18/09/06 08:17:32.85 kFu2pKyAl
原稿用紙10枚以内程度のものを掌編小説と呼ぶわけですが。
2:みなかたれい
18/09/06 08:25:23.57 kFu2pKyAl
レリアはティーカップにレモングラスティーのティーバッグを
入れ、お湯を注いだ。その向かいにはシャルルがいて、レリアの
顔の輪郭が艶かしいだとか思っているのである。シャルルにとって
レリアは自分の女そのものであり、レリアにとってもシャルルは
自分の男であった。菓子はフルーツパウンドケーキ。
二人はお茶のあと、シャワーを浴びて愛し合った。
そしてけだるさを感じる二人。二人はいつ、建設的な
「結婚」という階梯に踏み出すのか、自分たちにも
わからないのだった。
永遠に晴れない霧のようだった。
何がいけないのか、レリアは考えたが、皆目見当が
つかなかった。自分の生き方、仕事の仕方に問題があるのか?
しかし、世界とつながることで、レリアは困難を脱することが
できるように感じた。(終)
3:みなかたれい
18/09/07 19:47:00.63 3JHc4foD/
煙草。メビウス1ミリロング。風に流される灰。
金属の吸殻入れは寂しげで、それは二十代の頃の
私と同じくらい物質的だった。
綾波。人形というあり方。綾波も、私も、あの子も
人形のようだった。物質的な人。
改札前では焼き鳥が売られている。しかしそこにハツや
カシラはない。葬られ行く鳥。
ビンチョウマグロ。サーモン刺身。かつおのたたき。魚が
好きだ。栄養があり、体に良い魚。でもたまには牛肩ロース
ステーキも食べる。多分本当の快楽は善なのだ。
夜のこの街には女たちと男たちがいて、この世の奇妙な
ありさまを示している。いつかきっと。夢。街の明かりの
もとにある夢。(終)
(散文詩ですね、これ。短すぎて)
4:みなかたれい
18/09/09 08:47:20.98 PB0y3M+5C
文鳥。妖精のような文鳥の羽ばたき。
もともと小鳥なんて妖精だと思ってもいい存在。
その小鳥に楽しい心、人間と友達になる心があって、
ちゃんと粟玉をおいしいと思っている。
すべてがそのようであれば。
都市にもマナの力はないではない。それは愛ではなく
希望や安楽なのだ。(終)
5:水形玲 ◆JpGDlH976A
18/09/09 23:53:15.63 PB0y3M+5C
意味のなかった二十四年間
恋はすべて潰えて
こんな長い年月に何の意味があったのか
苦しみの果てにあったのは失望