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>>17
短距離思念通話装置「Y.O.S.A.K.U.」を手にした者たちの末路を描く群像劇。
あるものは意中の人が自分の事を「ただのセフレ」としか思っていなかったことを知り、相手を殺して獄中へ。
次に手にしたものは急激に成績を伸ばした営業マンだが、機械が壊れてからダメな営業マンに逆戻りし、行方不明に。
三人目は装置を改造して神経系に過負荷を掛け相手を殺す装置に仕立て直し、自身の盗人稼業に役立てたが、他の装置持ちによりその陰謀を暴かれて自殺した。
Y.O.S.A.K.U.は人間の暗部を暴く。
改造次第で人の気を斬る、神経系を破壊する装置ですらあった。
これは無邪気な善意と冗談から作られた装置であった。
嘘を付いてはならない。
結果は、単に誰もがこらえていた悪意を噴き出させる手助けをしたに過ぎなかった。
だが、誰もが欲しがるものでもある。
最後に装置を手にした与作は米国に渡航。
Y.O.S.A.K.U.社 社長をストーキングし、彼が何を考えているか、どれだけひどいことをしたのかに気づいていないことを動画配信サイトで中継し続けた。
日に日に集まるアクセス数、増えるY.O.S.A.K.U.への批判。
社長が「さらなる人類の進化」を考え始めたことから与作は社長邸宅への自爆テロを宣言、実施し身を以て社長を殺害。
Y.O.S.A.K.U.社は倒産、デバイスは各国政府にて強制的に回収、Y.O.S.A.K.U.は忘れられた―いや、与作がここで因縁を斬ったのだ。