【永遠の少年】小谷野敦76【天使の微笑】at BOOKS
【永遠の少年】小谷野敦76【天使の微笑】 - 暇つぶし2ch493:無名草子さん
23/09/26 12:30:07.92 .net
893 おさかなくわえた名無しん 2019/02/04(月) 11:14:38.27
森鴎外の作品に『鼠坂』というのがある。鴎外の事だから、日清戦争の時の事が題材になっているのだけれども、
その作品では、中国帰りの富豪が新築した家に客を招いて戦争時に自分たちがした悪い事などを話す場面がある。
私はこれを最近になって読んだのだけれども、読んでみて思ったのは、
「もしかしたら家を新築した富豪は、元々中国の人だったのではないか」ということだった。
新築した大きな家は、どことなく旧来からの日本の趣味とは違っているという様子が冒頭に書かれている。
その人は日本名で、戦争時は中国の人をだましたりした事を笑いながら話したりしてはいるけれども。
客として呼ばれた、中国で女性をレイプした人は多分日本人だった。その人は宴会の後その家に泊って不審死するんだけれども、
それは家主の復讐だったんじゃないか、と私には思える。自分たちは中国の男を騙して世渡りをしてきたけれども、
日本人が中国の女性をレイプした事は許さない、という気持ちからの。
私の深読みしすぎかもしれないけれども、日清戦争、もしかしたらそれよりずっと以前、江戸時代とかからかもしれない、
日本には中国人を祖先とする人たちが実はかなりいたのではないか、
それをそのままに文学作品の中であからさまにする事は出来なかったので、『鼠坂』のような作品になったのではないのか、
その後の人、芥川にも戦争時に蛮行をふるった軍人の事が書かれていた作品があったように記憶しているし、
芥川は自身中国にも行ったりしたけれども、若くして亡くなっている。
日本ではいまだに孫文や魯迅が、世代の高い知識人の方たちを中心に尊敬されているし、
教科書にも魯迅の文章が取り上げられている。
日本の文学と中国とがかなり密接な関係を経てきているのではないか、と思うと同時に、
そうして長く読まれてきた作品の中にある「日本人の蛮行」というものが海外の方たちの印象に強く残って
(あるいは日本人の精神性にも強く影響して)「日本のイメージ」というものが形作られてきた面もあるのではないか、と
不勉強な人間なので、間違っているかもしれませんが、そう思ったりする部分も少しあります。
文豪の方たち、そして今いらっしゃる作家の先生方を私はとても尊敬していますが。


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