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発表時、時代とシンクロし、ある世代を象徴する作品となった
大江健三郎の『われらの時代』、石原慎太郎『太陽の季節』。
前者は今も読まれており、現代の視点から見ても色褪せてはいない。
描写された時代は古くとも問題意識は生きているのだ。
後者は名のみ有名ながら、すっかり読まれなくなった。
読んでみても時代錯誤が痛々しい。
作者の死後、完全に忘れられた作品となるだろう。
要は普遍性の問題なのだ。
戦前、あるいは19世紀以前に書かれた小説で今も読まれている作品のことを
考えてみてほしい。
ノスタルジーではなく、普遍性によって読まれているのだ。
他の芸術作品だって同じ。紀元前の作品だって。
本物は古びない。永遠に滅びない。