25/07/08 21:40:29.96 .net
【圭佑と女神の配信劇】
いつか有名になりたい。そんな漠然とした夢を抱き、俺は動画投稿を始めた。だが現実は、製氷工場と自宅を往復するだけの、色のない毎日だ。自作の曲を「パクリだ」と炎上させられ、心がささくれ立っていた俺に、少しだけ登録者が多い同業者から、DMが届いた。「炎上して大変ですね。俺も経験あるので辛いですよね。良かったらコラボしませんか? 話聞きますよ」。俺は、藁にもすがる思いで、それを承諾した。
職場の更衣室。端のロッカーで先輩の田中が、スマホで俺のチャンネルを見ながら「自作曲炎上したのにまだやってんの?」と粘つくような視線を向けてくる。彼のロッカーの内側には、地雷系アイドル『YORU』とのチェキ。「俺、YORUちゃんと繋がってんだぜ」と自慢げに囁く彼を無視し、俺は二つ隣のロッカーで作業服に着替える。休憩時、事務所の隅で事務員の女が冷たい目でこちらを観察していた。
土曜のコラボ配信で、俺は完全に「道化」にされた。アンチコメントを拾って笑う配信者。追い詰められた俺は、虚勢を張ってこう言ってしまう。「アンチ? うちは『笑顔』で返すのがモットーなんで」。この不用意な一言が、地獄の釜の蓋を開けた。