10/11/21 16:16:09 .net
生きるのが嫌になった私はついにおかしくなった。即興。
「イルトンさんの一日」
イルトンさんは山に住むきこりです。ある日、木を伐採することに快感を覚える病に
冒されてしまったイルトンさんはふもとの村にある総合病院に行くため、雨天の中、
下山を決行しました。波のように押しおせる風雨にもめげず、イルトンさんはようやく
総合病院に辿り着きました。しかしどうしたことでしょう、扉は押しても引いても一向に
開きません。イルトンさんはようやく思い出しました、そうです、総合病院は経営難に陥り
つい先月閉鎖してしまったのです。とするとどうでしょう。イルトンさんの奇病は一生
治らないのでしょうか? いいえ、そんなことはありません。村のはずれに確か
花田クリニックがありました。そこで診てもらえばきっとイルトンさんは健康になるでしょう。
ではさっそく、イルトンさんは全力で駆け出しました。跳ね返る泥もなんのその、
イルトンさんは力一杯足を前へ前へ進めました。やがて白亜の建物が見えてきました、
クリニックです。イルトンさんはすぐさま扉に手をかけます。その時、イルトンさんの手に
激痛が走りました。そうです、電流式のトラップです。クリニックの院長が患者から
金を巻き上げたいあまりに仕掛けたものでした。イルトンさんは挫けました。
これまでの人生に、これまでの自分に。そうしていると院長がイルトンさんに駆け寄り、無言で飴を渡していきました。
その飴はとても甘くてクリーミーでこんな素晴らしいキャンディーをもらえる私はきっと特別な存在なのだと感じました。
今では私がお爺ちゃん、孫にあげる飴はもちろんヴェルタースオリジナル。
なぜなら彼もまた特別な存在だからです。