10/10/10 21:28:59 .net
貼ろうにも、自分もいまこのスレ的にも面白くないであろう部分を書いてるんですよね。
んでもちょっと投下してみましょうか。1行40字で成型しちゃったんで読みづらいのは勘弁。
『エルデリア通史』では、エルデリア国の歴史の概略、建国から滅亡までを記した。
エルデリアの歴史を知る上では、『イオリュアの手記』『奉神諸事録(OMNE LEFFA FOS
DIUME)』『帝国紀(MEM OS RI DIESAL)』の三冊が最も有力な史料となる。
『イオリュアの手記』は、女神イオリュアが自ら書き記したとされる随想で、エルデリ
アの建国から衰退期までの期間、イオリュアの身の回りで起こった日々の出来事が綴られ
ている。そもそも神々の実在を疑う一部研究者の間では偽書とされているが、その内容が
他の史料とよく合致することから、今日の史学界では逆にイオリュアの実在を証明する一
級史料とする意見が主流である。
『奉神諸事録』は、イオリュアの側仕えを務めたエルデリアの神官らが国家の重要事な
どを代々書き残したもので、事実上前期エルデリアの国史である。やや女神イオリュアに
対する礼賛の傾向が強いものの、そのことを除けば、神官という世俗から隔離された階級
の人々による記録であるだけに、その内容の客観性は十分に信頼できる。
『帝国紀』は、ガレト王の治世の始まりより記された後期エルデリアの国史で、為政者
に対する追従が多く、その信憑性は幾分劣る。しかし、終末期のエルデリアの陰惨な国情
を知る上での貴重な史料である。
これら、エルデリアが存在した当時に書かれた書物は、時の流れの中でその大半が散逸
し、現在ではわずかな断片が残っているに過ぎない。しかし一千二百年前の歴史家ケピチ
ェリの時代には太古の書物はまだ多く残されており、ケピチェリはこれらを元にエルデリ
ア全史『楽園記(Memre win Erdel)』と、エルデリア周辺国の歴史『望楽園記(Memre a
rr Erdel)』を著した。この二冊は幸いなことに今日でも全文が残っており、この中の記
述と引用によって、我々は失われた書物の内容を知ることができるのである。
『エルデリア通史』は『楽園記』『望楽園記』を基礎とし、その上に今日の史学、考古学研究の
成果を加え、現行の定説に忠実な内容となるよう心がけた。