【頻闇に】西村寿行Part14【いのち惑ひぬ】at MYSTERY
【頻闇に】西村寿行Part14【いのち惑ひぬ】 - 暇つぶし2ch260:コールが回ってくると共に猛然と食欲が起こってくるのを覚えた。 テンダーロインの大きな塊りから一キロほどヘンケルの牛刀で切り取り、塩と荒挽きのブラック・ ペッパーを振った。 玉ネギを二個ミジン切りにする。ガス・レンジに大きなフライパンを掛けてサラダ油を流しこむ。 煙抜きのファンを廻した。やがて、オイルが煙をあげはじめた。速見はそこに五十グラムほどの 牛脂を放りこんだ。菜箸で掻き廻す。 牛脂は焦げながら溶けた。脂がはぜ、速見のシュッティング・グラスに飛び散る。フライパンの まわりからときどき炎があがった。 速見は一キロのテンダーロインをフライパンに入れた。にぎやかな音と共に、脂はさらに飛んだ。 ビーフの肉汁があまり逃げないように、三十秒ほどで速見は肉を引っくり返し、高熱で両面を硬化させた。 また三十秒ほど待ってガスを中火にし、買ってきてあったポテト・サラダに玉ねぎのミジン切りの 一個分を混ぜた。 ミディアムに焼いたステーキを大皿に移し、その脇にポテト・サラダを盛りあげる。フライパンに 残った牛脂と肉汁のグレーヴィに残りの玉ネギのミジン切りを放りこんで掻き回し、キツネ色に焦がした。 そこにショーユと砂糖を入れて沸騰させ、日本酒を一合ほどぶちこんだ。 そうやって作ったグレーヴィ・ソースを焼けたステーキの上から流し、テーブルに運ぶ。 まだ中心部にわずかに血が残るステーキを、ナイフとフォークでいそがしく使って貪り食う。ときどき、 ポテト・サラダで口の中の脂を取る。 速見はダイニング・キッチンに入り、冷蔵庫から出したボロニア・ソーセージを四百グラムほど、輪切りにした玉ネギとキュウリのピックルスと共にライ麦パンにはさんだ。 それと罐ビール数個を封筒と共に、ダイニング・キッチンの横の暗室に運んだ。セーフ・ライトでなく普通の電灯をつけ、




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