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あなたの文章真面目に酷評しますPrat85 - 暇つぶし2ch939:し
17/04/25 21:47:52.66 .net
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落合律子の態度が冷たくなった。このことが伊東には気掛かりだった。このことについて考えると夜寝つきが悪くなった。
律子の態度の微妙な変化に伊東が気づいた時、伊東の心に得体のしれない不安が兆した。
3日前校舎の屋上に何人かで屯していた5月の晴れた午後のこと。伊東が律子に声を掛けた時、律子は始め反応を示さなかった。
「おい、律子」変だと思った伊東は、2度3度律子の名前を連呼した。が、律子はただ前を向いたまま伊東を無視していた。
少し間が空いて、律子はチラと伊東を見た。
「おい、無視するなって……」伊東がそう言って律子の肩をグイと引っ張ると律子は伊東の手を素早く払いのけて「あんまり私の名前連呼しないでよ……」と言った
この言葉には酷く冷徹な意志が篭っていた。伊東と落合律子は、比較的気兼ねなく話せる間柄だった。
が、律子のこのときの態度は明らかにいつもとは違っていた。この律子の態度に伊東は驚き、そして萎縮した。
それで何故律子がこのような辛辣な態度を取ったのかを伊東は考えた。思い当たる節がある、と伊東は思った。
考えてみれば4日前、上条と原に言ったことが引きがねになっているのではないだろうか?
「おまえ付き合うとしたらクラスの誰と付き合いたい?」上条の問いかけに伊東は「落合律子」と答えた。
あの時だ。あの時に言ったことが巡り巡って律子の耳に入ったのではないか?伊東は一抹の不安を感じた。
もし伊東の辿った筋道が正しければ、律子は伊東をディスったことになる。

上条の問いかけに軽い気持ちで答えた伊東の心中は、本当の気持ちだった。あれは純粋に「落合律子」の名前を答えたのだ。
無邪気ともいえる伊東の戯れの返答だった。本当にそうなって欲しいと伊東は思って言ったことだった。
上条と原に言ったことが律子の耳に入ったのだろうか?もしそうだとしたら……伊東は首を振った。伊東は少し傷ついていた。
この仮説を伊東が組み立てた時、暗澹たる暗い雲が伊東の心中を覆った。


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