百物語 2014  本スレat OCCULT
百物語 2014  本スレ - 暇つぶし2ch87:いそべ@投稿代理 ◆8JXCKM3oNw @\(^o^)/
14/08/23 21:13:31.19 2yX9zsEM0.net
【第26話】 ヨサック ◆skAMDOCpdQ 様
『お気に入りのワンピース』

(1/2)

知人の祖母・Nさんが若い頃体験した話だ。

Nさんにはお気に入りの服があった。生成り地に小花が少し刺繍された、可愛らしいデザインのワンピース。
Nさんはその日も、お気に入りのワンピースを着て買い物に出かけた。
そして帰宅後はすぐに着替え、ワンピースをハンガーに通して鴨居にかける。湿気を飛ばしてからしまう為だ。
そうしている内に、外出の疲れからか、ついうたた寝をしてしまったのだそうだ。

しばらくして目が覚めたNさんは、ぼんやりとあたりを見回した。
すると、鴨居にかけたワンピースが、風もないのに揺れているではないか。
不思議に思い目をこらすと、裾から見え隠れする物がある。
生成りのワンピースより、もっと白い何か。
それは音もなく降りて来た。

人の爪先であった。

凍りつくNさんをよそに、白い脚はゆっくりと降りて来て、その姿を現して行く。
爪先から甲、くるぶし、ふくらはぎ…
だがいつまでたっても膝は見えず、それが更に不気味だった。
とうとう、力なく垂れた足先が床まで届いた。
その途端、脚全体がぐにゃりと曲がった。まるで飴細工の様だったという。
脚はなおも伸び続け、白く長く、畳に二筋のとぐろを巻いている。

88:いそべ@投稿代理 ◆8JXCKM3oNw @\(^o^)/
14/08/23 21:14:19.52 2yX9zsEM0.net
(2/2)

これは一体何なのか。
恐る恐る視線を上げたNさんの目に飛び込んで来たのは、
今まさに、ワンピースの襟元から出て来ようとしている、真っ黒な頭だった。
Nさんは我に返り、這う様に逃げ出したという。

このワンピースは、結局捨ててしまったそうだ。

【了】

89: ◆ElPl8xGQc2 @\(^o^)/
14/08/23 21:17:19.08 JSbHM1NW0.net
26本目の蝋燭が消えました・・・
ヨサック ◆skAMDOCpdQ さん、ありがとうございました


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釣師官兵衛 ◆vW7zauZqAA さん、第27話をお願いします
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90:いそべ@投稿代理 ◆8JXCKM3oNw @\(^o^)/
14/08/23 21:22:31.44 2yX9zsEM0.net
【第27話】 釣師官兵衛 ◆vW7zauZqAA 様
『タクシー』

昔、通ってた釣り場付近での話です。
時間は22時を過ぎてい�


91:スと思います。前を走るタクシーが賃走になっていたので こんな田舎なのにタクシー乗る人いるのかなって不思議に思ったんです。 無性に気になってしまって赤信号で止まった時に右折車線に入って並んでみたんです。 それでタクシーの方を覗き込んだんですけどお客さんは乗ってなかったんです。 屋根上の表示灯も消えていて、助手席のダッシュボードのところの表示も賃走になってたんですけど。 後で聞いた話なんですがその近くに自殺で有名なスポットがあって、タクシーが自殺者の霊を乗せてしまうことがよく あるらしいです。 またまたそんな場面に出くわしてしまったのかもしれませんね。 【了】



92: ◆ElPl8xGQc2 @\(^o^)/
14/08/23 21:25:32.56 JSbHM1NW0.net
27本目の蝋燭が消えました・・・
釣師官兵衛 ◆vW7zauZqAA さん、ありがとうございました


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ヤマカガシ ◆c3a1zy1rE2 さん、第28話をお願いします
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93:いそべ@投稿代理 ◆8JXCKM3oNw @\(^o^)/
14/08/23 21:27:35.05 2yX9zsEM0.net
【第28話】ヤマカガシ ◆aATRQSwClI 様
『無題』

今日あった話なんだが
職場の休憩中に食堂で一人テレビを見てたんだわ
有吉と竹山とかが出てたやつ
一人だけ休憩時間が違うのは法律的にどうなのかは置いといて
仕事の都合でそうなっていたわけだが
ふと音と共にドアというか扉がゆっくりあいたんだ
風でも吹いたかと、ちらりと見てテレビに目線を戻したわけだが
また音をたてたので、ちらりと見たら黒い髪が扉の隙間から見えて扉が閉じた
それは前にネット上でちょっと話題になった、
不動産の写真で少し開いた物置に髪が写っちゃったやつあったやん
あんな感じ
まあ誰かがちらりとこちらを見て閉じたんだろうけど
ただその扉は半透明のガラスの部分が全体にあるやつで
人がいるような動きはなかったんだよね
まあ職場の幽霊話はそこそこあるようだし、もしかしたら幽霊かもね

94: ◆ElPl8xGQc2 @\(^o^)/
14/08/23 21:30:52.24 JSbHM1NW0.net
28本目の蝋燭が消えました・・・
ヤマカガシ ◆c3a1zy1rE2 さん、ありがとうございました


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備担◆.1AOTdzS5s さん、第29話をお願いします
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95:いそべ@投稿代理 ◆8JXCKM3oNw @\(^o^)/
14/08/23 21:33:16.03 2yX9zsEM0.net
【第29話】 備担◆.1AOTdzS5s 様
『郷土資料館』

会社の先輩は、地元で生まれ育ち、地元の学校に進学し、地元の会社、つまり、当時自分が働いていた会社に入社した
生粋の地元っ子だった。自分が住んでいた場所の近くに、地方の小さな町にありがちな郷土資料館があったのでその話を
したら、なんと彼は、そこでバイトをしたことがあるという。深夜の警備の仕事だったそうだ。

郷土資料館って名前からわかるように、そんなに大した展示品はなくて、埴輪の欠片や、価値があるのかどうかも
わからない古文書が少々。ただ、郷土資料館そのものが城跡に建ってることからわかるように、それなりの歴史はある
地方で、鎧一式が何個か展示されていた。

で、その先輩、真顔で言うんだよ。「あそこ、ヤバイよ」って。
夜に見回りにいくと、ラップ音がひどいんだと。特に鎧のあたりが。ちょっとびっくりしたわけよ。先輩、オカルト
じみたこと言い出すような人じゃなかったから。だから「落ち武者の幽霊でも見れるんですか」って、冗談のつもりで
聞いてみた。

「う?ん、落ち武者というか、あれは女性


96:じゃないかな」 「はい?」 「なんていうか知らないけど、時代劇に出てくる裾を引きずる着物着てたんだよ」 「えっ、それって幽霊ですか?」 「どうだろ。階段のほうに消える着物の裾っぽいのしか見てないしさ。ただ…」 先輩いわく、それを追っかけてみると、上り階段に張ってある立ち入り禁止の紐がゆらゆらと揺れてるんだそうだ。 だから、たとえあれが幽霊だったとしても実体があるもんじゃないのかなと笑っていた。 【了】



97: ◆ElPl8xGQc2 @\(^o^)/
14/08/23 21:36:12.53 JSbHM1NW0.net
29本目の蝋燭が消えました・・・
備担◆.1AOTdzS5s さん、ありがとうございました


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サンズリバー ◆X0uk49LcEU さん、第30話をお願いします
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98:いそべ@投稿代理 ◆8JXCKM3oNw @\(^o^)/
14/08/23 21:39:32.37 2yX9zsEM0.net
【第30話】 サンズリバー ◆QNxpn.SauU 様
『ばぁばと佛』

(1/2)

僕の亡き祖母が元気だった頃の話しである。

祖母は、自分の子二人を病気で失い、気丈に振る舞いながらもどこか淋しげだった。
それ故か、とても信心深く、自分の命以上に佛様を大切にし、墓参りも欠かさない人だった。
そして更に、明晰夢も度々見ていたようだった。必ず自分の亡き子や兄弟が出てきていたようだ。
そう、感も勘も鋭かった。

ある真夜中、祖母が突然起きて仏壇の前に座った。「佛様が起こっている!」と叫んだ。
今の仏壇の祀り方が気に入らないと、ご先祖が伝えたと言う。
認知症はなく、1ヶ月に20句近い俳句を詠んでいた程だから、間違いないだろう。

僕が休みの日にホームセンターで壁紙を買い、仏壇周りをリフレッシュした。
祖母は大層喜び、僕も嬉しくて記念に写真を撮った。
しかし……、そこには白い靄がかかり、ハッキリと写っていないのだ。
試しに別の場所で撮影したが、鮮明に写った。一瞬ゾクッとした。
その写真はお蔵入りである。祖母にも見せないままだった。

毎朝毎晩と供養を続けて先祖の御霊を慰め、盆・正月・彼岸もきちんと行っていた。

99:いそべ@投稿代理 ◆8JXCKM3oNw @\(^o^)/
14/08/23 21:40:02.40 2yX9zsEM0.net
(2/2)

それから数年が経ち、一昨年祖母は大往生した。
最後の約束は、僕が佛様を受け継ぎ祀り続けるという事だ。
勿論、一日たりとも欠かしていない。それよりも、更にグレードアップした程だ。

昨年、僕はタブレット端末を新しく購入した。
そして再び仏壇を撮影した。そこには……、白い靄がかかっている。
あの時と同じようにしたが、結果は全く一緒だ。
いつも仏間兼居間は澄んでいるし、離れた所からも肉眼ではハッキリ見えている。
写真だけが、どうしても靄に包まれるのだ。

もう、仏壇の撮影は封印した。二度と写す事はないだろう。
そして、この事は解明されない方が良い。
もう決して失礼な事はしないからね、ご先祖様…。
そして、どうか見守ってください。僕がそこへ行く迄ずっと……。

【了】

100: ◆ElPl8xGQc2 @\(^o^)/
14/08/23 21:43:30.91 JSbHM1NW0.net
30本目の蝋燭が消えました・・・
サンズリバー ◆X0uk49LcEU さん、ありがとうございました


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ヤプール ◆v0h8dExI/ytY さん、第31話をお願いします
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101:OMT@投稿代理 ◆lkP/qpIb6E @\(^o^)/
14/08/23 21:45:21.21 HxZdyY1N0.net
【第三十一話】ヤプール ◆v0h8dExI/ytY 様

『タイムシフト』

去年の百物語での話。

私は今年同様、去年もこの百物語の朗読を行っていた。
放送形式は今年と異なりニコ生だが。

最初は一人で読み続けることに不安を感じていたが、始まってみると20話くらいまではスムーズに読み続けることができた。

しかし、20話過ぎたあたりで急に疲れが押し寄せてきて、
ちょうど「神隠し」多発で朗読が追い付きそうだったので休憩をとることにした。

休憩中、タイムシフトを利用して自分の朗読を聞いていた。
朗読とかしたことある人はわかると思うが、自分の声というものは自分が思っているものとは大きく異なって聞こえるものだ。

しかし、ちょうど休憩に入る前の枠での自分の声は今までの自分の声とも自分が思っているものとも異なっていた。

なんか前枠より遠くでしゃべっているような…。

さらに、しばしばノイズが入ってくる。というより、自分以外の誰かが話に相槌を打っているような…。

そして枠の最後、ががががっと大きめのノイズが4つ入った。

詳しくは聞き取れないが、「あ、え、い、え」と何かしら訴えているような声が聞こえた。

休憩前の私は、単純につかれてるだけだったんだろうか…。

【了】

102: ◆ElPl8xGQc2 @\(^o^)/
14/08/23 21:48:31.17 JSbHM1NW0.net
31本目の蝋燭が消えました・・・
ヤプール ◆v0h8dExI/ytY さん、ありがとうございました


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ヨサック ◆skAMDOCpdQ さん、第32話をお願いします
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103:OMT@投稿代理 ◆lkP/qpIb6E @\(^o^)/
14/08/23 21:50:55.30 HxZdyY1N0.net
【第三十二話】 ヨサック ◆skAMDOCpdQ 様
『緑』

(1/2)

知人の女性・Sさんは数年前に父親を亡くした。
通夜だ葬式だ初七日だ、と忙しかった日々も一段落してしばらくした頃、
Sさんは急に深酒をする様になったのだという。
元々酒が好きではなかったので、おかしい、やめようと思うのだが、
意に反して夜になれば酒をあおり、酔いつぶれるまで飲んでしまう。
亡くなった父親は大酒飲みであったので、さては父の仕業かと思い至った。
だが仏壇に酒を供え、止めてくれるように手を合わせても、まったく効果がない。
実家を離れていた妹さんもSさんの異変に気付き、遠まわしに病院に行ってみないかと勧めてくる。
それもそうだな、と受診を考え出したそんなある日の事だ。

また酔いつぶれ居間で眠っていたSさんは、ふすまが開く気配で目を覚ました。
見ると、亡くなった父が立っている。不思議と恐怖は感じなかった。
父の方も久しぶり、等とごく普通にふるまう。向かいに座った父にSさんは尋ねてみた。
「お父さん、私の体借りてお酒飲んでるでしょう?」
「うん…すまんな」
「体が辛いから、もう止めてもらえない?お酒はお供えするから」
「分かったよ」
ばつが悪そうに頭を掻く仕草は、生前の姿そのままだった。

しばらく他愛もない会話をしていたが、夜が明けるのを見た父は、そろそろ行くかと腰を上げた。
Sさんも外まで見送るよ、と一緒に玄関に向かう。
だが、父が開けたドアの外は、いつもの景色ではなかった。
見知らぬ何処かの住宅街が広がっている。でもそれだけではない。

104:OMT@投稿代理 ◆lkP/qpIb6E @\(^o^)/
14/08/23 21:52:46.56 HxZdyY1N0.net
(2/2)
緑。緑。
色セロハン越しに眺めたように、世界中が緑色に包まれていた。

ああ、この人とはもう住む世界が違うんだ。
そう感じた途端、急に恐ろしくなり足が竦んだ。
「…それじゃあな」
父は軽く振り返ると静かに扉を閉めた。Sさんはどうしても外に出る事が出来なかった。
この日を境に、Sさんの深酒はぴたりと止んだそうだ。

父親の四十九日、その朝の出来事だという。

【了】

105: ◆ElPl8xGQc2 @\(^o^)/
14/08/23 21:55:45.17 JSbHM1NW0.net
32本目の蝋燭が消えました・・・
ヨサック ◆skAMDOCpdQ さん、ありがとうございました


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むよ ◆x/HUavFqms さん、第33話をお願いします
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106:OMT@投稿代理 ◆lkP/qpIb6E @\(^o^)/
14/08/23 21:57:54.89 HxZdyY1N0.net
【第三十三話】 むよ ◆x/HUavFqms 様
『もやもや』

(1/2)

私はC県C市にあるクリニックに務めています。お陰さまで、かなり沢山の方にご利用いただいております。
クリニックはビルの中にあり、一階と二階がクリニックの施設になっています。
一階はオペ室や安静室、小さめの待合室、ラボなどがあります。二階が診察室やメインの待合室になっています。
院内には四ヶ所にセキュリティカメラがあり、その映像は診察室の机の脇にあるモニターで常時確認できる状態に
なっています。
ある冬の日のことです。午後7時近くになり、院内には殆ど患者はいませんでした。
たまたま診察介助の当番になっていた私は、診察室の中にいました。医師も書類作成等を行っており、診察室の机に
座っていました。
少々手持ち無沙汰になっていた私は、見るともなしにセキュリティカメラのモニターに目をやりました。
モニターは四分割されており、一階のオペ室前の待合室のカメラの映像が下段右側に映っていました。一階にはもう
スタッフ及び患者はいないようでメインの電気が消されており、非常口を示す緑色の明かりと、ラボの常夜灯だけが
ついていました。
薄暗いのですが、待合室の様子などは確認できます。ぼんやり映像を見ていた私は、自分の目を疑いました。つい
先ほどまで何ら異常を示していなかった映像の中に、もやもやとした白い煙のようなものが映っています。
クリニック内には煙探知機がありますが、それが反応している様子はありません。また、煙ならば空気の動きに影響
されますが、モニターに映っているその白いもやもやは、一点に止まったまま動こうとしません。

107:OMT@投稿代理 ◆lkP/qpIb6E @\(^o^)/
14/08/23 21:59:46.90 HxZdyY1N0.net
(2/2)

多分、一分近くモニターを凝視していたと思います。医師が何となく異常を感じとったのか、顔を上げました。
「先生、一階のモニターに…」私の言葉を聞いて、医師がモニターに目をやりました。
その間も、モニターには白いもやもやが映っています。二人で無言のままモニターを見つめていました。30秒ほどして、
医師が言った言葉は「確認してきて」でした。
私は怖さよりも不思議さが先にたち、一階に続く階段を降りました。
階段の先には、薄暗くはありますがいつもと変わらない待合室がありました。モニターに映っていた、あの白いもやもや
はありませんでした。
私は診察室に戻り、医師に異常は無かったことを伝えました。モニターに目をやると、白いもやもやは消えていました。
医師は「あのあとすぐに消えたよ」と言っていました。
当クリニックは開院当初より、一人も院内で亡くなった方はいらっしゃいません。
ただ、毎週2~5例は、D&Cを行ってはおりますが…。

【了】

108: ◆ElPl8xGQc2 @\(^o^)/
14/08/23 22:02:39.90 JSbHM1NW0.net
33本目の蝋燭が消えました・・・
むよ ◆x/HUavFqms さん、ありがとうございました


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釣師官兵衛 ◆vW7zauZqAA さん、第34話をお願いします
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語り部希望は>>1の【受付スレ:したらば】へ
雑談、感想は>>1の【雑談スレ:したらば】でお願いします。

109:OMT@投稿代理 ◆lkP/qpIb6E @\(^o^)/
14/08/23 22:03:48.84 HxZdyY1N0.net
【第三十四話】 釣師官兵衛 ◆vW7zauZqAA 様
『冬の波止での話』

そこの波止に到着したのは21時くらいになる。車が1台停まっていたので、先行者がいるようでした。
ギャフもだしショルダーバッグを肩にかけロッドを持ち波止めを歩き始めた。
波止めは100mくらいの長さで真ん中から先端が実績があったため、真ん中くらいから始めた。
『ジッジッ』『ジッジッ』小気味よく私のロッドをしゃくる音が響いた。ふとすると、すぐ横で『ヒュンヒュン』ロッドが風を切る音が聞こえた。
あっ先行者の方だなと思っていると、隣から話しかけられた。
先行者『どうですか、釣れましたか?』
私『今、きたばかりなので・・・』
私『そちらはどうですか?』
先行者『今いたばかりですよ』
会話を交わしながら釣りをしていました。
次の波止移動しようと思い、
私『そろそろ行きますわ。頑張ってください』と声をかけ、
先行者『私は後少ししたらいきます。気をつけて』と返ってきました。
私はその波止めを後にした。

数日後、その波止で夜釣り中に海に落下し亡くなられた方がいることをニュースで知りました。私の隣で釣りをしていた方のようでした。
そう言えば会話の中で『今いたばかりなので』って『今逝ったばかりなので』と言っていたんですかね?

【了】

110:進行マモ ◆100mD2jqic @\(^o^)/
14/08/23 22:08:48.39 af0oyBtJ0.net
34本目の蝋燭が消えました・・・
釣師官兵衛 ◆vW7zauZqAA さん、ありがとうございました
                      γ
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タメ人参◆i.m1cVbrghng さん、第35話をお願いします
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111:OMT@投稿代理 ◆lkP/qpIb6E @\(^o^)/
14/08/23 22:11:01.64 HxZdyY1N0.net
【第三十五話】 タメ人参 ◆i.m1cVbrghng 様
『深夜のカップル』

(1/2)

もう7年くらい前の話なんですが
当時から両親とは別々に暮らしてまして、金がなく、お腹空いたんで実家にご飯を食べさしてもらいに行こうと思ったんです
深夜に(笑)
距離にして自転車で40分くらいの距離
でも自転車がパンクしてて徒歩だったんですトホホ(スイマセン)
季節は真夏の蒸し暑い深夜
汗だくになりながら人気のない橋を歩いてました
歩いてると自転車に2人乗りした若いカップルがゆっくり通り過ぎたんですね
大体気配ありますよね
人が自分の横の位置くらいまでこられると
通り過ぎるまで全く気付かなかったんです
その時はあまり気にもしませんでしたが
橋を渡り切り大きな道路に出ました
俺の歩いてた道はほぼ直線で向こうの方まで見渡せる道路横の歩道を歩いてました
歩いてると
ふと道路を挟んだ反対側の歩道を見たんですね
先ほどの自転車に乗ったカップルがゆっくり自転車こぎながら僕より後方にいるんですよ
その時も俺は、カップルはどこかで降りて喋ってて俺が気付かない内に追い越したのかなぁくらいに思ってました
また自転車で追い越される俺…その道にはコンビニとかはないんですね
飲食店もありませんし
またトコトコ歩く俺

112:OMT@投稿代理 ◆lkP/qpIb6E @\(^o^)/
14/08/23 22:12:14.77 HxZdyY1N0.net
(2/2)


しばらくして反対側の自分より後ろの方の歩道を見ると
またいるんですよ
そん時は、えっ?ってなりまして
この時点で二回も俺を追い越してるんですよ
曲がり門なんてないし寄る所もないんですよ
止まるしか、また自転車に追い越されてしばらく歩きます
ふと反対側の俺より後ろの方の歩道を見たら自転車に乗ったカップルがいるんです
この前の時点で反対側の歩道は意識してましたから自転車が止まり俺が追い越せば気付きますし
俺の後ろなんて事はないはずなんです
もう見ないようにして実家についてから
落ち着いて思い出したんです
初めカップルが通り過ぎた時、彼らには影がなかったんです
皆さんも人とすれ違う時は影があるか確認してみて下さい
ひょっとすると影がないかも知れないですよ…

【了】

113:進行マモ ◆100mD2jqic @\(^o^)/
14/08/23 22:15:35.03 af0oyBtJ0.net
35本目の蝋燭が消えました・・・
タメ人参◆i.m1cVbrghng さん、ありがとうございました

                      γ
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コソコソ ◆.PiLQRq.0A さん、第36話をお願いします
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114:OMT@投稿代理 ◆lkP/qpIb6E @\(^o^)/
14/08/23 22:17:10.69 HxZdyY1N0.net
第三十六話  コソコソ ◆.PiLQRq.0A 様
『死神』

(1/4)

群馬県に住む叔母は、カカア天下を地で行くような人だったのだが、
60の坂を超えた頃から胃腸や心臓などを悪くしており、多くの病院にかかっていた。
しかし、多くの病院をはしごするのも疲れてきたので、総合病院一つでまとめてしまおうと考え、
今年の春に各病院への挨拶回りも兼ねて紹介状を貰って回っていた。

叔母が受診していた多くの病院の一つ。
2014年8月23日現在、絶賛営業中の病院なので名前は伏せるが、消化器内科を専門にしている病院である。
個人病院ではあるが、バブル期の真っ只中に立てられたこともあり、三階建てで中庭を有する立派な病院らしい。
二階以上は以前は入院施設として使われていたようだが、医師の減少や経営の悪化に伴い縮小され、
現在は入院患者の受け入れを止めており、一階の診察室の一つのみが機能しているとのことだ。

その病院を訪れた叔母は、病院を変える経緯を説明し、紹介状を貰えることになった。
その時、医師から「胃カメラを前倒しでやってみてはどうか?」と提案されたそうだ。
以前に胃潰瘍を患った叔母は、半年に一回、定期健診で胃カメラを受けていたらしい。
幸い、その日は患者も少なく、希望すればすぐにでも胃カメラを受けることができるそうだ。

あまり胃カメラが得意ではない叔母は一瞬迷ったが、胃カメラ挿入の際の苦痛は医師の腕によるところも大きい。
―転院先の病院で下手は医者に当たるくらいなら。
叔母は結局、その日胃カメラを飲むことを決めた。

胃カメラは思っていたよりもすんなりと終わった。
もう何度か経験して叔母のほうもコツが分かってきたのか、全く苦痛はなかったと言う。
胃カメラを飲むのが苦手な叔母は、毎回苦痛を軽減するために鎮静剤を使っていたらしい。
―こんなことなら局部麻酔でも良かったかも。
鎮静剤はぼうっとするので、自分で運転して家に帰るにはしばらくの間病院で休まなければならなかった。

115:OMT@投稿代理 ◆lkP/qpIb6E @\(^o^)/
14/08/23 22:18:08.01 HxZdyY1N0.net
(2/4)

叔母は電話で家人に帰りが遅くなることを告げ、待合室のソファに座り、何をするでもなくぼうっとしていると、
「二階にベッドがありますけど、そちらで休んでいかれます?」
そう看護師が声をかけてきた。
一旦は辞退したが「胃カメラの後はベッドで休まれる人も多いですから」という看護師の言葉に
「そういうことなら」と腰を上げた。正直なところ、横になって一眠りしてしまいたかった。

看護師に連れられ、二階へ上がる。
経営が苦しい病院とはいえ、待合室には世間話をしている老人が居て、受付には看護師が居た。
それとは打って変わって、二階は静まり返っている。
節電のためか、窓の無い、暗い廊下の両脇には緑色に光る非常灯だけがぼんやりと浮かび上がっていた。
階段を上がってすぐ左手の扉を看護師が開けながら、叔母を招き入れる。
「こちらのベッド、どれでもいいんで使ってください。しばらくしたら呼びに来ますから」
そう言って看護師は忙しなく階下へと降りていった。
叔母はそれを見送ると、入り口から一番遠いベッドに横になって目をつぶり、すぐさま眠りに落ちた。

……ガラッ、という音で叔母は目を覚ました。
病室の窓から差し込む光がオレンジ色になっており、
―あ、大分時間が経ったみたいだし、看護師さんかな
まどろみの中で叔母はそう思った。
一瞬覚醒した意識がまた眠りへと引き込まれそうになったとき、カツ、カツ、カツ、カツ、という足音が部屋の中を回り始めた。

―何をしているんだろう?
なんとなく起きるタイミングも眠りに落ちるタイミングも逸してしまった叔母はそのまま足音に耳を傾けた。

116:OMT@投稿代理 ◆lkP/qpIb6E @\(^o^)/
14/08/23 22:19:32.33 HxZdyY1N0.net
(3/4)

カツ、カツ、カツ、カツ、カツ。

―あれ、この音、看護師さんじゃない。
―看護師さん、スニーカーだったし、こんな硬い音はしない。
胡乱な頭が思い至った瞬間、叔母の寝ているベッドのすぐ脇で地面を蹴る硬い音が響き、叔母は思わず目を開いた。

叔母の目の前、それこそ息も掛かりそうなほど近く、
サングラスをして、白髪をオールバックにした初老の男の顔があった。

悲鳴を挙げようと叔母は息を吸い込む。瞬間、叔母の鳩尾の辺りを男が強く押した。
叔母の喉から「ぐぇっ」と声が漏れ、吸い込んだ息が押し出される。
必死になって手を退けようと叩くが、男は全体重をかけるようにしてなおも叔母の鳩尾を押し込んでくる。
腕を引っかき、両手で揺さぶって、必死になって男を退けようとするが、男はびくとも動かない。

―殺される!
叔母は本気でそう思った。必死で抵抗する叔母の顔を見つめ、サングラスの奥で男の目がぐにゃり、と歪んだ。
―この人、普通の人じゃない!
必死で抵抗する叔母が拳を握り締め、男のサングラスめがけて叩き込んだ。
叔母の拳が当たり、男が倒れる。叔母はすぐさま立ち上がって、転げるように階段を下りた。

血相を変えて待合室に飛び込んだ叔母はそこにいた看護師に事情を説明した。
「もう診療時間は終わってますから、患者さんは誰も残っていないですよ」
看護師がそう言って、叔母の居た病室を見に行ったが、部屋はもぬけの殻だった。
結局、寝起きに悪い夢でも見たのだろうという笑い話になり、叔母は恥ずかしい思いをしながら家路へと着いた。

117:OMT@投稿代理 ◆lkP/qpIb6E @\(^o^)/
14/08/23 22:20:45.17 HxZdyY1N0.net
(4/4)

それからしばらくして、総合病院へ転院した叔母は定期健診を受けることになった。
胃カメラは例の病院でしていたため、医師からは「今回はやらなくても良い」と提案があったが、
例の一件以降、どうにも胸焼けがする叔母はレントゲンを撮ってもらうことにしたと言う。

検査後、叔母は複雑な表情を浮かべる医師の前に呼び出されていた。
「胃の上部に影が見られます。詳しく検査してみないと分かりませんが……」
数週間前の胃カメラでは全く映らず、今回のレントゲンで見つかった影。
「恐らく何かが映りこんだんだと思います。レントゲンを見れば、胃の入り口まで影は来ている。
 これが腫瘍だとすれば胃カメラで見落とすことはまず無いし、その時の胃の内部写真にも異常はありませんでした。
 数週間でここまで腫瘍が肥大化することもありえませんし……」
医師も首を傾げながら説明し、叔母はその日の内に再び胃カメラを飲んだ。

影はガンだった。

この夏、叔母は胃の殆どを切除する手術を受け、すっかりやせ細ったにも拘らず、軽快に「死にはしないわよ」と笑っていた。
「だって、ガンを身体に入れている最中の死神を殴り飛ばしたんだもの」

【了】

118:進行マモ ◆100mD2jqic @\(^o^)/
14/08/23 22:25:03.26 af0oyBtJ0.net
36本目の蝋燭が消えました・・・
コソコソ ◆.PiLQRq.0A さん、ありがとうございました

                      γ
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杏仁 ◆1YN5ZdoG2w さん、第37話をお願いします
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語り部希望は>>1の【受付スレ:したらば】へ
雑談、感想は>>1の【雑談スレ:したらば】でお願いします。

119:OMT@投稿代理 ◆lkP/qpIb6E @\(^o^)/
14/08/23 22:27:00.71 HxZdyY1N0.net
【第37話】 杏仁 ◆1YN5ZdoG2w 様
『無題』

(1/3)

これは、私が高校3年の時に実際に体験した話です。
7月の終わりに差し掛かった頃。時間は深夜の1時。
そろそろ寝ようかと布団に入りました。
うとうととしていたその時、体が急に縛り付けられた感覚に陥り、全く自由がきかなくなってしまいました。

金縛りです。

これまで一度も体験したことがなかったので、(お!これが金縛りってやつかっw)なんて、のんきな事を考えて
いました。

それからしばらく、体が動かないという状況を半ば楽しんでいた時です。

コンコン、コンコン、、、

私の寝ている枕の上の方にある窓をノックする音が聞こえてきたのです。
(親かな?でもこんな時間に外から?おかしいな…)
依然として体が動かない私は、その音に不信感を抱きながらじっとしていました。

コンコン、コンコン…

再びノックをする音が聞こえてきました。
その音は次第に大きくなり、やがて、
ドンドンドンッ!ドンドンドンッ!

120:OMT@投稿代理 ◆lkP/qpIb6E @\(^o^)/
14/08/23 22:28:10.27 HxZdyY1N0.net
(2/3)

窓を思いっきり叩く音に変わっていました。
(窓の向こうに得体の知れない何かがいる…!)
私はそう直感しました。
さっきまでこの状況を楽しんでいた自分が嘘のように、一気に恐怖感が襲ってきました。
なおも金縛りは続いています。
私はどうする事もできないまま、ただただ部屋中に広がるその「音」に耐えていました。

………

音が止んだ。

と、その時、

ガラガラガラッ!

なんと窓が開く音が聞こえてきたのです。
私は心臓が飛び出しそうになりました。

そしてその「何者か」が、私の寝ている布団に近づいてくる足音が聞こえてきたのです。
(どうしようどうしようどうしよう…)
とてつもない恐怖で震えている私の方へ、そいつはゆっくりと近づいてきます。

………………

121:OMT@投稿代理 ◆lkP/qpIb6E @\(^o^)/
14/08/23 22:28:57.27 HxZdyY1N0.net
(3/3)

どれくらい時間が経ったでしょうか?
ものすごく長い時間が経過したように感じましたが、あることに気がつきました。
金縛りが解けています。
金縛りの間、恐怖でぎゅっと目をつぶっていましたが、うっすらと開けてみました。
そこにはなにもいませんでした。

あとあとになって考えてみると、これは金縛りになった際に聞こえてきた幻聴だったのでしょう。
その時はそんな事を考える余裕など全くありませんでしたが。

これが、私が唯一経験した心霊体験です。

【了】

122:進行マモ ◆100mD2jqic @\(^o^)/
14/08/23 22:33:09.11 af0oyBtJ0.net
37本目の蝋燭が消えました・・・
杏仁 ◆1YN5ZdoG2w さん、ありがとうございました

                      γ
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123:@   ̄          `ー--─'" コソコソ ◆.PiLQRq.0A さん、第38話をお願いします  ----------------------------------------------------- 語り部希望は>>1の【受付スレ:したらば】へ 雑談、感想は>>1の【雑談スレ:したらば】でお願いします。



124:いそべ@投稿代理 ◆8JXCKM3oNw @\(^o^)/
14/08/23 22:40:00.94 2yX9zsEM0.net
第38話  コソコソ ◆.PiLQRq.0A 様
『自殺者の末路』

(1/3)

自殺した者の魂は浮かばれない、という話を良く聞く。
賽の河原で延々と石を積むとか、成仏できないまま現世をさまよい続けるだとか、色々な話がある。
毎夏、怪談が好きな人間を集めて怪談会を開いているが、今年は何の流れだかそういう話になった。
「自殺はやっぱ駄目だね」と場が収まりかけたとき、その中の一人が神妙な面持ちで話し始めた。
「自殺者の末路ってさ、ちょっと違うと思うんだけど……」と前置きをして。

この話をしてくれたSという男の知り合いに梶という男がいた。
梶は弱いくせにギャンブルが好きで好きで仕方なく、いつもどこかに借金をしていた。
そのくせ、プライドは一人前以上に持ち合わせており、『いつか俺はビッグになる』と信じているような奴だった。
当時、梶は都内の割と広いマンションに住んでいたと言う。
しかし、そんな男だから、家賃や光熱費などは滞納し放題。ついには管理会社から立ち退きを命じられてしまったらしい。
梶は新しい部屋を探すとき、彼が不動産会社に出した提案は『とにかく安く、とにかく洒落ていて、都内のマンション』だったそうだ。
不動産会社は最初の内はくつか安い物件を紹介していたが、梶の無茶な要求に対して、
「決してお勧めではないんですが、もうこれくらいしか……」と、一つの物件を紹介した。

都内の一等地、広さは前に梶が住んでいたマンションよりも広く、家賃はなんと10,000円だと言う。
ただし、確実に「出る」と紹介された。

梶は即座にこの物件に決めた。
再三バツが悪そうに止める不動産会社を振り切って、部屋の中を見ることもなく、その場で契約を結ぼうとしたそうだ。
しかし、不動産会社は契約するためにある条件を出した。
『その部屋に梶が一週間泊まり、その間毎日、不動産会社へ連絡を入れること』
梶は二つ返事で頷いた。

125:いそべ@投稿代理 ◆8JXCKM3oNw @\(^o^)/
14/08/23 22:41:02.50 2yX9zsEM0.net
(2/3)

一日目、梶は一週間の宿泊に必要な物を持ってそのマンションを訪れた。
玄関を入るとダイニングキッチンがあり、曇りガラスがはめ込まれた仕切戸の向こうには広々としたリビング広がっていた。
梶は荷物を置くやいなや早速パチンコへ出かけ、帰ってきたのは深夜0時に近い時間だった。
缶ビールを何本か空け、不動産会社が用意してくれた布団に身体を預けた。

どれくらい眠ってしまったのかは分からない。『ドスンッ!』と言う大きな音で目が覚めた。
音の出所に視線を向け、梶は思わず息を呑んだ。
リビングとダイニングキッチンを隔てる曇りガラスの仕切戸に影が映っていた。
最初は何か分からなかった梶も、しばらく見ているとようやくその正体が分かった。

―首吊りだ。
それは地面から数十センチほど浮きあがり、頭を垂れている人間の影だった。
首を支点にして左右にゆらゆらと揺れ動き、その度に『ズリ…ズリ…ズズッ……』という縄がこすれる音が辺りに響く。
梶はまんじりともせず、その影を睨み付けていた。
徐々に影の振れ幅は小さくなり、こすれる音が止むと同時に影は消えた。

二日目、梶は昨夜に体験したことを不動産会社で夢中になって話した。
不動産会社からは『やめておきませんか?』と何度も薦められ、他の物件も紹介されたが、
『特に何をされるわけでもないから』と梶は首を横に振り、その部屋に泊まり続けることを決めた。

その夜も次の夜も、梶の眠りは首吊りの音で妨げられた。
しかし、四日目ともなるとさすがに少しは慣れ、梶はその音が決まって深夜2時に鳴ることに気がついた。
―じゃあ、その時間、部屋にいなければいいじゃないか。
五日目、そう思い立ち、0時近くに部屋を出て安い居酒屋で酒を煽っていた。
頃合を見て部屋へ戻り、何事もなく朝まで過ごすことが出来た。
―こりゃあいい
梶はそれから毎日、飲み歩くようになった。

約束の一週間が過ぎ、梶はなおも渋る不動産会社から部屋を契約した。

126:いそべ@投稿代理 ◆8JXCKM3oNw @\(^o^)/
14/08/23 22:42:22.41 2yX9zsEM0.net
(3/3)

「でね、ここからは俺の想像なんだけど……」
そう前置きをして、酒を舐め、Sは話を続けた。

「梶はもともと金が無い奴だし、さすがに毎日飲み歩くわけにも行かなくなったんじゃないかな。
 しばらくは知り合いの家に泊まったりしたのかもしれない。
 でも、それも出来なくなって、仕方なくあの部屋に戻ったんだと思う。
 それで、多分また見たんだよ、首吊りの影」
 
「俺さ、自殺者の末路ってさ、賽の河原で石積みでも浮遊霊になって彷徨うんでも無いと思う。
 きっと繰り返すんだよ、自殺を。死んだ瞬間からずっと。
 だから『死ねば楽になる』なんて絶対嘘だと思う。死ぬ思いってのが延々と続くんだし。
 死に続けて、死に続けて、もう何がなんだか分からないようになって……
 代わりを見つけて、引きずり込むんだろうなぁ」

Sはそう言って話を終えた。
梶の訃報が届いたのは、Sが都内の不動産会社を辞め、地方で再就職をしてから四日後のことだったそうだ。

【了】

127:進行マモ ◆100mD2jqic @\(^o^)/
14/08/23 22:44:49.19 af0oyBtJ0.net
38本目の蝋燭が消えました・・・
コソコソ ◆.PiLQRq.0A さん、ありがとうございました

                      γ
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仮の人 ◆sFvsmjhswAfh さん、第39話をお願いします
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128:卍3286卍ss@\(^o^)/
14/08/23 22:44:55.39 NF0S3q2R0.net
「2時20分」

あの出来事は 高校受験が終わり やっと肩の荷がおりた 中学3年生の時の出来事です...

何時ものように午前0時を回った頃 当時買ったばかりのステレオで音楽を聴きながら寝るのが日課になっていました。
自分の部屋は自宅二階の北側にあり 脇の倉庫によじ登り屋根伝いに窓から出入り出来る状態で 悪友達が急に
夜中に窓から遊びに来ることもしばしばで それが普通になってました。

ある夜 仰向けで寝ているところを逆さまに頭から覗かれた感じがして 目が覚めました...
オレは夜中よく遊びに来ていた友人が来たのだと思い 起き上がりながら「Sなのか?」と声をかけましたが そこに友人の姿は無く
「何だ...ユメか...」って感じでまた直ぐ寝ました。

翌日学校でS君に「昨日の夜 ウチに遊びに来なかった?」と聞いたところ。。
「オレ昨日は行って無いよ 誰か違う奴じゃないの?」とS君に言われ そうなのかナって感じで深く考えませんでした。。

その夜 何時もの様に音楽を聴きながら眠りにつくと 夜中に目が覚め 寝ながらステレオのデジタル時計を見ると「2時20分」
それと同時に ゾーッともの凄い殺気に襲われ 足元を見ると暗闇に誰かが立っている...
誰だっ!っと思ってもカラダは動かず声も出ない... だんだんボンヤリと青緑色の姿が近づいてくる...
「これはいったい何なんだ?」と心の中で叫ぶが 声にならない...
動けない状態のオレに そいつは徐々に足元から覆い被さってくる...
「ヤバイ...人間じゃ無い...」幼い頃から不思議な体験が多かったせいか 直ぐに判った。。

「どーすりゃいいんだ? 」恐怖で半分パニックになりながら考えるがどーにもならない...

129:進行マモ ◆100mD2jqic @\(^o^)/
14/08/23 22:51:40.58 af0oyBtJ0.net
>>122
おやお客様  いえ、迷い人でしょうか?
狐狸妖怪に惑わされたのか、入り口とお席が違うようでございます

どうぞこちらの入り口URLリンク(jbbs.shitaraba.net)
からお入りになって下さいませ

130:仮の人 ◆sFvsmjhswAfh @\(^o^)/
14/08/23 22:54:05.04 xjoFQ2ov0.net
【第三十九話】
『幽霊実験』

(1/2)

A子さんはある晩、テレビで心霊番組を観ていたそうだ。
その時やっていたのが、自分の部屋に幽霊がいるかどうか調べる方法というものだった。
やり方は、
1、自分の部屋の玄関をイメージする
2、そのまま部屋に入り、窓を開けていく
というもので、その間に誰かがいればそれが部屋にいる幽霊だ、とのこと。
お手軽だしちょっと面白そうだと感じたA子さんは、自分でも試してみることにした。
一人暮らしの自分の1ルームマンションの玄関をイメージする。
ドアを開けると右手にキッチン、左手にトイレとバス。誰もいない。
さらにドアを開き、狭い自分の部屋を見渡す。

誰か居る。

部屋の右奥、ソファーの真横。天井まで頭が付きそうな程背の高い、全身真っ黒な男が俯いて立っていた。
「きゃっ!」
驚いて目を開け、その場所を振り向く。もちろんそんな男はいない。
多少気味は悪かったが、心霊番組を観ていたせいで変なイメージが残っていただけだろうとA子さんは納得することにした。

その日の深夜。
A子さんは寝苦しさで目が覚めた。
どうも視線を感じて眠れない。頭の中に先ほどの黒い男のイメージが浮かび離れない。
怖いテレビ見たから。気のせい、気のせい。
そうやって何度も自分に言い聞かせ、その日はどうにか眠ることができた。

131:仮の人 ◆sFvsmjhswAfh @\(^o^)/
14/08/23 22:54:32.97 xjoFQ2ov0.net
(2/2)

しかし、次の日からふとした時に部屋の中のあの場所から視線を感じるようになった。
毎日というわけではない。だが、気味の悪さは抑えきれない。
しかも、日が経つにつれその視線を外でも感じるようになってきてしまった。
ふとした瞬間の電柱の影。職場のロッカーの隅。電車の窓の向こう側。
気が付くとあの男の姿が見える気がしてA子さんは精神的にまいってしまっていた。
あんな実験したから。あんな部屋に住んでるから。
友人に愚痴をこぼすと、「じゃあ、引っ越したら?」と軽い返事。
でも、案外いい考えかもしれない。
このままだと気が狂いそうだし、そういえばそろそろマンションの賃貸契約の更新があった。ついでにもっと職場に近い所に引っ越そう。

引っ越しの日、A子さんは久しぶりに晴れ晴れとした気分で新居の荷物を解いていた。
疲れたな。ちょっとソファーで横になろう。
ごろんと横になり、目を閉じて休憩していたA子さんが再び目を開いた時、自分を見下ろすあの男の姿があった。

【了】

132:進行マモ ◆100mD2jqic @\(^o^)/
14/08/23 22:56:57.02 af0oyBtJ0.net
39本目の蝋燭が消えました・・・
仮の人 ◆sFvsmjhswAfh さん、ありがとうございました

                      γ
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ロクイチマル ◆5wVJdkoU4E さん、第40話をお願いします
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133:ロクイチマル ◆5wVJdkoU4E @\(^o^)/
14/08/23 22:57:30.72 fYC5LdIC0.net
【第四十話】『怖い夢』

[1/2]
夢っていうものは大概、見ている最中はまるでそれが現実のように感じられて、目が覚めた瞬間は内容を鮮明に覚えているのに、
起きて顔でも洗っているうちに頭に霧でも掛かったみたいにそれがどんな夢だったかを忘れてしまう、そんなものだと思う。
俺が普段見る夢も大抵そういう感じなんだが、昔見た夢で、その内容の隅々まで克明に覚えているものがある。

それは俺が小学1~2年生くらいの頃に見た夢だった。
はじめ、当時小学生の俺は、壁一面に変な象形文字みたいなものが書かれた古代エジプトの遺跡の中で、
無機的な表情のマネキンみたいなお化けに追いかけられていた。
(同年代の人には分かると思うけど、寝る前に読んでた某カードゲーム漫画の影響を多大に受けてるw)
そこまではしょっちゅう見るようなありふれた怖い夢だったんだけど、マネキンお化けから逃げるうちに、
ふと俺はそれが夢であることに気づいた。
何かきっかけがあったわけでもないんだけど、何故か「あ、これ夢だ」って分かったんだ。
自分が夢を見ていると気づいた瞬間、いつのまにか俺は古代エジプトの遺跡ではなく、
背丈と同じくらいの高さの草(芦?)が生えた土手みたいなところにいた。
そして不思議なことに、まだ何かに追いかけられているという実感があった。
さっきみたいにマネキンお化けの姿は見えないが、逃げなくてはいけないという気持ちに駆られた俺は、
それが夢だと分かっていながらも何となく怖くて、草をかき分けながら走り続けた。

走って逃げいている途中で、何人かの大人が立っていた。
もちろん俺は助けを求めるために話しかけたんだが、そこに立っていたモブキャラみたいな大人は皆、
顔がムンクの叫び?とは少し違うけど、そんな感じの人間とは思えない形相をしていた。
俺は走りながら、懲りずに何度も出会う大人の顔を覗き込むけど、揃いも揃ってムンク状態。
そうして逃げているうちに、俺はなんとなく、この夢はこのままずっと覚めることがないんじゃないか?
という予感がしてきた。
それに気づいた時はマジで怖くなって、誰でもいいから助けて、と泣きながら立ち止まってしまった。

と、そこで後ろから、俺の肩にポンと手が置かれた。

134:ロクイチマル ◆5wVJdkoU4E @\(^o^)/
14/08/23 22:58:40.57 fYC5LdIC0.net
[2/2]
ヤバイ、捕まった。
そう思った俺は怯えながらも、反射的に後ろを振り向いた。
だけど、その手は俺のことを追いかけていた「何か」ではなかった。
後ろに立っていたのはお婆ちゃん。しかもその顔は、他の大人みたいなムンクの叫びじゃなくて、
凄く穏やかな表情だった。
え?誰?
そう思った次の瞬間には、俺は自分のベッドの上で寝ていた。

で、なんでこんな昔の夢の話を今しているかというと、理由がある。
今は大学生で一人暮らしをしているんだけど、つい先月の末頃、ひい祖父ちゃんが死んで、その葬式で地元に帰った。
ひい祖父ちゃんは天寿を全うして静かに往生したんだそうで、お通夜も物悲しい雰囲気は全然なく、
親戚が集まった食事会みたいな感じだった。
そこで田舎の婆ちゃん(ひい祖父ちゃんの娘、祖母の姉)が、ひい祖父ちゃんの写ってるアルバムを持ってきて、
一同で思い出話が始まったんだが、そこにあった一枚の集合写真を見て、俺はギョッとした。
写真に写っている一人に、まさに俺の夢に登場したあの婆ちゃんがいたんだ。
聞いてみるとその人は、ひい祖父ちゃんの妹で、20年くらい前に病気で死んでいるらしい。
写真が撮られたのは今から26年前で、俺は生まれていない。
俺はその日、写真ではじめてその婆ちゃんの存在を知ったはずなのに、俺が小学生の頃に見た夢の婆ちゃんと間違いなく同一人物だった。
よく聞いてみると、その婆ちゃんは俺が生まれたばかりで首も据わらない頃に一度だけこっちに来て、
俺を抱っこしてくれたことがあるらしい。(もちろん俺は覚えていないけど)
今思えば、きっと親戚のよしみで婆ちゃんが俺のことを助けてくれたんだなって思う。
見てから10年以上経っても、登場した婆ちゃんの顔の詳細まで鮮明に覚えているあの夢。
そもそもなんだか「忘れてはいけない」ような気がしていたんだけど、不思議なことってあるんだなって本気で思ってる。
そしてあの夢で、婆ちゃんが俺のことを助けてくれなかったら一体どうなっていたんだろう、と思うと、
今でもどうしようもなくゾッとする。

【了】

135:進行マモ ◆100mD2jqic @\(^o^)/
14/08/23 23:01:10.17 af0oyBtJ0.net
40本目の蝋燭が消えました・・・
ロクイチマル ◆5wVJdkoU4E さん、ありがとうございました

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四十話まで参りましたが…もはや怪異に見舞われているお客様もおられるようで
半ばにも達しておらず、時刻も百物語にとっては宵の口ですのに
百話を終えたら一体どうなってしまうのでしょうねえ…

あまり画面ばかりを見つめていては、妖しのものどもにつけこまれやすくなるのかもしれませんね
この辺りで一息入れてみましょうか


10分後に再びご案内を開始致します
それまで皆様、どうぞごゆっくり            お気を付けて

136:卍3286卍ss@\(^o^)/
14/08/23 23:05:07.70 NF0S3q2R0.net
「2時20分」②

そうこうしてるうちに 完全に乗っかられた状態になり 首を絞めてくる...
オレは直視出来ず 薄目を開けながら苦しむのが関の山。。
そいつは首を絞めながら「殺・し・て・や・る ...」と聞いた事も無いような 低いダミ声で囁く...
オレは恐怖におののき 隣の部屋で寝ている兄貴に助けを求めようとしたが 苦しくて全く声が出ない...

そいつは片手で首を絞めながら もう一方の手で頬を掴まれ口があくような状態にさせられた...
怖い... とにかく怖い...
次の瞬間 そいつの口から水のようなものがオレの顔に吐き出された...!!!
「何だ!何なんだ! どーなってんだ!」オレは心の中で叫び続ける...

137:卍3286卍ss@\(^o^)/
14/08/23 23:07:46.21 NF0S3q2R0.net
>>123
すいません 受け付けルールがあったんですネ...
よく読まず 連投してしまい失礼しました。

138:仮の人 ◆sFvsmjhswAfh @\(^o^)/
14/08/23 23:12:07.22 xjoFQ2ov0.net
どうやら異界から迷い込まれた方がいらっしゃったようですね

はてさて皆様、ご無事でしょうか
背後の確認はお済みでしょうか
百の言葉が尽きるまで、どうぞこのままお付き合いを……



それでは百物語2014 続きとまいりましょう

ロクイチマル ◆5wVJdkoU4E さん、第40話をお願いします
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139:仮の人 ◆sFvsmjhswAfh @\(^o^)/
14/08/23 23:14:24.54 xjoFQ2ov0.net
大変失礼いたしました
私過去へ飛んでいたようです

ぬこ ◆RMw3.cMGUE さん、第41話をお願いします
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140:ぬこ ◆RMw3.cMGUE @\(^o^)/
14/08/23 23:19:40.70 0yX1QsY/I.net
【第四十一話】『足が欲しい』
大学時代、一つ上の先輩(♀)から聞いた話。
小学4年生の頃、学校から帰るときいつもある脇道からでてくる中年の男性がいた。しかも常に彼女がその脇道を通りかかる時に出てきてぼんやりと立っていたという。
幼心ながら不気味に思っていた先輩はそのことを母親に相談した所しばらく車で送り迎えをすることになった。
1ヶ月ほど車で送り迎えを行った後、もうそろそろいいだろうと言いことになり再び徒歩での登下校になった。そして実際、それからしばらくは何も無かった。

しかしその男は再び現れた。彼女がいつものように帰り道を歩き例の脇道にさしかかったときだった。ヌッと誰かが脇道から出てきた。
あの中年の男だった。そしていつも黙って立っているだけだった男は彼女の方をみてこう言った。
『足が欲しい』
気がつくと彼女は自宅の前にいた。しかしその間の記憶がすっぽりと抜け落ちてしまっていた。それ以降、その男には一度もあっていないという。
そういえば、そのおっさん腰から下がどんな風だったか全然思い出せないんだって
と先輩は話の最後にそう語った。

141:ぬこ ◆RMw3.cMGUE @\(^o^)/
14/08/23 23:23:59.06 0yX1QsY/I.net
すいません、【了】 とつけるのを忘れていました。

142:仮の人 ◆sFvsmjhswAfh @\(^o^)/
14/08/23 23:25:02.12 xjoFQ2ov0.net
41本目の蝋燭が消えました・・・
ぬこ ◆RMw3.cMGUE さん、ありがとうございました


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ぬこ ◆RMw3.cMGUE さん、第42話をお願いします
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143:ぬこ ◆RMw3.cMGUE @\(^o^)/
14/08/23 23:31:47.13 0yX1QsY/I.net
【第四十二話】 『足が欲しい 二』
同じ先輩がやはり小学生の頃に体験した話。
その日は風邪気味で学校を休んでおり自宅の2階にある自室で布団にくるまっていた。
ぼんやりと外を眺めていると家の前にある道に喪服のような黒い服と帽子をまとった髪の長い女性が俯いて立っていることに気がついた。
何故かその女性のことが気になり彼女はベランダに出ていった。(なぜそのようなことを考えたのか後になって振り返ってみてもよくわからないという。)すると彼女がベランダに出ると同時にその女性がふっと顔をあげた。
その顔は雪のように白かった。比喩ではなく本当に肌が真っ白だったのだ。
そしてつぶやいた。そのつぶやきは離れているはずの彼女にもはっきり聞こえたという。
『足が欲しい』
気がつくと彼女はベランダで倒れていた。時計をみると気を失った時から2時間ほどたっていた。

ちなみにその先輩は今でも五体満足で生活している。また20数年の人生の中で手足を失うような病気や事故が起きたこともないという。
彼女が幼い頃に遭遇したものがなんだったのかは未だにわからないそうだ。
【了】

144:仮の人 ◆sFvsmjhswAfh @\(^o^)/
14/08/23 23:32:59.92 xjoFQ2ov0.net
42本目の蝋燭が消えました・・・
ぬこ ◆RMw3.cMGUEさん、ありがとうございました


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ぬこ ◆RMw3.cMGUE さん、第43話をお願いします
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145:ぬこ ◆RMw3.cMGUE @\(^o^)/
14/08/23 23:37:35.15 0yX1QsY/I.net
【第四十三話】『転落』

職場の同僚(♀)から聞いた話。

彼女が通っていた小学校のすぐ隣には昼間でも薄暗い森があった。
ある日、何を思ったのかそこを探検してみたいと思い、昼休み一人で森へ入っていった。
一応、道らしきものはあったためそこをたどりながらしばらく歩いていくと開けた空き地に出た。そこの真ん中にはこじんまりとした祠と小さな地蔵があるのみだった。

なんだつまらないと思い、そこを後にした。残りわずかになった昼休みの時間は校庭のすみにあるジャングルジムに登ってそこでぼんやり校庭を眺めながら過ごすことにした。
ジャングルジムの頂上で校庭や、さっき行ったばかりの森を眺めていると突然何かに背中を押された。
気がつくとジャングルジムとは反対方向の校門前に倒れていた。
ズボンをみればボロボロにすれていた。まるで何かに引きずられたかのように…
ちなみに校庭には彼女の同級生もいたはずなのだが誰も彼女学校ジャングルジムから校門前に異動するのをみていないという。

そういえばウチの学校の前、結構車とおるんだよね。と彼女はこの話を語った時、最後にそう付け加えた。

【了】

146:仮の人 ◆sFvsmjhswAfh @\(^o^)/
14/08/23 23:38:21.37 xjoFQ2ov0.net
43本目の蝋燭が消えました・・・
ぬこ ◆RMw3.cMGUEさん、ありがとうございました


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会計 ◆QAI42rkje6 さん、第44話をお願いします
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147:会計 ◆QAI42rkje6 @\(^o^)/
14/08/23 23:39:04.72 gGSU/C180.net
【四十四話】会計 ◆QAI42rkje6
『法事』

これは妹が小学五年生くらいの時に体験した出来事です。
当時はお盆の時期で、法事をしていました。
始まる前にお坊さんが餓鬼の話をして「部屋の隅には霊が出やすい」と言ったので、
母が「こっちくる?」と言いましたが私はそのままでした。(特に深い意味はありません)
それが終わってからお経が始まりました。
そして、お経を唱えている最中にクラッとしたと同時に目の前が何も見えないくらい
真っ暗になりました。(正座のままで倒れたりはしていなかった)

「    」

暗くなっている間に左ななめ後ろ(母や祖母や坊さんは右斜め前あたり、私は
母たちから見て左ななめ後ろの部屋の角にいた)から耳元で何か聞こえたんです。
お経が聞こえたとしても近すぎだったし、耳元に直接話すようなかんじでした。
体感時間は3秒くらいだったけど、一秒もたってないくらい一瞬でした。
それは男性の声の様だということ以外分からなくて、何を言ったのかもわかりませんでした。
家に帰るまで恥ずかしかったのか言わず、家について車を降りてから母に言ったら
「おじいちゃんが来てくれたんやわ」
といいましたが結局わからずに現在を過ごしています。体の方もこれといって
なんともないし害はなさそうだったんですが、
あれは何だったのか…
ただの眩暈だったのか…
餓鬼の話をしていて霊が寄ってきたのか…
本当に祖父が来てくれたのか…
おそらく一生分からずに過ごしていくのでしょう。

【了】

148:仮の人 ◆sFvsmjhswAfh @\(^o^)/
14/08/23 23:42:36.03 xjoFQ2ov0.net
44本目の蝋燭が消えました・・・
会計 ◆QAI42rkje6さん、ありがとうございました


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ヨサック ◆skAMDOCpdQさん、第45話をお願いします
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149:50@投稿代理 ◆YJf7AjT32aOX @\(^o^)/
14/08/23 23:47:09.75 ALSJsfvd0.net
第45話 ヨサック◆skAMDOCpdQ様
『旅館の旧館』(1/2)

真夏のある日、涼を取る為にと上司のKさんがこんな話をしてくれた。

今から30年程前、新入社員だったKさんは、慰安旅行でとある旅館に泊まる事になった。
当時Kさんは、社長の親族である先輩からパワハラを受けていた。本当は旅行になど参加したくない。
しかも部屋は修学旅行のような大部屋。どうしても先輩と顔を合わせてしまう。だが断る事が出来なかったそうだ。

夜も更けて、酒の回った先輩は案の定絡んできた。Kさんと同僚の二人で肝試しをして来いと言うのだ。
場所は宿泊している旅館の旧館。
渡り廊下で新館と繋がってはいるものの、「立ち入り禁止」の看板があり封鎖されている。
流石にまずいでしょう、と説得するが先輩は聞く耳を持たない。
部屋に備え付けの懐中電灯を持たされて、とうとう旧館まで連れて行かれたという。

旧館は昔ながらの日本旅館といった様子だった。当然ながら玄関や雨戸も開かない。
これは無理ですよ、戻りましょう、とKさん達は口を揃えるが、先輩は入れる場所があると言う。
新館からは見えない方向に回り込むと、雨戸が壊れている所があった。ガラス戸は割れ、鍵が開いている。
ほらな、ここから行ってこい。先輩の言葉に二人は顔を見合わせた。
先輩は常識を欠いたところがあり、よく無茶な行動に出る人だった。
まさか雨戸を壊し、ガラス戸を割ったのは…
疑念を抱いたが何も言えず、結局強引に中に入らされたのだそうだ。

旧館の中は明かりひとつ無く、懐中電灯を頼りに板張りの廊下を進んだ。
しばらくすると曲がり角に差しかかった。もうこの辺で帰ってもいいんじゃないか、
そう同僚と話していると、奥から足音が聞こえてきた。
まずい、旅館の人だろうか。慌てて側の障子を開け、物陰に身を潜めた。
見つかったらただ事では済まない。緊張する二人がいる部屋の方へ、足音はどんどん近づいて来る。
明かりを持っているのか、障子にうっすらと影が映った。細身で長い髪。女性のようだ

150:50@投稿代理 ◆YJf7AjT32aOX @\(^o^)/
14/08/23 23:48:00.94 ALSJsfvd0.net
(2/2)
しかし、この世のものでない事もすぐに分かった。
その女は逆さまになり、天井を歩いていたからだ。

息を殺して見つめる中、女はゆっくりと部屋の前を通り過ぎた。
ほっと胸を撫で下ろしたのもつかの間、またすぐにぎしり、ぎしりと音がする。
さっき姿を現した方から�


151:トび、女が天井を歩いて来るではないか。 女は同じ方向からやって来ては、部屋の前を通り過ぎるのを繰り返し続けた。 これでは部屋から出るに出られない。しかも、もしここに入って来たら… そんな不安に、Kさん達はひたすら耐えたのだそうだ。 どれだけ時間がたったろうか。部屋の中は暗いが、耳をすますと外から鳥の囀りが聞こえる。 朝だ。いつの間にか女の往来も止んでいる。二人は涙ながらに喜びあったそうだ。 怯えながらも何とか侵入口まで戻り、やっとの思いで表に出たその時だった。 ―――背後の暗がりから「ちがう」と女の声がした。 もう闇雲に走った事しか覚えていない、とKさんは言う。 気付くと新館の大部屋で、同僚も一緒に戻って来ていた。 早朝に大騒ぎで駆け込んで来た新人二人。睡眠を妨害された先輩はKさん達を怒鳴りつけた。 もちろん事情を説明しようとしたが、先輩は一言「知るか」と言って寝直してしまったそうだ。 慰安旅行から帰ってすぐにKさんは辞表を提出し、その後現在の会社に入社した。 同僚の方はそのまま勤め続けたそうで、しばらくの間Kさんと交流があった。 彼から聞いた所によれば、先輩は旅行後一年程で退職したらしい。 退職前の先輩はよく、天井を見ては怯えていたそうだ。 【了】



152:仮の人 ◆sFvsmjhswAfh @\(^o^)/
14/08/23 23:48:39.70 xjoFQ2ov0.net
45本目の蝋燭が消えました・・・
ヨサック ◆skAMDOCpdQさん、ありがとうございました


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葛 ◆.zethFtqnU さん、第46話をお願いします
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153:50@投稿代理 ◆YJf7AjT32aOX @\(^o^)/
14/08/23 23:50:10.09 ALSJsfvd0.net
【第46話】 葛 ◆.zethFtqnU様

『肝試し』
(1/2)

先輩はよく、一番仲のいい友人と一緒に、あちこちの心霊スポットを巡っていた
でも一度も霊を見たことは無かったそうだ
そして怖いもの知らずの先輩たちは、ある日とうとう、地元にある全国的に有名な心霊スポットに足を踏み入れた

車のライトに照らされた山道は舗装されておらず、轍跡を雨水が削り、剥き出しの岩がごろごろ転がっていた
封鎖されたゲートをくぐり、道なき道を進んで辿り着いた先は、トンネルの前だった
トンネルは通れないよう、入り口にバリケードが築かれ、中を窺い知ることはできない
車を下りた時、辺りは一面の深い霧に包まれ
湿気を含んだ山の空気は、真夏であるにも関わらず身震いするほど冷たかった

深夜2時。先輩と友人は、懐中電灯を手に、辺りを散策し始めた
深い夜霧のせいか、星のまたたき一つ、月明かりさえ見えない。そしてこの霧。
先輩たちは、「今度こそ何かあるんじゃないだろうか」と期待しながら、付近をぐるりと一周した
だが期待に反して、何もなかったし、何も起こらなかった。獣の鳴き声に驚くことさえ無い
二人はガッカリしながら、悪態を吐きつつ車に戻った
運転は先輩。助手席には友人
先輩が車を発進させようとしたその時だった

車の前に、誰かが居る

154:50@投稿代理 ◆YJf7AjT32aOX @\(^o^)/
14/08/23 23:51:01.65 ALSJsfvd0.net
(2/2)

一瞬にして、先輩の全身から冷たい汗が吹き出した
ライトに照らされ、車の前に立っていたのは、女だった
丈の長い白いワンピースから覗く足は、山中であるにも関わらず、裸足だった
俯いているのに加え、長い黒髪のせいで表情は見えない
先輩は口の中がカラカラに干上がって、身動き一つ取れない
一秒が一時間にも感じられるような長い時間。女がゆっくりと顔を上げる……
「うわあああああああ!!!!!」
突然、先輩の隣で友人が悲鳴を上げる。その声で、呪縛が解かれたように先輩が我に返った
友人は助手席で、半狂乱になって手足をばたつかせながら女を指し、先輩に向けて叫んだ
「轢(ひ)け!轢(ひ)き殺せ!!」
言われるがまま、先輩はアクセルを踏み込んだ
車が急発進し、ドンッと強い衝撃があってから、車が停まる
荒い息を繰り返し、ハンドルに寄りかかって、先輩は呼吸が落ち着くのを待った
「ハハハ……幽霊殺(や)ってやったぜ……やった……」
しばらくそうしていた先輩は、ふと気になって顔を上げた
気付くと女はいなくなっていた
だが、女が幽霊だったのなら、さっきの衝撃は何なんだろう
そしてふと気付くと、助手席の友人がいない
扉が開く音はしなかったはずだ。だとしたら、友人は何処へ……?
「……」
先輩は、何かに誘われるように車を下りた
恐怖は既になく、妙に頭が冴えていた
その時には霧は晴れていた、そして車の前方、ライトに照らされた先で、友人が冷たくなっていた

事件は警察沙汰になり、先輩は殺人の罪に問われ、刑務所に入ることになった
先輩は今でも、刑務所の中で叫び続けている

「俺じゃない!霊がアイツを殺したんだ!」

【了】

155:仮の人 ◆sFvsmjhswAfh @\(^o^)/
14/08/23 23:51:33.24 xjoFQ2ov0.net
46本目の蝋燭が消えました・・・
葛 ◆.zethFtqnUさん、ありがとうございました


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 はーい ◆1MYw3QRraoさん、第47話をお願いします
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156:50@投稿代理 ◆YJf7AjT32aOX @\(^o^)/
14/08/23 23:56:38.90 ALSJsfvd0.net
【第四十七話】はーい ◆1MYw3QRrao様


一台6人で霊感のあるDを含め6人でとある廃トンネルへ行くことになりました

トンネルの前まで着き運転手がみんなに「着いたよーほんとに中までいく?怖くない?」と、
入りたくない気持ちはわかりましたが「行くー!!大丈夫だよなにも怖くないよ」と私はワクワクしながら返事をし、
1度トンネルを通り抜けUターンをしてトンネルの真ん中でエンジンとライトを切ってクラクションを二回鳴らしました

『バンッ!バンバンバンッッ!!!』

突然車を激しく叩く音がして急いで車を走り出しました。するとDが「気持ち悪いから外の空気を吸いたい」と。
急いで車を止めみんな外に出て「さっきのなんの音だろう?怖かったー」ワイワイキャーキャー言っていたらDが

「誰か私を呼んでる!!!早く行かないと!ウワァァァア・・・・」

突然山の中へ走り出しました。そのあとを急いで追いかけて引き止めていたんですが
Dの興奮がおさまらないまま車へと連れ戻されてきました

力の強い友達がDを押さえつけ30分くらいで冷静さを取り戻しました。そのあと突然すごい速さで真っ暗な山へと走り出し

「お願い・・・・ちょっと待っててぇぇぇぇええ!!!待っててねぇぇえ!!!!!!痛いよぉおおおお」

私は急に尿意を催し真っ暗な山へ枝で足に傷をつけながら急いでみんなから見えないところまで行きおしっこしました

とてもスッキリした顔で車へ戻り山を降り明るいところへいって車をみると車内から凄い数の手形がありました。
Dの記憶はトンネルから全くないみたいです・・・・

【終わり】

157:仮の人 ◆sFvsmjhswAfh @\(^o^)/
14/08/23 23:58:33.73 xjoFQ2ov0.net
47本目の蝋燭が消えました・・・
はーい ◆1MYw3QRraoさん、ありがとうございました


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マダム ◆eHH0iBizH6 さん、第48話をお願いします
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158:50@投稿代理 ◆4gJVpc7IX. @\(^o^)/
14/08/24 00:03:14.67 JeOcyvlKi.net
【第48話】 マダム ◆eHH0iBizH6様
『函館までドライブ』

北海道の道央自動車道(高速道路)が、札幌ー苫小牧までしか無かったころの、昔の話です。
ある夏の夜、友人2人が札幌から函館までドライブに行きました。
当時、函館までは普通に運転してだいたい6時間位かかりますが、
午後9時頃に出発して現地に着いたのは午後11時半頃だったといいます。
近道があるわけではないし、時速200キロでノンストップで走ってたとしても
到底たどり着けない時間です。
道中はカーラジオを聞きながら(その時間帯にかかる番組を聴いていたので間違いがない)
飛ばすこともなく普通に走っていたそうです。
もちろん本人達が一番不思議がって、到着時間は何度も確認したそうです。

絶対にありえない事なので今でも不思議な話として心に残っています。

【了】

159:仮の人 ◆sFvsmjhswAfh @\(^o^)/
14/08/24 00:04:40.58 xjoFQ2ov0.net
48本目の蝋燭が消えました・・・
マダム ◆eHH0iBizH6さん、ありがとうございました


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 怪人 ◆fAwBJYVS5Qさん、第49話をお願いします
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160:50@投稿代理 ◆4gJVpc7IX. @\(^o^)/
14/08/24 00:07:42.05 JeOcyvlKi.net
【 第四十九話 】怪人◆fAwBJYVS5Q様
『W駅の怪』

これは都の西北のそばにある駅構内のお手洗いでの話
24時頃、飲み会の後、大きいほうの便意をもよおした私は駅のお手洗いに駆け込みました
小さいお手洗いですが、幸いなことに洋式の個室が空いており、そこにこもりました
しかし、私が入ったすぐ後、駆け足の音がすると、一息ついて、その足音の主は私の個室の扉にどん、と寄りかかったのでした
あぁ、一足違いだったな、と思いながら用を足していました
扉の前の方には悪いけど、便の通りが悪くなかなか終わりません
そのうちどこかに行くかな、とも思っていたのですが、その方も緊急事態なのか扉の前から動きません
扉一枚隔てて、足踏みや息遣いが聞こえます
すこし苛立っているような気もします
私もなるべく早く終わらせると、
「どうも」
などとすまなそうにして、会釈しながら個室を出ました
誰もいない
「えっ」
と思わず声が出てあたりを見渡したが、もとより、お手洗いは一瞥して見渡せるような大きさである
向かいの和式個室は空で、洗面所にもだれもいない
改札口へ向かう廊下へ飛びだしたが、人影はない
気のせいかなと思い直し、洗面所へ戻り手を洗っていると、
私が入っていた個室の横にもう一つ個室があることに気付きました
なあんだ隣の個室に誰か入っていただけか、と思うのもつかの間、
よく見るとそれは大の個室ではなく、細く小さな用具入れでした
全身、総毛立ちました
私は急いでその場を立ち去りました
あのとき、あの用具入れを覗いていたらどうなっていたのか、何を見ることになったのか
今では、気のせいだったんだと自分に言い聞かせるようにしています

(了)

161:仮の人 ◆sFvsmjhswAfh @\(^o^)/
14/08/24 00:08:55.76 ixm8gm6D0.net
49本目の蝋燭が消えました・・・
怪人 ◆fAwBJYVS5Qさん、ありがとうございました


                      γ
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抜歯太郎 ◆ZMA13fr.0s さん、第50話をお願いします
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162:抜歯太郎 ◆ZMA13fr.0s @\(^o^)/
14/08/24 00:10:38.34 ZDQhoG2gi.net
【第五十話】 おもちゃの電話と消えた訪問者

第18話と少し似たことを私も体験いたしました。
15年以上前の話になりますが、
私の曾祖母(祖母の母)がなくなった時に起こった
不思議な現象のお話をいたします。

曾祖母が亡くなる数日前から危篤の知らせが入っていましたが
曾祖母の入院先が北海道、祖母は私達と長崎県に住んでおり、
遠方であることと、経済上の事情もあいまってすぐに向かうことは出来ませんでした。

そんなおり、17時頃、学校から帰った私が一人で留守番をしていると、
突然、物置部屋に使っている部屋から
「プルルルルル」「プルルルルル」と、電話に似た音が突然聞こえてきました。

家族の携帯電話がなっているのかと思い、
見に行きましたが、それらしいものは見当たりません。

「プルルルルル」「プルルルルル」

そもそも物置部屋に携帯電話があることがおかしいのですが、
音のする場所を探っていると、ダンボールの中で音がしています。
中を開けると弟が昔遊んでいた携帯電話型のおもちゃが鳴っていました。

何かの拍子に、ボタンが押されたんだろうな・・・そんなことを思いながら
ボタンを押して電源を切ろうとしたのですが、音が鳴り止みません。

???困っていると

1/2

163:抜歯太郎 ◆ZMA13fr.0s @\(^o^)/
14/08/24 00:12:06.33 ZDQhoG2gi.net
ガラガラガラと、隣の居間の窓が開けられた音がしました。
「Sちゃんいるかい?」とお年寄りの声が聞こえました。

Sちゃんとは祖母の名前で、町内会の人が用があって訪ねてきたのかと思い
慌てて居間に向かったのですが、誰もおらず、窓が開けっ放しになっているだけでした。。
外を伺っても誰も居ません。

おかしいな、と思いながら物置部屋に戻ると、さっきまで鳴っていたおもちゃの電話が止まっていました。

なんだったんだろう・・釈然としませんでしたが
おもちゃの電話をダンボールに戻そうとしたところ、ぞっとしました。
おもちゃは電池で動く仕組みなのですが、電池が入っていなかったのです。

ちょうど、祖母が帰ってきたので
先ほどのおもちゃと消えた訪問者の話をしました。

「実はね・・」

親戚から、先ほど曾祖母が亡くなったとの知らせがあったばかりだったそうです。

「きっと私に会いに来てくれたんだろうね」

それ以後、おもちゃの電話が鳴ることは2度とありませんでした。
あれは、虫の知らせというやつだったのでしょうか。

2/2

【了】

164:仮の人 ◆sFvsmjhswAfh @\(^o^)/
14/08/24 00:12:41.84 ixm8gm6D0.net
50本目の蝋燭が消えました・・・
抜歯太郎 ◆ZMA13fr.0sさん、ありがとうございました


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マダム ◆eHH0iBizH6 さん、第51話をお願いします
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165:いそべ@投稿代理 ◆8JXCKM3oNw @\(^o^)/
14/08/24 00:13:10.43 iVpQyD8K0.net
【第51話】 マダム ◆eHH0iBizH6
『道路でお絵かき?』

結構昔の話になりますが
ある夏の日、夜中に友人と二人でドライブしていました。
簡素な住宅街の、上り坂の幹線道路を走っていると
前方の車道に子供がいるのが見えました。
這いつくばって、道路に何かを描いている風です。
当時は、チョークで地面や道路に落書きするなんていう
子供の遊びが珍しいものでは無かった時代です。

先ほどからこの付近を走っているのは私たちの車だけで、
対向車も後続車も見当たらず道路は閑散としてましたが
それにしても危ない。
しかもその子は、私たちの車が近づいても避けることなく
ずっと下を向いてお絵かき?を続けていました。
蛇行してその子を避けて通り過ぎましたが
まるで、周りのことは意に介さずという感じで
顔を上げるわけでもなく自分の行為に没頭しているようでした。

通り過ぎてから振り返ってもまだそこに居ました。
車が遠ざかって見えなくなりましたが
白いランニングで短パン、小学校中学年くらいの少年。。。
人通りも車通りもまったくと言っていいぐらい無いこんな路上で
しかも時刻は深夜2時過ぎ。。。

生のある人間としか見えなかったのですが
この世ならざるものだったのかも知れません。
どっちだったとしても薄ら寒い経験でした。

【了】

166:進行マモ ◆100mD2jqic @\(^o^)/
14/08/24 00:13:33.04 Dh7XLcnW0.net
51本目の蝋燭が消えました・・・
マダム ◆eHH0iBizH6 さん、ありがとうございました

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UTF16 ◆IIYCd0pMW6 さん、第52話をお願いします
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167:いそべ@投稿代理 ◆8JXCKM3oNw @\(^o^)/
14/08/24 00:15:43.65 iVpQyD8K0.net
【第五十二話】UTF16 ◆IIYCd0pMW6 様

『気がつくと』
(1/2)

以前派遣現場で一緒に仕事をしていた福本君の話。
ある夜、福本君はずっと残業続きのクタクタの状態で、乗客もまばらな終電近い電車に転がり込んだ。
あいにく電車は各駅停車だったが、とにかく座りたかった彼は、まぁいいや、と思いながらぐったりと座席に沈み込み……
それからの記憶が無い。
どれくらい時間が経ったのかはわからない。
意識が無くなっていたのは一瞬だった様な気もする。
なんだかやたら寒くて冷え込んでいるのにふと目を冷ますと、何故かあたりは真っ暗だった。
「……え?」
反射的に寝過ごした、とハッとなったが、事態はそういう状況ではない様だった。
福本君は電車の中ではなく、どうやら屋外にいる様だった。
どこかの小さな駅のホームの様だが、全く見覚えのない駅で、しかも明かりも人の姿も全く無い、真っ暗なベンチに座っていた。
「どこだ、ここ?」
まだぼんやりとした頭のまま彼はあたりを見回したが、やはりまるで知らないところだった。
月明かりの下、腕時計を見ると、すでに午前2時を回っていた。
季節は晩秋だったがやけに寒く身体が冷え切っており、コートを身体に巻き付けてガタガタと震えた。
どうしてこんな事に、とまだ混乱しながらもとにかくどうやって帰ろうかと思っていると。
向こうの方に、改札口の様なところが見えた。
真っ暗で無人だったが、ここがどこかはわかるだろうと見に行くと、
改札口の様なところの向こうは何故か急な下り斜面になっており、コンクリートで舗装されている斜面にはレールが敷かれて、
ずっと下の方にまでレールは延びている様だった。
福本君がいたところは。

168:いそべ@投稿代理 ◆8JXCKM3oNw @\(^o^)/
14/08/24 00:16:31.03 iVpQyD8K0.net
(2/2)

某私鉄の小さな支線の、観光地になっているケーブルカーの終点だった。
福本君が乗り込んだのは地下鉄で、その私鉄とは連絡していない。
しかも、その観光地のケーブルカーは夜遅くまで動いてはいない。
「……」
福本君は自分がどうしてこんなところにいるのかさっぱりわからず、あたりをウロウロとしてみたが、
小高い山のてっぺんにある観光地の駅の周りには、
ひとけの無い真っ暗な展望台とシャッターの閉まった土産物屋と神社があるだけで、近くには人家も無い。
また、駅から下りて行こうにも、ハイキングコースの様な山道を行くしかない様だった。
夜の暗いハイキングコースを下りてゆく気力も体力も、福本君には残されていなかった。
それゆえ仕方なく、福本君は改札口の、駅員が立つボックスの中で丸くなって朝を迎えた。

それから福本君は酷く風邪をひき、高熱を出して一週間仕事を休んだ。
どうやったら真夜中にあのケーブル線の山の上の終点にたどり着けるのか。
いまだにわからないという。

【終わり】

169:進行マモ ◆100mD2jqic @\(^o^)/
14/08/24 00:18:28.82 Dh7XLcnW0.net
52本目の蝋燭が消えました・・・
UTF16 ◆IIYCd0pMW6 さん、ありがとうございました

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りんご酢 ◆.un5wFVaHw さん、第53話をお願いします
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170:いそべ@投稿代理 ◆8JXCKM3oNw @\(^o^)/
14/08/24 00:20:48.65 iVpQyD8K0.net
【第53話】 りんご酢 ◆.un5wFVaHw 様
『無題』

(1/2)

6年ほど前の夏に体験した話です
その日私は彼氏の運転する車で高速を使い東北に向かっていました

午後4時くらいだったと思います
彼がトイレ休憩したいということでパーキングエリアに入りました
そこはトイレと自販機だけの簡素な場所で売店などはありません
そのせいか利用客は私たちだけでした

私も行っておこうと思い私たちはそれぞれトイレに向かいました
他のサービスエリアなどと違いここのトイレは個室が6つしかありません
なるべくきれいな所を使いたかったので私は中を見つつ奥へ
結局どこも変わり映えしなかったので6つ目の個室に入りました

用を足しているとコツコツと足音がして、前の方に入る音がしました
私は用が住み個室から出ると、一番前のドアが閉まっていました
中からは「うぅっ」と唸り声
相手も旅行中かは分かりませんが大変そうだなと思いつつトイレを去りました

外に出ると車にもたれてタバコを吸ってる彼がいました
あとは広い駐車スペースにセミの鳴き声が響いているだけ…
利用客は私たちだけ
後から他の利用客は来てないんです

171:いそべ@投稿代理 ◆8JXCKM3oNw @\(^o^)/
14/08/24 00:22:01.86 iVpQyD8K0.net
(2/2)

だとしたらさっきトイレに入った人はどこから?
場所は高速道路です
徒歩で来る人なんているわけがない

何かおかしいと思ったのでそのことを彼に話しました
「ドアが壊れてて勝手に閉まっただけじゃない?誰かいると思ったからすきま風が人の声に聞こえたんだろ」
と言われもし変質者とかだったら気味が悪いし、そういことにしておくことしました

私も彼も車に戻り出発しようとした時です
彼が「なんかいる」とトイレの方を差しました
トイレの小さな明かり取りの窓
ちょうど一番前の個室のあるあたりに青白い顔のようなものが張り付いていました
すり硝子越しにもこちらを見ているのが分かります
瞬時あれは生きている人間ではないと感じました

彼は慌てて車を発進させ私たちはそのパーキングエリアを去りました

今もそのパーキングエリアはあるようです

【了】

172:進行マモ ◆100mD2jqic @\(^o^)/
14/08/24 00:22:26.30 Dh7XLcnW0.net
53本目の蝋燭が消えました・・・
りんご酢 ◆.un5wFVaHw さん、ありがとうございました

                      γ
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                      _ノ

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チャゴ ◆ePOonrVZq6 さん、第54話をお願いします
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