19/08/09 12:50:31.54 B6EnMoWf0.net
りゅうおうのおしごと!11
所が八一が才能を見せれば見せるほど、銀子はそれに追いつこうと足掻き、ついに奨励会段位持ちまで行ってしまった。
地獄の三段リーグが見えてくる。
三段リーグだけでも過酷なのに、銀子が自分に課している比較対象は誰であろう魔王八一、近づくものみな傷付ける魔性の奇（棋）才の持ち主。
（時系列が前後するが、清滝師匠自身も最近もその影響を食らったばかり。この読みは正しい）
ここに至って当初の構想の過ちを認めた清滝九段は、丁度駒台に乗ったあいを使って、離間作戦に出る。
なるべく平穏な形で、二人の仲を疎遠にする、つまり「普通の家族」の距離感にする。
あいと八一をくっ付けるではなく「子供ができた長男が、実家や妹と疎遠になってしまった」を狙ったように思う。
逆に、このまま銀子が八一の近くに居続けると、プロになれても辛い日々が続く。
何しろ相手は既に竜王二期、関東では恐怖の対象になっている、そしてまだ17歳――誰がどう見ても“名人”以来の鬼才。
これを比較対象にし続けて精神に異常をきたさないのは、どこかの二刀流くらいだろう。
（清滝師匠の二刀流氏に対する敬意はここもあるかもしれない、自分は八一に嫉妬してしまった）
娘を嫁に出す頑固オヤジの立場として考えれば、婿として最悪レベルだ。
八一の父親として考えても、銀子は嫁としてどうなんだと思う部分があると思う。
確かに女性としては間違えなく史上最強、あいも天衣も今の段階では歯が立たない、番勝負で一勝できたら奇跡とみんなが考えているレベル。
しかし理窟だけで考えれば、そもそもが悪魔的才能を持っている八一の嫁に必要なのは、サポートであって共に磨きあう事ではない。
後者なら歩夢きゅんなど、男性で足りる。
そうなると、下手に競い合わず、微笑んで棋戦に送り出してくれるだろう相手の方が、嫁としてふさわしいのではないか。
だからあいの方が嫁には向いてるだろうし、極論すれば将棋関係者じゃない方が良い。
何にしても、サポートどころか競い合ってしまう銀子は嫁としてよろしくない、八一の父親の立場から考えてもそうなる。
【続く】