24/06/19 10:43:35.80 mcjsEYZgB
窓の外ではひゅーひゅーと風が鳴っている。
PCへ向けられた目線を、窓の外へと向ける星野よしおは、そっとめがねを外す。
勢いよく雲が流れていくのを見ながら、星野よしおは時の流れを想う。
幼い頃、釣竿を手に海へ川へと駆け回ったここ函館へ、去年の秋、父の死をきっかけに星野よしおは舞い戻った。
老いた母を一人にしておくわけにはいかないこともあるが、夢を追った東京での30年にケジメをつけるときが来たと感じたことも大きな理由だ。
子供の頃、大人達から言われた「将来のために頑張りなさい」
その将来はとうの昔に過去のものとなっていた。
星野よしおはぼんやりと思い出しながら疲れた目を擦る。
さて、編集しなきゃ。
星野よしおは、なくしたり壊したりするたびに買いなおしてきた100円ショップの老眼鏡をかけた。