12/01/05 21:20:52.59 .net
「ふっふっふ、よく来たね、三人とも」
最初、それが諸星あたるだとは誰も気づかなかった。
なぜなら彼は全身に鋼鉄の甲冑をまとい、素顔を隠していた。
甲冑の王は玉座に座り、横に、手綱で拘束された異形の者を携えている。
それは四肢を切断された、全裸の人犬―さくら先生の成れの果てであった。
「ひでえな……」さすがの弁天も背筋が凍った。
「うぉえっぷ……」あまりのおぞましさにランが吐いた。
さくらは霊能力の大家だ。一回の高校生にそう易々とやられるわけがない。
それがこの有り様とはどういうことなのか。
「君たち、この島の名前を知っているかい? 諸星島。ぼくの島さ」
弁天が「お雪、何か感じるのか?」
お雪は「ええ、この島全体が諸星の思念で満たされているわ」
「どういうことだ?」
「言わば、私たちは諸星の頭の中に連れ込まれたようなものよ。ここでは彼
が王であり、絶対神。誰も逆らうことができないのよ」
諸星あたるにとっては天国、連れ込まれた者にとっては地獄。
それが―諸星島!