司馬遼太郎をあれこれ語る 38巻目at BOOKS
司馬遼太郎をあれこれ語る 38巻目 - 暇つぶし2ch508:無名草子さん
23/03/14 10:08:45.55 .net
『西郷どん』の前に発売された文芸春秋増刊号の『西郷隆盛を知る』に
丸山才一、山崎正和、木村尚三郎の座談会形式で
海音寺の『西郷隆盛』と司馬の『翔びが如く』の読み比べが掲載されている
丸山
自分が下した、明治維新以前の西郷への高い評価と、以後の彼に対する極度に低い評価との間で、
困り抜きながら司馬さんはこの七冊の本を書いた。この本の最大の読みどころは、その司馬さんの困り方です(笑)。
司馬さんには海音寺潮五郎のお国自慢はもちろんなかった。また海音寺的戦前的儒教主義、ないし
倫理主義はなかった。彼はそういうものには目を晦まされずに、日本の転換期としての十年間の真っ只中に、
西郷という近代日本史最大の伝説を置いてそれと堂々と対決をした。その結果、出来あがったものは
傑作とは絶対に言いにくい、歪みの多い本です。けれども、西郷や大久保という人物を通して、われわれの
文明の根本的な性格を探ろうとしている、その誠実な態度は非常に感銘が深い。それは重量挙げの
チャンピオンが晴れの競技会で、新しい記録に挑もうとして渾身の力を振るっているような見ものであります。
とすれば新記録が樹立されたかどうかはそれほど大きな問題ではないでしょう(笑)。


次ページ
続きを表示
1を表示
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch