18/04/04 20:40:16.52 Ib6Txg1sH.net
何だか知らんがとにかくよし！
レビューの初っ端からいきなりポルナレフ化してしまったが、今回ご紹介させて頂く桐山なるとの久しぶりの新作となる本作、
読み終わった瞬間に突如それまで読まされていた物語の意味がガラリと様相を変え
「え……俺が今読まされた作品ってこういう話だったの？」
と暫しポカンとなる様なトリックアート的大仕掛けが施してある。
話自体は大きく三つのパートに別れている。
序盤は経済学部の学生なのに芸術学部で「コミ障」呼ばわりされる変人女学生・小梅澤さんが気になって仕方ない雪斗が
女の子へのアプローチ方法が分からないシャイボーイなりに悪戦苦闘しながら何とかお近付きになろうとする苦労譚。
何しろ小梅澤さんは声を掛けただけで芝生の上をゴロゴロ転がって距離を取ろうとしたり、
ドラムスティックの先に「YES」、「NO」と書いた紙で会話をしようとする奇人なので
普通の女の子の相手すら大変な草食系男子学生のジタバタ劇に苦笑させられる事必至。
こういう傍から見ている方が恥ずかしくなる様な行動を取れる若さって良いなあと
久しぶりに「青春物のファミ通文庫」の真骨頂を感じさせて貰った。