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僕が君の文章を評価する - 暇つぶし2ch489:名無し物書き@推敲中?
10/11/15 17:56:53 .net
また評価お願いします。よし是非とも恥をかくぞ。

【少女と猫】

「おとぎ話はお好きかい? 白髪のお嬢ちゃん」
 冬のある日のことだ。眠れぬ少女の未だ長き夜、やがては星降る空の下、時計の針を止めて
その純白の―チェシャ猫はけらけら笑いながらやってきた。いつしかベッドの隣りにやがては
優しく耳もとで、少女にまるで秘密をもらすかのように囁きかける。
「ほら、ピーターパンやシンデレラ、ブレーメンまで、なんでも聞かせてあげよう」
 それは本当に? 少女の真っ直ぐな瞳にチェシャ猫はいやらしくにやけてみせた。
ああもちろんとも、チェシャ猫は少女のぬいぐるみたちにも負けないくらいふさふさな
その毛皮を、自慢気に見せ付け、大仰に語りだした。
「まずは、あれに―……」

 少女はやっと自分が寝ていたことに気付いた。曙光が部屋を照らし、外からは鳥のさえずりが
聞こえる、それは恐らく朝なのだろう。昨日まで少女の傍にいたあの不思議な猫はもうとっくに
どこかへ行ってしまったようだった。
 不意に、少女を呼ぶ母親の声がした。

 その日も少女は眠れずにいた。何よりあの猫が気がかりで仕方がなかった。と、また
あの独特のけらけら笑いを少女は聞いた。
 しかし、どうしたか。一向にそのけむくじゃらな姿を見せない。少女が、どうしたの、と問うが
どうしもしない、と応える。少女はチェシャ猫がなんだか怒っているような気がして口をつぐんだ。
そのうちチェシャ猫は昨日と同じく朗朗と話し出した。
「今日はあれを……」

 少女の朝は唐突に訪れる。窓から外を覗くと、一面の雪景色が、少女の視界を支配した。
あの猫がそっと、ぬいぐるみたちに紛れ、少女を窺っているようだった。
 不意に、少女を呼ぶ父親の声がした。


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