【すこし】 オカルト小話 【こわい】at BUN
【すこし】 オカルト小話 【こわい】 - 暇つぶし2ch34:ぷぅぎゃああああああ ◆Puuoono255oE
14/09/10 21:37:40.17 .net
 幽霊の類いが怖いのには理由がある。小説や漫画では最低限の整合性を保って描かれていると思う。でも、現実はどうだろうか。
「あ、なんだ? 今、書いてる最中なんだが。飲み物は紅茶でいいよ」
 霊感がないと霊を見たり、声を聞いたりすること自体が難しい。私自身も特別な能力が備わっている訳ではないので人伝に聞いた知識に過ぎない。
 それによると理屈の通らないことをするらしいのだ。戸棚に入れている湯呑を意味もなく倒してみたり、尻をスパンキングするような音を立てたりする。いや、スパンキングは私の趣味であって、主題とは関係ないのでラップ音に訂正する。
「え、ミルクだって。今日はレモンにしてくれ。冷蔵庫にあるだろ」
 積極的な霊になると仰向けに眠っている人の胸の上に乗ることもある。そのような蛮行に及んでいながら正座とかされると、掛ける言葉にも迷うというものだろう。
 そのように理由のない行為がとても怖いのである。なんとかに刃物くらいに怖い。いや、それ以上だ。なんとかが刃物を持っていれば避けることも出来るが、見えない通り魔はどうしようもない。
「お、きたか。砂糖はいつもの角砂糖で三つだ」
 そこで私は考えた。おかしな行動に思えても、実はそこに複雑な事情が絡んでいるのではないかと。または見えたり聞こえたりする中に欠損部分があって、全てが繋がることで謎が解明されると。
 実際に究明する必要はないが、そのような背景が隠れていると思えば怖さが軽減されるのではないだろうか。
「淹れたての紅茶は美味いな。風呂を沸かしといてくれ。そろそろ入る」
 キリの良いところで終わるとしよう。規則的な生活に慣れているせいなのか、このくらいの時間になると自然に目が疲れてくる。
「背中を流してくれるのか。いつも悪いな」
 甲斐甲斐しく尽くしてくれるのはいいが、たまには姿を見たいと思うのは贅沢なのだろうか。


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