短編推理 あなたは解けるか? Part5at MYSTERY
短編推理 あなたは解けるか? Part5 - 暇つぶし2ch716:エピローグ 1/2 「なぜ分かったんですか?俺が『Fear』だと。」 アンリはベルリン刑務所内の面会室にいた。 アクリル板の向こう側には手錠を掛けられたハンス警部。 「だから何度も言っただろう。『Fear』という名前は『警察関係者』の中でしか使われていない呼び名だと。」 「それが何か?」 「知らないんだよ。『Fear』自身もその名で呼ばれている事をな。」 明らかにハンスの顔色が変わるのが見えた。 「だから仮にロング准教授が『Fear』だったとしても『vier』を『Fear』に結び付ける事は出来ないんだよ。 つまり、ヤツは俺達の中にいたって事さ。」 無言のままうなだれるハンス。 「さらに、俺は証言がデタラメな事から始めは4人の研究員が『Fear』だと怪しんだが、あまりにもあからさま過ぎた。 そもそも敢えて自分達に疑いの目が向けられるような事をするメリットが感じられなかったんだ。 そこで俺は考えた。あの証言内容自体が捏造されたものだったとしたら?」 「ものだったと……したら?」 「『Fear』は『警察関係者』でかつ『証言を捏造出来た人物』ハンス、お前しかいないんだ。」 無言を貫き、ピクリとも表情を変えないハンス。 「だから俺はわざと間違った推理を展開して、お前を騙したんだ。そして支部長に電話したのさ。 『ハンスの身柄を確保して下さい』とね。」 「ハハハッ、全部お見通しだったってわけか。 じゃあ、ここからは課長が見通せなかった事を話しましょう。」 ハンスは下卑た笑みを浮かべながら語り始めた。 「ゼミ入りのきっかけは俺のでっち上げです。 でもそれ以外は全てちゃんと本人を取調べて聞き出したものです。 ただし、取調室じゃない所でしたけどね。クックックッ。」 「ま、まさかお前、全員を……?」 「ええ、きっちり取調べて5人仲良く地獄へ送ってやりました。」 「な、何と酷い事を……。」 「ナイフを首元に当てながらの命懸けの聴取はそれはもう格別でした。論文の場所も含め、色々教えてもらいました。 だからこちらも冥土の土産に教えてやったんですよ。博士を殺したの、実は俺だって事をね。」 「な、何だって。」




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