【元祖】こんなゴルゴ13は嫌だ!26発目at CAFE40
【元祖】こんなゴルゴ13は嫌だ!26発目 - 暇つぶし2ch473:名無しさん@お腹いっぱい。
18/12/30 05:35:49.77 .net

さくらゴルゴだろうか叔母さんだろうか、いつのまにアイロンをかけてくれたのか、ズボンには刃のエッジのように鋭い折り目が整えられ皺ひとつない。花形ゴルゴの胸にほの暖かいものが広がった。
窓を開けるとすぐ目の前に朝日印刷の工場の二階が見える。職工たちの寮なのか、向かい側の部屋の窓の外にジーンズが吊され、そこから落ちる滴が朝日にきらめいていた。
部屋の階下から煮炊きと何かを焼いている匂いが立ちのぼってきた。おそらく自分のための朝食の用意だろう。
花形ゴルゴは急いで階段を、しかしそこは上流階級の人間の癖(へき)かどこか優雅な足運びで下りた。
花柄のエプロンを腰に巻いて流し台の前に立ったさくらゴルゴが「おはようございます。花形さん。今朝ご飯作ってますからね」とにこやかに声をかける。
それにかぶせるように、着物の袖をたすき掛けにした叔母さんが「お口に合うかどうかわからないけどね、あり合わせのもので作ったものだから。
花形さんにはざっかけなさすぎて申し訳ないけど遠慮はしないで食べてってくださいな」と笑った声でいう。
花形ゴルゴはあわてて手をふって「夕べはごちそうさまでした。ありがとうございました。このうえ朝ご飯などとはとてもじゃありませんが、厚かましさが過ぎますよ」とさすがに遠慮した。
店と茶の間をわける帳場で老眼鏡をずらしながら新聞を読んでいた叔父さんは「いや、花形さん。どうかそちらの茶の間で待っていてください。
うちの女たち、花形さんに食べてもらおうと朝からまあ張り切っちゃって。箸のひとつだけでもつけてやってください」と新聞を置いて微笑む。
自分に気を遣わせないように話しているのがわかって、花形ゴルゴもそれ以上遠慮するのは却って失礼と思い「そうですか、じゃ遠慮なしに」と昨日の宴の場であった茶の間に上がった。
味噌汁の鍋から上るだしの香りが「くるまや」の店内まで流れていく。店はカーテンは開かれていたが、ガラス戸は閉まったまま。戸の向こうの帝釈時表参道とよばれる路地よりやや幅員がある通りは人もまばらである。
この通りを東へ抜ける柴又帝釈天、正式には経栄山題経寺の正門に至るのだが、逆方向へ進むと柴又街道に出る。
この街道を南下すればJR小岩駅前に至るのだが、小岩の繁華街の外れのペンシルビルに東星会系左門組が事務所をかまえていた。
組長の左門豊作ゴルゴと稲原ゴルゴとは五分と五分のの兄弟盃を交わした仲であった。
柴又界隈を根城とする東星系の末端(えだ)を通じて、花形ゴルゴが昨日寅ゴルゴの実家を訪れて一宿一飯の世話になったという情報がもたらされたのである。
(難しかことになったばい。稲原の兄弟と花形くんの義父であり星くんの実父の一徹さんは関西の岩井さんと親しか。岩井さんと稲原の兄弟とは反目の間柄。
堅気の花形くんが、まさかおいどんら業界筋の思惑で車寅次郎の家に行ったとは思わんが、寅のやつ一匹狼を気取りながら、
その実ふらふらと風まかせに土地土地のおアニイさんおねえさん方にやっかいかけがちなる男たい。恐惶万端よろしくお頼申しますと調子よかなことばかり言っちょる男。なにか起こらねばよかとが)
と思案投げ首で腕を組んでいるところへノック。
若衆が「親分、姐さんがお見えになりました」と伝えた。
下半



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