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ジニのパズルの芥川賞での選評が今さら読むと感慨深い。
URLリンク(prizesworld.com)
宮本輝■「前の三分の一と後の三分の二とで
文体が変わってしまうのが気にいらなかった。
変わるというよりも不揃いといったほうがいいかもしれない。」
「書き手が変わったのかと思うほどの変化を感じて、わたしは推せなかった。」
川上弘美■「いくつものエピソードや主人公の心の内を描いた言葉に対しては、
わたしはさまざまな海外文学の中に描かれているものからの呼び声のようなものを感じてしまいました。」
山田詠美□「文章が荒過ぎる。特に比喩。どうして、こんなにも大仰な擬人化?」
「欠点は山程あるのだ。しかし、パワーもすごくある。書かざるを得ない作者の熱が伝わって来る。」
小川洋子■「『ジニのパズル』の迫力は、飛び抜けた存在感を持っていた。だからこそ、なぜもっと文章に丁寧な神経を遣わないのか、歯がゆかった。」
奥泉光□「構成、文章ともにやや稚拙なところがあって、題材の持つインパクトを別にすると、
小説としての魅力や奥行きはいまひとつかと思ったのだけれど、
なにか不思議な熱、文章の向こうにいる作者の身体が放つエネルギーの波動のごときものが強く感じられて、
本作が受賞作となるなら賛成してもよいと考え」