11/12/23 09:59:00.90 .net
小説のリアリティは描写の丁寧さに現れると思う
言い換えれば説得と騙しの技術
例えば、主人公がホットケーキを食うとしよう
卵と小麦粉とベーキングパウダーと砂糖を混ぜ、鉄板で焼き、両面焼いて食った
これでは説明だが、リアルではあってもリアリティは得られないと思う。
卵を割る微妙な力加減、かき回す時の独特の抵抗、
分量を量る手間、ダマになる小麦粉の描写、
熱を帯びていく鉄板、昇る煙、生地を落とした時の音、
薄い部分から生じていく表面の泡、ひっくり返すときの緊張、
成功・失敗による感想、完成した後の匂い・・・
主人公が感じるであろうこれらを描くことで、読み手も同等の
感覚を追体験できる
それこそが文章におけるリアリティの一つではないかな