17/04/29 12:01:48.79 .net
いや、違うな。僕の頭蓋骨を粉砕するべく、的確な角度から、個人に可能な最強の力を込めて振り下ろしたのだ。
殺意。そう言っても、ただ積み上げられた積み木の城を壊してしまうぐらいの気持ちだろうが、やはりそれは、明確な殺意なのだ。
そしてやはり、俺を殺すことで爽快感を覚える、その程度の知性は残っているだろう。
ただ、ストレスを解消するためだけの、そういう殺人。目の前の女は、殺人鬼も震え上がる、そういう奴なのだ。
いや、待てよ。そうじゃないかもしれない。
実際にはもっと狡猾に、俺を殺しても軽い罪ですむという、そこまで考えが及んでいたのかもしれない。いや、ひょっとしたら母さんは、元々俺を殺したくて、ボケた振りをしていたのかもしれな
そしてやはり、凍り付くような冷徹な判断力と、ただ人間を殺したいという恐ろしい破壊衝動をもって、俺を殺した。
そうなのかもしれない。
どちらにせよ、俺は死ぬだろう。
結局、俺は、ただストレスを解消するための玩具でしかない。
殺す方が、ぶん殴るよりもスカッとするからだ。
い。
捕まって裁判にかけられても、軽い罪ですむだろうしな。
母さん、そんなに俺を殺したかったのかい?
そんなことを一瞬間のうちに考えた。
苦痛を感じる間もなかった。
メキメキ!
嫌な音がした。
次の瞬間には、僕にはもう意識がなかった。
僕は死んだ。
ちょっと直した。でもなんか、無理があるような……。