ワイが文章をちょっと詳しく評価する![51]at BUN
ワイが文章をちょっと詳しく評価する![51] - 暇つぶし2ch650:名無し物書き@推敲中?
15/06/06 18:55:46.90 .net
しかしわざわざ作家めざしてる中高生を集めて自費出版で本出しただけの素人がその中に含まれる将来がある人を潰して自分の章の虚栄心と暇つぶしの為に適当で稚拙な批評を押し付けるスレあることはかわりがないだろ
ここまで来て自演、受賞暦虚言、さらに自分の無知の披露など、もはやこっちがつらい。

651:名無し物書き@推敲中?
15/06/06 18:57:17.86 .net
嫉妬乙

652:名無し物書き@推敲中?
15/06/06 19:25:37.38 .net
まあ2ちゃんも変わるべきときだ
自己満足の為にスレ立ち上げて子供を惑わすのは犯罪行為との認識が必要だ
はずかしさを引き換えに快楽優先するやからは排除していくべきだ

653:名無し物書き@推敲中?
15/06/06 21:03:03.56 .net
と子供のフリをしたオッサンが言ってます。

654:名無し物書き@推敲中?
15/06/06 21:22:53.67 .net
『ボクがガンダムだ。』
 一通り挨拶をしたうちに幹事の某というのがいた。彼は文学士だそうだ。文学士といえば大学の卒業生だからずいぶん偉い人なんだろう。妙に女のような優しい声を出す人だった。だがもっと驚いたのはこの暑いのにフランネルのシャツを着ている。
 「しかしどうもねえ、わざわざ作家を目指しているずぶの素人をかき集めてさあ、自費出版で何冊か出しただけの先生が、あざとい虚栄心と暇つぶしのために、適当で稚拙な批評を押し付けてますわねえ。」
 いくらか薄うすい地ではあっても暑いに決まっている。文学士だけにご苦労千万ななりをしたもんだ。しかもそれが赤シャツだから人を馬鹿にしている。
 「虚言癖に、妄想癖、さらには自分の無知のご披露とは、もはやこっちがつらいんですけどねえ。」
 「待て待て、赤シャツ殿。そいつあちと言いすぎではないか? 自己満足のためにこうして皆を呼び集めて無知蒙昧の類を惑わすのは、犯罪行為! その認識を共有するは必要。それは同意―」
 「なんざんしょ。」赤シャツはひょろりと座についた。畳に座布団は彼の一張羅を台無しにしているように思われる。
 「―しかし我々も変わるべきだ! 恥と引き換えに快楽優先する輩は排除せねばなるまい!」赤シャツのふくれっ面には目もくれず剛力自慢の五十嵐は握り拳を突き上げていた。「ジーク・ジオン!」
 なにがジーク・ジオンだ。漢学の教師だとは聞いていたが、ただのアニオタではないか。言葉の端々に御里が知れる。こんなのが江戸っ子なら江戸には生れたくないもんだと心中に考えた。
 そのほか一人一人についてこんな事を書けばいくらでもある。しかし際限がないからやめる。

655:ブルーアイリス ◆1pVQTmlaVU
15/06/06 21:37:26.34 .net
あ、これ夏目漱石の坊ちゃんが底本だね。昔読んだ記憶がある

656:ぷぅぎゃああああああ ◆Puuoono255oE
15/06/06 22:05:59.32 .net
さて寝るか!(`・ω・´)

657:名無し物書き@推敲中?
15/06/06 22:28:05.13 .net
自費出版自己満足自己中心な批評スレ

658:名無し物書き@推敲中?
15/06/07 15:18:21.62 .net
『自己満足を愉しむ時代』
 店の名は忘れてしまったが、私は今度から友達を誘って飲むとき、時々ここへ来ようかと思っている。
 料亭などというものはやはり大切なのは気質の問題で、職人にとって、芸とカタギの世界、良心が大切なことは、我々の場合と同じであろう。
 端的に言えば、すべて自己満足の世界、愚か者の世界なのだ。
 良心にかけたオイシイ物を、そうむさぼらずに、自己満足を第一にして、心愉しくサービスするような気質的な生き方が必要だ。文化には、そういった裏付けがなければ、もはや文明開化も死物にすぎない。
 料理や酒には、それを作る人の気質の復活、誕生が急務だ。出来る限りオイシイ物をつくろうという気質がなければダメだ。そういう気質の点で、日本はともかく一応の歴史をもっていたといえ�


659:驕B  しかし、それが歪められて、器物に凝ったり、建築に凝ったり、大事な料理そのものを忘れるのが通癖であり、そうかと思うと妙に小細工な通に走って、たとえば着物の裏地に凝ってそれに気付かぬ人を俗物呼ばわりするような馬鹿げたことをやりたがる。  着物の裏は表に相応すべきもの。裏だけ凝るとは大バカな話、通ぶった頭の悪さというものは、まことに不快なものである。  オイシイ物を、オイシク食べてもらうことを、愉しむ、という料理屋が、たくさん生れてほしいものだ。どんな職業であれ、職業を愉しむ心が大切なのだが、それが要するに、文化の本来の地盤なのだろう。



660:ぷぅぎゃああああああ ◆Puuoono255oE
15/06/07 15:22:26.51 .net
>>636
無駄な労力は何の肥やしにもならない!
去るがよい!(`・ω・´)

661:名無し物書き@推敲中?
15/06/07 15:34:48.60 .net
『変革(チェンジ)』
 早急に何から何まで変えないほうがいい。変えるために、すぐさま便利というものだけを変える。つまり変える目的は常に「ただちに簡単になる、良くなる」という主意によるものでなければならず、当分不便であろうけれども、というのはよろしくない。
 つまり、我々はなぜ変えなければならないのか、即ち、今さしあたって人々がそれに苦しみ無駄な労力を費している、よって変える必要がある、よって困っていない部分は変える必要がない。
 変革というものはそういった要領でなければならないと私は考える。
 まことにザッパクにまくしたてたが、私の意見は主旨として、文章というものは、事物の操作を容易にし、人生を豊富にするためにあるべきもの、である。まあ僕は学者じゃないから、学のある人々からそう定義してもらいたいものだ、と請い願っている次第なのである。

662:ぷぅぎゃああああああ ◆Puuoono255oE
15/06/07 15:39:40.44 .net
>>638
坂口安吾の文章を改変して意味はない!
去るがよい!(`・ω・´)

663:名無し物書き@推敲中?
15/06/07 15:42:50.01 .net
無駄な仕事をよく引き受けたもんだ

664:ぷぅぎゃああああああ ◆Puuoono255oE
15/06/07 15:43:04.18 .net
今後は改変のコピペは無視する!
コピペに労力を費やし、無駄にした時間に涙するがよい!
フヒヒヒヒヒヒヒ!(`・ω・´)

665: ◆BaKA//CWMY
15/06/07 15:54:07.38 .net
負けるなワイさん!
荒らしは反応するとつけあがるのでスルーがいいよ!

666:名無し物書き@推敲中?
15/06/07 16:21:42.11 .net
ワイ杯マダァ-? (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチンチン

667:名無し物書き@推敲中?
15/06/07 16:23:48.83 .net
『隔離病妹』
 ……キチガイだろうか。……正気だろうか。いやいや。キチガイだキチガイだ……そんな馬鹿な……こんな不思議なことが……ウハッ、ウハハハ……。
 私は思わず笑いかけたが、その笑いは私の顔面筋肉に凍り付いたまま動かなくなった。またもいっそう悲痛な、深刻な声が、コンクリートの壁を貫いてきたのだ。
 笑うにも笑えない……たしかに私を、私と知っている、確信にみちみちた……真剣な……悽愴とした……。
 「……お兄さま。何故、御返事をなさらないのですか。妹がこんなに苦しんでいるのに……たった一言……御返事をして下されば……いいのです。……そうすれば皆さまに妹がキチガイでないことが……わかるのです。……何故……御返事をして下さらないのですか……?」
 私と壁ひとえを隔てた向うの部屋に閉とじ籠こめられたまま、ああして夜となく、昼となく、私を呼びかけている。
 「……妹の苦しみが、おわかりにならないのですか……毎日毎日……毎夜毎夜、こうしてお呼びしている声が、お兄さまのお耳に入らないのですか……ああ……お兄さまお兄さま……あんまりです、あんまりですあんまりです……あ……あ……あたしは……声がもう……」
 そうこうしているうちに壁の向側から、もう一つ別の新しい物音が聞えはじめた。それは平手か、コブシかわからないが、とにかく生身なまみの柔らかい手で、コンクリートの壁をポトポトと叩く音であった。
 皮膚が破れ、肉が裂けてもかまわない意気込みで、叩き続ける弱々しい女の手の音であった。私は、その壁の向うに飛び散り、粘り付いているであろう血の痕跡あとを想像しながら、なおも一心に眼をみはり、奥歯を噛み締めていた。
 「……お兄さまお兄さま……お兄さまのお手にかかって死んだあたしです。ああ、お兄さまもおんなじです。そうやって他人からキチガイと思われて、この病棟に閉じ籠められているのです。」

668:名無し物書き@推敲中?
15/06/07 16:28:21.15 .net
自費出版問題ではするー
公募最終までいったと公言し
無知を披露しながら実力もないのにアドバイス
恥を知りなさい

669:名無し物書き@推敲中?
15/06/07 16:34:37.69 .net
>>644
三点リーダーの多用は文章の品格を下げる。

670:名無し物書き@推敲中?
15/06/07 16:38:08.26 .net
>>645
万年一次落ちって生きてて恥ずかしくないの?

671:名無し物書き@推敲中?
15/06/07 17:11:45.12 .net
気にするな。お前の顔よりましだ。

672:名無し物書き@推敲中?
15/06/07 17:37:46.43 .net
 発 者 同         . 。_   ____           争
 生 同 .じ     .    /´ |  (ゝ___)          い
 .し 士 .レ      .__/'r-┴<ゝi,,ノ   ro、      は、
 .な で .ベ      ∠ゝ (ゝ.//`   ./`|  }⌒j     
 .い し .ル        } ⌒ /`ヽ、_∠l,ノ ・ヽ´
 .! ! か の       /  ´..:.} >、、___,  .r、 ソ、`\
             /   ..:.:.}   /   |∨ ` ̄
            /   ..:.:./    |   丶
           / _、 ..:.:.:.{    .{.:.:.   \
          {   ..:Y  .ゝ、   {.:.:.:.:.    ヽ
          |、  ..:/ 丿 .:〉   >.- ⌒  .  ヽ
          / {. ..:./ ソ ..:./  .(    ..:.:.:`  ..:}
         ./..:.:}.:.:./ ヘ、 ..:./   .\ ..:.:r_,ノ、.:.:}
        ./..:.:/|.:/   {.:./     X.:.:}.}   X X
        /..:.:/ .}.:|    }:/       .Y丶ヽ  Y.:Y
  . __/.:/ { }  《.〈、     _,,__>.:》丶   Y.:\
  /.:.:.:.:.::/   !.:.:ゝ  ゝ.:. ̄ヾ ´:.:.:.:.:.:.:.:.:ヾゝ   \.: ̄>

673:名無し物書き@推敲中?
15/06/07 19:14:41.51 .net
最近のはレベルが高いな。

674:ブルーアイリス ◆1pVQTmlaVU
15/06/07 20:21:17.93 .net
「もうすぐ卒業の三人のいつもの帰り道」
真優と勇太とこずえは、いつもの高校の帰りに羽生のニャオンショッピング
センターの中にある甘味処小玉に寄って、三人で餡蜜を食べた。
ニャオンを出て三人で同じ方角に自転車を走らせる。外は春何番目かの猛烈な
風が吹いていた。真優は遠い夕焼け空と、言葉をかき消す程の轟音の風の中で
勇太に向かって叫んだ。「勇太-!私、M大学の通信も会社経営もやりきって
みせるーっ」
といきなり言われた勇太はちょっとびっくりした顔をしたが、幼なじみ同士の
勘所を働かせて、言葉を返す。
「おー、期待してるぞ。俺とこずえは東京に行っちゃうけど、LINEもありゃ
メールもあるからな、大丈夫だよ。俺は兄貴と同じ世界に出ていくけど、
帰ってくるのはこの羽生だ。だから安心しろよー」と怒鳴るように勇太は言った。
こずえも相づちを打つように叫んだ。「アタシも東京でデザインやるけど、
羽生の事は忘れない、また3人で餡蜜食べよー」
「勇太ー?私の事、愛してくれるーいつか?」と、思い切って真優は叫んだが、
その時轟音が鳴るように強い風が吹き、勇太には良く聞こえなかった。
「えー、真優、なんて言ったー?」
(しまった、せっかくの告白なのに)と自転車を力一杯漕ぎながら、真優は
風を恨んだ。「いー、またいつか話すー」
と三人は、いつもの三人になった。もうすぐ三人は関東でばらばらになり、
勇太は外語の専門学校を出て旅行会社の添乗員を目指し、こずえはWEBデザイナー
を目指し、真優は小糸紺屋の経営者兼M大学の通信の学生になる。
最後に二人に聞こえる様に真優は叫ぶ。
「私はやる!お父さんとお母さんの意志を継いで小糸紺屋を立派にしてみせる」
と叫んで、自転車を力一杯漕いでいった。
三人はいつもの交差点で分かれ、さみしいか、と言うと多分三人はさみしくないようだ。
なぜなら心が繋がっているから。三人の足元に夕暮れの長い影が出来る。夕日も三人の若い魂を見守りながら一日の仕事を終えて行くようだ。
終わり

675:ブルーアイリス ◆1pVQTmlaVU
15/06/07 20:26:55.20 .net
えーと第46回埼玉文学賞の応募作品の為の素描っす。でも今年、もしかしたら
埼玉文学賞開催が無いかも、まだ募集要項が出ない。無ければ8月末まで受験
勉強に絞れるから楽っすね。8月末過ぎれば室生犀星文学賞があります。これも
原案は考えてありまして、金沢のバイクのメカニックと幸薄い女の子の話でー
といろいろ考えまして、ノートにボールペンで骨格と設定を考えています

676:名無し物書き@推敲中?
15/06/07 20:29:14.00 .net
テメーのジジョーなんざシらねーヨ!

677:名無し物書き@推敲中?
15/06/07 20:54:58.26 .net
一言居士

678:名無し物書き@推敲中?
15/06/07 21:38:55.60 .net
『アンチ・ネトウヨ爺』
 文美子は十七の歳から筆小町といわれたが、
 「日本の男はみんな嘘つきで無節操だ。……」
 だからおまえには亭主ができん―という父親の言葉を素直にきいているうちに、いつしか三十九歳の老嬢になり秋は人一倍寂しかった。
 父親は偏屈の一言居士で、稼業の宿屋より小説投稿にのぼせあげ、字の巧い文美子はその清書を手伝いながら、父親の文章が縁談の相手を片っ端からこき下す時と同じ調子だと、情けなかった。
 秋の夜、目の鋭いみすぼらしい男が泊まり客にいた。宿帳には下手糞な字で共産党員と書き、昨日出獄したばかりだからと服装の言い訳をして、ベラベラとマルキシズムを喋ったが、十年入獄の苦労話のほうはなお実感がこもり、父親は十年に感激して泣いて文美子の婿にした。
 ところが、男は一年たたぬうちに再び投獄された。が、主義のためではない。聞けば前科八犯の博徒で入獄するたびに同房に思想犯が膝をかかえて鉛のように座っていたのだ。
 最近父親の書き込みには在日擁護論が多い。

679:名無し物書き@推敲中?
15/06/08 01:13:37.25 .net
自費出版問題ではするー
公募最終までいったと公言し
無知を披露しながら実力もないのにアドバイス
恥を知りなさい

680:ぷぅぎゃああああああ ◆Puuoono255oE
15/06/08 03:37:18.71 .net
>>651
>その時轟音が鳴るように強い風が吹き、勇太には良く聞こえなかった。
(轟音の風の中にいる為、大声で話しているのではないのか!
 轟音を上回る風が吹く! そのような風が引き起こした何かで周囲が騒がしい!
 等の大声を遮る何かが必要である!)
読んでいて場面が頭に浮かんで来ない! 理由は三人の描写による!
三人は自転車に乗って話しながら帰っている! どこを走って、どのような位置にいるのか!
周囲の様子もまるで描かれていないので、どのような土地なのかもわからない!
個々の人物の描写もないので容姿も会話から想像するしかない!
賞に挑むのであれば最低限の人物と背景の描写はした方がよい66点!(`・ω・´)

681:ぷぅぎゃああああああ ◆Puuoono255oE
15/06/08 03:37:53.45 .net
>>644 夢野久作の改悪
>>655 中里介山の改悪
馬鹿に付ける薬はない!(`・ω・´)

682:名無し物書き@推敲中?
15/06/08 04:20:03.01 .net
>>658
織田作之助

683:名無し物書き@推敲中?
15/06/08 11:20:46.89 .net
こそこそググってこのページを見たのかw
URLリンク(kanji.quus.net)

641 :ぷぅぎゃああああああ ◆Puuoono255oE :2015/06/07(日) 15:43:04.18
今後は改変のコピペは無視する!
コピペに労力を費やし、無駄にした時間に涙するがよい!
フヒヒヒヒヒヒヒ!(`・ω・´)

684:名無し物書き@推敲中?
15/06/08 22:36:42.83 .net
ワイも落ちるところまで落ちた

685:名無し物書き@推敲中?
15/06/08 23:27:23.15 .net
『私のメール小説』
 ちょっと気にいったお話ができましたので、まず、あなたに見ていただきたくて、いさんで送信いたしましたのに、思いがけず、さんざんな目にあいました。
 私は恥ずかしゅうございました。あなたに文章を見てもらって、褒められて、そうして、あなたとメール交換をしながら、お互いまずしい小説家としてお友だちになりたいと思っていました。
 私は狂っていたのです。あなたに酷評されて、はじめて私は、正気になりました。自分の馬鹿を知りました。
 お若い作家志望たちが、どんなに私の作を褒めても、それはみな浅はかなお世辞で、陰では舌を出しているのだということに気がつきました。
 けれどもその時には、もう、私の生活が取りかえしのつかないところまで落ちていました。引き返すことができなくなっていました。
 落ちるところまで落ちて見ましょう。私は女だてらに毎晩お酒を飲みました。お若い作家志望たちと徹夜で騒ぎました。焼酎も、ジンも飲みました。気障な、馬鹿な女ですね。
 愚痴は、もう申しません。私は、いさぎよく罰を受けます。窓のそとの樹の枝のゆれぐあいで、風がひどいなと思っているうちに、雨が横なぐりに降ってきました。
 雨の音も、風�


686:フ音も、私にはなんにも聞えません。サイレントの映画のようで、おそろしいくらい、淋しい夕暮れです。  このメールに御返事はいりませんのですよ。私のことは、どうか気になさらないでください。淋しさのあまり、ちょっと書いてみたのです。あなたは平気でいらしてください。



687:名無し物書き@推敲中?
15/06/09 15:39:09.04 .net
「なんじゃこりゃああ!」
 洗面所からの絶叫に美世を迎えに来ていた弟達と鷹山がリビングの入り口を見た。慌てて立ち上がると三人はドタドタと洗面所に向かった。洗面所では美世が洗面台に屈みこんでいる。
 美世がゆっくりと顔を上げると、鏡に映った美世の目は不安に揺らぎ、口元は血まみれだった。実物の手に目を移すと、空中を掴むように上に向けている両手のひらも血まみれだった。
「どうしたんだ!」
 鷹山が駆け寄り肩を掴んで体を向けさせた。
「わからん、なんか気持ち悪うなってえずいたらドバーって…」
「救急車を呼ぼう」
 慌ててリビングに戻ろうとする鷹山の手を美世が握った。血でぬるりと滑ったが鷹山が動きを止めた。不安そうな顔で美世が見上げて言う。
「姉さんは?姉さんやったらなんとかしてくれるやろ?」
「今は学会で栃木だ、早く病院へ行こう」
「いやや、行けへん、姉さんが帰ってくるまで待つ」
「そんな悠長な事言ってて大変な事になったらどうするんだ、ほら来い」
 今度は逆に鷹山が美世の手を掴んだ。
 しかし力任せに引っ張った鷹山に美世は体をくの字に曲げて抵抗した。だが所詮は女、体重差が30kgほどもある男にはかなわずズルズルと引きずられた。
「いやや、堪忍して、病院なんかに放り込まれたら死ぬ」
「病院にいかなきゃ死ぬの間違いだろ!」
 美世とて風邪を引いた、怪我をした等では気軽に病院に通っていたはずだが血を吐いた事で重病の予感に一気に不安になったようだ。
 長い闘病生活の末に病院で亡くなった母の事も思い出しているかもしれない。
「お願い堪忍や、トモ兄お願い」
 ついにボロボロと涙を落として泣き始めた美世に少し心が痛んだがそういう問題ではない。
「うわああああん!殺される~」
「人聞きが悪いな!助けようとしてんだよ、お前は野生動物か!」

688:名無し物書き@推敲中?
15/06/09 15:39:53.25 .net
 その時引きずっていた美世の腕から抵抗がふっと無くなった。美世は鷹山を軸に180度ほど勢い良く回転すると右足から左足の順番でふわりと体を浮かせ、空中で水平になった。
 勢いそのままに体を曲げて下半身を引き付け、鷹山の首に両足を絡めると、今度は鷹山の首を軸に美世の体が180度回転した。そして目前に迫った柱に頭をぶつけないよう鷹山の頭に巻きつくように
縮こまった事で回転力が倍になり、コマのように回った鷹山は頭から床に組み伏せられ、したたかに頭を打ちつけた上にごろりとでんぐり返った。
「うわああああん!」
 泣き声を上げながら立ち上がる美世にぶるぶると頭を振った鷹山が追いすがったが足がよろけて間に合わなかった。
「捕まえろ!」
 慌てて行く手に立ちふさがる玲一だったがジャンピングニーの素振りを見せる美世に空中キャッチの体勢になった瞬間、美世が視界から消えた。サーッという音に下を向くと
バックホームのようなスライディングで美世が股を抜いた。
 泰蔵は突然の出番到来に慌てて手を大きく広げて待ち構えたが、カエル飛びで立ち上がった美世の頭突きであっさりノックアウトされた。
「うわああん!皆がウチを殺そうとしてる~」
 玄関を出てゆく美世を追いかけようとした玲一が泰蔵に躓き、転びそうになって耐えている所に鷹山が突っ込んできて団子状に転んだ。
「バッグも車のキーもリビングにある、そう遠くへは行けないはずだ、ましてやあの血まみれのパジャマ姿で目立たないはずがないし、警察に保護されてるかもしれん」
 そう言いながら三人で交番を目指して歩いて行くと、道端に自転車と警官が倒れている。溝口健二巡査部長35歳独身彼女募集中だ。三人は同時に眉間を摘んだ。
 鷹山が助け起こして朦朧とする溝口の頬を叩いた。
「美世に会ったろ?どっち行った?」
 玲一が言った。
「無理やろ、ノックアウトされた後の事なんか知るかいな兄さん」
 ふう、と溜息をつく鷹山に、近くの自動販売機で水を買ってきた泰蔵がボトルを差し出した。溝口健二巡査部長が仲間になった。
 四人で分かれて近隣を捜索する事一時間、よく美世が行くコーヒー自慢の喫茶店で鷹山が親父に事情聴取をしていた。
「美世、本当に来てない?」
「ああ、もちろんだよ、そう言ったじゃないか」

689:名無し物書き@推敲中?
15/06/09 15:41:00.20 .net
 親父のカップを拭くスピードが上がった。顔を伏せ気味にじっと親父の顔を見ていると、目を合わせたがらない親父はずっと同じカップを拭いている。
「そう、ごめんね」
 ほっとした表情の親父が言った。
「お役にたてませんで」
 一旦は帰ろうとした鷹山警部がまた振り返った。
「あそうそう、ここのコーヒー飲んだのいつが最後だったかな、久しぶりにご馳走になるよ」
 親父があからさまに嫌な顔をした。
「どうぞ」
 運ばれたコーヒーを悠々と飲みながら、親父が去ったのを確認して鷹山は窓側の耳に掛けたヘッドセットで玲一に電話をかけた。
「間違いない、珈琲ウーゴだ、俺は今店内にいる、正面を玲一君、裏通りの西側と東側を巡査と泰蔵君で塞いでくれ」
 その時、カウンターの奥から白いブラウスに黒いベストと蝶ネクタイの女が現れた。サングラスとマスクをしており、頭は大きなバンダナで覆われ、何かゴツゴツした中身のせいでターバンのようになっている。
 女は真っ直ぐに入り口に向かった。
「ちょっと君」
 慌てて立ち上がり、女に近づくと突然女が何かを振りまいた。
「ぐえっ、ゴホッゴホッ」
 胡椒や様々な香辛料がミックスされた粉のようだ。女は顔を手で覆っている鷹山の足の甲を踏むと思い切り突き飛ばした。机や椅子を巻き込みながら豪快に転んだ鷹山の周りでガチャガチャと
瀬戸物の割れる音が響き渡る。
「おっちゃんごめん、後で弁償するから!」
 美世の声だ。激しく咽ながら涙にぼやける視界で見上げると、カランカランと音を立てて玄関を出て行く後姿が見えた。
「おやっさん!なんで隠したの!」
「だってあんた達が美世ちゃんにDVして口から血が出たって」
「冗談じゃない!今朝吐血したから病院に連れていこうとしてたんですよ!」
「ええ!いやまさか鷹山さんがそんなのおかしいなとは思ったけども!」
「何かあったら責任取ってくださいよ!」
 ウーゴの親父が仲間になった。

690:名無し物書き@推敲中?
15/06/09 15:53:40.38 .net
 ウーゴを飛び出した美世は玲一�


691:ニ鉢合わせた。あからさまに怪しい格好と、見慣れた体型ですぐに変装はバレた。美世は右を見て左を見たが逃げられそうな場所が無い。  さすがに泰蔵と違い正面から行って組み伏せるのは無理だ。反転して走るのも悪くはないが、玲一はその巨躯に似合わない俊足で大学アメフトで活躍した男だった。  改めて玲一と敵として対峙し、能力を測ると死角が無い。ヘタレな性格を抜きにすると怖ろしい男だった。睨みあいながら後ずさる美世とじりじりと間を詰める玲一。  その時、玲一の後ろから現れたのはパトカーだった。美世は玲一に向かって猛然とダッシュをした。当然の如くガッシリと美世を捕まえた玲一だったが美世はニヤリと笑った。  マジックテープ式の蝶ネクタイを引きちぎってブラウスの襟を掴むと、思い切ってバリバリとボタンを飛ばしながら叫んだ。 「あーれー!やめてー!ウチを犯さんといてー」 「姉ちゃん何をアホな事言うとんねん、ほら病院いくで」 「はたしてできるかな?」  美世が再びニヤリとした。 「そこの男!彼女を離しなさい!」  驚いて振り返った玲一に警棒を向ける二人の警官が及び腰で近づいて来る。 「おまわりさん気ぃつけて、こいつ素手で鹿の首握りつぶしててむしゃむしゃ食うようなやつなんです」 「嘘つけぇ!」  顔を見合わせた警官が銃を抜いた。驚いた玲一が両手を上げ、ストンと美世の体が開放された。コンマ1秒も迷う事なくダッシュを再開した美世だったが、異変に気づいた泰蔵と溝口が 裏通りから回って美世の正面から走って来た。流れるように方向を変えて路地に逃げ込んだ美世はさらにビルとビルの隙間に滑り込んだ。溝口が追いついてきて隙間に体を突っ込んだが 柔道で鍛えられた体が邪魔で入れない。 「みぞぐっちゃんちょっとどいて、俺行ってみるわ」  泰蔵が上着を脱いで体を横にするとズルズルと胴体を擦りながらも入れた。要領を掴んでスピードを上げると ベストの前を持って胸を引っ張り上げるようにしながらカニ歩きをしている美世に追いついてきた。  泰蔵が手を伸ばすと美世がピタリと止まって手を払い落とし、自分の手のひらを泰蔵に向けてギロリと睨んだ。 「狭い場所での接近戦でウチに勝てるとおもてんのか?」  泰蔵が硬直してゴクリと唾を飲んだ。



692:名無し物書き@推敲中?
15/06/09 15:55:13.46 .net
「みんな姉ちゃんが心配なんや、解ってくれ」
 しかし美世は無言で手の平を泰蔵に向けたまま、ズリズリと音を立てながらゆっくりと下がった。顔が半分闇に覆われ、体が消え、最後に手のひらが消え
擦過音だけが遠ざかって行った。
 鷹山、玲一、泰蔵、溝口は額をつき合わせてウーゴの親父が操作するタブレットを覗き込んだ。
「この辺の事はなんでもしってるけどさすがにあんな狭い所がどこに繋がってるかなんて」
 地図ソフトを操作しながらビルの境目をアップにすると、いずれかのビルのプライベート空間になったような中庭がある。だがどのビルの所有かわからず出口が特定できない。
 五人は再び散開して美世が消えたブロックを封鎖する作戦に出た。範囲を割り当てて配置したのでビルから出てくれば誰かの目に留まるはずだ。5人はあらゆる事象に
目を光らせながらビルを出入りする人や道行く人を注視したが、その中で泰蔵は少し違った。目の前にある現象よりも芯にあるものに注目したのだ。美世の考えや行動、それら
が引き起こす結果に五感を研ぎ澄ました。泰蔵の女たらしたる所以である。美世いわく、探し当てる勘と危険を察知する能力と逃げ足だけは一流のロクデナシという事だった。
 泰蔵は考えた。美世は洗面所に行った時にサブの小さな化粧ポーチを持っていたはずだ。サイドポケットには緊急用のクレジットカードが入っている。あのポーチは
洗面台に残されていただろうか。慌てているとはいえそこは女。グルーミングを途中で中断するとは思えない。ましてや血まみれの出で立ち。泰蔵は目を瞑ってスライディング
で向かってくる美世の映像を脳裏に展開した。床に肘をついた左手に何か持っている。泰蔵は吸い寄せられるように洋服店があるビルに入った。ゆっくりと歩きながら
障害物から人物が顔を出すたびに向こうからは悟られないようにゆっくりと。注視する店内の風景の中をを柱や壁が流れていく。居た。うす汚れたウェイターの格好で既に
服を選び終わって支払いをしている。この後試着室に入って着替えるはずだ。しかし泰蔵ではあの女豹を捕らえる事が難しい。泰蔵は鷹山に連絡を取って美世が入った
試着室を監視した。しかし仲間の到着を待たずに試着室のカーテンが空いた。淡いピンクのワンピースでつば広帽子とサングラス姿は美世らしく無く、ぱっと見は騙されそうになる。

693:名無し物書き@推敲中?
15/06/09 15:56:38.04 .net
 美世が靴に片足を伸ばした時、ピタリと動きが止まってゆっくりと顔を上げた。帽子のツバが上がって現れたサングラスが泰蔵を凝視しているように見える。
 美世から自分の位置まで様々な障害物が重なってわずかな隙間しか見通しが利かない場所でこちら側が認識できるとは思えない。泰蔵はゴクリと唾を飲んで見守った。
 美世はそのまま何事もなく靴を履き、紙袋を持って歩き出した。泰蔵も歩き出す。美世と泰蔵の間を障害物が流れていく。その時突然美世が紙袋を投げ出してダッシュした。
 フェミニンな服装には似合わないスポーツシューズを履いている。慌てて追いかけたが美世のダッシュのタイミングは計算ずくだった。角を曲がってすぐに姿が見えなくなり
その先は隣のビルへの通路と通りに出るドアと階上への階段が集中していた。泰蔵は立ち止まる事なく通りに出た。右を見て左を見て正面を見た時に驚愕した。
 対向車線に止まっていた赤いイタリア車の助手席に滑り込む所だったのだ。泰蔵が行きかう車をやりすごす間、イタ車は動かなかったが、泰蔵が車に向かって走り出した
途端に白煙を上げて車が発車した。泰蔵を指差して悪者に追われてるとでも説明したのだろう。
 それならばと泰蔵は周りを見渡し、国産のスポーツカーに乗っている女を見つけると、甘いマスクを憂いで満たして懇願した。
「お願い、緊急事態なんや、必ずお礼はするからあの赤い車を追ってくれへんかな」
 事態が飲み込めずにポカンとした女の手を取ってさらにダメを押した。
「君の力が必要なんや」
「わ…わかった」
 泰蔵はGPS位置情報を鷹山達に公開して美世の後を追った。勤務地を離れられない溝口以外はタクシーに乗り込み泰蔵に続いた。
「まずい、愛子さんの所に逃げ込む気だ、美世の口車に乗せられて彼女が味方したら厄介だぞ」
「雛子姉さんとは連絡取れへんのですか?」
「電源が入っていない、カンファレンス中だからな、この先はおそらく渋滞する、�


694:d車に乗り換えて先回りするぞ」    美世と泰蔵は軽い渋滞に巻き込まれていた。車を降りて走れば追いつけなくもなかったが泰蔵では美世を制圧できないので意味がない。しかも運転手を仲間にした以上、警察を呼ばれかねない。 「あの車には誰が乗ってるの?」  運転手の女が聞いてきた。 「両手が血まみれの性悪女や」



695:名無し物書き@推敲中?
15/06/09 15:58:29.64 .net
 女はゴクリと唾を飲んだ。
「大丈夫、追いついてくれたら後は俺がなんとかするし、これ、俺の名刺な」
 泰蔵が名刺をコンソールの上に置くと、女は照れくさそうに笑った。
 京王多摩川駅で降りた鷹山達は多摩川団地にある山田家に走り、愛子に事情を説明してそれぞれ浴室やトイレに隠れた。ベランダに身を隠した鷹山は格子の隙間から駐車場を見下ろしていた。ほどなく
赤いスポーツカーが到着し、美世が降りて来た。運転席に回った美世が運転手と何か話しをした後、発車した車に手を振っている。そして団地の階段に向かって歩き出した美世だったが
途中でピタリと足を止めた。そのまま暫く固まった後、ゆっくりと後ずさってこちらを見上げた。慌てて鷹山は顔を引っ込める。死角を上手く利用して片目だけで様子を見ると、美世は向きを変えて早歩きで
団地の奥に向かって歩き出した。
「ちっ、なんという勘のいいやつだ」
 美世と50mほど間隔をあけて同じく早歩きで泰蔵がついてきた。取り押さえる事はできなくても泰蔵にはそれなりの足がある。見失う事は無いだろう。
「愛子さん、お騒がせしました、どうやら気づかれたようです」
 そういって出て行こうとする鷹山を愛子が呼び止めた。
「美世ちゃんが心配だし、私も行きます」
 愛子が仲間になった。
 
「兄さん俺や、姉ちゃんタクシー拾って南下してる」
「じゃあ膳の女将か茜の所か…いや違う、あっさり手が回りそうな所は避けるはずだ、じゃあ、蘭大医学部付属病院か!」
 ウーゴの親父がキョトンとして聞いた。
「病院で篭城ってどうやって」
 愛子が答える。
「美世ちゃんの事だから適当に入院患者と仲良くなって見舞いに来た人のように振舞うと思う、あそこは付き添いの宿泊が認められやすいし個室に入られたらアウトだわ」
 それを聞いて鷹山が閃いた。雛子の研究室には缶詰め状態になった時のために短期に寝泊りできるだけの環境がある。そこに泊まって自動的に雛子の帰りを待つつもりなのだ。
「というわけで岩見君、ここに美世が来たはずだが」
 病院に入るのを確認した泰蔵と合流して5人は雛子の研究室に来た。白衣に黒縁メガネの弱弱しい岩見は万年助手で雛子のしもべだった。
 直立不動でフルフルと顔を横に振っているが鷹山はビンゴとつぶやいた。

696:名無し物書き@推敲中?
15/06/09 15:59:23.50 .net
「そうか、じゃあ外を捜すか」
 鷹山が少し大きな声で言いうと、玲一が睨みを利かせてずいっと岩見に覆いかぶさり、人差指を立てて口に当てた。
 岩見君が捕虜になった。 
 5人はしのび足で研究室の左右に展開してガラス張りの部屋や机の影に目を凝らした。鷹山が隣の休憩室のドアノブに手をかけた時、ガラガラと窓の空く音がした。
 カギのかかっているドアを力任せに引っ張ってバキリと開けると、ちょうど美世が窓に片足をかけた所だった。雛子のパンツとジャケットを着ている。
 一瞬振り返った美世だったが次の瞬間外に向かって跳躍した。
「おいっ!ここ5階だぞ!」
 慌てて窓にかけよって身を乗り出すと、落差5m、距離も5mほどありそうな隣の建物の屋上でゴロゴロと転がっている。
「くそっ」
 あまり高い所が得意でない鷹山は少し迷ったが、考える事をやめて跳んだ。心臓が飛び出そうな思いをしたが


697:なんとか着地に成功して転がる勢いそのままに立ち上がって走った。  美世は屋上の配管や排気塔をジャンプしたり地面を転げたりしながら巧みに逃走をはかる。鷹山も同じようにしながら、またはより効率のいいかわし方を使い分けながら 徐々に美世に迫った。美世の障害物の捌き方を見ている分判断が早いのだ。二人が走っていた場所はさらに高い建物へと接続されていた。行き止まりに廊下のガラス窓が見える。  素早くカギの状態を見たが開いている所が無い。美世は腕を組むように顔を覆って飛び込んだ。ガッシャーンとけたたましい音をたてて美世は廊下に転がり出た。 「あいつバカ!」  鷹山は残っているガラスに蹴りを入れて落とすと足をかけて廊下に出た。すぐに美世の背中を追って走り出したが廊下に置いてあるストレッチャーや車椅子を後ろに弾き飛ばしながら 妨害してくる。階段を駆け下りる美世の前に下から登ってきた警備員が立ちふさがったが手すりにすとんと座るとサーっと滑り降りていった。追いかけようとした鷹山に警備員が掴み かかり、もみ合いになった。1階に降りた美世はエントランスを目指したが、その時物影から誰かが飛び掛った。激しい腰へのタックルで美世はもんどりうって倒れた。そのまま  後ろから胴体に巻きついて足を絡めてきたのは泰蔵だった。 「捕まえたで姉ちゃん」 「離せ泰蔵、お前ウチに逆らうんか」 「こればっかりは言う事きけん」



698:名無し物書き@推敲中?
15/06/09 16:01:01.83 .net
 美世はギリリと歯軋りすると泰蔵の中指を握って逆に曲げた。
「あいっ」
 思わず悲鳴を上げた泰蔵に厳しい口調で美世が言った。
「離せ」
「いやや」
 さらに美世が力を込める。
「折るで」
「かめへん!」
「言う事聞けぇ!」
「うるさいボケェ!やるならやれやぁ、俺は絶対離さんぞ!」
 泰蔵の声に泣きが入った。さらに嗚咽まじりに泰蔵は訴えた。
「頼むから診察うけれ、うけ、うけてくれぇ…」
 そこへ捜索チームが集まってきて2人を見下ろした。美世は泰蔵の指を離してそっぽを向き、両腕をだらりと投げ出した。
「急性胃粘膜病変やて」
 玲一の言葉に廊下の椅子に座ってうな垂れていた泰蔵が顔を上げた。
「なんやそれ」
「胃潰瘍や、心理的なプレッシャーが急激にかかった時にできるらしいわ、幽門のちょっと横なんやけどな、癖になりかけとるんやて、普段はなりを潜めてるけども
ストレスがかかった時に再発するんやて」
「ああ、昨日はきっつい商談やったもんなぁ、平然として不敵に笑ってるようでもやっぱりおとろしい時もあるんやなぁ」
「そらそうやろ、あれでも女やで、さて、俺は病院の事務局に土下座にいかんならんからお前姉ちゃんについといてくれ」
「悪いな」
 玲一はニヤリと笑ってその巨躯でのっしのっしと歩いていった。
 診察室から鷹山と美世が出てきた。鷹山と一緒じゃないと診察は受けないとダダをこねたのだ。目の前に立つ美世に泰蔵はしょんぼりとしながら言った。
「あの、姉ちゃん俺な」
「すまんかった」
 突然の美世の言葉に顔を上げると美世が進み出た。慌てて立とうとする泰蔵の肩を押さえて美世は言った。
「自分の事ばっかりで必死になってお前らの気持ち考えてなかった」

699:名無し物書き@推敲中?
15/06/09 16:01:39.70 .net
 泰蔵は再び俯くと言った。
「そや無いんや、あのな、姉ちゃん俺らにもっといろいろ打ち明けてほしねん、そら俺らなんか兄さんとちごて頼りにならんかもしれんけども…」
 美世がベンチに片膝をつき、泰蔵の顔に抱きついて言葉を止めた。鷹山は向きを変えると廊下を歩いて去って行った。暫くの沈黙の後泰蔵が言った。
「姉ちゃん乳が顔に当たっとる」
「大サービスや」
「それ拷問て言うんや」
「アホか、これ触りたいやつなんぼでもおんねんぞ」
 またしばしの沈黙が流れ泰蔵がボソリと言った。
「Cカップを盛ってDカップ相当にしとるな」
 パシーンと小気味いい音が病院の廊下に響いた。
 美世は暫く様子を見るために入院する事になった。病室には兄弟達と愛子が見舞いに来て和気藹々とした雰囲気の中、ガラガラとドアが開いた。
「姉さん!」
 ドアの向こうに立つ雛子を見て美世の表情が浮き立った。しかし雛子はつかつかと病室に入ってくると。仁王立ちでズダンと竹刀を床に突き立てた。
「あんた退院したら道場ね」
「ひいいいい!」

700:名無し物書き@推敲中?
15/06/09 17:06:41.05 .net
現実世界で
「ひいいいい!」
なんて言う奴なんて見たことない。
コントだろ。

701:名無し物書き@推敲中?
15/06/09 17:08:00.85 .net
誰も読んでない

702:名無し物書き@推敲中?
15/06/09 17:12:24.62 .net
いや、俺はちゃんと読んだよ。
ざーっとスクロールさせて、止まった最後の一行を、読んだ。
コントだった。

703:名無し物書き@推敲中?
15/06/09 19:53:02.99 .net
これは失敬した。お疲れ様でした。

704:ぷぅぎゃああああああ ◆Puuoono255oE
15/06/10 06:18:35.14 .net
>>663-672
>美世がゆっくりと顔を上げると、鏡に映った美世の目は不安に揺らぎ~
(名前の重複で見栄えが悪いので最初の「美世が」を削ってもよい!)
>美世の声だ。激しく咽ながら涙にぼやける視界で見上げると、カランカランと音を立てて玄関を出て行く後姿が見えた。
(三人称の視点かと思いきや、この一文は鷹山視点になっていた! 少し人称が揺らいで見える!)
>五人は再び散開して~
>5人はあらゆる事象に~
(表記は統一した方がよい!)
>注視する店内の風景の中をを柱や壁が流れていく。
(打ちミス!)
>岩見君が捕虜になった。
(「君」が付くことで特定の人間の視点に見える!)
>突然の美世の言葉に顔を上げると美世が進み出た。
(見栄えの観点で「美世の」を削ってもよい!)
今回の作品を端的に言えば複数の鬼による、鬼ごっこである!
複数の人間に美世はひたすらに追い掛けられる!
急激なプレッシャーを受けて吐血しているはずの美世が胃痛の症状を見せないで猛然と逃げる!
鬼に追い掛けられる状態はプレッシャーにならないのだろうか!
少しくらいは胃痛に苦しむ場面を挟んでも良かったように思う!
場面は目まぐるしく移り変わる! 様々なアクションが書かれていた! 苦手な場面の練習のように思えた!
以前にも指摘した! 速い動きに文字数を費やして反対に読み難くなることがあると!
最初の鷹山の場面に説明過多の傾向は窺えるが読み難いと断定するには至らない!
最後の落ちでプレッシャーを受けて再度の吐血を期待したが、そのような展開にはなっていなかった69点!(`・ω・´)

705:名無し物書き@推敲中?
15/06/10 13:34:30.92 .net
>苦手な場面の練習のように思えた!
バレてるw
>最後の落ちでプレッシャーを受けて再度の吐血を期待したが
書き込んだ後に思いました。
どうもオチが弱いなって事で
ドバっと血を吐いたにすればよかったと思いました。
それにしても荒が多いですね。
ありがとうございました。

706:小ネタ
15/06/10 16:31:49.00 .net
「閑静な住宅街として知られる神戸市灘区で今月に入り、あいついで住民がイノシシに
襲われる事件がおこっています」
「もーぅ気がついたらほんのすぐそばにおっても~恐かったですぅ」
「夜ぅ買いもんから帰って帰ってきょったらな、買い物袋、買い物袋破られましてん、でも命あってのものだねて言いますやろ?袋ほりだして逃げましたわ」
「地元猟友会では山麓での駆除を進めていますが、餌付けする住人がいるため、イノシシが人を恐れなくなっているとの声も上がっています」
 寝転んで足をぱたぱたさせていた美世はポテトチップスをパリっとかじって言った。
「これ玲一の地元やん?」
 ソファーに座っている玲一が答える。
「そや、昔はこない頻繁には出てこーへんかってんけどあぁ」
「お前、今度いつ神戸帰るんや」
「帰るっちゅーか来月ちょっと家寄るけどイノシシなんかよー獲らんで」
「なんでや、お前鹿の首を握りつぶすぐらい余裕やて言うてたやん」
「それアンタがゆーたんや!」

707:名無し物書き@推敲中?
15/06/10 16:33:34.61 .net
>>679
無価値

708:名無し物書き@推敲中?
15/06/10 20:35:12.17 .net
作品に見所があれば感想やアドバイスを書き込む人がいるもんだけど
この作者にはそういうのないな。

709:名無し物書き@推敲中?
15/06/10 23:24:50.52 .net
ワイ杯マダァ-? (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン

710:ぷぅぎゃああああああ ◆Puuoono255oE
15/06/11 06:30:16.45 .net
>>679
続きものか!
>>682
ちょっと忙しいので!
では、出掛ける!(`・ω・´)

711:名無し物書き@推敲中?
15/06/11 07:55:42.24 .net
ワイは今月子として文芸部の幹事だからいそがしいんだよ

712:名無し物書き@推敲中?
15/06/11 17:15:25.20 .net
「仮に鹿やイノシシ獲ってきたとしてやな、誰が捌くんや、俺はそんなホラーはごめんやで」
「お前アホやな、うちらには解体のプロフェッショナルがついとるやないか」
「解体のプロ?」
「姉さんやがな、今まで人間を300体は捌いたって言うてたで、オペした日はレーザーメスで肉が焦げる匂いに刺激されてそのまま焼肉食いにいくほどの猛者や」
「レクター博士みたいやなぁ、見た目はクラリス寄りやのに、そらイノシシ達も沈黙してまうで」
「行ってこいや、神戸行ってこいや、ほんできゅっとすればええねんきゅっと、近所のオバハンも喜ぶで」
「恐い事を可愛く言うなや、突進されたらどないすんねん」
「お前、アメフト現役時代に100kgぐらいのやつ3人まとめて弾き飛ばしたり、引きずったまま走ってたやん」
「そら相手に牙はついてなかったからな」
「ええ事教えたろ、イノシシの雌には牙が無い、狙うならか弱い雌や」
「この人鬼畜に成り下がりよったで、しかしなんでそんな獣が食いたいんや」
「日本が崩壊した時のために備えるんや、自己完結でなんでもできるようにすんねん」
「そういや姉ちゃん島流しになって自給自足する漫画にはま


713:ってたな、あれのせいか」 「まずお前と泰蔵とトモ兄が腰蓑と槍を装備して狩りに行くやん?」 「日本に何があってん!」 「ほんで手足を縛ったイノシシをウッホウッホって言いながら持って帰ってくるやん」 「人格まで崩壊しとるがな」 「それを姉さんが居合い斬りでチャラリ~って捌くやん」 「普通に捌かしたれや」 「そこで料理人のウチが蘇ってきて料理すんねん」 「楽すんなや、後からじゃがいも持って登場して一番華々しいとこ持っていく気か」 「それでみんなで鍋囲んで団欒すんねん、国が滅んでもずっとずっとみんな一緒やねん」 「姉ちゃん…」



714:名無し物書き@推敲中?
15/06/11 17:16:02.74 .net
「でもそんな幸せも長くは続かんねん」
「なんか物語キタ」
「姉さんが天下布武を夢見て魔王と化すねん、姉さんの魔力でお前らも付いていってまう」
「予想以上に話がデカかった!」
「うちは正気を取り戻して元の優しい姉さんに戻ってくれる方法を探す旅に出んねん」
「まさかのファンタジー」
「でも方法を見つけられんまま数年が経って、姉さんはついに巨大帝国の王になってまうねん」
「いや、巨大帝国言うほど人おらんやろ腰蓑つけなあかんほど疲弊しとんのに」
「ウチは決意する、かつてのよしみを利用して近づき、姉さんと刺し違える事を」
「悲しい結末やがな」
「………」
「あれ姉ちゃん?泣いてんのか?」
「なんで、なんでごんなごどなってもだんや~」
「知らんがな!」

715:名無し物書き@推敲中?
15/06/11 20:56:34.04 .net
さすがプロだな

716:名無し物書き@推敲中?
15/06/11 23:25:04.31 .net
わいが書いただけあって会話文がイキイキしている!

717:名無し物書き@推敲中?
15/06/11 23:39:19.57 .net
会話文なのか?
コピペの羅列かと思った

718:名無し物書き@推敲中?
15/06/12 00:28:48.78 .net
すまん、ざっと見ただけで実は読んでない。
なんだよワイ、コピペすんな

719:ぷぅぎゃああああああ ◆Puuoono255oE
15/06/12 05:52:00.05 .net
>>685-686は>>679の続きなのだろうか!
作者が書いたようにも思えるが、会話文の羅列に少し引っ掛かる!
内容としては悪くない! 各キャラクターの特徴を活かしていた!
ただし予備知識を必要とする内容なので単体として評価すると点数は少し下がる!
予備知識込みで71点のところを下げて68点とする!(`・ω・´)

720:名無し物書き@推敲中?
15/06/12 06:24:42.02 .net
こんなやりとりをワイはいつまで続けるの?恥ずかしくない?

721:記憶喪失した男
15/06/12 07:14:59.56 .net
ぷぅぎゃああああああよ、おれは第三回星新一賞に二作応募した。
おまえが低評価した作品が受賞するのを心して待つがよい。

722:名無し物書き@推敲中?
15/06/12 14:36:21.85 .net
『台所の神様』
 昨晩の焼き肉はほんま美味かったなあ。肉体的な疲れも、よりいっそうおいしく、感じさせてくれたんやないやろか。そや、タレの工夫もしっかり活きてたでえ。
 だがなあ、わいは思うんよ。牛肉でグラム七百円は上質とはいえない、とね。ゆーても牛はグラム千円を超えてからが本領発揮や。ま、これはわいの百パー確実な経験則なんやけどな。んでもって鶏や豚なら、そら、ま、グラム七百円でも上質の部類に入るやろ。
 あと残念でならんのは、グラム千円以上の、そこまで高い牛をおいている店がほとんどあらへん、ちゅうこっちゃ。かといって通販となると、通販は頼んでから届くのが遅すぎる。わいは食欲に駆られたとき、そんとき即座に食べたいんや! そうせな、美味さは半減や。
 わいの近所には、鶏舎はあるが、豚舎はない。鶏にしても白色レグホンなので卵取るのが主なんやろな。そや、きょうの朝食はシンプルに卵かけご飯にしたろか。お味噌汁も付けたるわ。と思たけど、もう朝飯の時間でもないやん。
 ならちょっくら休憩で緑茶でも淹れたるわ。茶請けは梅おかきがええな。でもまあもうすぐ昼食や。昼は冷たい蕎麦を食べたい気分やな。外食はそれなりの時間を要するから神様に祈りながら台所でも漁ってみるわ。ほなな。

723:ぷぅぎゃああああああ ◆Puuoono255oE
15/06/12 16:48:39.75 .net
>>694
戻って来なくてよい!(`・ω・´)ノシ お達者で!

724:名無し物書き@推敲中?
15/06/12 17:08:30.81 .net
>>691
点がついたw
小ネタの続きです。

725:名無し物書き@推敲中?
15/06/13 00:07:37.89 .net
『ゼロ――なにもしない自分に小さなイチを足していく』
 大事なことは掛け算ではなく足し算だ。ゼロに何を掛けたところでゼロのままだ。つまり才能のない人間、才能がゼロの人間は、何をやってもゼロのまま。
 だから僕は、小さなイチを足していく。僕はなにもしない。小さなイチをかき集めてはそれを足していく。どんどん、どんどん、増えていく。フォロワー数も、メルマガ登録者数も、どんどん、どんどん、増えていく、カネが、マネーが、サツタバが。ウホウホ、おいひい。
 しかし最初の一つを積み上げることが非常に困難だ。積みあげようとして潰されることもあるし、せっかく積みあげても崩されることだってある。
 なにより難しいことは、最初の一つを積みあげようと考えることだ。まず考えて一つ目の奴をきちんと選べなければ、スタートラインに立つことすらできない。
 ゴーストライターは彼にしよう。表紙は彼に描かせよう。ステマ宣伝マンはあいつとあいつ。しかしカネだ。誤解を恐れずにいえば人の心はカネで買える。女もカネについてくる。
 逆に、カネで買えないものは、差別につながる。血筋、家柄、毛並み。世界で唯一、カネだけが無色透明で、カネこそフェアな基準ではないか!
 ようはカネの動かし方だ。大衆の7割はバカで無能。だから3割の人間をカネで扱きつかい、7割のバカからカネを巻きあげる。
 カネの力でできないことなど何もないのだ。それに気付けずに、自分の人生はこんなもんだと思い込んでしまい、小さくまとまってしまう人も結構いる。カネだ、カネだ、カネ! だがそれを前面に出すとやはり逆効果。
 逆効果になるから、逆に僕はなにもしない。でもなにもしない自分に誇りをもつこと。そんな自分に小さなイチを足していけばいいだけの話なのだから。

726:ぷぅぎゃああああああ ◆Puuoono255oE
15/06/13 04:02:48.90 .net
作者のオリジナル文章を随時募集中!(`・ω・´)

727:名無し物書き@推敲中?
15/06/13 20:03:16.81 .net
>>697
うまい!

728:名無し物書き@推敲中?
15/06/13 20:13:10.44 .net
このスレからの卒業♪

729:名無し物書き@推敲中?
15/06/13 20:35:50.92 .net
『読書階級』
 僕の経験から導きだした法則によれば、小説の読者というものは、たいていはその小説の筋を読んでいる。
 その次に、小説の中に描かかれた生活に憧れをいだいている。これにはやや不思議な気がしてならない。
 げんに僕の知っている人で、ずいぶん経済的に苦しい暮らしをしていながら、金持ちばかり登場する通俗小説を読んでいるのがいる。のみならずこの人は自分に近い生活を書いた小説にはぜんぜん興味をもっていない。
 第三には、それとは反対に、その読者自身の生活に近いものばかりのものを求めている場合であるけれども、僕はこれを必ずしも悪いこととは思っていない。
 ただ、読者のこの三つの心持ちは、同時に僕自身のうちにも存在している。僕はストーリーの面白い小説を努めて愛読している。それから僕自身の生活に遠い生活を描いた小説を読まないこともない。そして僕自身の生活に近い小説を愛読していることは無論のことである。
 しかし小説を読んで、僕の評価を決定するものは、それらの気持ちではない。もし僕が(読者として)世間一般の読者と違っているとすれば、以下の点にあると思っている。
 なにが僕の評価を決定するか、といえば、感銘の深さ、とでもいうほかはない。それにはストーリーの面白さとか僕自身の生活に遠いとか近いとか、そういったことはいっさい関係ない。もちろん幾分かは影響しているだろうが、しかしほかに何かがあると固く信じている。
 この何かに動かされる読者の一群が、つまり「読書階級」と呼ばれるものではないだろうか。あるいは「文芸的知識階級」と呼んでもよいだろう。
 そしてこういう階級はあんがい狭い。おそらく西洋よりも一層狭いだろう。僕は今、こういう事実の善悪を論じているのではない。ただ事実として、ちょっと話しただけである。

730:ぷぅぎゃああああああ ◆Puuoono255oE
15/06/13 20:41:39.56 .net
>>701
学習能力がないのか!
作者のオリジナル文章を随時募集中!(`・ω・´)

731:名無し物書き@推敲中?
15/06/13 20:42:23.31 .net
>>697
>>701
おまえに足りないのは読者に対するサービス残業だ。

732:名無し物書き@推敲中?
15/06/13 20:42:49.23 .net
>>702
お前に足りないのは恥じるこころだ。

733:名無し物書き@推敲中?
15/06/13 20:43:37.50 .net
俺に足りないのは嫁さんだ。

734:名無し物書き@推敲中?
2015/06/14(日


735:) 00:11:13.21 .net



736:名無し物書き@推敲中?
15/06/14 00:14:16.18 .net
ts

737:名無し物書き@推敲中?
15/06/14 00:15:21.26 .net
書けた!
でもネタがない!

738:名無し物書き@推敲中?
15/06/14 13:48:39.50 .net
『メディアワークス』
 おはよう。マクドナルドで朝マックしてきました。ソーセージマフィンを食べながら出版産業のことについて考えていたんだけど、それをちょっと書いてから、プロットを考えたい気分なので、これから書きます。
 いちおう僕は東京にあるデザイン事務所で働いていたことがある。非正規雇用者がたくさんいる職場で、ライター、カメラマン、スタイリスト、デザイナーなど、フリーの人達が、雑誌なら雑誌の、それぞれのパートを務めて、一冊の雑誌を作り上げていた。
 僕は統合失調の症状が出たのでそこをまるで逃げるように辞めて、なんとか地方の印刷屋で拾われて、DTPオペレートと、たまにデザインで、数年前まで、苦しいけど楽しい仕事をやっていた。
 その頃はまだ紙媒体も印刷に関しては印画紙とか製版フィルムとか使用してやってたんだけど、となり町からデザイナーのSさんが訪ねてきて、
 「東京の出力センターだと使い勝手が悪いので、ぜひお願いします。」
 ということで、それからは僕がインターネットでデータを受け取って、イメージセッターで印画紙にして、時間を合わせて即納、という東京の出力センターではできないことをやっていた。
 で、その印画紙というのは、みんなの憧れメディアワークスの広告物の版下だったということだ。Sさんもその後順調に仕事を増やして東京へ出て事務所を構えたようだけど、紙の出版は急落しているから、この先やはり心配である。
 デザイン業に就労するということは、いずれ独立を視野に入れて、名のあるラーメン屋で弟子入り修行するとか、美容院で腕を磨くとか、そういう徒弟制の、家内制手工業に就くようなものだろうか。
 大学に行って就活し就職というのも一般的なことだろうが、デザイナーの場合は実際に使える実力をつけてから独立とかフリーランスになっていく人が多い。また専門学校や美大を出てもやはり使える能力が必要不可欠だ。
 と言う訳で、書き足りないけど、考えたことを気の向くままに書いてみた。雨が止んだようなのでバイクで、珍来のチャーハンか定食か決めてないけど、食べてきます。
 開店は19時くらいっすかね。まあちょっと忙しいんですけど、2ちゃんねるも楽しいし、悶々です。それでは行ってきますです。

739:ブルーアイリス ◆1pVQTmlaVU
15/06/14 15:42:28.25 .net
>>709
こらこら、オレの一人ごとをコピペするんじゃない。
すいませんねー、ネットストーカーがまだ居るようです

740:ぷぅぎゃああああああ ◆Puuoono255oE
15/06/14 15:44:26.88 .net
>>709
去るがよい!(`・ω・´)

741:名無し物書き@推敲中?
15/06/15 17:19:28.99 .net
「も、泣きなはんなや、妄想なんやしなんかええ方法あるんちゃうん牧場のプリン食べさせたら正気に戻るとか」
「ほんまに?」
「いや知らんけども、そこは姉ちゃんの匙加減ちゃうん」
「ほなプリン食べさせたら機嫌が直ったとしてやな」
「八つ当たりで帝国築いてもたんかいな!そこは呪いが解けたかなんかやろ!」
「築いてしもた帝国はもうどないもならんからそのまま国民を大事にしながらみんな仲良く一緒に暮らせたらええなぁ」
「姉ちゃんはあれやな、今が幸せすぎて破局が恐いんやな」
「実はそやねん、なんか悪い事がおきて今が壊れてしまうのが恐いねん」
「ええ事だけ考え�


742:ネはれや、メジャーで活躍して帰って来た山田君と姉ちゃんが結婚するやろ?」 「あほかぁ!」 「イタイイタイ、ほんで姉さんと兄さんも結婚して俺らもそれぞれ落ち着いて子供できるやん、そしたらマンション建ててワンフロアにみんなで住んだらええねん」 「それええなぁ~、あれ?でもお前らの嫁が気に食わんやつらやったらどないなんねん」 「それは~、もう女同士で解決してくれや」 「そんなんアカン、お前らの嫁はウチが選ぶ」 「そんな横暴な」 「まずお前は新宮亜美な」 「願ってもなっ!いやけど相手の気持ちもあることやし」 「ほんで泰蔵は田中フローレンスな」 「あんな姉ちゃんみたいな人きっついなぁ、ちょっと見いひんぐらい綺麗やけど」 「お前喧嘩売っとんのか、あいつは激しいけど裏表が無いんや、そやから喧嘩しもってでもやっていけんねん、泰蔵やったらうまい事手のひらで転がすやろ」



743:名無し物書き@推敲中?
15/06/15 17:20:10.85 .net
「泰蔵とフロはんが結婚したら一体どんな子供が生まれるんや~」
「確実に大阪弁の子供やろな」
「そこかい!いやさぞかし綺麗な顔してんのやろなーってそこを言うてんのや」
「そや、儲かりまっかて言うてる綺麗な子や」
「嫌な子供やがな、そっから離れろや、まず生まれてくる所からやろ」
「まいど!って生まれてくるわ」
「嘘つけぇ!」
「お前と亜美でもええ線行くと思うで、もし女の子やってみい、それはそれはかいらしい女の子になるで」
「そ、そやろか」
「身長2mやけどな」
「なるかぁ!おっとろしいわ!」
「まあ、モデルさんみたいな体型になるやろな」
「最初からそう言うとけや」
「想像できんのがトモ兄と姉さんや」
「何がやねん」
「もし姉さんみたいな男の子か女の子ならまあ大成功や、トモ兄みたいな男の子でもまあセーフや、問題はトモ兄みたいな…」
「………」
「俺がなんだって?」
「わあああ!玲一お前何言うてんねん!鬼瓦みたいな女の子て!」
「言うてない!考えたけども言うてない!」
「考えんなや!」
「姉ちゃん言うてもてるやん!」
「お前ら何を言ってんの?」
「あれ?話し聞いてなかった?」
「何がだよ」
「ほななんでもないわ、とにかくトモ兄ドンマイ」
「だから何が!」

744:名無し物書き@推敲中?
15/06/15 21:31:22.26 .net
よっぽどワイの嫌いな改変の方がマシなんだけど。
あー、こっちはワイが書いてんのか。

745:ぷぅぎゃああああああ ◆Puuoono255oE
15/06/16 05:08:59.05 .net
>>712-713
会話は活き活きとしているが、この文章だけで人物を理解するのは難しい!
山田君は美世シリーズの初期の頃の人物、だったような気がする!
確か山田の窮地を美世が腕っ節の強さで救ったと記憶している!
今回の会話文は泰蔵と玲一の判別が難しい67点!(`・ω・´)

746:名無し物書き@推敲中?
15/06/17 10:10:02.29 .net
>>710
ネットストーカーはお前だろ、消えろクズ。

747:名無し物書き@推敲中?
15/06/17 10:10:58.58 .net
このスレも中島にこそこそロムられてるのか。

748:名無し物書き@推敲中?
15/06/17 13:59:53.52 .net
ワイ杯マダァ-? (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン

749:名無し物書き@推敲中?
15/06/17 15:05:12.98 .net
このスレからの卒業♪

750:ブルーアイリス ◆1pVQTmlaVU
15/06/17 15:43:13.78 .net
「ポピーオイルの匂いに引かれて」
氷室冴子は高校を進路未決のまま卒業してしまった。美術大学を受け、二校受けて
両方とも不合格だった。専門学校という滑り止めを考えていなかった。大学には
受かるだろうという、自分の美術の成績に自信があったからだ。6月、答えは出ない
まま、冴子は自宅の部屋に居た。自分の部屋のイーゼル、イタリア製の堅実なデザ
インのそれは父が手配して買ってくれたモノだ。組み立て式で半日掛けて冴子が
組み立てた。白いF15号のキャンバスが掛かっている。まだ木炭でも鉛筆でも
下描きを始めていない。
「さてと、どうしましょうか」
と、呟くと、上着を羽織って、家の玄関を出た。自転車に乗って、春日部駅西口の
文房具屋を目指す。何を買うか、と言うと油絵の溶き油を買うためだった。高校
在学中に美術部で活動していた時は、油絵の具の溶き油は初心者向けのペインティング
オイルを使っていた。高校を卒業して、進路未決にしてしまった冴子には十分な時間があった。
時間はある、と言ってもゴールの見えない迷い道に入った時間だから、何か達成感や充実感のある
時間では無い。それでも高校三年間に培った油絵を描く、と言う所作は体に染みついていた。真白い
キャンバスには、だから、冴子の持つイメージが、すでに彼女自身の脳に固定されている。その確固
としたイメージをアウトプットするのに、冴子は新しい画材を探して当てはめていく意志を持つよう
になった。それで、春日部ではただ一件、油絵の具を扱う文房具屋へ行くことにしたのだ。春日部
西口まで一駅分はある距離を冴子は楽しみながら走っていた。清和高校へ通う通学路は、田んぼの中
を走っていったが、今回は春日部の町中を、いくつもの正解のある迷路を抜けるように走って行った。
程なくして冴子は文房具屋に付き、油絵のコーナーの溶き油の棚を見て、オイルの見定めをした。

751:ブルーアイリス ◆1pVQTmlaVU
15/06/17 15:43:41.98 .net
「もうおしきせのペインティングオイルはつまらないわ」
と、リンシードオイルとポピーオイル、二つを取り出して、瓶のラベル横の但し書きを読む。
ポピーオイルは乾燥が遅いが、透明性と堅牢性があり、リンシードオイルは乾燥はポピーオイル
より早いが、黄変する特性がある。油絵のマチエールと言う本で予備知識を仕入れていた冴子は、
どちらにするか迷った。
ポピーオイルの蓋を開け香りを嗅ぐ冴子。
「あ、この香り、油絵の具の匂いらしい。こっちしよう」
と、ポピーオイルの購入を決めた。
(乾燥に時間が掛かるみたいだけれど、そんなに急ぐ制作じゃないから。
なによりこの香りが油絵描いてるって感じになれるかしら)
そう思いながらレジに行って精算を済ませ店を出た。帰りもまた自転車を漕いで、
古利根川沿いの道を走っていく。6月の緑は梅雨の雨に濡れ、鮮烈だった。
(私は自由、描きたいモノを描く。描きたい内は)と思いながら家に帰っていった。

752:ブルーアイリス ◆1pVQTmlaVU
15/06/17 15:45:23.93 .net
ちょっと掌篇ぽく裏設定ナシでかなり説明を入れて掌篇として読める様に
してみましたが、話に盛り上がり欠けますが、評価よろしくお願いします

753:名無し物書き@推敲中?
15/06/17 16:02:00.11 .net
キ・エ・ロ!

754:名無し物書き@推敲中?
15/06/17 16:06:34.03 .net
(・エ・) あ、みつかっちゃった・・・

755:名無し物書き@推敲中?
15/06/17 16:10:31.04 .net
2ちゃんねるの申し子、中島か。

756:名無し物書き@推敲中?
15/06/17 16:11:18.68 .net
>>715
ありがとうございます。
泰蔵は一連の会話に参加してませんでした。
いつも2人一組だからわかり辛かったですかね。
山田は雛子の暴力禁止令発令中に路上でボコられてる所を口八丁で救いました。

757:名無し物書き@推敲中?
15/06/17 16:22:14.66 .net
六月になったら忙しくなるの中島さんは各スレで益々のご活躍ですなw

758:名無し物書き@推敲中?
15/06/17 16:24:57.59 .net
場末のバーもとい隔離スレへ戻れよ基地外。

759:ブルーアイリス ◆1pVQTmlaVU
15/06/17 16:50:05.46 .net
>>727
いそがしいよ。お陰で少ない時間で集中力があるから、こういう文章の
リハビリもやってるよ

760:ブルーアイリス ◆1pVQTmlaVU
15/06/17 16:53:52.03 .net
16:02 16:10 16:22 16:24

平�


761:﨎�曜のこの時間。暇なんだなー



762:名無し物書き@推敲中?
15/06/17 19:47:34.21 .net
『文士の日常』
 朝は八時過ぎに起床。夜は零時前後に寝るのが普通である。昼食後一時間くらい、うたた寝をすることがあるが、これをすると頭の調子がとてもいいように思う。
 出不精であんまり出掛けないが、時々散歩はする。たまに所用で外に出ざるをえない事態がないこともない。またいさんで誰かに会いに行くこともあるが、年始とか盆とかのばかげた廻礼は、絶対にしない。そんなことする必要はないと考えている。
 執筆する時間はべつに決まりがない。朝することもあるし、午後や晩にすることもある。長編小説も分量を決め、毎日少しずつ書き進める。書き溜ためたりすると、どうもうまくいかない。やはり一日一回で筆を止めて、あとは明日まで頭を休めておいたほうが、うまくいく。
 一気呵成というような書き方はしない。一回書くのにたいてい三、四時間かかる。しかし時には朝から深夜までかかっても、それでもうまく出来上がらないこともある。
 時間がじゅうぶんにあると思うと、やはり長く時間がかかる。午前中に切り上げるぞと思って臨むと、ふしぎとその制限した時間内で出来てしまうものだ。
 障子に日射しのさした場所で書くのがいちばんよいが、いまの家ではそんなことも望めないから、たまには日の当る窓辺にノートパソコンを持ち出して、頭から日光を浴びながら筆を取ることもある。
 あまりに暑い日には麦藁帽子を被かぶって書くようなこともある。こんなふうにちょっとした趣向を凝らして書くとよくできるようである。まあおしなべて明るい場所がよい。
 パソコンはアップル社のノートパソコンで、テキストエディットという付属のアプリケーションを使用している。標準テキストで縦書き表示もできるが、通常は横書きで書いている。べつにこれでいいと思って使っているので問題は何もない。
 幾度となく眼を走らせるのでフォントが重要だと思われる。游明朝体がたいへん見やすくちょうどよい。筆を執るというが、鉛筆や万年筆で原稿を書いたことは、未だ一度もない。

763:ぷぅぎゃああああああ ◆Puuoono255oE
15/06/18 05:30:02.59 .net
>>720-721
>美術大学を受け、二校受けて両方とも不合格だった。
(一読した時に若干の読み難さを覚えた!)
ワイの場合
 美術大学を含めた二校を受けて両方とも不合格だった。

>「あ、この香り、油絵の具の匂いらしい。こっちしよう」
(口語体で地の文の補足をしているような硬さが見られる!)
ワイの場合
 「あ、この香り、油絵の具っぽい」
(両方の溶き油を比べた状態! 一方に決めた時点で「こっちしよう」と云う部分は不要になる!)

>(乾燥に時間が掛かるみたいだけれど、そんなに急ぐ制作じゃないから。
>なによりこの香りが油絵描いてるって感じになれるかしら)
(心の声の内容が重複に思える! 地の文で二種類の溶き油の説明をした! 十分に時間があることも書いてある!
 口語体で油絵の具を好むことも窺える! 従って心の声を全て削っても問題ない!)

間違いではないが地の文に「だから」が挿入されると口語体のように見える!
これはワイの感覚的な問題なので聞き流してもよい!

文房具屋に行く時には町中を通った! 帰りは古利根川沿いの道を走った!
道を変えた理由は書かれていなかった! 絵に絡めた何かしらの文が欲しいところ!

不要な説明と必要な説明の区別が付いていない段階で全体的に文章は荒い65点!(`・ω・´) もう少し推敲に時間を割いた方がよい!

764:名無し物書き@推敲中?
15/06/18 13:50:51.96 .net
前のより格段に自然になったと思ったけどなあ。不要な固有名詞は避けたほうが無難だが

765:名無し物書き@推敲中?
15/06/18 16:41:05.2


766:7 .net



767:名無し物書き@推敲中?
15/06/18 16:41:46.17 .net
「はいプレゼント」
「ありがとー」
「すいません」
 母親が頭を下げながら去っていくと、田中は姿勢を正して腕組みをしながら美世を睨んだ。
「どや!」
「お、おう、完全に日本人やなロレンス田中」
「アラビアみたいに言うな!田中フローレンスや!」

「ほんで、何しにきてん」
 美世が紅茶を出し終えて鷹山の隣に座った。
「何しに来てんてご挨拶やな、わざっわざ東京くんだりまで会いにきたったのに」
「嘘付けぇ、お前がウチに会いに来る名目だけで来るわけない、なんかの目的にウチを利用しようとしとんのか」
「はいはいきたこれ、ショウネが腐っとる人間は他人まで同じやと思いよる」
 田中は冷めた声と目で美世に言った後、急に前かがみになって卑屈な態度で鷹山に顔を向けた。
「どない思います?トモ兄さん」
「気安く呼ぶな!お前は鷹山様と呼べフロイライン田中」
「ドイツ人みたいに言うな!あとウチはイギリス人でもないで」
 そう言って紅茶をシュパっと指さした。
 「ウチは緑茶しか飲まん!」
「嘘付けぇ、お前丸ビルに初めてスターボックスが出来た時先頭に並んでたやんけ」
 田中は悔しそうな顔をしながら声を詰まらせた。
「おいおい美世、せっかく遊びに来たんだからそんな態度は無いだろう、彼女は俺の事知ってるみたいだから彼女の事教えろよ」
 鷹山はわざと美世を咎めるような口調の後に田中に愛想よくわらった。田中も笑い返すと再び美世を見て仏頂面で言った。
「ほれみてみい、お前みたいな化け猫の飼い主とあってさすがに人格者やで」
「ちっ、ああ~もう」
 美世は面倒臭そうに頭をぽりぽりとかきながらだらしなく言った。
「えーとなんやったっけな、最初は天王寺の毛唐が多い高校に通ってたこいつが、ウチらになんくせつけてきたんや、それ以来何かとウチに張り合うてくんねん」
「何をええように言うてんのや、最初はおんどれの取り巻きのジャガイモみたいなイチビリが、事もあろうかウチにナンパカマしてきよったんやろがい、しかもLA青春白書風に」
「それをオドレがシバキ倒してスクラップにしたんが元やろがこのドヤンキーが!」
「ウチはニッポンジンや!」
「そのヤンキーちゃうわ!」
「まあまあ二人とも、ちょっと落ち着こうか」

768:名無し物書き@推敲中?
15/06/18 16:42:28.82 .net
 二人が黙って睨み会った所で鷹山が苦笑いしながら言った。
「つまり二人は高校以来の友達と」
「友達ちゃうわ!」
 二人が声を合わせて同時に鷹山に顔を向けた。

 すぐにでも追い出さんばかりの美世の態度に、とりあえず昼ごはんでもと言う鷹山のとりなしで三人で食卓を囲むことになった。しかし出された食事を見て田中は固まった。
 おかずはともかく手前にある味噌汁、ご飯、納豆のセットを見て絶句している。顎を上げて目を細めた美世がいやらしい笑顔で見ている。
「どないした、ニッポン人なら誰でも馴染み深いもんばっかりやで、遠慮せんで食べなはれや、外人さんならちょっと苦手なもんも混じっとるかもなぁ」
 料理を見つめていた田中はギロリと美世を睨むと箸を取って素早く手を合わせた。
「頂きます!」
 そしておもむろに納豆に醤油をたらすと、グリグリとかき混ぜた。
「辛子もどうぞ」
 美世が辛子のチューブを差し出したが、田中は美世を一瞥すると一気に納豆を口の中に掻きこんだ。
「うっぶふっ」
 口いっぱいに納豆を頬張りながら涙ぐんでいる。鷹山は溜息をつきながら関わる事をやめて食事を始めた。その時田中がガバっと立ち上がり、流しに駆け寄って倒れこんだ。
「ぐええええ」
「あらあら、外人さんにはちょっとお口に合わんかったようで」
 田中がガバっと振り返って怒りの表情を浮かべながら箸で美世をビシっと指した。
「ほならお前は食えるんか!」
「あほか、そんなもん日本人以前に人間の食いもんやないで」
 美世は同じ色の器に盛られた冷奴を悠然と食べていた。
「な……」
 驚愕の表情でわなわなと震える田中に美世が言った。
「納豆あかんのやったらゆうてくれはったらよかったのに」
 美世はおもむろにテーブルの端に布を被せてあった小鉢を手に取って田中の食卓に出した。
「どうぞ、おあがりやす」
 すまし顔の美世に鷹山が痺れを切らして言った。
「お前らしくないぞ、なんだその鬼姑みたいな仕打ちは」
 鷹山が少し怒っている空気を感じ取って美世がしょぼんとなった。
「ごめん、ちょっと調子乗った」

769:名無し物書き@推敲中?
15/06/18 16:43:25.59 .net
「とにかく、食事が済んだら二人で買い物でも行って仲直りしてこい」
 すると田中がぱっと明るい顔になって言った。
「ウチビッグサイト行きたい!」
 鷹山と美世は田中を見て少し固まった後、顔を見合わせた。

「来てみたはええものの、なんやねん新エネルギーエキスポって、何がおもろいねん」
 二人はザワザワと人で賑わうビッグサイト内のブースを並んで歩いていた。中には様々なブースが建ち並び、よくわからない器械やボイラーの断面図等が展示されている。
「これからはエコやがな、クリーンエネルギーの事を考えてウチ�


770:熬n球に貢献すんねん、そういう志を同じくする同志が世界中から集まってきてんねん」  美世は腕組をみして懐疑的な目で横の田中を流し見てから顎をしゃくりあげた。 「ふーん」  すると通りかかったブースから図解のパネルを持った営業が進み出てきて半ば前に立ちふさがった。女二人組みだが、こんな所にいるのはどこかの会社のマーケティング担当しか居ないはずだからだ。  しかし何を思ったかその日本人の営業は田中に英語で話しかけた。 「クッジュヒアザセールスピッチマダム」  二人はピタリと足を止めて男を睨みつけると同時に吼えた。 「フロは」「ウチは」 「ニッポン人や!!」  驚いて後ずさった男を尻目にお互いにわずかに顔を向け、冷めた目で見つめあった後、鼻で笑った。そして二人同時に歩き始めた。  田中は会場の奥に入るにつれ、美世より少し後ろにさがってきょろきょろするようになった。美世は気配でそれを感じて田中が何を しようとしているのか怪しんだが、特に指摘する事もなく歩いた。すると突然田中が立ち止まる気配がして美世は振り返った。  どうしたのだと声をかけようとして田中の顔を見てその言葉を飲み込んだ。この世の終わりを見るような悲壮な目で一点を見つめている。  美世も振り返ってその視線の先を見た。プラチナブロンドの初老の男性が自社製品について見学者に説明している。見学者が去り、実演セットを 男性が片付け始めたのを見てもう一度田中に振り返ると、視線だけを美世に向けて暫く固まった後、蚊のなくような声で言った。 「ちょっとまっとって」



771:名無し物書き@推敲中?
15/06/18 16:43:51.48 .net
 そしておずおずと歩き出したが足は震えている。ゆっくりゆっくりと歩いていき、やがて男性の手前で立ち止まると手を止めた男性が顔を上げた。
 そしてみるみる表情を変えると男性はゆっくりと田中に歩み寄った。そして両肩に手をかけると確かめるように全身を見回し、そしてゆっくりと
しかし力強く抱きしめた。半ばぶら下がるように抱かれた田中の肩はしゃっくりでもしているかのように揺れている。体を離した二人は何か情熱的に会話をしているようだった。
 しかしやがて男性がチラリと美世に視線をやると、田中が振り返って戻って来た。そしてもじもじとして申し訳無さそうに口を開こうとしたが、美世が先に言い放った。
「何時に迎えに来たらええねん」
 驚いた表情に変わった田中が口を開けて二三度ぱくぱくした後言った。
「あ、あんな、電話するとかではあかん?」
「お前ウチの電話番号知らんやろが!」
 そういって美世は鞄から名刺入れを出してバシっと押し付けた。
「泊まる時も電話せえ!」
「……わかった」
 憮然としたまま回れ右をした美世の背中に田中が小さい声で言った。
「おおきに」
 美世は足早に歩きながら考えていた。田中にはハーフの母親がいたが、父親は純粋な白人である事はそれとなく聞いていた。しかしその所在については
話す事はなかった。面白くもない見本市に来るために運転手をさせられた意味がようやく理解できた。
「くそ、やっぱり利用されてもとるがな」
 晩御飯に予定していた田中の好物のちらし寿司は手間がかかるため中止にしたかったが、田中が戻る可能性がある以上用意せざるを得ないだろうと美世は舌打ちしながら買い物に向かった。

772:名無し物書き@推敲中?
15/06/18 19:18:35.87 .net
  ,彡ニ三三三三三三三ニ=ヾ;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i;:;:;:i'
  ,彡ニ三三三三ニ三三ニニ;〃ヾ、;:;:;:;:;:;::;:;::;:::;:/;:;:/
 ,彡彡,'',ニ=ミミミ三三三三ニニ彡  `゙゙''ー-、;:;:;:;/;:;/
 ',彡'/ r' ノヽヾミ三三三三三彡'   _,,,,,,、ヽ;:;ィ''|
  彡'|.|(‐'''" 'iミニニ三彡"´ ̄     `゙゙ー'  ;;;:|
.  彡i、ヾ ('  ヾミニ三'          __,,、 ....ノ   /
  彡ゝ `'' "  |ミミミ'       ‐'"ひi,;'´  ,ィ;;ァ'
   '彳`ー‐i  |ミミミ'          `゙ーシ'   |、ニ'
 --、/    i  |ミミ         .,,r‐''"   | ノ
 く'ノ    :i  ミミ         ´  ., '   |'
 、\     .l  ヾ            .ノ(_,,、.   |
 :\ヽ,   ヽ          /   `t‐一'
 ::::ヽ ヽ   `::.       ,; '      .:i
 :::::::ヘ ヽ    `::.        ''"⌒゙''一ノ
 ::::::::::ヘ.ヽ    ヽ、       ` ー'ーノ
 ::::::::::::::ヽヘ     `ー┬‐一;;''""´
 \、:::::::::ヽヽ      /::ヘ ) `゙'ー、_
 〃`゙ー、;;;;\\   /i:::::::丿 ' , ' , '`゙ヽ、

773:名無し物書き@推敲中?
15/06/18 19:20:24.35 .net
              -ー=-‐ 、__
          , r '"        ヽ,
          l             ' ,
         /   三ニ=ー-'`=ニiiiiiiiiiiil
        /  ニ'"       `ヾiiiiiiii|
        /  ニ'           'liiiiii|
       ,l   |,r=-;.,_   _,、-=-、|iiiiil
       l  .il .,rェェ、_" :;"ェェ j  |iiiiiil
       | . i| ,,     :;   ,,  iiiiiiil
       ,|   il,    , :: ,    liiiiiill
       l   iil,    ` '      ,|iiiiiiii|
      /     l、  ー- -,ー   イiiiiiiiiill
      /      iゝ、  ̄  /|iiiiiiiiiiiil
     /      i| `ー- ' " ,liiiiiiiiiiii|

    クソスレータ・テルナー[Qtosleata Telnault]
         (1946~1992 イタリア)

774:名無し物書き@推敲中?
15/06/18 19:40:17.20 .net
:;:;:;ヽ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ノ:;:;:;|゙ヽ、
:;:;:;:;:;ヽ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;/:;:;:;:/::::::::\
:;:;:;:;:;:;:ヽ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;/:;:;:;:/::::::::::::::::\
、:;:;:;:;:;:;:;ヽ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/:;:;:;:;/:::::::::::::::::::::::ヽ
. ヽ:;:;:;:;:;:;:;ヽ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;/:;:;:;:;:;:/ヾ,::::::::::::::::::::,f'''ヽ、
  ヽ:;:;:;:;:;:;:;:ヽ:;:;:;:;:;:;/:;:;:;:;:;:/  .`ー:、:::::::::::l lヽ ヽ
   ヽ:;:;:;:;:;:;:;:ヽ,ィ'゙:;:;:;:;:;:/         .>,<::::t ヒ 〉゙i
    't ̄ ̄ ̄ヘ:;:;:;:/   ,.:ィ‐==ヽv'ィ′ゞ:::ゝ、/ j:、
     ヾ------''゙   ,.ィ'´: : : : : : :ヽ.  \::、 人)\
      ゙t゙t   _,,.ィ"(: : : : : : : : : : i     ヾ: Y  i\
       ゞ>=''"'''''ヽ^'ゝ、: : : : : : :ノ     : : :゙i, .l j \      
         f´ : : : : : :゙i  `゙`''''''''''"      : : : :゙i l !j' `ヽヘ
        ヽ: : : : : : :.l゙:.  ,r-:、        : : : : :li,!,!  /  \
         ゝ、: : : ,ノ t  ,;:::;ノ;,,,,;;:::::;;;,,  . : : : : ノ,/ /     \
          ``ヾ′ `ー,.r;;;;;;;;::-‐'ヲ'''' . : : : : ://i ,r'" ,.r-ー―-=::、ヽ、
             `ヽ、:;;;;;;r''_,,.ィ',ノ′ : : : : : /イ i,/ ,/         ``ヽ
              ゙ヾ:;:'‐-=''"_,,_  : : : :,/'// / /
                ヽ、 '´ .`  :,:ノ  //',/
                  `ヽ、  ,.,.ィ'´   / /
                      `~/ ヽ、 /ノ

775:ぷぅぎゃああああああ ◆Puuoono255oE
15/06/19 06:39:07.79 .net
>>734-738
>二人が黙って睨み会った所で鷹山が苦笑いしながら言った。
(変換ミス!)

美世を頼ってきた田中の物語!
父親らしい人物と再会したことでようやく本編が動き出す!
今回は序章の位置付けで内容を評価できる部分は少ない!
よくある掛け合いは少々くどい上に面白味に欠けた!

ここまでの文章とくだりで68点!(`・ω・´)

776:名無し物書き@推敲中?
15/06/19 17:37:17.53 .net
すいません、中途半端でしたね。
ちょっと書いて放置してあったのをリメイクしたんですが、この続きはあるのかなw

777:名無し物書き@推敲中?
15/06/19 17:38:49.97 .net
なんで放置していたかというのも、書いてみてキャラ強いわりにはあんまり面白くないなと思ったからでした。

778: ◆4ReZhiBzjxUu
15/06/22 00:38:09.55 .net
toritest
某スレで得た着想の断片を出発点にしました。
万が一某スレに関連して何らかのメッセージを受け取ってしまう方がいらしたらすみません。
当方の転換力の不足によるものです。
気のせいだということで、さらりと流していただければと思います。

以下、4レス使って投降予定

779: ◆4ReZhiBzjxUu
15/06/22 00:39:06.84 .net
もの凄い勢いでドアが閉まると急発進した。
タクシーのドライバーは猫背の年寄りだ。
ハンドルの上、
ゴスペル聖歌隊の指揮者のように腕を揺らしている。
行き先を告げようとすると「わしゃもうはくじゅで、耳が遠くてな」と爆音量で聞き返された。
こっち見るんじゃない!
繰り返すこと十数回でらちがあかない。大きな声の爺さんだった。
白寿って九十九歳だったか。
俺は噛んだ舌先が痛い。厭な予感がする。あきらめて目をつぶった。そのうちガス欠でどこかにとまるだろう。

死んだ友達のことを思い出していた。午後の半分は彼の墓参りにいく予定だったのだ。
郊外の淡泊な街並みに背の高いハナミズキがポツンポツンとアクセントになっている。
しばらくすると気味が悪いほど滑らかな走りになっていた。
喋っているほうが調子がでるようで、爺さんは一人で喋りまくっている。
マイナーな観光名所とか、ローカルの伝承とか、音楽とか食い物とか、あと酒と女の話。
呂律が悪いので半分も聞き取れやしない。
爺さんの声が哀れっぽく枯れてくる。
しかし運転は相変わらず恐ろしいくらいに加速を感じさせない。
俺は爺さんに慣性飛行テスト零号機と心の中で渾名を付けた。

慣性飛行テスト零号機は、
昔はサラリーマンだったそうだ。宝探しがしたくて会社を辞めた。
というか蒸発したらしい。家にはもう三十年以上帰っていないと言う。
じりじりと日が暮れてくる。

奴は海で行方不明になった。だから本当はまだ生きているかもしれない。
墓は、真奈美さんは「けり」だと言った。
そろそろ「あのーー」、俺がほとんど何も言わないうちに、爺さんが雷雨のように声を被せてくる。
「そ、そいつはなあ、モビィ・ディックの腹の中に


780:隠したのさ!」 ひどく真剣な顔をしている。 って、だから振り返るなよ! 片手ハンドルも! 信号を守れ!  無免許の変人タクシードライバーらめら。なんで事故らないんだ? 猫背のわりに首柔らかいな、おい。



781: ◆4ReZhiBzjxUu
15/06/22 00:40:00.38 .net
埠頭で停まった。もう辺りは真っ暗だ。
雲の合間から星がまばらに覗いている。
今夜は弓月。タクシーのフロントバンバーは繋留用のボラードにぶつかり軽くへこんでいた。

食料を手に入れ、埠頭の隣の小さな�


782:l辺に降りた。 砂地はどこか他人行儀でざらついて、でも踏みしめると優しく鳴く。 どうせなら真奈美と来たかった。 爺さんは不味いと文句を言いながら俺の分のエビカツ弁当にまで箸をのばす。 おでん屋の女将が分けてくれた密造酒はキツかった。 「わしゃバットマンよりヒースれじゃーのジョーかーひゅぐ」 話題はダークナイトって映画のことではなく、目指している体型とかフィットネスのこと。俺が太マッチョ派で慣性飛行テスト零号機は細マッチョ派だと。 「ひゃひゃ、べんちぷれれすぅよりぷる~わ~けとなわぁとびせっかいじぇぶほぉ」 だから、口にもの入れて喋るなよ! 180センチ級の大男が二人、夜の浜辺で並んで飯を食っているのはサマにならない。ホモじゃないから。 目撃者はアメフラシ。 あ~真奈美さんと来たかったな~。 じじいは不味い不味いと文句を垂れながら、俺の分のエビカツ弁当まで平らげてしまった。 「タイもタコも、エビカツで釣れるが~、モビィ・ディックはエビカツじゃ~釣れんからの~。よ~く覚えておくんじゃぞ!」 本当だろうか?  略して零号機は五分前に百寿(ももじゅ)になったと。本当なら凄いことだ。 零号機の狙うお宝はモビィ・ディックというアルビノのマッコウクジラの腹の中にあるという。 何かの暗喩か冗談か。それとも暗号文か電波だろうか。 奴だったら何か気がついたかもしれない。 奴はたしか「白鯨」という名のおでん屋でエイハブ船長の話を嬉しそうにしていた。 エイハブ船長は冷徹な復讐者で、人知を超えたモビィ・ディックに挑み敗北する運命にあるダークヒーローなのだと。 気持ちが落ち着いた頃に真奈美さんは、奴が隠れ文学青年だったと思い出を語ってくれた。奴の書斎には壁いっぱいの本棚に古本が遺されていた。 白い密造酒に虚実が渦を巻き空に昇りはじめる。夜風が懐かしい潮の香りを運んできた。



783: ◆4ReZhiBzjxUu
15/06/22 00:40:53.22 .net
灯台の明かりがぼんやりと虚空に吸い込まれていく。

非常時のマル秘システム起動パスワードは―
一段目は俺の"****-****-****-****"、二段目は奴の"真奈美 七海 愛してる!"―
案の定、納品時のままで苦笑せざるを得ない。

探知レーダーに煌煌とした反応があった。
俺は人間魚雷の発射ボタンを押した。

錆びながら解体を待っていた船のセキュリュティーはいい加減だった。
気持ちの良いバブルパルスの音を微かに感じる。
甲板に出た。
人間魚雷といっても、操縦席が離脱する小さな潜水艇のような作りのものだった。
さすがに弾頭の火薬は抜いてあったが二基搭載の電撃銛が残っていた。
操縦席にいるのは、もちろん零号機。


奴は「あとは頼んだぞ」と凜々しく搭乗していった。
かたく握手を交わして別れた。
それまで俺が思っていた零号機の顔はしわくちゃの中に老いたオオカミの瞳。
闇の中でしか気づけないものがある。
その双眸はだんじて老いた者のそれではなかった。
ならなんだろうかと思いつく前に俺は幻惑された。トリックスターの瞳に。
そうだあれは奴とおなじ瞳……。そのとき俺は奴と零号機を重ねて見ていたのだ。

遠くから衝撃音がして、
沖合に小さく輝いた炎は俺の脳�


784:で血の海のように広がっていった。 天使と悪魔の羽ばたきが聞こえる。どちらがどちらなのだろう。 逃げるようにして俺は船を降り、優しい浜辺に向かって歩きだした。



785: ◆4ReZhiBzjxUu
15/06/22 00:41:48.55 .net
潮騒が聞こえた。
太陽はすっかり水平線の上に顔を出してしまっている。
うす曇り。海は穏やか。
沖で海鳥たちが戯れていた。
口の中がネバネバとして目がゴロゴロとする。
起き上がるとスーツは砂まみれ。全身がじっとりと湿気っていた。
胃腸は二日酔いでムカつき、腰と肩は強ばっている。

光りの内でしか見えないものがある。
この朝の陽の内が事実なら、昨夜見たのは夢か幻。

そう言えば、宝箱の中味はなんだったのか。
闇の内でしか見えないものがある。
叶えられない夢だったからといって、すべてが無意味になったわけでもないだろう。
いや、エイハブ船長の義足か入れ歯。
俺にはそんなところしか思い浮かばない。
蓋を開けて、零号機がガッカリとしないといいのだけれども。いや真実何が出てくるかはやってみた者にしか分からない。
ダメならダメでそれは新しい冒険のはじまりというものかもしれない。
朝の涼やかな風に鼻水が出てきた。クシャみも……。

灰色の空で海鳥が
滑空、旋回、獲物を狙って急降下。羽ばたいて上昇。魚をしとめたかどうかまでは遠くて見えない。

今日一日を戦うには十分なコンディションだ。
おでん屋で借りた鍋はなくしてしまった。零号機に託された車のキーはしっかりとポケットに入っている。
幻だったからといって、まったくの無価値だったというわけでもない。


……「真奈美さ―ごめん―
メールは入れておいたんだけど―君と七海ちゃんの両方の―
道に迷ってね―大丈夫、ありがとう―
もう近くまで来ている―大丈夫、待ってて―」君に伝えたいことがある。

786:ぷぅぎゃああああああ ◆Puuoono255oE
15/06/22 06:22:05.31 .net
>>746-749
>もの凄い勢いでドアが閉まると急発進した。
(行き先を告げる前にタクシーが発車することはないので違和感を覚える!
 相手は白寿の高齢なのでボケているのだろうか!)

>呂律が悪いので半分も聞き取れやしない。
(珍しい表現! 普通は「呂律が回らない」を使う!
 「滑舌が悪い」と云う表現が混ざっているのだろうか!)

>無免許の変人タクシードライバーらめら。
(語尾の「らめら」は「らめ」なのだろうか!)

>タクシーのフロントバンバーは繋留用のボラードにぶつかり軽くへこんでいた。
(打ちミス!)

>この朝の陽の内が事実なら、昨夜見たのは夢か幻。
(深酒が過ぎて浜辺で寝ていた! 空は晴れているように思える!)
>灰色の空で海鳥が~
(空は曇っているのか! 主人公のいるところは晴れて、遠方の空は曇っているのだろうか!)

現在を舞台にしているように見える! 読み進めると首を傾げる内容になっていた!
行き先を告げる前にタクシーが発車するのか! ガス欠になるまで走らせると云う境地にあっさりとなる!
主人公はタクシー料金を払うことが出来るのだろうか! 午後から友人の墓参りに行くのではなかったのか!
おでん屋の女将が密造酒を客に差し出すだろうか! 密造酒をどぶろくと呼ばない理由がわからない!
おでん屋は鍋も貸すのか! 恐らく主人公は店にすれば一見さん! 信用される要素がどこにもない!
船のくだりは夢と思えばどのようなことも可能なので敢えて指摘はしない!
適当に走ったと思われるタクシーは主人公には都合の良いところであった! 偶然なのだろうか!
最後の台詞めいたものはどのような状態なのか! 朦朧とした意識の主人公の


787:独白なのか! 真奈美と云う人物と携帯電話の類いで会話をしているのか! よくわからない! 話の全てが夢、または主人公が亡くなっていて親しい人物に会いに行くと云う設定でも通用する話に思えた64点!(`・ω・´)



788: ◆4ReZhiBzjxUu
15/06/22 20:16:13.20 .net
>>750
バンパーと呂律はミス。
どぶろくでツッコまれたのは想定外。ぐぐった。
ラストで主人公は真奈美(友人の妻)へのプロポーズを決意する。
といたようなストーリーに不時着できないか、迷ったのですが……ギブアップ。
廃棄してすっきりとなりたかったw

必ず読むという伝説のワイさんにはすこしごめんなさい。ありがとうです。

789:名無し物書き@推敲中?
15/06/23 08:37:40.43 .net
死 刑

790:名無し物書き@推敲中?
15/06/23 15:47:17.39 .net
スレ違いかもしれないけど、わかる人がいそうなので質問です。
知恵袋などのQ&Aサイトでよく見かけるんですが、
句点を10個ぐらい連続して使う人いますよね、あれは何事なんでしょうか。
何か意味が込められてるんでしょうか? それとも単にその人のクセ?
クセにしては、やる人が妙に多い気がします。こういうやつです↓

(この器官の名前を教えてください、の質問に対して)
松果体です。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

791:名無し物書き@推敲中?
15/06/23 16:06:25.58 .net
ただの役物です。。。。。。。。
正しいかどうかは別としてネット社会で徐々に浸透していくでしょう。
効果は見たまんまで、見る人によって印象は異なるでしょう。

ほんまかいな。

792:名無し物書き@推敲中?
15/06/23 18:07:16.62 .net
たぶんこれの仲間。知らんけど

車ニニニ ゴロゴロ

793:ぷぅぎゃああああああ ◆Puuoono255oE
15/06/23 21:10:50.43 .net
ワイは「……」の代用が「。。。。。。」だと思っていた!
打ち込みが簡単で余韻を持たせる効果を狙ったのだろうか!
会社では認められていない書き方なので癖になる前に使用をやめた方がよい!

ワイの考え!(`・ω・´)

794:名無し物書き@推敲中?
15/06/24 18:48:08.66 .net
>>746
僕ね、最初にこの作品読んだとき、もう嫌だと思ったのね
なんだこのパクリはって
なんだこのパクリはパクリはって

僕大嫌いなのね
こういう二番戦術

795:名無し物書き@推敲中?
15/06/24 22:03:39.18 .net
>>757
既視感がある、ではなくパクリですか?
すみません。文芸作品をあまり読んでおらず、思い当たるふしがないです。

今回の場合、適当なパターン(それに某スレで拾ったタネ)の組み合わせで
なにかオリジナリティなものが転がり出ていればラッキーセラミック!
だったのかもしれません。
それ以前にパターン同士の食い合わせが悪そうで見切りをつけましたが。
ご指摘いただきありがとうございます。

796:名無し物書き@推敲中?
15/06/24 23:35:44.73 .net
三島由紀夫のパクり発覚したね。

797:名無し物書き@推敲中?
15/06/24 23:40:08.56 .net
三島がパクリをしてたって? まさか!

798:名無し物書き@推敲中?
15/06/25 00:18:33.75 .net
じゃなくて韓国人女流作家

799:名無し物書き@推敲中?
15/06/25 00:24:03.19 .net
朝鮮人のパクリは珍しいことではない

800:名無し物書き@推敲中?
15/06/25 01:23:51.12 .net
パククネってるね

801:名無し物書き@推敲中?
15/06/26 08:22:35.28 .net
早く見せて

802:奥様はママ ◆y4AC1LxwSz1k
15/06/26 12:04:18.05 .net
ワイさん元気でしたかー(*´ω`*)
このスレもまだあったんだー
2年ぶりぐらいにこの板覗きました。

803:名無し物書き@推敲中?
15/06/26 15:34:06.00 .net
太郎君と博士のなるほど手術室
というタイトルがつきそうなほど教材化してしまって面白くなかったんですけど
投稿が無いようなので。

 美世は毎週楽しみに見�


804:トいる医療ドラマの3話目を見終えた。最初は興味無さそうに見ていた雛子もそれなりの目線で楽しめたようだった。 「なあなあ姉さん、姉さんもあんなん言いよったん?」 「ん?どんなの?」  美世は姿勢を正してキリリと顔を引き締めながら言った。 「ただいまより山田太郎さん52歳の肝臓癌摘出手術を行います」  そう言ってから姿勢を崩しながら前のめりに聞いた。 「的な?」  雛子はため息混じりに笑って脱力した。 「言わないよ、普通にみんな患者のデータは頭に叩き込んでるから、でもこれからやるぞって勇ましいし演出としてはアリじゃないかな」 「え~ほなホンマはなんていうん」  口に持って行ったスナック菓子をぴたりと止めた雛子が、斜め上に視線を向けながら考え込んだ。 「ん~、麻酔医の先生をチラっと見て『いいですか?』かな?麻酔医が頷いたら『それじゃ皆さんよろしくお願いします』それにみんなも答える感じ」  思っていたような答えが帰ってこず少し膨れた美世だったが、再びわくわくするような顔をして聞いた。 「その後にメスって言うん?」 「うん、でも助手の先生と話してる時でも手を出したら出てくるし、必ず言ってるわけじゃないよ、メスの前にサージカルマーカーで線引く時はペンって言うけど」 「えー」 「熟練したオペ室ナースなら術野を見ながら施術の進行に合わせて器械出してくるからね、逆に食い気味なぐらいに、このドラマのナースは初心者に見えちゃうね ハサミの事をクーパーとかメッツェンとか医者に言わせちゃってるし」 「ほんだらなんていうん」 「いやだからハサミっていうの、用途でタイプが違うけどそこはナースが判断してくれるよ、思ったのと違うのが出てくれば長い方とかスーパーとか言うけど 熟練した人は場面によって必要なのを的確に判断するし先生ごとに微妙な癖を記憶しててほぼ言わせないね」 「なんかおもんない」 「そんな事言われても」  美世はなんとか理想のオペ風景を引き出そうと続けた。 「やっぱり術中は緊迫した空気なん」



805:名無し物書き@推敲中?
15/06/26 15:35:32.01 .net
「緊迫?いや緊迫するのはバイタルが急変した時とか原因不明の出血とかだね、予定通りに進んでれば何の問題も無いし、好みのチャンネルで音楽聴きながらやってるよ」
「音楽流れとんの!」
「うん、有線であらかじめナースが私の好みのチャンネルにしといてくれる」
「意外と和やかなんやなぁ」
「そうだね、それにドラマみたいに執刀医のスタンドプレーじゃないから助手の先生と会話しながらやるよ、
思ったより病変でかいね、とかちょっとその手邪魔とか、こっちから切るよ~そこ持ち上げてとか言うし、あと閉じに入ったら世間話したりね
何々先生娘さんが小学校に上がったそうですねーとか、新しくできたお店もう行きましたか?とか、ナースも入ってきてワイワイなる時もあるよ
オペ終わってもドラマみたいにやり切った顔もしないし後閉じといてねって言いながら去っていく先生もいるよ」
 再び美世が不満そうな顔をした。
「ふむー、あの後ろにおる看護師は何してんの?」
「外回りだね、不潔野担当」
「不潔なん?!」
「うん、術野と器械触る人意外は不潔、役割が違うの、美世ちゃんのイメージなら多分汗拭く人かな、外回りは臨機応変さがいるし機材と患者の様子を同時に見ないといけないから
ベテランにやって欲しい所だな、使った薬液やガーゼを帳面につけたりと一番忙しいしあんなにボケっと突っ立ってたりしないよ」
「大役やのに不潔か、哀れやなぁ」
「聞こえは悪いけどただのポジション名だよ、清潔の人でもなんかの事故で不潔になったら申告するし、私不潔になりましたーって」
「シュールやなぁ、事故ってなんやねん」
「地上70㎝以下まで手を下げてしまったり、不潔屋に触れてしまったりかな」
「潔癖症の人もびっくりやで」
「手が必要な時はまた滅菌からやり直してもらうけどその必要がなければそのまま外回り手伝ってもらったりする、でも器械出しが不潔になってしまったら
助手の先生に器械出しやってもらってる間にもう一回滅菌してもらうよ」
「やっぱり現実といろいろ違うんやなあ」
「一番非現実的なのはあんなにカッコいい医師は居ない事だよ、キモいの多いし、術着の下から胸毛はみ出てる先生いたり」
 雛子はケラケラと笑ったが、美世が眉間に皺を寄せて恐る恐る聞いた。
「あの服の下どないなっとん?」

806:名無し物書き@推敲中?
15/06/26 15:36:49.96 .net
「一番外に着てるのがガウンなんだけどその下にシャツ、その下はなにも着てない」
「姉さんも?!」
「いや私はブラしてるよ、他の女の先生は知らないけど」
「ですよねー、外に突っ込み所あった?」
「ん~、主人公が右利きなのに左利きの位置に立ってたな、まあその方が得意な医師も居るかもしれないけど私は見た事ないな、カメラアングルのせいかな」
「油断できんなー、全国の医者から総突っ込み入ってたんかなー、ちょっと今度姉さん突っ込みながら見てみて」
「やだよ、そんな無粋な事したくないしドラマとしてはそれなりに面白いし、見た事ない新製品も主人公が使ってたよ、おおかっけーっと思ったね」
「もったいない、そんな突っ込み所多いのに野放しにしとくやなんて許されへん事やで、ウチなら突っ込みすぎて隣の人の肩が壊れてまうで」
「どこに突っ込んでんのよ、とんだとばっちりだよ」

 ある日鷹山が部屋に戻ると、ソファーに並んでテレビを見ていた美世と雛子だが、突然雛子が美世の肩を手の甲ではたいた。
「なんでやねん」
 すると美世が待ってましたといわんばかりに笑顔で雛子に顔を向けた。
「今のは今のは?」
「手袋のつけかたがなってない、素手でギューパチンて勢いあるけどあれじゃ無菌操作終了だよ、滅菌袋を開いたらまず手袋の内側をつまんで…」
 テレビを見ながら何やら美世にレクチャーしているようだが二人が何処に向かおうとしているのかわからない。
「…ちなみに私の手袋はロクハン、6.5号ね、誰がどのサイズなのかはナースが暗記しているので私は普段意識してない」
「へぇーへぇーこれは5へぇーやな、続き見よか」
 鷹山は突っ立ったまま無言で見守った。

807:名無し物書き@推敲中?
15/06/26 15:37:39.90 .net
「なんでやねん」
「え?え?今のは?」
「出番が来るかもしれない医者が腕を組んでリラックスするのは正解だけど、脇を締めたらだめー」
「脇締めんかったら兄者みたいなってまうがな!」
「はい連続で来た、病変組織を術中迅速病理診断に回したのに手術が続いてるー、一体何の作業をしているのか謎、ここは世間話でもしながら待つ所」
「患者の立場は?!」
「ちょっとだけ開腹放置プレイ、いま私のように優秀な病理専門医が頑張って診断してるから」
 鷹山は我慢しきれなくなって突っ込んだ。
「お前らそんな事言いながら見てて面白いの?」
 雛子が腐った目つきで振り返って即答した。
「全然面白くない」
 美世は満面の笑みで答えた。
「めっさおもろい」
「お前、楽しみ方間違えてるぞ」



「手術室をオペ室って言う人が多い理由はね………しゅじゅちゅしちゅ」

808:名無し物書き@推敲中?
15/06/26 16:18:13.69 .net
>>766
これは売れる

809:名無し物書き@推敲中?
15/06/26 16:40:53.08 .net
もはや小説の枠を超えたね
NHKのコント番組の方がいくらかましですわ
ゴミカス

810:名無し物書き@推敲中?
15/06/26 16:47:46.14 .net
>>771
そういう言い方されるとね、俺頭くんのね

811:名無し物書き@推敲中?
15/06/26 16:56:46.10 .net
ここまで俺の自演

812:名無し物書き@推敲中?
15/06/26 17:44:22.64 .net
>>772
頭にきたらなんだって?変身するの?
子供じゃないんだから、道でうんちおしっこしちゃダメなのはわかるでしょ?
どこでも同じだよ?

813:名無し物書き@推敲中?
15/06/26 19:09:43.48 .net
お前バカじゃねえか?

814:名無し物書き@推敲中?
15/06/26 19:45:02.12 .net
誤字多い。

815:名無し物書き@推敲中?
15/06/26 19:47:08.74 .net
 二人とも実に健康な若い肉体の所有者だったため、彼らの夜は激しかった。夜だけでなく、訓練を終えてほこりだらけの軍服を脱ぐ間さえもどかしく、帰宅するなり妻をその場に押し倒すことが一度や二度ではなかった。麗子もよく応えた。
 最初の夜を過ごしてから1カ月たつかたたないうちに、すでに麗子は喜びを知る体になり、中尉もそんな麗子の変化を喜んだ。

816:名無し物書き@推敲中?
15/06/26 21:31:06.57 .net
>>775
単細胞w

817:名無し物書き@推敲中?
15/06/26 22:43:42.12 .net
論より証拠ですよね
口でうんぬくんぬ言うんじゃなくて、じゃあ実際にスレで作品だしてくださいよ

818:\____________/
15/06/27 00:09:09.06 .net
      ∨
   |/-O-O-ヽ| ブツブツ・・・
   | . : )'e'( : . |
   ` ‐-=-‐
   /    \
||\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
||\\.          \      ∧_∧
||. .\\          \    ( ;´Д`) (オイ、なんか変なのがいるぞ)
.    \\          \ /    ヽ.
.      \\         / .|   | |
.        \∧_∧   (⌒\|__./ ./
         ( ´,_・・`)目合わせるなって ∧_∧
.         _/   ヽ          \  (     ) うわー、こっち見てるよ

819:名無し物書き@推敲中?
15/06/27 00:11:31.62 .net
               _,. -‐1    ,. - ‐:‐:‐:‐:‐- 、
          _,. -‐:'´: : : : : |  , :'´::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.丶
     ,.イ ,.-:'´: : : : : : : : : : : ! /::.::.::.;.ィ::; ヘ::.::.::.::.::.::.::.::.::.:\
      /: ∨: : : : : : : : : : : : : : :l'/l:/::./ ,':/  i::.:ト、::.l、::.:!::.::.::.::.',
  ,. -:' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : -┴-'.._l/    l:| i::| i::l::.::.::.::.::i
 ー‐ァ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :`ーァ  l|  l|  l:|::.::.::.::.::|
   /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/  ー‐‐---、!ヘ::.::.::.::|
  ,': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/    ┬--、  }::.:/::.!
  ! : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ;.イj     {辷リ ′/::/!::/ここは貴方の日記帳じゃないわ。
 ノ: : : : : : : : : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.. : :、/     ;         /〃ノ:/
´. .:.:.:.:.:.:.:.: : : .:.: : : .:.:.:.. : : :.:.:.:.:.:.:__:.:.ヽ   r―-,    /-:'´::;′ チラシの裏にでも書いてなさい。
`ー---;.:.:.:..:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:...:.:.:.:.:.:.:.V ̄`ヽ、 `ー‐'   ィ;、:::∧:{
    /:.:.:.:._:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|'´ヽ  rく` ト、. -‐'´ | `:く `   ね!
   厶-‐'´ |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ト、:.:.:.|  _,.-‐! \  __,,. -‐''´ }‐:、
       _l;.ィ´ヽ:./ヽ:|'´ ,>‐'´: : く    ∨       > \
   _,r{`7  ̄{ ̄} ̄¨`‐く__ヽ_;,: -‐; :\       _,.-:'´: : : : : :>、
 ,.イ | 〉´ ̄ ̄ ̄:  ̄`ー‘v'´>‐_く : : : \___,,. -‐:'´: : :ト-、_;,.-'´  ヽ
r'l ! ,し′: : : : : : : : :}_ノ/ __,,.ヽ: : : : : : : : : : : : : : V       l
,Jー'´: : : : : : : : : : :`辷'_,,、 '; : : ∧: : : : : :_; -'´         |
  l´: : : : : : : : : : : : }´   l  l`ー':.:.:`ー:.'"´:〈         v'

820:名無し物書き@推敲中?
15/06/27 00:17:38.56 .net
            ____
         __,,/  _, ----`ヽ  :.
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       / /   i      \   \\ :.
     :. ,'./       i  ヽ:.   ヽ:.:.. ヽ.ヽ
      ,'/    / .ハ ヽ ヽ:.:.:.:. ヽ::.. ヽヽ :.
     :. |i .i i  .i /  ヽ ト 、 \、:.:.:. ',:.',:.:.lヽ}
       |i .i l  :N_, -弋 \弌弋ナ:}:.:}
    :. |i∧ ', :{ ,ィjモト \  イjミトイイV :.  な…
       .|  :メヽ.', `ozZ}      izN。ハ::{     なんなんですか?
      :. |  :ヾ_! ゝ "゙゙    '  `゙ ハ.:', :.   ここ、どこですか?
      |  :.:_イ .:.ヽ.   (二フ , イ :.:.:!:.ヽ     なんであたし
   :.  / rィイ | :.:.ヽ: >r/`<ノ .:.::.}ヽ、\:.   貼られたんですか?
      / ∧l;l ! :.:.:.://{二 ̄ .} ..:..::リ//ハ.:\
 :.  / .{. ',ヾ、ヽi .:.:.{ /(^`  |.:.:.:.//: : :.}: . ヽ.:.
   / /  ) ヽ ヾ、ヽ:.ハ ヤ{   ∧/.-‐'": : |:.:. i ',
  ./ .,イ .:..} : :\ヾレ'ハ ∧__ノノハヾ、  : : : l:.:.: .ハ ',
  { /| .:.:ハ : : :i Y {ヾ`Yヽニン'ノ}: : } : : : :/:.:.:/ }:.}
  V | .:.:/:.:|_,ィ' ̄  ヽ三{ `ー-ノ : イ : : :/:.:i.:{  リ
    ヽ:.:{、.:.V     : : ヘ     : : {: : :/:.::∧|
     ヽ! )人    : : :人      : : : / \! :.
      "  ヽ : : : : :/イ{     :.ノ: : : :.\ :.
       :.  \__///: :\______/: : : : : : : ヽ
           / //: : :|;|: : : : : : i: : : __: : : : ',
       :.     / 、 {;{   |;|   . : i/. : : : : : :|
          / `Y;{. . . .|;|. : : : /i: : : : : : : : :l

821:名無し物書き@推敲中?
15/06/27 00:26:20.14 .net
   _____
  ||// ∧_∧|∧_∧
  ||/  ( ´・ω・)(    ) クマが迫っている気がする
  ||   (    )|(    )
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ u―u'

   _____
  ||// ∧_∧|∧_∧
  ||/  (n´・ω・)n   )  見られてる気がする
  ||   (ソ  丿|ヽ   )
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ u―u'

   _____
  || ●   ●|∧_∧
  ||   ( _●_)(n´・ω・n) クマなんて居ないのに迫っている気がする
  ||、   |∪| |(     .)
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ u―u' 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)


822:名無し物書き@推敲中?
15/06/27 00:34:27.91 .net
rock初めて見た

823:名無し物書き@推敲中?
15/06/27 01:25:09.61 .net
お願いします
ほんとは全部一行です


ミセス・コールはセント・ジョージ教会を出て、ふう、とひとつ溜息をついた。安堵ではなく、空漠たる失望によるものだった。
なぜなら、彼女は十四歳で堅 信礼を受けて以来、国教会の敬虔な信者であったけど も、ついに初老に差し掛かろうというときに宗教への信頼が揺らぎつつあったのだ。
理由はそれだけではない。ここから家に帰るには長い上り坂を歩かねばなら ぬ億劫さゆえもあった。急な坂ではなく、一見は平ら なのだが、古代なら学者が球体を置いて知るような若 干の傾斜がある程度だ。
それでも、ミセス・コールは もう半世紀もここで暮らしてきたのだから、教会の帰り道が実際は上り坂なのを知っているが為に、面倒だ と思ってしまうのだった。
片意地なミセス・コールが この国の首都へ足を運んだことなどない。人口が三千人もいないような田舎町で、捕まえる馬車も通らぬような不便さだったが、彼女はこの町を愛し、ここで育ったことを誇りにしていた。
曲がりくねった道に、中世から近代まで荒風に晒されながらも耐え抜き、上等に構えるレンガ造りの町並みは偉観であろう。
“ラーダ ーデイル“ある人は英国の中の英国である場所という。 太陽が20世紀の方角へ沈んで行くのを、みな早々にも 今かと待ち望んでいるとき、それはロンドンから北西 に140キロも離れたところに在る、小さな町の出来事であった。


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