18/01/02 09:35:04.35 QHq/Diqna.net
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「門跡様のお手が触れた、ありがたいことだ、なむあみだぶ、なむあみだぶ」
「あの婆さんの頭に、門跡様のお手が触れた、なむあみだぶ、なむあみだぶ」
「助けてくれ、助けてくれ」
婆さんは手を揮って悶掻きましたが、何人もそれに耳をかす者はありません。
皆門跡様のお手の触ったありがたい毛を抜き執ろうと、一生懸命になって婆さんに武者ぶりつきました。
婆さんはもう気が遠くなって、死人のようになって人波に揉まれておりました。
そのうちに婆さんの髪の毛が一本も無くなって、尼さんの天窓になりますと、
皆の者は婆さんを捨てて門跡様の行列を追って雪崩れて往きました。
私もその雪崩の中へ巻きこまれて往きましたから、その婆さんはどうなったか知りませんが、
ほんとうに可哀そうでございました。
しかし、これが仏様の思召しでございましょう。
なむあみだぶ、なむあみだぶ。