20/01/19 13:33:35 y3kwbOCI0.net
>>352 つづき
倫理上の問題からプラセボ使用が困難となる場合がある。
例えば、世界医師会ヘルシンキ宣言(平成 25 年改訂)では、標準治療薬のある場合の
プラセボ使用について、「科学的で健全な方法論的理由によりプラセボの使用が必要であり」
かつ「効果の確立された治療を受けなかったことにより、重篤または不可逆的な害という
さらなるリスクを負わないこと」という2 つの条件を明示している。
また、世界医学団体協議会(CIOMS)の「人を対象とする生物医学研究の国際的倫理指針」
(平成 14 年)でも類似の条件を定めている。
(以上、抜粋引用、詳細はリンクにて)
医療大麻のプラセボ対象二重盲検試験が少ない一因に上記の世界医師会ヘルシンキ宣言がある。
つまり、標準治療を行わない事による弊害のリスクを回避する為に、既存の医薬品に
効果がなかった被験者、または既存の医薬品に上乗せ試験と言う条件が課されている。
また、重篤な症状に苦しむ患者さんの半数を長期にわたり効果のない偽薬で試験する
と言う倫理上、人権上の問題のある。
国による医学に於ける概念の違いもある。学術的、客観的な認識を基とするドイツ医学、
生理学的裏付けよりも、臨床結果における裏付けを根拠にする英米型医術は異なる。
アメリカでは1962年に、医薬品の承認において、適切で十分に制御された2回の試験にて
有効性を示すことが必要となった。(日本は不要)しかし、FDA承認を得るためには、
2つの肯定的な結果が出た試験だけが必要な為、有効性が示せなかった臨床試験は隠し、
肯定的な結果が出た2試験のみ提出すると言う問題も発生している。
イスラエルでは倫理上の問題により医療大麻のプラセボ対象試験は行わない傾向にある。
つまり、医学においては数学的な解は未だに存在しないのである。