17/09/19 14:00:43.56 .net
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988:名無し物書き@推敲中?
17/09/19 14:00:58.32 .net
母が一人で住む都営住宅は、僕のアパートから自転車で十五分ほどのところにある。六畳一間で床にはカーペットが敷いてある。母は僕に座らせ茶を出し、自分はというと押入れをごそごそとやっている。後姿が疲れて見える。もう五十五歳だもんな。
「お母さん、何をやってるの?」
「これよ」と腕時計のような物を差し出してきた。
「こ、これは……?」
「あなたにはいつか話そうと思っていた。……只野の家系は日本を守るスーパーヒーロー超戦士ジャップマンの家系でもあるのよ!」
「え? ヒーロー? 超? ジャップマン?」
混乱している僕をよそに、母は続ける。
「二十年前、お父さんが亡くなったのを覚えているわよね?」
「そりゃ、覚えてるよ。交通事故で―」母が遮った。「違うの!」
「ち、違う……?」
「お父さんは敵を封印するために……死んだのよ」
正直話についていけない。しかし物事はそんな僕をよそに猛スピードで進んで行く。
「ジャップウォッチをつけなさい」
言われるがままに時計を腕に嵌める。
989:名無し物書き@推敲中?
17/09/19 14:15:33.73 .net
規制されたかハゲw
990:名無し物書き@推敲中?
17/09/19 14:26:09.07 .net
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991:名無し物書き@推敲中?
17/09/19 14:27:49.99 .net
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992:名無し物書き@推敲中?
17/09/19 14:29:58.22 .net
「超戦士ジャップマン参上! と叫びながら時計の真ん中のボタンを押しなさい」
少し恥ずかしいが今はそんなことを言っていられない!
「ちょ、ちょ、超戦士ジャップマン参上!」
すると僕の体を虹色の光が走り、作業着が消え、代わりに黒色の全身タイツが体を包み込んだ。両腕と両足には鼠色のグローブとブーツが装着されている。
『只野比呂様……イエ、代三十二代目超戦士じゃっぷまん様、私ハすーつニ内蔵サレテイルAI、えれくとろにかト言イマス』という声が直接頭の中に響いた。
「エレク……トロニカ?」
「ジャップスーツにはAIが入っていて、導いてくれるのよ」と母は言った。
「じゃあ、ぼ、僕が……その、超戦士ジャップマンになって、あの悪い奴らを倒せ……ということ?」
「そうなるわ」『ソウナリマス』
一体……どうなっているんだ……?
「じゃあ後はエレクトロニカの指示を仰ぎなさい。私は寝るわ」
そう言ってお母さんはカーペットに横になった。そしてすぐにいびきが聞こえてきた。
「エレクトロニカ、僕が第三十二代超戦士ジャップマンということはわかった。でも、僕はこれといって特徴も特技も力も無いし頭も弱い、ただの一般人だよ。あの……何だっけ」
『わるいー・やーつーデスカ?』
993:名無し物書き@推敲中?
17/09/19 14:30:30.12 .net
「そう、それ。勝てる訳が無いじゃないか」
『わるいー・やーつーハ暗黒魔王さいきょうを復活サセルノガ目的デス。ソレマデニわるいー・やーつーヲ倒セバイインデス』
「いや、だから、どうやってそいつを倒すんだよ!」
僕が地団駄を踏むと部屋が揺れた。壁がドンドンと鳴り、隣から「うるせぇぞ!」と怒鳴り声がした。僕は小声で「何か武器とか必殺技とか無いの?」と言った。
『じゃっぷまん様、武器ハアリマセンガ安心シテ下サイ』
「ぶ、武器も無いのにどうやって!」
『じゃっぷぱんちトじゃっぷきっくデ敵ヲ地獄ニ落トスノデス!』
「ジャ、ジャップパンチ? ジャップキック?」
『説明シテイル時間ハアリマセン。トリアエズあぱーとヲ出マショウ』
僕は言う通りに部屋を出て階段から外を眺めた。外は人で溢れかえっていた。「大阪が潰されたら、次は東京だろ!」とおじさんが叫んでいる。
しかし逃げる場所は無いのだ。ワルイー・ヤーツーが言っていた。「諸外国と手を組むと日本を丸ごと消滅させる。飛行機、船で海外へ誰か一人でも逃げた場合も同じだ。
そうされたく無ければジャップマンを差し出せ」と。と、いうことは―。
「するってぇと何かい? 僕がジャップマンだとアピールすれば、ワルイー・ヤーツーのところに行けるってことじゃねえか」
994:名無し物書き@推敲中?
17/09/19 14:32:07.97 .net
「そういうことになるウホという男の叫び声がして、次いで人々は叫び声を上げて逃げ惑う。
都営住宅の駐車場にとめてあったワゴン車が上空へ吹き飛んだ。一台では終わらず、次々と車が上空へ吹き飛んでいく。
凄まじい爆発音が鳴り響き、煙が充満し、人々と駐車場を包み込んだ。そして最後の一台はまるで狙っているかのように、僕の方へと吹き飛んできた。
「ヤバいよエレクトロニカ! 車が吹き飛んできた!」
『じゃっぷばりあヲ使ッテ車ヲ止メルノデス!』
「ど、どうやって!」
「じゃっぷばりあト叫ンデ手ヲカメハメ波ノ様ニ目ノ前ニ出シテ下サイ!』
995:名無し物書き@推敲中?
17/09/19 14:32:16.89 .net
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996:名無し物書き@推敲中?
17/09/19 14:32:54.38 .net
言う通りにした。すると吹き飛んできた車―黒のアコードだ。そういえば、と思い出す。
僕が七年前に付き合っていた女の元カレが黒のアコードに乗っていたな。付き合って半年して元カノの家に遊びに行ったら、
家の駐車場にとめていたその黒のアコード内で元カレと元カノがセックスをしていた。そして別れた。思い出すだけでムカムカしてくる。
ワルイー・ヤーツーを倒したらその元カレも地獄に叩き落してやろう―が空中で停止した。
『ソノママ手ニ力ヲ入レテ下サイ!』
はっ! と力を入れると、空中で停止した黒のアコードが逆再生されるかのように元の場所へと吹き飛んでいった。そして大きな爆発音がして人々が阿鼻叫喚、
逃げ惑い、黒のアコードの残骸から煙がもくもくと立ち上り、「フフフ、そんな攻撃では私は倒せんウホ」と叫び声が聞こえた。
『コレガじゃっぷばりあトじゃっぷかうんたーデス』
「凄いな……無敵じゃないか!」
997:名無し物書き@推敲中?
17/09/19 14:33:19.51 .net
「無敵ではない! そんな攻撃では私は倒せんよと言ったウホ」
僕は慌てて階段を降りて駐車場へ行き、黒のアコードの残骸へ走り寄った。すると黒のアコードが空中浮遊した。
いや、違う! 黒のアコードの後ろには何者かが―煙が立ち上りシルエットしか見えない―立っていて、持ち上げているのだ! 煙が徐々に消えていくと、三メートル程のずんぐりむっくりしたゴリラが姿を現した。
「ゴ、ゴリラ!」と僕が叫ぶと、「ゴリラではないウホ! 怪人キング・ゴリラだウホ!」と声が聞こえた。
そして持ち上げた黒のアコードを都営住宅の壁に投げ捨てると、大きな音を立てて黒のアコードが爆発した。あれが元カノの元カレの車だったら良かったのに。
人々は逃げ去って、僕と怪人キング・ゴリラ以外誰もいない。
「か、怪人! キ、キング・ゴリラ!」
「そうだウホ!」
ゴリラが喋っている。どこからどう見てもゴリラだ。胸を両拳で叩いてアピールをしている。どこからどう見てもゴリラだ。
「バナナを食べるかい?」
「うむ、バナナは好きだウホ」
やっぱり……ゴリラだ。
998:名無し物書き@推敲中?
17/09/19 14:33:27.69 .net
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999:名無し物書き@推敲中?
17/09/19 14:33:45.90 .net
「ジャップバナナ!」と僕は叫んだ。しかし何も出ない。『ソンナノアリマセンヨ』とエレクトロニカが言った。やっぱりね。
「怪人キング・ゴリラめ! 僕が超戦士ジャップマンと知ってのことか!」と、さっきの技―ジャップバリアとジャップカウンターだ―で少し強気になった僕は叫びながら怪人キング・ゴリラを指さした。ぼ、僕、恰好良い!
「フフフ、知っているウホ。ワルイー・ヤーツー様からのご指示で、貴様を倒しに来たウホ」
「ゴリラごときが僕に勝てると思っているのかぁ?」
「ゴリラではないウホ! 怪人キング・ゴリラだウホ!」
1000:名無し物書き@推敲中?
17/09/19 14:34:08.15 .net
金
1001:名無し物書き@推敲中?
17/09/19 14:34:27.32 .net
正
1002:名無し物書き@推敲中?
17/09/19 14:34:36.61 .net
恩
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17/09/19 14:34:43.39 .net
は
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