25/06/24 17:25:00.33 .net
「無音のライブ」
男が目を覚ましたのは、地下ライブハウスだった。
誰もいない客席、鳴らないアンプ。
ステージに立つのは、ワンピース姿のひとりの女性。
田村真佑。
マイクもなく、照明もなく、
ただ―無言で口を動かし続けていた。
「ありがとうございます」「頑張ります」
その言葉が、誰にも届かない世界で反響していた。
彼女は微笑んでいた。
世界に“乃木坂”がないことを、知らないまま。
【エピローグ|ナレーション】
「彼は願いを叶えた。
田村真佑は、選抜から自由になった。
なぜなら、“選抜”という概念そのものが、もうこの世界には存在しない。
ただし、それは彼がかつて愛した“乃木坂46”もまた、存在しないということ。
推しを選ぶとは、何を選んでいたのか?
“Same numbers”―変わらないのは、彼の執念だけだった。
ここは、トワイライトゾーン。
願いが叶う代わりに、すべてを失う場所。」