10/11/15 17:58:22 .net
いずれ夜はやってくる。チェシャ猫は、笑いもせずに―今度は姿を見せ―現れた。
その手には、うぐいす色の便箋と緑の小さなペンダントがあった。
「ほら、今日はクリスマスだろう。僕からの最期のプレゼントだ」
少女はそれを受け取ると、ありがとうと呟いた。
もうじき年が明ける頃、少女は息を引き取った。沢山のぬいぐるみの中に埋もれた
あのペンダントがチェシャ猫が幻でなかったことを証(あかし)していたが、白髪の少女と
チェシャ猫以外にそれを理解する者はいなかった。
まして、チェシャ猫の気分など、誰が知るというのか。
その病室からは、夜な夜なおとぎ話をする声が、未だに聞こえるそうだ。
「……―最期のプレゼントだ」
ちゃんと恥かけたかな?(゚∀。)ワヒャヒャヒャヒャヒャヒャャ