11/02/28 20:36:08.85 .net
『港の物流倉庫』
朝、俺が行く先は、港の物流倉庫。
就業時間は言いたくないほど長い。
そう感じる。
この倉庫で作業する奴らの暗い顔と、港の陽光―痛ましい対照。
筋肉があれば誰にでもできるはずの、この仕事。
でも、単純なくせに、まるで終わんねえんじゃねぇの? …そう感じる。
休憩時間に机に突っ伏す。
聞こえてくるニュース、マジ俺に関係ない。
働いているわりに稼いでいる気がしない。
実際、今年も旅行に行けないかも。
なかなか金が貯まらない。
くそ、腰が痛い。
こういうときに母性にすがりたい。
母ちゃんでもいい、ソープの姉ちゃんでもいい。
膝枕してくれて、「もう、いいのよ」って言ってくれたら、俺は「今」にこだわる必要はない。
明日を睨む必要も。
体がひどく凝っているんだ。
ああ、羊水に浸かりたい気分だ…。
最近、まともな食事をしていない。
落ち着いて飯を消化する暇がない。
いったい誰が、何の権利を行使して、俺の人生をこう決めたんだ? なにを食ったか…どんな味だったか…、覚えていないんだ。
こんな人生になると、誰かを傷つけたくなるんだよな。
何度も同じことを繰り返してさ。
俺、ほんと馬鹿になってるんじゃないか、って思うよ。
ほんの少しのことでもいらいらするんだよな。
この落ち着きの無さはどうなんだ。
他人の嫌なところばかり目について、自分がどれだけ嫌な奴になっているか省みる余裕がない。
そんですごく疲れて、なんかどうでもよくなって、「みんな同じ」に見えるんだよな。
「偉い奴」は、なにが違うのかなぁ? 気がつけば日が暮れかけていて、洗濯物もあまり乾かなくて、
ああ、また明日から仕事が始まるんだなと思うと、ほんと嫌になるよ。