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星新一に憧れてss書いたから評価して欲しい - 暇つぶし2ch46:名無し物書き@推敲中?
14/07/28 19:57:29.48 .net
「厳格な法」

20xx年、既存の警察制度は廃止され、全ての警官がロボット警官となった。
彼らには欲が無いので、癒着や汚職事件を起こすこともなく、完璧な操作によって冤罪事件、未解決事件もなくなった。
また、「殺人」という言葉がなくなった。ロボット警官の厳しい監視によって、「傷害」や「殺人未遂」の時点で逮捕されてしまうからだ。
そんなとき、ある事件が起こった。
機械工学の分野では知らぬものはいないほど有名で、有能なエフ博士が人類が作り出せる物でおそらくもっとも恐ろしい威力が出せるであろう爆弾の研究を始めたのである。
人々は、人格者であるエフ博士がなぜこんなにも恐ろしい研究を始めたのか疑問に思ったが、すぐにどうにかしてこの物騒な研究を辞めさせることに人々の興味は移った。
しかし、法律はエフ博士の研究を止める事はできなかった。
エフ博士の行っていることは「理論の研究」で、これは法律によって自由が保証されていたからだ。
しかし、研究成果を爆弾の製造が禁止されていない国に売られてしまったら、多くの人が犠牲になる戦争が起こる事は目に見えていた。
また、意志の強いエフ博士に何らかの誘惑を行い、研究を辞めさせることはほとんど不可能でもあった。
脅迫では、ロボット警官にすぐさま逮捕されてしまい、同様に殺人によって無理やり中断させることも不可能だった。
人々は、研究が完成する前にエフ博士の寿命が尽きることを願うよりなす術がなかった。
しかし、人々の期待に反しエフ博士の研究は完成してしまった。
人々は死を覚悟したがまたしても予想に反し、誰も爆弾で殺される事はなかった。
エフ博士が研究成果の特許を取ったのだ。これにより、エフ博士の許可なく爆弾を製造することは誰にも出来なくなった。
エフ博士は、晩年ベッドの中で呟いた。
「間に合って良かった。これで、特許が切れる前に誰かが防御装置を作ってくれるだろう。製造は禁止だが理論は分かっているのだから・・・」
厳格な法によってエフ博士の名誉と世界の平和は守られたのだ。


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