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医療大麻、効果は未定【米国家庭医学会】
メタ解析で有効性とエビデンスの質にばらつき
医療大麻の効果を裏付けるエビデンスの質にはばらつきがあることが、6月23日/30日付誌(JAMA)に掲載された論文で明らかになった。
米国家庭医学会(AAFP)が7月8日に紹介した内容によると、研究ではカンナビノイドの医療効果と有害事象に関するエビデンスのシステマティックレビューとメタ解析を実施。
計6400人以上を対象とした79件の無作為化臨床試験について分析を行った。
その結果、慢性疼痛に対するカンナビノイドの使用には中程度の質のエビデンスがあるが、睡眠障害やトゥーレット症候群、化学療法による嘔吐や悪心については質の低いエビデンスしかないことが分かった。
解析したほぼ全試験でカンナビノイドと症状改善の関連は示されたが、統計的に有意な関連はすべての試験で認められていなかった。
神経性および癌性の慢性疼痛の治療や、多発性硬化症に起因する痙縮に対する有効性を示すエビデンスの質は中程度と評価された。HIV感染患者の食欲を刺激して体重増加させる上で有効というエビデンスの質は低かった。
解析した試験のうち62件では、カンナビノイドの使用はめまい、口渇、吐き気、疲労、傾眠、多幸症、嘔吐、見当識喪失、眠気、錯乱、バランス障害、幻覚などの有害事象のリスク増加との関連を認めていた。
不安症状を改善し得るというエビデンスの質は極めて低かった。うつ病への効果を認めた研究はなかった。カンナビノイドのタイプや投与方法による有益性や有害性の差異を示すエビデンスはなかった。
大麻そのものを評価した研究は2件のみで、大麻とカンナビノイド系薬の効果に違いを認めた研究はなかった。
研究班は、「カンナビノイドの効果を確認するにはより大規模で信頼性の高い無作為化臨床試験が必要」と結論している。