ストーリーを教えてもらうスレ part72at GSALOON
ストーリーを教えてもらうスレ part72 - 暇つぶし2ch66:お天気魔女チャーミークルル
19/02/10 17:50:09.15 yA/bXRbp0.net
彼女は、全てに優しい女性だった。
ガストールの大富豪の出でありながらその地位に威張ること無く、むしろその立場を慈善に使うことをいつも心がけていた。
貧しき者や病める者を助けることに自らの富を費やすことをいとわず、それ故に家の者たちからは疎まれていたが、人々からは慕われていた。
そんなある日、マーヤは王子(後のガイル王)と街で偶然出会い、その場で突然プロポーズを受けた。
マーヤは「魔法使いが王に見初められ妃になれば、『魔法使い=悪ではない』と人々に分かってもらえる」との思いから、それを受け入れた。
それから二年後、二人の間に娘が生まれた。そう、それがチャーミーだった。
チャーミーが誕生すると、マーヤは自分が魔法使いであることを国民に告白した。
それで人々に魔法使いに対する理解が生まれると、マーヤは信じていたのだ。
だが偏見に満ちた人々は「マーヤは偽りの慈善で王を誑かし、この国を乗っ取ろうと企む悪女だ」というひどい曲解をしてしまった。
国からも家からも見放され、完全に孤立したマーヤは、幼いチャーミーと共に逃げるように森へと姿を消し、そこで彼女は偶然ダンディと出会った。
ダンディが悪い奴ではないと悟ったマーヤは、これまでのいきさつを語った。自分はもうこの森から一生出ないつもりだと。
「もうこんな汚れた世の中では生きていけない。そしてこの子をそんな世間の汚濁に塗れさせたくない。
この子には、この森だけが世界だと思わせないと幸せになれない気がするから…」
ダンディはマーヤの言葉を信じ、彼女の使い魔になった。
彼もまた人間の身勝手で森を追われた上に、カラスというだけで人間にゴミを漁る害鳥呼ばわりされ、蔑まれるという立場だったのだ。
その後ガイル王は政略結婚でリリスを後妻とし、後にサトル王子とヘレナ姫が誕生。
今に至るという次第であった。
チャーミーにとってはショッキングな話であったが、彼女は全てを話してくれたダンディに礼を言い、その夜はそのまま床に就いた。


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