲気だけはみちていたと記憶しています。
その療養所は学校の長期休みに入ると帰省という、1~2週間家に帰れるシステムがありました。
しかし私は家に帰るとすぐ体調を崩し、仕方なく帰省を中断して療養所に戻るということが度々あったのです。

36:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 20:07:02.99 9PgS3cT70.net
丁度夏休みのお盆のときでした。
その時も体調を崩してしまい療養所に戻るハメに。8月15日だったのは確かです。
17日にはみんな戻ってくるから、という理由で普段の6人�


37:秤ョで一人寂しく寝かされました。 また戻ってきてしまった、寂しいとぐすぐす泣きながら寝ようとしたとき、ある噂を思い出してしまったのです。 終戦記念日には夜中0時に廊下を兵隊さんが歩く足音が聞こえると・・・・。 よくあるような怪談ですが、場所が場所なだけにリアルさがありました。 寂しいのと怖いのとで目がぱっちりねむれそうにありません。 刻々と近づく0時。ナースセンターに逃げ込めばよかったのかもしれませんが、廊下で会ったらどうしようとへやを出ることもできない。 ずっと耳をふさいでいました。 しかし、やはり・・・・ざっざっざっざっ・・・・・聞こえます。 確実に看護師さんではない足音。 怖い怖い怖い怖い怖い・・・・・ 頭もパニックになりすぎたせいか気を失ったのか気づけば朝でした。 気づかぬうちに漏らしてしまっていた私は本当の理由も看護師さんにはいえませんでした。 怖すぎてみんなが帰ってきたあともいえなかったですね。嘘つきよばわりされるのも目に見えていたので。 今や、入院患者も少なくなりその病棟もなくなり更地になったと聞いていますが15日に歩く彼らはまだそこを歩いているのでしょうか・・・・ おわり



38:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 20:09:18.70 9PgS3cT70.net
7本目の蝋燭が消えました・・・

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セキ ◆OCtDMhDM/sさん、第8話をお願いします
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39:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 20:10:23.97 uO4SmEpe0.net
【8話】セキ ◆OCtDMhDM/s 様
『版画の傷』
私の通っていた小学校は、モナリザのレプリカもベートーベンの肖像画も飾られてはいなかったけれど、やはり七不思議というものはあってね。
私は全部は知らないけれど、たぶんあの学校独自の怪談だろうと思う話を今からしようと思う。
まずはその学校について説明しなきゃならない。
今思うと変わった造りじゃないかと思うんだけど、特別教室棟の2階が体育館になってた。
1階は真ん中を廊下が通っていてその両側に理科室、家庭科室、図工室、視聴覚室、突き当たりが音楽室。
各教室の引き戸についた小さなガラス窓しかないその廊下は、昼間でも薄暗くて、一人で通るのは少し躊躇われた。
廊下の電気はひどく曇った日とか、冬の夕方とか、それくらい暗い日じゃないとつけられていなかったから、本当にいつも薄暗かったんだ。
さらにそこが不気味に思えたのは、壁に飾られた大きな版画のせいもあったと思う。
ずっと前の卒業生の、たぶん卒業制作か何かだろうと思うけれど、特に小柄だった私のこととはいえ、両腕を目一杯広げてもその幅には足りないほどに大きな版画。それが6枚ほども飾られていただろうか。
学校行事を模したその版画は、一枚だけ大きな傷がついていた。
それは大縄跳びの様子を表したもので、その傷はあろうことか、描かれたうちの一人の児童の頭を両断していた。
しかも、その版画は緑の色で刷られているのに、なぜかその傷のところはいつも、赤茶色に汚れていたんだ。
今から話すのは、その版画の傷の話。

40:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 20:12:53.46 9PgS3cT70.net
学校行事の一つに縄跳び大会というのがあった。全学年全クラスが大縄跳びを跳んでその回数を競うというもの。
低学年は左右に揺れる縄を跳ぶけれど、高学年になると回した縄を跳ぶ。高学年くらいになると、100回くらいは大体跳べた。
数週間前から練習が本格化して、体育館でも、外でも、大繩が回るのがよく見られた。
そんな頃、あの版画の傷が見つかったそうだ。最初は悪質ないたずらだと思われたらしい。版画とはいえ、児童の頭を傷つけて、しかもそこに赤の絵の具で血みたいな落書きをした者がいると、相当な問題になったと聞く。
汚れた部分はきれいに拭われたけれど、犯人は見つからなかった。
その翌朝また、版画は汚されていた。やはり傷の部分に、赤で。
きれいにしても、きれいにしても、翌朝にはまた汚されている。いつやっているのか、誰がやっているのか、それは誰にもわからなかった。
そんな中で、縄跳び大会の本番の日が来た。
その日は版画の傷の部分から、たらりと赤い液体が滴っていた。ふき取った用務員さんは、やけに鉄くさい絵の具だと思ったそうだ。

41:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 20:15:47.53 9PgS3cT70.net
縄跳び大会は滞りなく進んだ。1学年は大体1クラス、たまに2クラスあるくらいの小さな学校だったから、クラスごとに順番を回してもさほど長い時間がとられるわけでもなかった。
5年生の順番になって、事故は起こった。100回を越えて少しした頃に、一人の児童が足をもつれさせて転んだのだ。その子はうまく手を付けずに、頭を床に強打した。
今でこそ体育館の床は板張りだけれど、その頃はリノリウムというのか、廊下と同じ固い床材がむき出しの状態だったんだそうだ。
児童は流血こそしたものの幸い命に別条はなく、数日の入院で済んだ。
それを機に体育館は改装されて、衝撃を吸収できる木の床になった。
全てが終わってから、誰かが気付いた。
怪我をした子は縄の中で、傷つけられた版画の中の子とちょうど同じ場所を跳んでいたのだ。
その後もたびたび、傷に赤がにじむことがあった。そういう日に限って、児童の中に流血を伴う怪我を負う者が出る。赤がにじむせいで怪我人が出るのか、
怪我人が出ることを教えようとして赤がにじむのか、それは誰にもわからなかったけれど、敢えてその赤い汚れに触れようとする人はいなくなった。
私が卒業してから、もう二十年近くは経つけれど、今もきっと、あの版画は血を流しているんだろうと思う。



42:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 20:17:48.00 uO4SmEpe0.net
8本目の蝋燭が消えました・・・

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松屋の虎 ◆s8FSqGDfDYさん、第9話をお願いします
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43:松屋の虎 ◆s8FSqGDfDY @\(^o^)/
15/08/29 20:20:12.84 CHH62SdA0.net
【お宮籠り】
(1/3)
自分の地区には毎年立秋の間に行われる肝試しみたいな行事があります。
お宮籠りとよばれる行事ですが その内容は、「夜中に神社の境内に籠る」というものです。
いわれは分かりませんが、毎年、20歳を迎えた男性がひと晩「神社警備員」になります。
過疎った地区なので今年は自分が一人で籠ることとなり、先月からワクテカ状態でした。
神社は、北関東に多い○○神社で、普段は無人の山の中の小さい社です
立秋の日、ここでひと晩すごし、深夜の10時、12時、2時、4時に見廻りと称して拝殿と
本殿の周囲を蝋燭1本持って巡回を行います
それ以外は拝殿の横にある天幕小屋で控えています(寝たら駄目)。
やることはそれだけです。神社の建物には入りません(入るほどの広さもない)。
まともな神事と言うより、昔の肝試しを形式化したみたいに見えますが、大正時代から
続く伝統ある行事という話なのです。
境内は真っ暗らしく、過去にやったことのある年上の人からは
「真夜中に誰もいないのに拝殿の扉が開く」とか「3時過ぎに幽霊が出る」とか聞かさ
れてましたが、自分的には暑さと虫と眠気が心配でした。
以下は今年8月9日(立秋初日)に自分がお宮籠りをした体験談です。
当日、夕飯食べて家を出て、神社に到着したのが午後7時過ぎ
山の中の境内は既にかなり暗く、携帯で家族に到着を連絡したあと、床にタオルを敷い
て今晩の準備をしてました。
準備が終わった頃には8時すぎで既に真っ暗でした。
夏とは思えないほど空気が冷たく心配していた暑さと虫は問題なかったのですが
周囲に強い風が渦巻き「うおおぉぉぉ」と人の叫び声のような音が響きます。
あと、どこからかたまに拍子木のような音がカシーンと鳴ります。

44:松屋の虎 ◆s8FSqGDfDY @\(^o^)/
15/08/29 20:22:08.25 CHH62SdA0.net
(2/3)
そして10時、最初の見廻りです 蝋燭一本持って小屋を出て拝殿の前へ
拝殿で一礼した後、左回りで廻る決まりです、逆に廻ると祟られるそうです
目の前は真っ暗で、さすがに恐る恐るでしたが何もなく、ただ真っ暗なだけでした
しかし12時の2度目の見廻りの時、慣れてきて退屈してきた自分は 決まりとは逆に
右回りに廻ってみようとしました。
何もあるはずがない、そう思って本殿の裏まで来たとき、向こうから誰かが見ている
感じがします。
この場に人などいるはずもないのですが真っ暗な向こう側から強い視線を感じました
蝋燭をかざしてみたり、呼んでみたりもしましたが、当然返事はありません
しかも、その視線が段々と自分に近づいてくる気配がします
自分は怖くなって走って拝殿前まで戻り、拝殿で謝ったのち、左から廻り直しました、
すると今度は何事もありませんでした
2時になって三回目の見廻り
先ほどの事が気になった自分は、もう一度確認したくてまたも右から廻ってみました。
そろりそろりと歩いて本殿の裏を曲がると、またも強い視線を感じます!
怖ろしいのを我慢して用意していた携帯で奥の暗闇を写し、すぐ引き返しました
拝殿で謝り倒してのち、小走りで左から廻り直しました
自業自得とはいえ ここまでで精神的にかなりテンパった感じだったのですが、3時頃
ウトウトしていたら拝殿の方でバン!!と大きな音がして何かが参道から鳥居の方へ
走りぬけたような気配がしました。
慌てて拝殿を確認に行きましたが扉は閉じたままでした。
これで帰りたいモードMAXになった自分は、最後の見廻りは素直にささっと廻って
5時になったら早々に帰宅しました。

45:松屋の虎 ◆s8FSqGDfDY @\(^o^)/
15/08/29 20:23:32.94 CHH62SdA0.net
(3/3)
帰宅すると、お宮籠りを達成したことでお酒を飲まされ、9時ごろに寝ました。
午後に起きてから、携帯で撮った写真を見てみましたが、ただ真っ暗なだけでした。
実は帰ってから、前に親から聞いたことを思い出したのですが
神社に祀られている○○様は夜には本殿で西の方角(京の方角)を睨んでいるそうです。
あの神社を右まわりに廻ると本殿の裏で西を睨む○○様と鉢合わせの形になりますが
そうならないように左まわりに廻っていたのかもしれません
とすれば、あのとき2度感じた強い視線は○○様だったのかもしれません
実は、帰った後で少々 変なことが続いたり体調を崩したりもするので少し怖いです
拝殿奥の路地で撮った写真を貼っておきます(真っ暗で見えません!)。
URLリンク(s1.gazo.cc)
URLリンク(s1.gazo.cc)
【おわり】

46:松屋の虎 ◆s8FSqGDfDY @\(^o^)/
15/08/29 20:25:01.79 CHH62SdA0.net
9本目の蝋燭が消えました・・・

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キツネ ◆8yYI5eodysさん、第10話をお願いします
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47:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 20:26:18.60 9PgS3cT70.net
【10話】キツネ様◆8yYI5eodys 様
『笑顔』
医療とは生と死の狭間。
とりわけ病院にまつわる怪異の数は知れず。
このお話は残念ながら病院が舞台ではございません。
病院の傍に佇む、町の薬局にて起きた出来事にございます。

薬局に勤務する薬剤師のUさん。
来局する患者さんも落ち着き、子供たちが読んでいた絵本を片付けていた時のことでした。
パタパタ、と足音に気付いたUさん。
目を遣ると、そこには見知った女の子がジッ、と絵本の棚を見つめておりました。
数日前に来局し、感冒症状の薬が処方された女の子。
確か、薬局に置いてある迷路の本を気に入って、手放そうとせずにお母さんを困らせた子です。
あ、風邪が治って絵本の続きが気になったのかな?
そう思った彼女は笑顔で件の絵本を手渡しました。
椅子に座って静かに絵本に没頭する女の子。
お母さんは一緒じゃないのかな?
そう気にはなりましたが、患者さんが来局したので彼女は仕事に戻ったそうでございます。
患者さんに薬を渡した時。
ふと、女の子の傍らに初老の男の人が立っているのに気付きました。
目を細めてニコニコと女の子を見ている男性。
――そうか、今日はお爺ちゃんと一緒なのね。
そうこうしている内に絵本を読み終えたのでしょう。
女の子はちらりとUさんを一瞥すると、外へ駆け出して行きました。

48:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 20:28:46.07 uO4SmEpe0.net
それから数日後。
そろそろ辺りが暗くなり、閉局の時間に差し掛かった頃。
1人の患者さんが来局いたしました。
入院して暫くお会いしていなかったお婆ちゃん。
いつも取り留めの無い話をしては笑っているような常連さんです。
恐らく退院されたのでしょう。
スッとカウンターまで歩いて来ると、Uさんの方をじっと見つめます。
まだ体調が優れないのかな。
そう感じたUさんは、
「お加減はどうです?」
「近所の○○のお婆ちゃんも寂しがっていましたよ?」
などと気さくに声を掛けますが、何も答えてくれません。
単に無表情でUさんをじっと見つめるだけ。
その背後を見て、Uさんはギョッとしました。
いつの間にそこに居たのでしょうか?
若い男性がお婆さんの背後で目を細め、笑顔を浮かべておりました。
不自然に白い歯を見せ、ニタニタと。
介護士かな?
何とか驚きを隠しながらも、
「あのー……今日は処方箋は?」
そう問いかけたと同時に、お婆ちゃんは寂しそうに出口に向かって行きました。

49:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 20:31:50.17 9PgS3cT70.net
そして去り際に、
「貴女なら、助けてくれると思ったんだけどねえ」
それだけを呟き、お婆ちゃんの姿は見えなくなりました。
その背後には、相変わらずニタニタ笑いの男を伴って。
何か不自然なものを感じたものの、顔見知りの患者さんが退院して嬉しかったのでしょう。
Uさんは薬局の奥にいる年配の薬剤師に、
「さっき××さんの家のお婆ちゃんが見えましたよ。退院できたみたいで安心しました」
「××さんって、あの?いやいやいや!」
年配の薬剤師もそのお婆ちゃんと顔馴染みだった筈ですが……どうも様子がおかしい。
首を傾げるUさんに、年配の薬剤師は今日の新聞を渡しました。
ほら、ここ……
そう言って指差した先には通夜・お葬式の案内。
そこにハッキリと件のお婆さんの名前。
「Uちゃん、××さんの話、よく親身になって聞いてあげてたからねえ。きっとお別れが言いたかったんだよ」
そうしんみりと年配の薬剤師に言われましたが、
どう考えてもお別れとは別の意味を持った最後の言葉が頭から離れなかったそうでございます。
それから暫くして。
いつものように絵本を整頓していた時のことでした。
Uさんの手が、ふと迷路の絵本に触れました。

50:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 20:34:20.04 uO4SmEpe0.net
あの女の子が読んでいた絵本だ。
何気なく手に取ってページを捲っていると、
「ひぃッ!?」
Uさんは悲鳴ともつかない声をあげました。
迷路の絵本の最後のページ。
そこには爪で何度も引っ掻いたような文字でこう、削られておりました。

 お ね え さ ん
   た す け て

後に彼女が聞いた話では、その女の子は既に


51:亡くなっていたのだそうで。 それも、あの絵本を読みに来た前日のことだったそうでございます。 果たして、あのニタニタと笑う者たちは何だったのでしょう。 女の子とお婆さんは何から助けて欲しかったでしょうか? 皆様もお知り合いにお会いする際にはお気を付けくださいまし。 もし、その傍らに目を細めてニタニタと笑う誰かが見えたとしたら…… そのお知り合いは既に、この世の者ではないかもしれません。 そして、あなたに何某かの助けを求めているのかもしれませんよ? 【完】



52:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 20:36:27.33 9PgS3cT70.net
10本目の蝋燭が消えました・・・

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猫虫 ◆JmJaz0BtVcさん、第11話をお願いします
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53:猫虫 ◆5G/PPtnDVU @\(^o^)/
15/08/29 20:39:23.30 rKZkpF2O0.net
【結婚祝い】
人に話すなと言われていたが、本人が亡くなってからもう30年くらい経つし、そろそろ時効だろう。
ひいばあちゃんの仕事についてと、亡くなった時の出来事を話そうと思う。
俺のひいばあちゃんは、拝み屋みたいな事をやっていた人だった。
といっても除霊やお祓いをするわけではなく、所謂『呪い返し』が専門だったそうだ。
呪いと言うと藁人形みたいな儀式めいたものを想像しがちだが、ただ誰かに対してほんの少し悪意や嫉妬を抱いただけでもそれは小さな呪いなのだという。
ひいばあちゃんはそういった負の感情みたいなものを跳ね返す術に長けていた。
…と書くとイマイチ効果がなさそうだが、向けられた悪意が大きければ大きいほど返ってくる力も大きくなるので、それこそ藁人形などを使って本格的に死を願った者に返れば、逆に本人が死んでしまうほどだったそうだ。
ほんとかよ、と俺も思っているけど。
ひいばあちゃんはそれを『呪返し(しゅがいし)』と呼んでいた。
呪返しには鏡を使う。
悪い事が続いたりした依頼者は壁掛け可能な鏡を持ちこみ、ひいばあちゃんに念を込めてもらう。
この時、ひいばあちゃんは依頼者の話は絶対に聞かない。
話を聞いたところで、呪っている犯人が誰かなんて事は依頼者本人にもひいばあちゃんにもはっきりとは分からない。
それに、誰々の呪いに決まっています!なんて依頼者の話を鵜呑みにして特定の誰かに返るように仕向ければ、それは呪返しでも何でもなく純粋な呪いそのものになってしまうからだ。
まさに鏡のように、向かってくる悪意の力をただそのままに反射するのが正しい呪返しだ。
弱いものは弱く、強いものは強く、どれだけ多くが向かって来ようとも正確にそれぞれの発信元へと返す。
尚且つ、善意や幸運は跳ね返さずに通さなければならない。
ひいばあちゃんは鏡が正しくその働きをするように念を込め、依頼者へと渡す。

54:猫虫 ◆5G/PPtnDVU @\(^o^)/
15/08/29 20:41:30.92 rKZkpF2O0.net
呪返しの鏡を受け取った依頼者は、それを自宅の玄関に入って真正面にあたる壁に掛ける。
入ってすぐ廊下だったりして壁が遠すぎる場合には、天井から吊ったりしても良い。
どちらにせよ、玄関から入る時に自分の顔が映らない位置にセットし、普通の鏡のように身だしなみを整えたりする事にはなるべく使わないというのが決まりだ。
そして、数日に一度は必ず綺麗に磨く。
鏡が汚れて曇ったり割れたりすると、呪返しの効果は失われてしまう。
ひいばあちゃんがそんな仕事をしている人だったから、一族の者は必ず玄関に鏡を飾っていた。
というか、ほとんどの家が未だに飾っていると思う。
すでに日常風景の一部になっているから敢えて外そうとも思わ�


55:ネいし、ばあちゃんが各家庭に贈ったその鏡は趣味のいい木彫り枠に嵌まっていて、インテリアとしても悪くない物だからだ。 その鏡は、一族の者が結婚する時に結婚祝いとして贈られる。 枠は地元の名産品である木彫りの伝統工芸で、ひいばあちゃんと懇意にしていた職人さんが何週間もかけて仕上げた物だ。 結婚式を挙げる季節に合わせた花や植物が彫られ、ひいばあちゃんの念が込められた鏡がセットされてから、式の当日に渡される。 反撃重視の依頼物とは少し異なり、祝い鏡の効果は防御重視だ。 災いが降りかかる事なく末長く幸せでありますように、という願いがそのまま効果になっている。 ちなみにサイズはiPadくらいで、壁掛けと立て置きの2WAY仕様だ。 そうやって一族の幸せを願い続けてきたひいばあちゃんが亡くなった。 最後の最後までボケもせず大病もなく元気そのものだったが、ある日突然、眠っている間に心臓が止まってしまい、眠るように…というか眠ったまま安らかに息を引き取った。 92歳の大往生だった。



56:猫虫 ◆5G/PPtnDVU @\(^o^)/
15/08/29 20:43:38.58 rKZkpF2O0.net
葬儀の日、いつも祝い鏡を頼んでいた職人が弔問に訪れたのだが、焼香を済ませて家族に挨拶をする段になった時、妙な事を言い出した。
先月、ひいばあちゃんが工房を訪れて祝い鏡の枠を大量発注し、代金と依頼枚数分の鏡を置いていったらしく、このまま依頼品を仕上げて良いのか遺族の意見を聞きたいとのことだった。
その場でゴーサインを出すにはあまりにも枚数が多かったので、ともかく詳しい話を後日聞かせてもらってからという事となった。
初七日の法要を終えた後、職人が本家を訪れた。
「とりあえず、お預かりした鏡を持ってきました」
職人が風呂敷を開けると、中から大量の鏡が出てきた。
どれも枠の付いていない切りっぱなしの四角い鏡で、いつも祝い鏡に使うものだった。
「これの裏に書かれた通りの順番で作るようにと言われまして」
そう言って職人が一枚を裏返すと、一族の中のある独身男性の名前と1の数字が中央に並んでいた。
次々にめくっていくが、その全てに独身者の名前と通し番号が書かれている。
成人だけでなく、当時まだ赤ちゃんだった子の名前まであった。
それだけなら、ひいばあちゃんが自分の死後のために独身者全員分の鏡を用意していたという美談で終わる。
だが、その鏡に書かれた文字には奇妙な点が幾つかあった。
ひとつは、通し番号が必ずしも年齢順になっていないという事。
当時25歳の者より20歳の者の方が早い番号になっていたりするのだ。
次に、独身者全員分ではないという事。
大半の者には鏡が用意されていたが、28人中4人だけ鏡のない者がいた。
そして何より奇妙だったのは、彫る花が決められていた事。
左下に小さく『牡丹』『桜』『桔梗』といった花の名前が書かれており、職人はそれぞれの鏡を指定された花の枠で仕立てるよう言われたというのだ。
ひいばあちゃんの人智を超えた力をよく知っていた本家の者達は、「多分、まぁそういう事なんでしょうね」と納得し、ひいばあちゃんが注文した通りに全てを仕上げてもらう事に決めた。
ただ、一気に作ってもらうのはあまりにも迷惑がかかるので、一族の者の結婚が決まり次第、本家の者が「誰々の鏡の製作をお願いします」と工房に頼みに行く形となった。

57:猫虫 ◆5G/PPtnDVU @\(^o^)/
15/08/29 20:48:38.50 rKZkpF2O0.net
かくして、一族の独身者はその後どんどん結婚していき、祝い鏡は職人の息子の代になっても作られ続けた。
それはやはり通し番号の順番通りであり、結婚式も指定された花の季節であった。
ただ、一度だけ通し番号と花がズレた事があった。
ある女性が、通し番号通りに結婚が決まりかけた後で破談となり、ひいばあちゃんの予知とは異なる時期に結婚したのだ。
その時は本家と職人が相談して正しい花の枠を誂え、花嫁は自分の結婚式が行われた晩秋の花である『山茶花』の祝い鏡を受け取った。
ひいばあちゃんの死後は、鏡の裏の文字が見えるように穴を開けた裏板を貼るのが習わしとなっているのだが、件の花嫁の祝い鏡だけは花の種類の部分が塞がれているのだそうだ。
ちなみに、鏡がなかった4人の内の1人だった女性は、未婚のまま早逝した。
そのため、鏡がないのは単に生涯未婚という意味ではなく、早死にするという暗示だと考える者もいる。
通し番号の順番・花の種類・鏡の有無は、今も本家の者と職人だけが知る秘密である。
ただ、ひいばあちゃんの死から30年くらい経つ今では、鏡の有無は段々察しがつき始めてきた。
当時4歳だった俺を含め、残る未婚者は6人。
自分に鏡がないかも知れないと思うと、生涯未婚にしろ早死にするにしろ、正直ちょっと怖くなる。
【了】

58:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 20:50:17.09 uO4SmEpe0.net
11本目の蝋燭が消えました・・・

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ぺそ ◆qyVZC3tLJoさん、第12話をお願いします
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59:猫虫(代理投稿) ◆Ax39zFrW6I @\(^o^)/
15/08/29 20:51:58.43 rKZkpF2O0.net
【12話】ぺそ ◆qyVZC3tLJo 様
『座敷わらし』
うちの父は今でこそ落ち着いたものの引越しが好きな父でした。
母の結婚指輪がなくなった時に絶対引越しをし、その後なぜか指輪は発見されるという今思えばこれも不思議な現象でしたね。
そんな繰り返し引越ししていた幼少期すんでた家でのことです。
3歳くらいの頃だったと思いますが、当時すんでいた家は記憶によると割と変な間取りでしたが大きな平屋で庭もあり蔵もある家でした。
当時我が家は縫製業で両親ともずっと仕事をしていましたし、仲のよかった年の近い姉も保育所に通いだし結果私一人で家で遊ぶことが多くなっていました。
あとで母から聞いた話では私は、台所におばちゃんがいるよ、そのおばちゃんと庭で遊んだよなどいっていたようです。
夜中にトイレに起きて不思議なものをみることも多かったです。
お風呂の前で青白い光をみたり、2段ベットの上から下をみると木のおじさん(なんというか、木でできた人形のような)が新聞を読んでる、など。
子どもなので夢だったのかなーとも思ったりもしますが、リアルだったので今でも忘れられません。
でも怖くはなかったのです。
ある夜、また私は夜中にトイレに起きました。
でもいつもは絶対行かない仕事場になぜか呼ばれてるような気がしていっていました。
すると床に半分日本人形が光って埋まっていたのです。これは探検好きな私でしたので家にある人形ではないとわかりました。
なんだろう?と思いながら床に押し込むように押さえると人形は床に消えて行きました。
今なら怖くてできないと思うのですが全く怖くなかったんですよね。そのときも「あれーなくなっちゃったー」くらいでした。
翌日こんなことがあったよーと母に報告したら「きっとそれは座敷わらしじゃない?」といわれたのですが、座敷わらしにしてはなんか気持ち悪いですよね。
そういうふうに色々私だけ見ることが多かったので母はそう言っていたのかもしれませんが。
その人形をみたあと、大病をしましたし今もその病気をもったままです。
果たしてあれはよい座敷わらしだったのでしょうか。それとも・・・・・

60:わらび餅(進行) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 20:58:41.32 uO4SmEpe0.net
12本目の蝋燭が消えました・・・

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ずんちゃ虫 ◆7vU/OMinzsさん、第13話をお願いします
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61:ずんちゃ虫(実は統括者) ◆7vU/OMinzs @\(^o^)/
15/08/29 21:00:37.25 M2JR/Zcj0.net
『幼稚園時代の恐怖』
1/2
私が通っていた幼稚園は寺が経営しておりました
幼稚園の裏側が寺に繋がっており、普段は間には柵がしてありました
私と友達のM君はいつも「あっちに行ってみたいなあ」と言っていたのですが、ある日の昼休み
いつもは閉まっている柵の戸がなぜか開いているのをM君が見つけたのです
私とM君の二人は これ幸いとばかりに先生たちの目をぬすんで寺側に忍び込み探検を始めました
本堂の方に行くと他人に見つかるかと思い、二人は脇にある大きな黒塗りの蔵に向かいました
石垣の上に組まれた蔵は古そうな造りで何か宝物でもありそうに思えたのです
一番下の板がはがれて四角い穴が開いており、そこから覗いてみましたが暗くてよく見えません
扉の前まで行ってみると残念ながら施錠されていました
二人はそれでも鍵を揺すったりして暫くゴソゴソやってましたが、結局あきらめて他を当たろうとしました

62:ずんちゃ虫 ◆7vU/OMinzs @\(^o^)/
15/08/29 21:01:43.53 M2JR/Zcj0.net
2/2
私たちが蔵から離れて行くときに、蔵の方からコトンと音がしました
振り返った私たちは驚きました
さっき覗いてみた蔵の下の四角い穴から人の顔がこっちを覗いてたのです
私たちは立ちすくみました、中に人がいたとは、カギがかかってたのに
どうやら蔵の床に寝そべって穴に顔を寄せているようです
相手はこっちよりも2歳くらい年上の感じです、私たちを見つめていますが、その表情まではよくわかりません
私たちはイタズラが見られた事と相手への恐怖感で青くなって幼稚園の方へ逃げました
直後、蔵の方から床を這いずり回るようなゴロゴロ、ズザザザ という音が聞こえてきましたが構わずに逃げました
その日はM君と二人で夕方までまんじりともせず、今日の事は絶対に口外しない事を互いに約束しました
次の日幼稚園に行くと、講堂で他の子たちが騒いでいました
中に入ってみると講堂の床に擦れたような跡が講堂をを一周するようについていました、
それは大きな蛇でも這いずり回ったかのようでした
私とM君は昨日の事を思い出し、夜にあいつがこっちまで来たんじゃないかと恐ろしくなりました、
相手はこっちの顔を見ているのですから
あとで親にそれとなく裏の寺の事をたずねたりもしましたが全くわかりません
小学校にあがってから親にあの日の事を話しましたが、夢でも見たんだろう と言われました
この件を一緒に体験したM君は小学校二年の時に転校してしまいそれっきりだけど、あいつも覚えているはず
《了》

63:ずんちゃ虫 ◆7vU/OMinzs @\(^o^)/
15/08/29 21:02:41.97 M2JR/Zcj0.net
13本目の蝋燭が消えました・・・

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ぺそ ◆qyVZC3tLJoさん、第14話をお願いします
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64:猫虫(代理投稿) ◆Ax39zFrW6I @\(^o^)/
15/08/29 21:04:01.19 rKZkpF2O0.net
【14話】ぺそ ◆qyVZC3tLJo 様
『挨拶』
霊感の強い姉(Yとします)の話です。姉は看護師をしています。
20年ほど前に勤めていた総合病院での話です。
ある患者さん(仮にAさんとします)は長らく病床についていたそうです。
それゆえに看護師さんとの付き合いも長く仲が良くなっていたそうです。
ある日そのAさんが遂に手の施しようがなくお亡くなりになってしまいました。
看護師はやはりプロなので長らく付き合った患者さんであってもいつまでも気持ちをその方にむけることはできません。
それほどに激務ですしね。「ずっとしんどかったから楽になれたね」と当時思ったと姉は語っていました。
数日後、「Yさん、Yさん」と声をかけてくる患者さんがいます。
振り返ると「よくしていただいてありがとうございました。お世話になりました。」と挨拶にこられたのです。
姉は「あ、今日退院される方かな?」と思い、「いえいえ~これからもお身体大事にしてくださいね~」と返事をしました。
すると他のスタッフから「Yさん、何してんの?誰に挨拶してんの??」と・・・・・。
姉は「あ・・・・今のAさんや・・・・」と気づいたそうです。
その後、霊感の強い他のスタッフから「Aさん、挨拶にきはったやろ?」といわれて「あぁ、できることはできたのかなぁ。満足してくれてたのだろうか。」と思ったと言っていました。
亡くなられてからもきちんと挨拶にこられる、丁寧な方だったのですね。
おわり

65:わらび餅(進行) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 21:06:22.99 uO4SmEpe0.net
14本目の蝋燭が消えました・・・

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コワリ ◆ityfMlfdbAさん、第15話をお願いします
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66:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 21:07:33.47 uO4SmEpe0.net
【15話】コワリ ◆ityfMlfdbA 様
『心霊プリクラ』
高校生の時、プリクラを撮るのが好きな子と仲が良かった。
私とも沢山一緒に撮ったけど、他の子と遊んだ時も必ずと言っていいほど撮っていたので、月曜の朝なんかは学校に到着するやいなや、真っ先に彼女から新しく撮ったプリクラを何種類かもらうっていうのが挨拶みたいになっていた。
彼女(名前をPとします)には、高校で離れてしまった幼馴染のCがいた。
私とCは直接面識は無いものの、PはCとよく一緒に遊びに行き、撮ったプリクラも私にくれるため、私のプリクラ帳の結構な割合をPとCのペアが占めていた。
さて、そんな平和な日常を過ごしていたある朝。
いつも通りPはCと撮ったプリクラを私含む仲良しメンバーと交換していたんだけど、1人が妙な事に気が付いた。
「あれ、なんでこのプリクラだけ3人なの?」
プリクラは一枚のシートに何種類かの小さな写真がついてくる。
問題のプリクラは、同じシートの他のものはPとCの二人っきりなのに対し、一種類だけ、三人で写っている…ように見えるのだ。
いや、ぱっと見では2人なのだが、PとCが並んだ肩の間から、短い髪の毛が生えていて、それを辿ると頭の形をしており、生え際とおでこの部分のような部分が確認できた。
Pは「肩にかかった私の髪だよ~」と笑っていた。
しかし、見れば見るほどPの頭部からの髪の流れとは全く別物にしか見えない。
当時よくプリクラを撮っていた私たちは機種もよく知っていた。
細かい落書きはできないし、こんなリアルなホラースタンプだって無い。それに、撮影スペースだって知らない人がこっそり紛れ込んでイタズラできるようなものじゃない。
何よりPは超が付くほどの人見知りなので、他人と撮るなんてありえないのだ。
「これ、心霊写真じゃね?」

67:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 21:09:05.17 uO4SmEpe0.net
心霊写真、もとい心霊プリクラをめぐる騒ぎを聞きつけた他のクラスメイトも集まってきてちょっと騒然となったけど、もう朝のHRが始まる時間だったのでチャイムと共にそこで騒ぎは収束した。
しかし気になって朝のHR中、自分のプリクラ帳とにらめっこをしていた私はもう一つの発見をしてしまった。
それはその当時からさらに遡ること2、3ヶ月前にPがみんなに渡していたプリクラだった。それも例によってPとCのものだったが
Pの指が9本あったのだ。
ここで私は別の考えに至る。
(ひょっとして気付かないだけでプリクラって近くのものが滲んだり増えたりして、心霊写真みたいに撮れちゃう現象がよくあるのかも?)
そう思い、自分の持ってる数百枚のプリクラが収められたプリクラ帳を頭から全部見返した。
しかしその推理とは裏腹に…不思議な写りをしたプリクラはこの2枚だけしか存在しなかった。
Pは怖がってる様子ないし、私たちへのドッキリなのか?それともCがホラー好きでPを怖がらせるためにやったのか?
HRが終わり、私たちの中から様々な憶測が出たものの、


68:結局本物の『心霊プリクラ』ではないかいう結論に落ち着いた。 よくある怖い話だと、この後そのプリクラ機を皆で一緒に検証しそうなものだが、 グループの人々はクールで、オカルト好きな人も居なかったので『そういえばPって心霊写真みたいなプリクラとってたよね~』みたいな話題が笑い話として出る程度で、その後、深い追求はされなかった。



69:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 21:10:32.04 uO4SmEpe0.net
それから月日は流れ、10年ほど経った去年の春。Pは結婚し、第一子を出産した。
私は出産祝いも兼ねて、当時の友人達とPを訪ねていた。
そこでふと高校時代の心霊プリクラの話題になったのだ。
改めて聞いてみたが、やはり、撮ろうと思って撮ったトリックではなかったらしい。
「もし撮ろうと思って撮ったものなら、皆と撮る時にもやりまくったよ~!」と。
アレがなんだったのか改めて見てみたいねーという話になり、Pは当時のプリクラ帳を持ってきてくれた。
懐かしいプリクラが沢山あって、話が弾んだ。そして、呆気なくプリクラ帳は最後のページまで来てしまった。
盛り上がりすぎて見過ごしてしまったのか?
もう一度、最初から。今度は当時の話題に逸れることなく、純粋にPとCの撮った奇妙なプリクラを探す。
しかし、やはり見当たらない。
Pに確認してみると「記憶にはないし、自分はそんなことしないと思うけど…ひょっとしたら当時、気持ち悪くなって捨ててしまったのかもしれない」と言っていた。
まあ、当事者はそうだよね。という話になり心霊プリクラの話はそこまでで、後は違う話題になっていった。

70:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 21:12:25.80 uO4SmEpe0.net
それから。
Pの家から帰宅し、私も心霊プリクラを探してみた。
しかし、見つけられなかった。私のプリクラ帳からも、消えていたのだ。
年代や顔ぶれからこの時代のプリクラ帳で間違いない。
大学生になってから、例の心霊プリクラを複数の友人に見せた事もある。
びっしりと貼られたシール台紙に後から剥がしたような隙間は無く、ページごと破られた形跡だって無い。
まるで初めから存在しなかったかのようだった。
しかもその消失現象は私とPの身だけに起こったのではない。
Pの出産祝いに一緒に行ったた内の1人がプリクラ帳を確認したが、やはり見つけられなかったというのだ。
「見つけたら写メを撮ってグループLINEに載せようと思ったのに…」と悔しそうにコメントしていた。
そのコメントを受け、「実家にプリクラ帳置いているから帰省したら探してみる!」と言っている友人が他にもいるが
…個人的にはもはや、見つかってほしいような欲しくないような。背中が薄ら寒い気分だ。
ちなみにその『心霊プリクラ消失騒動』から1年以上経過しているが、見つかったという報告は今のところ、無い。


71:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 21:13:56.52 uO4SmEpe0.net
15本目の蝋燭が消えました・・・

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猫虫 ◆5G/PPtnDVUさん、第16話をお願いします
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72:猫虫 ◆5G/PPtnDVU @\(^o^)/
15/08/29 21:15:06.38 rKZkpF2O0.net
【竹】
仕事の関係で、道の駅に品物を卸している方々と親しくさせてもらっていた時期があった。
野菜や果物を卸す農家さんばかりでなく、山で採れた山菜や茸を卸している人もいたし、民芸品を作って卸している人もいた。
これは山菜と竹細工を卸していたMというおじいさんから聞いた話だ。
Mさん夫妻は竹細工を作るのが昔からの趣味だった。
ざるやかご、置物などを作っては近所の人にプレゼントしていたのだが、知人に勧められて道の駅にも品物を卸すようになった。
裏山から切り出した竹は二三カ月ほど陰干ししてから巨大な鍋で煮て下処理をするのだが、Mさんは切り出した直後に鍋サイズに切り分けてから干していた。
ある時、その切り分け作業をしていると、妙に重い竹があった。
持つ場所を変えたり回したりしてみると、ひとつの節にやたらと重みが集中�


73:オているのが分かった。 中に雨水でも溜まっているのかと思い、Mさんはノコギリでその節の端を切り始めた。 案の定、切り口からは液体が垂れ始めたのだが、雨水にしてはやたらと粘っこい感じがした。 何だか薄いハチミツみたいだな、と思いながら節を完全に切り落とすと、中にはつるんとした丸っこいピンク色の物体が詰まっていた。 左手の上に切り口を向けて軽く振ると、粘液にまみれているおかげでそれは抵抗もなくつるりと出てきて、手のひらに落ちた。 「なんじゃこりゃ」 手のひらの上の物体を見て、Mさんは頭をひねった。



74:猫虫 ◆5G/PPtnDVU @\(^o^)/
15/08/29 21:21:49.72 rKZkpF2O0.net
大きさはおはぎくらいで、勾玉のような形をした本体部分から短い手足が生えている。
表面は半透明なピンク色で、勾玉の穴にあたる部分には皮膚の下の目が透けて見えていた。
どう見ても、それは何かの胎児だった。
気味が悪いと思いながらも矯めつ眇めつ見ていると、突然ピクリとそれの左手が動いた。
驚いたMさんは「うわあ!」と声を上げながら、思わずそれを放り投げてしまった。
べちゃりと嫌な音を立てて、それは土の上に落ちた。
いかん、と思って慌てて拾おうとしたMさんだったが、異変に気付いて手を止めた。
それは土の上に水分を染み出させながら、見る間に潰れていった。
広がっていく水たまりの中、薄い皮の中に黒い眼球が二つ入っているだけの状態になり、その眼球も水分を放出して、最後はぺったんこの皮だけになった。
溢れた水分を土が吸収していく中、残った皮も溶け始め、最後には土の上に濡れた黒いシミだけを残して跡形もなく消えてしまったのだという。
「あれはかぐや姫ですよ、骨なしのかぐや姫。もうちょっと育つまで置いといてやったら、ちゃんとしたかぐや姫になったかもしれませんがねぇ」
Mさんはそう言って笑ったが、多分それはそんなかわいらしいものにはならないだろうと俺は思った。
【了】

75:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 21:23:02.68 uO4SmEpe0.net
16本目の蝋燭が消えました・・・

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ぺそ ◆qyVZC3tLJoさん、第17話をお願いします
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76:猫虫 ◆5G/PPtnDVU @\(^o^)/
15/08/29 21:24:44.10 rKZkpF2O0.net
【17話】ぺそ ◆qyVZC3tLJo 様
『海釣りにて』
数年前に起こった父の体験談です。
父は磯釣りが趣味で仕事のないときはプラプラと釣りにでかけます。
その日も自分で開拓した穴場スポットでのんびり釣りをしていたそうです。
突然、ザバーッ!!!!!と海からびしょ濡れの女性が現れたというのです。
父は当然驚愕しましたし、これはなんだ!?と焦ったそうです。
幸いその女性は生きている人間でした。
入水自殺をしようと海にはいったけれど苦しくてだめだった、と。
驚いたけれど、ただ事ではないと感じた父は「そんなことはやめなさい。何があったんや。」と話を聞いてやったり
びしょびしょなので近くの衣料品店に行き、服を用意して銭湯にも連れて行ってやったそうです。
警察は嫌だというので、父がその女性の両親に連絡し事情を話し、両親が迎えに来るまで一緒にいてやったそうです。
死のうと思った理由は嫁ぎ先で子どもを産んだらもういないような扱いをされ、実の子供にさえ人間扱いされていなかったようです。
そうしてある日手切れ金だと30万ばかりをもたされ家を出された、実家には迷惑をかけられないしもう死ぬしかない、と思ったようでした。
ただそれだけの話ではあるのですが、本当にこういうことがあるのだなぁと驚いたのと、人を追い詰める人間というのが一番怖いなと感じた出来事でもありました。
おわり

77:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 21:26:07.61 uO4SmEpe0.net
17本目の蝋燭が消えました・・・

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ずんちゃ虫 ◆7vU/OMinzsさん、第18話をお願いします
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78:ずんちゃ虫 ◆7vU/OMinzs @\(^o^)/
15/08/29 21:2


79:8:03.78 ID:M2JR/Zcj0.net



80:ずんちゃ虫 ◆7vU/OMinzs @\(^o^)/
15/08/29 21:28:24.88 M2JR/Zcj0.net
2/2
ところで林幽寺といえば、私の小さい頃には なんと言っても血を吸う仏像の噂が有名だった
それはこの寺の本堂にある御本尊なのだが、昼間は普通の仏像だが、夜になると
恐ろしい形相になり、口から舌をだらりと垂らしていたという
夜にこの仏像を見てしまった者は長い舌で首を絞められ血を吸われるといわれ、当時の
私たち子供は本気で怖ろしがっていた
この恐怖のお化け本尊も、最近、鉄深の真言冥界波だかなんだかを受けて爆散してしまって
もう無いらしい
本堂には鉄深が自分で持ち込んだ仏像が代わりに安置されたのだが、これがなんとも
おどろおどろしい姿の三面阿弥陀像なのだそうだ
この新しい本尊は夜中にゴォーと火を吐くと噂されている
以上はいま小学校に通っている姪から聞いた話だ
今では近所の小学生は寺の前を避け、わざと一本向こうの路地を回り道して帰るらしい
葬式で寺に行かなくてはならず泣いて嫌がった子供もいたという
小学校以来ひさしぶりに林幽寺の噂を聞いたが、相変わらず健在と言うか、近所の小学生の恐怖の的のようだ
《了》

81:ずんちゃ虫 ◆7vU/OMinzs @\(^o^)/
15/08/29 21:29:16.39 M2JR/Zcj0.net
18本目の蝋燭が消えました・・・

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キツネ ◆8yYI5eodysさん、第19話をお願いします
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82:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 21:30:05.08 uO4SmEpe0.net
18本目の蝋燭が消えました・・・

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キツネ ◆8yYI5eodysさん、第19話をお願いします
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83:猫虫(代理投稿) ◆5G/PPtnDVU @\(^o^)/
15/08/29 21:30:29.56 rKZkpF2O0.net
【10話】キツネ様◆8yYI5eodys 様
『オフィス街の焼き鳥屋』
蒸し暑い夜が続きます今日この頃。
こんな晩はキンキンに冷えたビールが恋しいものでございます。
炭火で香ばしく焼き上げた熱々の焼き鳥も一緒に、如何でございましょうか。
これは行き付けの焼き鳥屋の大将が暑い夜の酒のツマミに、と語ってくれたお話。
大将の店はオフィス街の狭間にポツン、と佇んでおります。
周囲に飲み屋はおろか飲食店も無く、夕方以降は仕事帰りの客でごった返している様子をよく目に致します。
開店当初はなぜこんないい場所に店が無いのか疑問にも思ったそうですが、そこは商売人。
競合店が出てくる前に馴染みの客を掴んでしまおうと、日々商売に精を出したそうでございます。
開店から2週間ほど経った頃でしょうか。
夜の11時を過ぎた頃。
小雨がしとしとと降る夜のこと。
最後のお客を笑顔で送り出した大将は、暖簾を外して1人で片付けをしておりました。
さて、炭の火を消そうと火消壷に炭を移し終えた、その時。
テバぁ……てください……
突然の囁くような、か細い女性の声にギクリ、と大将は驚きながらも
「すみません、今日は手羽先は終わっちゃって」
と、背後のカウンターに目を遣るが、そこには誰もいない。
大将は首を傾げながら、その日はいそいそと片付けを済ませて帰宅したのでございます。

84:猫虫(代理投稿) ◆5G/PPtnDVU @\(^o^)/
15/08/29 21:36:26.35 rKZkpF2O0.net
それから数日は何事もなく過ぎ、ある晩のこと。
暖簾を入れる際に雨が降っているのを見た大将は、あの晩のことを思い起こしました。
あれは気のせい、と決め込んで炭火を片付けようとした時、
おじちゃん……モツ……焼いて……
今度は絞り出すような子供の声でした。
気のせいじゃない、これは尋常じゃないぞ、と考えながらも
「臓物の類は切らしてるんだよ、ごめんねえ」
グッと堪えながらそれだけ告げると、背中のカウンターへ振り返らぬよう手早く片付けを済ませて大将は帰宅いたしました。
その後も時折夜になると声が聞こえる。
その時々によって声も老若男女、好みも各々違うのか焼いて欲しいメニューも違う。
不思議と、雨の晩に限って聞こえてくるのでございます。
これはとんでもない外れ物件を手にしてしまったと思った大将は、本気で閉店を検討したそうで。
しかし、店仕舞の前にせめて声の正体は確認しよう、そう心に誓ったのでございます。

次の雨の晩。
換気扇から聞こえる雨の音を聞きながら待つこと暫く。
…………さい……
あの声でございます。
次第に近づいて来る声。
……テバぁ……焼いて…さい…
…アシばぁ……焼いてください…
ゾウモツばぁ…焼いてくださいまし…

85:猫虫(代理投稿) ◆5G/PPtnDVU @\(^o^)/
15/08/29 21:39:37.14 rKZkpF2O0.net
ままよ、と振り返る大将。
しかしながら、すぐ背後に聞こえた筈の声の主は見当たらず。
ホッとして調理場を振り返った時でした。
炭火の前に立つ黒い影が目に飛び込んで参りました。
まるで火の消えた炭のように、煤けた影。
炭火に照らされたソレは、焼け焦げた人の形をしております。
髪は半分ズルリと皮ごと剥け落ち、目鼻口は窪んで黒く、所々四肢の表面が赤黒く光っており、
その腕には……不自然に白く生々しい、骨の飛び出した手首から先、足首から先を抱えておりました。
流石の大将もその姿には恐怖を覚え、呆然と見ていることしかできません。
黒い影はゴトリ、ゴトリと手足を炭火の中にくべ始めました。
鶏肉や豚肉とは違う、何かの焼け焦げるような不快な臭気。
ジリジリと音を立てながら、脂の燃える黒い煙が上ってゆく。
どれほどの間その光景を眺めていたのでしょうか。
不意に影が大将の方を振り返り、スーッと頭を下げ、そのまま黒い靄となって換気扇に吸い込まれていったのでございます。
ふと我に返った大将は慌てて調理台に駆け寄ると、そこには手足など無く、只々火の消えた炭が転がっているだけ。
顔の筋肉が麻痺したような感覚に囚われながら、大将は淡々と炭を片付けて帰宅したそうです。

86:猫虫(代理投稿) ◆5G/PPtnDVU @\(^o^)/
15/08/29 21:46:54.78 rKZkpF2O0.net
これは後日、大将が常連の老爺から聞いたそうなのですが……
大戦末期、この辺りは手酷い空襲を受け、多くの方が亡くなったそうでございます。
日が昇ってから遺体を収集してゆくのですが、
最も近い火葬場では遺体の処理が間に合わず、それでも次から次と遺体が増えていく。
その為、近くの小学校の敷地で廃材を組んで仮火葬をするのですが、折しも小雨が降り始めなかなか上手く燃えない。
漸く火が着いても火力が足りず、取分け水分の多い内臓は燃えにくかったり、手先や足先が焼け残ることが多かったとか。
それでも増え続けるご遺体を処理せねばならない。
ある程度燃えたところで遺骨とし、残った手足や臓物は小学校跡の敷地にそのまま埋葬されたそうでございます。

それから数十年も経った今日。
何度か飲食店や飲み屋が出来ては、数か月持たずに潰れる。
そうしてこの土地はオフィスのみが立ち並ぶ街になったのだそうで。
もしかすると、その潰れた飲食店の人々も大将と同じような何かを見たのかもしれません。

その話を聞いて以来、大将は時々雨の降る晩になると、店仕舞の後も炭が燃え尽きるのを待ってから帰宅するのだそうでございます。
その甲斐あってか、大将のお店は潰れる事無くつい最近、無事に5周年を迎えたそうで。

オフィス街にただ1件だけの焼き鳥屋。
雨の晩に訪れると、閉店間際、そこでは客以外の何者かに出会えるのかもしれません。

【完】

87:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 21:49:38.57 uO4SmEpe0.net
19本目の蝋燭が消えました・・・

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肴 ◆4zQNaTWiYAさん、第20話をお願いします
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語り部希望は>>1の【準備スレ:2ch.net】へ
雑談、感想は>>1の【雑談スレ:したらば】でお願いします。

88:肴 ◆4zQNaTWiYA @\(^o^)/
15/08/29 21:50:04.77 uh5nE5Jy0.net
【瓶】
まだ小学生のころ、母方の祖父の弟が死んだ時の事。俺は、葬式のために祖父に連れられて祖父の実家まで行くことになった。忙しかった母親の代わりだったようだ。
家に着いてしばらく経って、親戚と話している祖父を眺めているのにも飽きたので、遺体を見に行くことにした。寝室に寝かせてあると聞いていたので一人でも迷わなかった。
ところが部屋に入ろうとしたとき、他にも誰かいることに気付いた。襖の陰から覗いてみると、それは自分と同じくらいの女の子だった。
女の子は赤と白の服を着ていて、どう見ても今からお通夜という格好ではなかったし、それに親戚の中でチビは俺だけだったから、何とも怪しい子だと思った。
女の子は俺が覗いていることに気付いていないようで、遺体をじっとりと見つめていたが、やがて服のポケットから何かを取り出した。よく見ると、ジャムの入っていたような透明な瓶だった。
そして、彼女は躊躇いもせずにそれを遺体の顔の上に落とした。
ゴン、という鈍い音がした。瓶は割れて、破片が枕元に飛び散った。
数秒あけて、枕に血が滴り始めた。その血は遺体から出ているのではなく、瓶の割れ目から出ているように見えた。

89:肴 ◆4zQNaTWiYA @\(^o^)/
15/08/29 21:51:10.91 uh5nE5Jy0.net
呆然と眺めていると、女の子はやっと俺に気付いたようで、こちらに目を向けてきた。その目が凄く黒くて、何だか怖かった。
しばらくして、帰りが遅いので探しに来た祖父に声をかけられ、俺は我に帰った。もう一度部屋を覗いてみたものの、女の子どころか血さえ残っていなかった。
十年ほど経って、今度は祖父が亡くなった。そして女の子はまた現れた。
吸い込まれそうな不気味な瞳も、十年前と変わっていなかった。祖父の弟にしたことを、そのまま祖父の遺体にもやって見せた。まるでデジャブのようだった。
しかし、今度は瓶が割れなかった。祖父の頭にぶつかった瓶は、そのままゴロゴロと部屋の隅まで転がっていった。
祖父と祖父の弟に何の違いがあったのか分からないけども、彼女の黒い瞳だけはずっと忘れることが出来ない。
[了]

90:肴 ◆4zQNaTWiYA @\(^o^)/
15/08/29 21:54:09.46 uh5nE5Jy0.net
20本目の蝋燭が消えました・・・

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ぺそ ◆qyVZC3tLJo さん、第20話をお願いします
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語り部希望は>>1の【準備スレ:2ch.net】へ
雑談、感想は>>1の【雑談スレ:したらば】でお願いします。

91:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 21:56:46.30 uO4SmEpe0.net
さて、20本の蝋燭の火が消されました……。
皆様、身の回りに不思議なことは起こっ�


92:トおりませんでしょうか? 体調に変化があったりといったことはございませんか? それでは、ここで一つ小休止をとらせて頂きたいと思います。 再開は【20:10】を予定しております……。



93:わらび餅 ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 22:11:47.43 uO4SmEpe0.net
……時間となりました。
おや? どうやら開始時刻が異空間に迷い込んでしまったようですね……。
それではぺそ ◆qyVZC3tLJoさん、第21話をよろしくお願いいたします。

94:わらび餅 ◆jlKPI7rooQ @\(^o^)/
15/08/29 22:12:43.70 uO4SmEpe0.net
【21話】ぺそ ◆qyVZC3tLJo 様
『家』
今住んでる家のことです。
転勤族なので引越しは多いのですが、今住んでいる物件はかなりいい条件の借家です。
変な時期の引越しだったのによく空いてたな、と思えるほどの綺麗な一軒家です。
しかしハイツなので同じ敷地内に何件かの一軒家が入っている、という環境です。
以前住んでいた家のほうが築年数は遥かに長いのに今の家はちょっと変です。
まず家鳴りがひどい。気温差などでピシッパシッとなることは多いかとは思います。
しかし時間を問わず、常に。特に私が一人でリビングにいるときがひどいです。
そしておそらく・・・います。
階段の途中で気配がしますね。おそらく男性では、と思っていますが。
特に実害もないので共存できるレベルなので時々驚かされても平気です。
リビングにはこれないようで、2階を歩き回ったり(誰もいないときに歩き回る音がするので最初はよく見に上がってました)、時間関係なく玄関がガチャっと音がする程度です。
出て行きたければ出て行ってもらっても構わないんですが、お買いものにでもいってるんでしょうか。
そういえば、主人は2階で寝てるときに私がいないのにキッチンの換気扇が時々回ってる、というのを聞いたことがあるので私がいるせいでリビングにこれないのかもしれないですね。
守護霊がとても強い、といわれたことがあるので。
唯一困ったことといえば、子供部屋で眠れないことです。
どうも行動範囲が階段か子ども部屋が多いらしく、影響してるのかそこで寝ると悪夢をみるか、もう寝れないかのどちらかです。
2階はそこにしかエアコンがないのできついですねぇ。
この話を投下しようか悩んでいるときはラップ音が激しかったです。壁を叩く音もしていました。
ですが、別に悪く思ってないと理解してもらったのか書き始めるとすごく静かになりました。
・・・・・むしろ怒ってるのかな?
おわり


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