「ひとりの釣り師の人生が示唆するもの」at LOVESALOON
「ひとりの釣り師の人生が示唆するもの」 - 暇つぶし2ch1:恋する名無しさん
23/09/08 15:15:30.25 221PLzasS
いにしえよりそこを流れる川がある。人がまだ文字と言えるようなものを持たぬ頃から。
星野よしおが初めてその川で釣りをしたのは40年以上も前のこと。
数知れない季節を流れてきたその川からすれば、それはほんの一瞬ということになるのだろうが、ひとりの人間にとっては決して短くはない時の流れだ。
その川で遊んだのは子供のころ、まだ小学生だった。川の脇をバスが走っていた。
現在バスが走る道は、川から少し離れたところに整備されていた。
かつてのバス道には草が生い茂り、林道の様相を呈していて、子供のころの入渓場所もわからなくなっている。
川の様子もずいぶん変わっていて、かつてあったはずの澱みや深い淵は砂や石で埋まってしまったようだ。
それでも30年ぶりにその川へ立ち込むと、星野よしおは心の奥深くに、ぽっと炎が灯るような温もりを感じる。
「帰ってきたんだな。」と実感する。
川が少し小さくなったように感じるのは自分が成長したからだろう。
星野よしおはこの30年、東京で編集記者として活躍、独立後は家庭も持ち、誰もが羨むような華やかな暮らしをしてきた。
「ふん、今のオレがオレだ。」華やかな暮らしや、かつての家族になんの意味がある。
“何も足さない、何も引かない、時は流れない、ただ無駄に積み重なるだけ”
星野よしおの大冒険とも言うべきものがたりが始まろうとしている。


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