あなたの文章真面目に酷評します88at BUN
あなたの文章真面目に酷評します88 - 暇つぶし2ch646:し
17/05/04 23:15:33.64 .net
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リオナは延々彼氏のことを喋り続けていた。
「……そう、それでね。彼氏が言うの……」つまらない女だ、とリオナの話を聞きながら松木は心の中で呟いた。
リオナの世界は全て恋愛の付属物なのだろうか。彼女が口を開けば、いつも彼氏との恋愛事情の話題ばかりだ。
松木はそのようなことを考えつつリオナの話の端々で、いい加減な相槌をうっていた。
まあ考えようによってはごく一般的にいって健康的な女ではあるといえる、と松木はリオナを見ながら思った。
直也のように世の中や社会に精通しているやつの方がよっぽど病的である。松木にとっては、別のセクトに属する男の思想が気に入らないだの
社会主義の革命の実現に向けて、そういう輩にはサンクションが必要だのという直也たちの原理原則とリオナの彼氏事情を比べながら松木は奇妙な気持ちになった。
こうやって社会の今ある物事をそのまま受け止めて生きる女もいるのだ。松木はリオナの話を聞きながらそのようなことを考えていた。
そもそも世の中に無駄なことなどあるのだろうか?女はいつも今あるものをそのまま享受して生きている。
リオナにとって社会の変革などどうでもいいのだ。
この女は、何事もなく今後普通に結婚して、子供を産み育て、内ゲバなど危険なことなどとは無縁に生きていくことだろう。
そうなると、我々のやっている活動とは、一体何なんだろう?松木はだんだんわからなくなってきた。
別に直也たちとあの恐ろしい暴力に満ちた世界に身を置く必要はないのではないか?世界はどのように変わっても私の身は一つなのだ。
松木はリオナの話を聞きながら、人間の存在理由についてのことを考えていた。
「……ねえ、そう思わない?」リオナが彼氏についての見解を松木に求めたとき、松木はリオナの顔をポカンと眺めながらある考えに達観した。


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