15/09/23 09:41:29.41 KU8LnHRj.net
明治の官僚国家主権国家の行く先は、無謀な侵略戦争であった。「満蒙はわが国の生命線」と唱える軍部により、
満蒙確保の名目で日中戦争が開始され、それが泥沼化することで、無謀の極みとも言える日米戦争に突入していく。
310万人の戦没者の内、多くが餓死や病死であったことは、「官僚中の官僚」とも言える参謀本部の無責任な机上の作戦に直接の原因がある。
多くの将兵を無駄死にさせた玉砕作戦、多数の市民の命や財産を奪った空襲や広島・長崎の原爆投下、
敗戦間際に遺棄され多くの婦人や子供たちが亡くなった満洲など、「官僚主権国家」日本が、民を見殺しにしてきた証拠には事欠かない。
自国民に対してさえこのような国であるからこそ、アジアで2000万人が日本の侵略戦争で亡くなったという未曽有で深刻な事態に対して、
現在になっても心からのお詫びを伝えられないのである
著者は、このような「官僚主権国家」の「構造的な無責任」の仕組みは戦前も現在も変わらないと指摘する。
戦後の、水俣病に代表される公害事件の数々やフクシマはそのほんの一例に過ぎない。
著者は、日本の人々が、「お上」を有難がる「国家教」の洗脳（政府のプロパガンダとマスコミ）
から自らを脱することで、過去・現在の「官僚主権国家」による「民を殺す」犯罪の数々が「見える」ようになり、
そこから初めて人々が公的な意思決定に影響を及ぼすことができると説く。同感である。
（カスタマーレビューから）
民を殺す国・日本: 足尾鉱毒事件からフクシマへ (筑摩選書) 単行本 – 2015/8/7