24/03/11 21:12:25.50 .net
>>473
「5つ星のうち4.0 別人の作品かと思えるほどの成長ぶり
2019年6月5日に日本でレビュー済み
「カタコンベ」で第50回江戸川乱歩賞を最年少で受賞した作者の受賞後初の長編。カタコンベは駄作
だったので、これもまったく読む気がしなかったが、2019年に本屋大賞の「超発掘本」に選ばれた
ので読んでみた。
南極を舞台にしたリアリティーあふれるミステリーで、かなりの力作であることは間違いない。正直
言って、カタコンベと同じ作者の作品とは思えないほど。「超発掘本」に選ばれる価値は十二分にある
だろう。文章も巧みだし南極についての描写や考証なども実に緻密で、まったく別人の作品に思える。
神山氏は最年少で乱歩賞を受賞したが、作品は「これが受賞作?」と首をかしげたくなるほど稚拙だ
った。当時、綿矢りさが最年少で芥川賞を受賞して話題となったので、二匹目のドジョウを狙ったのだ
ろうと私は推定する。少なくとも、作品自体よりは、話題性や、今後の伸びしろを期待しての授賞だっ
たのは間違いないだろう。
そのため、授賞後に講談社ではかなり強く後押ししたのだろう。優秀な編集者を付け、場合によって
はゴーストライター的な作家による手厚い補助もあったのではないだろうか。そうとでも考えないと、
同一人物の作品だと言われても納得しがたいほど、受賞作とは隔たりがある。
神山氏はこの作品の上梓後まったく刊行できない時期が続き、2011年に一冊出したものの、文壇
からは消えている。その理由は上記のあたりにありそうな気がする。
なお、作品の出来は星を5個あげて良いくらいだが、専門的な部分や複雑すぎる部分があり、今ひと
つ楽しめなかったことから、1個を減じた」
星4つのワタルさん乙w