12/02/01 20:24:49.81 .net
すまない、勘弁してくれ。しかし俺にも残しておきたい言い分がある。
いやこれは皆々様に残しておきたい。特別に霊界から許しを得た。発言させてもらおう。
俺の最大の過ちは「言語藝人」っつーものを真に理解していなかったことだ。
言語藝人になりたい者には「絶対的な覚悟」というものが必要だった。
世間や社会から帰属するものを失った者が、安易に飛びつくものではないつーこった。
言語藝人は世俗的な功名心や経済的な成功を求めてはいけない。
そういう奴が言語藝人になってはいけない。
印税で生計を立てる作家になれるもは割合からいって、ごく一部。あとは兼業や趣味人だ。
プロの作家? そんな一縷の夢に全人生をかける奴はアホだ。気違い沙汰だ。
俺は最後の作品に残した。
「このまま名を残さずに死んでたまりますかい! いつかきっとなしとげる。」
アホだったな。そんなもん結果に過ぎん。閻魔大王に叱咤されたよ。
言語藝人は一生をどぶに捨て、藝をすることのみに快楽を見いだす者が至る境地だ。
俺は言語藝人になりきれなかった。俗世に未練を残していた。
その未練が俺を苦しめていた。知らず知らずのうちに苦しみがたまって腫瘍となっていた。
薬では到底その腫瘍は治せない。切り取れない。
しかし俺は結果的に言語藝人としての日々を送った。
見ず知らずの人間の記憶に名を残すことはなかったが仲間たちの記憶には残ったろう。
一瞬の日々だったが俺は言語藝人を全うした。
友よ。今ある日々がおまえの人生だ。すばらしき人生かな。
ひどいインターネッツも我が人生の最高のステージだった。
ただ俺はそれに気づけなかった。気づけなかったために腫瘍に魂を食いちぎられた。
友よ。嘆くな。今を生きよ。
もし悲しくなったらあの歌を歌ってくれ。そう、イエスタデーを歌ってくれ。俺のために。