10/11/27 20:45:38 .net
「イルトンさんの一日」
イルトンさんは山に住むきこり。木を伐採することに快感を覚える病に
冒されてしまった。イルトンさんは山のふもとにある総合病院に行くため、雨の中、
下山しました。波のように押しおせる風雨にもめげず、イルトンさんはようやく
総合病院に着きました。しかしどうしたことでしょう、扉は押しても引いても一向に
開きません。イルトンさんはようやく思い出しました、そうです、この病院は、経営難に陥り、
つい先月、閉鎖してしまったのです。とするとどうでしょう。イルトンさんの奇病は一生
治らないのでしょうか? いいえ、そんなことはありません。村のはずれには、確か、
花田クリニックがあります。そこで診てもらえばよいのです。きっとイルトンさんはよくなるでしょう。
そこでさっそく、イルトンさんは駆け出しました。跳ね返る泥もなんのその、
力一ぱい駆けました。やがて白亜の建物が見えてきました、
クリニックです。イルトンさんはすぐさま扉に手をかけます。その時、イルトンさんの手に、
激痛が走りました。そうです、電流式のトラップです。クリニックの院長が患者から
金を巻き上げたいがため、仕掛けたのでした。イルトンさんは挫けました。
これまでの人生に、これまでの自分に。そうしていると院長が出てきました。イルトンさんに駆け寄り、無言で飴を渡していきました。
その飴はとても甘くてクリーミーで、こんな素晴らしいキャンディーをもらえる私はきっと特別な存在なのだと感じました。
今では私がお爺ちゃん、孫にあげる飴はもちろんヴェルタースオリジナル。
なぜなら彼もまた特別な存在だからです。