15/05/24 22:15:50.32 .net
俺が渋谷の路上で待っていると、二十歳になって綺麗になった由美が現れた。
「お父さん久しぶり、元気そうね」
そう言って連れて行ってくれたのはごく普通のファミレスだった。
「渋谷にもファミレスがあるんだねー」
と驚いた様子の俺をみて由美は笑っていった。
「最近どう?」
「最近?問題なく暮らしているよ、奏もお母さんも元気にしてる」
「由美のほうはどうだ?」
「お父さん、どうして私が家を出たか分かる?」
唐突に由美がそんなことを言うから、俺は思わず火を付けたばかりのタバコを落としそうになった。
「それは東京のほうが仕事がいっぱいあるからだろ、お前もそう言ってたじゃないか」
由美は俺の目をまっすぐ見つめて言った。
「托卵…」
俺は心臓が止まりそうになった。
由美が中学三年生の時にこんなやりとりがあった。
「今日ね、生物の時間に